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27巻13号 2018年12月号
特集 生活期リハビリテーションの現況と課題
特集にあたって
 急性期および回復期のリハビリテーション(以下リハ)は広く行われるようになってきた.回復期後はかつて「維持期」といわれたが,現在は「生活期」の呼称が用いられている.地域包括ケアの推進が期待される時代となり, 生活期におけるリハ医療が重要となったが,いまだ充実しているとはいえない.生活期における医師の関与の重要性が指摘されおり,公益社団法人日本リハビリテーション医学会の全面支援にて, 同医学会のサブスペシャリティ的立場の学術団体として, 医師の教育を主目的とした「一般社団法人 日本生活期リハビリテーション医学会」が新たに設立された.そこで,今回生活期リハの現況と課題について特集として取り上げ,この分野で活躍され,造詣が深い先生方にリハ科医の役割を含めて執筆をお願いした.
 わが国は急速な勢いで高齢化が進み,団塊世代が75歳を迎える2025年には高齢化率が30%になると予想される.地域包括ケアシステムは,厚生労働省が2025年を目安に,可能な限り住み慣れた場所で,自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように施策した制度である.地域リハの理念は地域包括ケアシステムの考え方に極めて類似しており,地域包括ケアシステムにおいて,リハ医療は重要であり,各領域との連携が必要である.介護老人保健施設において,リハ専門職の複数配置が常態化してきており,リハ医療が行われているが,まだ十分とはいえない.医療介護のリハ専門職間での伝達や連携にも問題がある.生活期におけるリハ科医の役割は,リハ医療だけでなく,地域の多職種チームや実施医家との連携のハブとなり活躍することである.
 生活期でのリハ科医にとって,リハ医療が安全に継続できるように支援することは重要な役割の一つである.リハの対象疾患の再発や悪化だけでなく,併存疾患の悪化にも注意する.薬剤による有害事象,転倒等に注意するために,内服薬の把握や転倒の予防対策が重要である.ハイリスク患者には,強い運動負荷を避けたリハプログラムを実施する.状態変化や事故等の対応を速やかに行えるシステムの構築,適切な対応を実施できる人材育成が必要である.
 急性期・回復期のリハは,機能障害やADLの改善を目的に短期間で成果をあげることを目標とした量的なアプローチであるが,生活期リハは,活動・参加へのアプローチも有する個別性を重視した質的なアプローチといえる.生活期の評価には,ICFの項目数を疾患別に絞ったICFコアセットの使用が拡がりつつある.生活期では,患者本人による主体的な目標設定を重視すべきである.
 肺炎は日本人の死因第3位であり,その多くが誤嚥性肺炎である.このため生活期における嚥下障害の評価や対応は重要である.嚥下障害評価を効率的に行うには,ポータブル内視鏡による診察が有効である.また,口腔期障害も多く,歯科による口腔評価も重要となる.安全な経口摂取を計画することが重要であり,十分な栄養摂取ができない場合は,胃瘻等を早々に検討する.
 今回の特集は,生活期リハを理解するのに有益な情報になったと思う.多くの医師やメディカルスタッフが生活期に関心をもち,今後ますます重要となるだろう生活期リハに取り組むことを期待する.(編集委員会)
目 次
地域包括ケアシステムとは  川手信行
生活期のリハビリテーションシステム  堀田富士子
生活期合併症とリスク管理  高橋紀代
生活期リハビリテーションの評価と効果  大西康史
生活期の嚥下の評価とリハビリテーション  福村直毅
連載
巻頭カラー  医療職に知ってもらいたい 移動・移乗補助用具 
6.移動用の小物(グローブ,ハンドリムグリップ)  佐々木貴,辻村和見・他 
現場で生かせるExcelシート付き! リハビリテーション自主トレーニング指導 
3. 脳血管疾患 下肢―回復期での自主トレーニング―  星野高志 
最近の人工関節置換術と術後のリハビリテーション 
5.リバース型人工肩関節置換術  渡海守人,菅谷啓之 
リハビリテーション医療が支える障がい者スポーツ―現状と課題 
6.障害とスポーツの現状D
脳卒中者がスポーツをする際の注意点  山本満,藤本幹雄 
包括的リハビリテーション医療の構成要素としての栄養療法―リハビリテーション科医が知っておくべき基本知識 
4.慢性腎臓病と栄養療法  菅野義彦 
医療的ケア児・重症心身障害児(者)への在宅地域生活支援 
6.呼吸・嚥下・消化管障害関連の医療的ケアの実際  山口直人 
ニューカマー リハ科専門医 
  今井由里恵 
歴史への誘惑 
最終回 健康観の変遷  江藤文夫 
心に残ったできごと―リハビリテーション科の現場から 
心に残った症例―笑顔を支えるもの―  稲川利光 

TOPICS 
外国語様アクセント症候群(FAS)  東山雄一田中章景
臨床経験 
多系統萎縮症による握りこぶし状変形に対してボツリヌス療法が有効であった一例  神谷武志,浅見晴美・他
生活期リハビリテーションの現況と課題
27巻13号 2018年12月15日
月刊(B5判,100頁)
発行時参考価格 2,400円
注文コード:082713
雑誌コード:03297-12
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