やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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目でみる嚥下障害 第2版 Web動画付
嚥下内視鏡検査(VE)・嚥下造影検査(VF)の所見を中心として

定価 6,160円 (本体 5,600円+税10%)
  • 総頁数:176頁 / カラー
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2025年6月
  • ISBN978-4-263-26694-6
  • 注文コード:266940

嚥下造影検査(VF)と嚥下内視鏡検査(VE)の解説テキストが待望の改訂!

内容紹介

●嚥下障害の病態を把握して治療方針を立てるためには,VFとVEが大変役に立つ
●本書では,著者らが長年臨床に携わるなかで集めてきたVFとVEの所見を駆使して“みえない嚥下障害”を“目でみえる”ようにわかりやすく解説した
●Web動画152本,カラー画像332点を収載
●テキストとWeb動画を併用することで,より理解を深められる

序文

第2版の序文
 嚥下障害は難しいといわれるが,その原因のひとつは,嚥下の様子―特に嚥下反射によって食塊が咽頭を通過して,食道から胃へ送られる様子―が外からみえないことに起因している.みえない嚥下をみえるようにする方法が,嚥下造影検査(VF)と嚥下内視鏡検査(VE)である.嚥下障害の病態を把握して治療方針を立てるためには,VFとVEが大変役に立つ.
 筆者らは1998年に医歯薬出版から『嚥下障害ビデオシリーズ』を出版し,そのなかの第1巻は「嚥下の内視鏡検査」であった.その後,2001年には第7巻として「嚥下造影と摂食訓練」を出し,好評で増刷を重ねた(現在は絶版).最近は多くの病院や施設でVFやVEが行われるようになり,VEは在宅でも行われ,学会や研究会でもVF,VE動画が頻繁に登場するし,実際の検査画像をご覧になっている方も多いと思われる.しかしながら,VFやVEのみるべきポイントや興味ある所見を解説した本は多くない.本書は2006年にポケットサイズ・DVD付きで出版され,いまだに愛読され教科書にも採用されている.一方で,最近の新たな知見を反映できていないこともあり,ややもどかしさも感じていた.皆様の要望もあり,このたびサイズも変更して全面改訂を行うこととなった.1人での作業は極めて大変であり,言語聴覚士の岡本圭史君とリハビリテーション科医の重松 孝先生,國枝顕二郎先生の力も得ての改訂である.
 本書は筆者らが長年臨床に携わるなかで集めてきたVFとVEの所見を駆使して,みえない嚥下を目でみえるように解説を試みたものである.テキストを読むだけでも,またWeb動画をみるだけでもわかるように構成してあるが,両者を併用していただければより理解が深まると思う.映像の大半は筆者ら自身が直接関与したものである.また,多くの症例に当院の嚥下チームが一体となって治療に携わっている.その意味では嚥下チームのメンバー全員が本書を支えてくれているといえる.初版の本文は2003年に『Journal of Clinical Rehabilitation(臨床リハ)』に連載された「嚥下障害の評価―内視鏡を中心に」を核としてまとめたものである.今回は新たな章も追加して大幅に改訂した.臨床や研究のお役に立てれば幸いである.

 謝辞
  本書,特に動画の作成にあたり,浜松市リハビリテーション病院の倉田(中道)遙花さん,髙崎(小杉)悠歌さん,高橋 妙さん,田中直美さんには多大なご尽力をいただきました.また,聖隷嚥下チームのスタッフ(現,元)にも数多くご協力いただきました.皆様の協力なしには本書を完成させることはできませんでした.ここに感謝の意を表します.

 2025年5月
 浜松市リハビリテーション病院 特別顧問 藤島一郎


初版の序文
 嚥下障害は難しいといわれるがその原因のひとつは,嚥下の様子―特に嚥下反射によって食塊が咽頭を通過して,食道から胃へ送られる様子―が外からみえないことに起因している.見えない嚥下を見えるようにする方法が嚥下造影(VF)と嚥下内視鏡(VE)である.嚥下障害の病態を把握して,治療方針をたてるためにはVFとVEが大変役に立つ.筆者らは1998年に医歯薬出版から『嚥下障害ビデオシリーズ』を出版し,そのなかの第1巻は「嚥下の内視鏡検査」であった.その後,2001年には第7巻として「嚥下造影と摂食訓練」を出し,好評で増刷を重ねている.最近は多くの施設でVFやVEが行われるようになり,実際の検査画像をご覧になっている方も多いと思われる.しかしながらVFやVEのみるべきポイントや興味ある所見を解説した本は少ない.
 本書は『嚥下障害ビデオシリーズ』では十分活用できなかった画像を中心に,筆者が長年臨床に携わるなかで集めてきたVFとVEの所見を駆使して,見えない嚥下を目で見えるように解説を試みたものである.テキストを読むだけでも,またDVDをみるだけでもわかるように構成してあるが,両者を併用していただければより理解が深まると思う.映像の大半は筆者自身が直接関与したものであるが,一部当院のメンバーが撮影したものを使用させていただいた.また,多くの症例は当院の嚥下チームが一体となって治療に携わっている.その意味では嚥下チームのメンバー全員が本書を支えてくれているといえる.特に大野友久先生にはPLPの写真提供とともにDVDにつき貴重なご助言をいただいた.また片桐伯真先生,黒田百合先生,北條京子さんはじめ当院STメンバーにはDVDを通してみてご意見をいただいた.またフットワークよく本書制作を推進して下さった医歯薬出版の皆様の協力なしに本書は完成できなかった.この場を借りて感謝申し上げます.
 本文は2003年に『Journal of Clinical Rehabilitation(臨床リハ)』に連載された「嚥下障害の評価―内視鏡を中心に」 1-6)を核としてまとめたものである.第1章と第8章は新たに書き下ろしてある.連載当初より成書としてまとめるように依頼があったが,多忙にかまけてのびのびになっていた.DVDが付属する本は表紙裏などにディスクが貼り付けてあるが,筆者の経験では使い勝手が悪い.そこで思い切ってディスクと本を別にしていただいた.そのおかげで本のサイズを自由に決めることができ,『嚥下障害ポケットマニュアル』と同じサイズになった *.どこへでも持ち運びが便利な本書で,嚥下障害への理解が深まり,少しでも臨床や研究のお役に立てば幸いである.

 1)藤島一郎:嚥下障害の評価―内視鏡を中心に.第1回 内視鏡による基本所見.臨床リハ12(1):4-7,2003.
 2)藤島一郎,薛 克良:嚥下障害の評価―内視鏡を中心に.第2回 偽性(仮性)球麻痺の評価.臨床リハ12(2):102-105,2003.
 3)藤島一郎,薛 克良:嚥下障害の評価―内視鏡を中心に.第3回 球麻痺の評価.臨床リハ12(3):194-197,2003.
 4)藤島一郎,薛 克良,稲生 綾:嚥下障害の評価―内視鏡を中心に.第4回 咽頭残留の評価.臨床リハ12(4):292-295,2003.
 5)藤島一郎,薛 克良,高橋博達,稲生 綾:嚥下障害の評価―内視鏡を中心に.第5回 誤嚥・喉頭侵入の評価.臨床リハ12(5):384-387,2003.
 6)藤島一郎,薛 克良,稲生 綾,高橋博達:嚥下障害の評価―内視鏡を中心に.第6回 種々の所見.臨床リハ12(6):480-483,2003.

 聖隷三方原病院リハビリテーションセンター長
 藤島一郎
 2006年7月 浜松にて

 * 追記
  2010年の診療報酬改定で嚥下造影および嚥下内視鏡(内視鏡下嚥下機能検査)が認められ,ますますこの分野の発展が期待される.
  (当時)浜松市リハビリテーション病院 病院長 2010年12月

目次

 第2版の序文
 初版の序文
 Web動画の視聴方法
第1章 嚥下造影検査と嚥下内視鏡検査
 1 嚥下造影検査と嚥下内視鏡検査
 2 嚥下造影検査(VF)
  Column(1) 誤嚥性肺炎対策としての酒石酸ネブライザー「CiTA(Cough-Inducing Method Using a Tartaric Acid Nebulizer)」
 3 嚥下内視鏡検査(VE)
  Column(2) ファイバーの悪い持ち方と破損
  Column(3) VF画像の向き
第2章 解剖,嚥下のメカニズム
 1 咽頭・喉頭の構造
 2 鼻咽頭閉鎖
  Column VEと麻酔―外国人の鼻は大きい?
 3 舌根部の動きと咽頭収縮
 4 呼吸時の所見
 5 嚥下時の所見
第3章 誤嚥・侵入
 1 唾液・分泌物の誤嚥・侵入
 2 ごく少量の誤嚥・侵入
 3 誤嚥物のみえる範囲,誤嚥量,深さ
 4 誤嚥のタイミング
 5 誤嚥物の喀出
第4章 咽頭残留
 1 咽頭全体に広がる残留
 2 VEの咽頭残留に対する感度と問題点
 3 咽頭残留の分類
 4 プリンの残留
 5 粥の残留
 6 液状食品の残留
 7 分泌物の貯留と咽頭の汚染
 8 咽頭残留量の評価
 9 咽頭残留を確認する意義
  Column VF,VEができないとき
第5章 PAS,兵頭スコア
 1 喉頭侵入・誤嚥の重症度スケール(Penetration-Aspiration Scale:PAS)
 2 兵頭スコア
  Column(1) The Dynamic Imaging Grade of Swallowing Toxicity(DIGEST)
  Column(2) DIGEST-FEES
  Column(3) VF,VEで誤嚥や残留がないのに肺炎になる症例
第6章 偽性球麻痺
 1 偽性球麻痺:舌の運動障害
 2 偽性球麻痺:咽頭への送り込み障害
 3 偽性球麻痺:誤嚥・侵入
 4 偽性球麻痺:咽頭残留
 5 偽性球麻痺:ゼラチンゼリーの丸飲み
 6 偽性球麻痺:唾液貯留と横向き嚥下
 7 偽性球麻痺:急性期の咽頭とチューブ
 8 偽性球麻痺:著明に汚染された咽頭
第7章 球麻痺
 1 ワレンベルグ症候群:鼻咽頭閉鎖不全
 2 ワレンベルグ症候群:下咽頭の所見
 3 ワレンベルグ症候群:披裂・声帯の動き
  Column(1) 球麻痺患者と唾液
 4 ワレンベルグ症候群:嚥下時の咽頭収縮
 5 ワレンベルグ症候群:輪状咽頭筋のイメージ
  Column(2) Passavant隆起は本当にあるか?
 6 ワレンベルグ症候群:重度球麻痺患者の重力を利用した落とし込みによる嚥下
 7 バキューム嚥下
 8 prolonged swallowing
 9 喉頭気管分離術
第8章 リハビリテーション手技,種々の所見
 1 鼻腔内の出血と汚染
 2 咽頭後壁の陥凹
 3 咽頭の汚染
 4 頸部回旋による食塊通過
 5 チューブの問題
 6 軟口蓋挙上装置の効果
 7 舌接触補助床(Palatal Augmentation Prosthesis:PAP)
 8 イー嚥下
 9 鼻つまみ嚥下
 10 カクカク嚥下
 11 とろみシャーベット
 12 発泡剤
 13 声門閉鎖不全と声帯内転術
 14 著明な骨増殖による嚥下障害
 15 気管食道瘻
 16 カニューレのゆがみとワンウェイバルブ(one way valve)
  Columnワンウェイバルブ(one way valve)
 17 腫瘍
 18 食道評価
 19 錠剤(模擬薬)の残留
 20 チューブの挿入
 21 笑いは大変よい嚥下訓練
 22 頬杖嚥下
第9章 症例紹介
 1 症例1 偽性球麻痺
 2 症例2 球麻痺
 3 症例3 偽性球麻痺・球麻痺合併例
  Column摂食嚥下障害患者の摂食状況の評価

 索引

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【監修者略歴】
藤島一郎【ふじしまいちろう】
博士(医学)
 1975年 東京大学農学部林学科卒業
 1982年 浜松医科大学医学部医学科卒業
 同 年 浜松医科大学医学部附属病院脳神経外科医員(研修医)
 1988年 東京大学医学部附属病院リハビリテーション部医員
 1989年 聖隷三方原病院理学診療科医長
 2002年 聖隷三方原病院リハビリテーションセンター長(部長)
 2008年 浜松市リハビリテーション病院院長
 2023年 浜松市リハビリテーション病院特別顧問 現在に至る
所属学会・他
 日本嚥下医学会(顧問,嚥下相談医,『嚥下医学』編集特別顧問),日本摂食嚥下リハビリテーション学会(評議員,認定士),日本臨床倫理学会(理事,上級臨床倫理認定士),日本リハビリテーション医学会(代議員,指導医,専門医),日本脳神経外科学会(専門医)
 浜松医科大学臨床教授,聖隷クリストファー大学臨床教授
 2008年 若月賞受賞など

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藤島一郎 監修・著/岡本圭史・國枝顕二郎・重松孝 著