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230巻9号 2009年8月29日
第5土曜特集最新・自己免疫疾患Update研究と治療の最前線
はじめに
第5土曜特集 最新・自己免疫疾患Update――研究と治療の最前線 はじめに 山本一彦
  自己免疫疾患は“自己との反応とその制御”という免疫学のもっとも根元的な難題にかかわる疾患群であり,いまだに明確なメカニズムの把握と適切な治療法の開発が十分でない領域である.すなわち,難病といわれる疾患が多く含まれている.かって「免疫システムの大筋は解明された」といわれたことがあった.しかし,まだまだわからないことが数多く存在し,現在でも,いままで知られていなかった細胞群と免疫応答における役割,それにかかわる分子・遺伝子などがつぎつぎと明らかにされている.
 しかし,多くの研究の積み重ねと技術的進展により自己免疫疾患の基本的な概念も,時代とともに変わりつつある.また,標的を明確とした生物学的製剤を中心とした新しい治療法の導入はめざましく,臨床の現場ではそれをいかに適切に臨床応用するかが大きな焦点となっている.一方,これらの臨床的な知見は自己免疫疾患におけるあらたな発見を生むことになり,臨床的知見からのあらたな基礎的問題の提起になっている.
 本特集ではこれらの進歩を大きく紹介していただくことを中心とした.病因に関しては,ゲノムの解析が長足の進歩を見せている.ゲノム解析は,従来,遺伝性疾患といわれた疾患群の解析に威力を発揮したが,ありふれた疾患の関連遺伝子の解析は非常に困難であった.しかし,ヒト全ゲノム配列の解読と個人間の塩基の違い,遺伝子多型とその解析技術の進歩で,いまや多くの疾患でその疾患に関係する遺伝子を発見することが可能となっている.個人のすべてのゲノム配列を比較することによる詳細な解析も,近い将来可能になると思われる.疾患との関連が明らかになった遺伝子は原因や増悪に一義的に関与しているものであり,動物モデルにおけるノックアウトマウスのような原因と結果の意味合いを提示している.
 一方,いまだに分からないことの多い免疫システムの全容の解明には,洗練されたマウスの解析が不可欠である.これらの解析から,たとえば自然免疫と獲得免疫のかかわり,新しい T 細胞サブセットなどつぎつぎと新しいことが明らかにされている.しかし,これらの発見はマウスにとどまっているかぎり,実際の疾患への知見に進展することは難しい.
今後,ヒトの免疫学がマウスの免疫学と共同しながら発展充実しなければならない.
 現在,新しい治療薬がつぎつぎに臨床の現場に導入されている.しかし,それらのなかで,根本的な治療法がどれほどあるであろうか.副作用も少なからずあり,感染症を含めた重大なものも多い.したがって,自己免疫疾患の原因を見据えつつ,原因を取り除くか,または患者に必要な免疫応答は保存・維持しつつ,病態を形成する免疫応答のみを抑制することが理想的な治療法と考えられる.これらの新しい治療法の開発は今後とも進めなければならない大きな領域であろう.
目 次
自己免疫疾患の病因――疾患ゲノム解析
ゲノムワイド疾患遺伝子解析の今後:自己免疫疾患――全ゲノムシークエンス技術の導入とシステムバイオロジーとの連結に向かう疾患遺伝子解析……山田亮 詳細
疾患感受性遺伝子の民族差……徳永勝士 詳細
関節リウマチのゲノム解析……高地雄太 詳細
全身性エリテマトーデス疾患感受性遺伝子研究の現況……土屋尚之 詳細
自己免疫性甲状腺疾患――感受性遺伝子群の探索と機能解析……中林一彦・白澤専二 詳細
炎症性腸疾患のゲノム解析……山崎慶子 詳細
川崎病の感受性遺伝子研究……尾内善広 詳細
多発性硬化症のゲノム解析……西澤正豊・河内泉 詳細
自己炎症症候群と遺伝子異常……上松一永 詳細
遺伝子異常による自己免疫(多腺性自己免疫症候群など)……住友秀次 詳細
自己免疫疾患の免疫学
自然免疫系から自己への認識へ……本田賢也 詳細
食細胞による死細胞貪食を介した免疫寛容誘導……三宅靖延・田中正人 詳細
樹状細胞による自己免疫寛容の誘導……川村龍吉・島田眞路 詳細
NKT細胞と自己免疫……宮ア雄生・山村隆 詳細
自己との反応とは(T細胞)……松本満 詳細
自己との反応とは(B細胞)……藤本学 詳細
新しいT細胞サブセットTh17――Th17の分化制御と免疫疾患……吉村昭彦・他 詳細
FoxP3陽性制御性T細胞による免疫制御メカニズム……小野昌弘・坂口志文 詳細
IL-10産生制御性T細胞……岡村僚久 詳細
天疱瘡モデルマウスにおける病的抗体産生を制御するDsg3反応性T細胞の役割……高橋勇人・天谷雅行 詳細
血小板特異的自己抗体……桑名正隆 詳細
核抗原に対する自己抗体……三森経世 詳細
抗リン脂質抗体症侯群の発症機序――最近の話題……小池隆夫・渥美達也 詳細
シトルリン化抗原に対する自己免疫反応……庄田宏文 詳細
臓器特異的自己抗体――Sjögren症候群における抗M3ムスカリン作働性アセチルコリン受容体抗体の病因的意義を中心に……坪井洋人・住田孝之 詳細
抗好中球細胞質抗体(ANCA)……多喜博文 詳細
進展する自己免疫疾患の診療と問題点
関節リウマチ――治癒をめざす治療の新時代へのアプローチ(治療パラダイムシフト)……竹内勤 詳細
SLEの臨床――ループス腎炎の発症時期で分類した新規治療方針……三森明夫 詳細
多発性筋炎・皮膚筋炎の診断と治療……平形道人 詳細
血管炎症候群……山田秀裕・尾崎承一 詳細
炎症性腸疾患(IBD)の克服をめざして――IBDの最新治療と上皮細胞再生による新規治療法開発……土屋輝一郎・渡辺守 詳細
乾癬の病態形成における免疫学的側面と生物学的製剤治療の進展……小寺雅也・佐藤伸一 詳細
Behçet病の治療の進歩――TNF阻害療法のインパクト……廣畑俊成 詳細
多発性硬化症(MS)と視神経脊髄炎(NMO)……中村正史・藤原一男 詳細
自己免疫疾患の将来的な治療戦略
自己免疫疾患に対する粘膜誘導型免疫寛容療法……徳原大介・他 詳細
シグナル伝達分子を標的とした関節リウマチ治療――新規抗リウマチ薬の可能性……山岡邦宏・田中良哉 詳細
サイトカインを標的とした治療……西本憲弘 詳細
ケモカインの免疫疾患への関与と医薬品開発……横地祥司・松島綱治 詳細
接着分子を標的とした治療……上阪等 詳細
免疫担当細胞を標的とした治療……田中良哉 詳細
抗原特異的免疫療法……藤尾圭志 詳細
最新・自己免疫疾患Update
230巻9号 2009年8月29日
週刊(B5判,260頁)
発行時参考価格 5,200円
注文コード:286220
雑誌コード:20475-8/29
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