序文
超高齢社会の進展にともない,臨床栄養のパラダイムは劇的な転換点を迎えている.高齢者の栄養ケアは,単なる栄養不足の補正に留まらず,加齢にともなうアナボリックレジスタンス,体組成の変化,慢性疾患や入院イベント,ポリファーマシー,社会的脆弱性などが複雑に絡み合い,評価と介入の標準化を困難にしている.加えて,体組成評価法の進歩,腸内細菌叢と筋肉の関連性の解明,デジタルヘルス技術の台頭など,「老年栄養」という新しい領域を取り巻く知見は近年急速に拡大・更新されている.一方で,臨床現場では指標の選択と解釈が属人的となりやすく,多職種によるチーム医療や地域連携における共通言語・共通基盤もいまだ脆弱であるのが実情である.
本書は,こうした背景を踏まえ,「老年栄養」という新しい領域の最新知見を体系的に整理し,臨床現場で活用可能な現時点での実践的知識を集約した.Part 1では老年栄養の概念的枠組みを提示し,Part 2以降では体組成評価,食事療法,マッスルヘルス,栄養状態増悪要因,デジタルヘルスと,基礎から応用まで網羅的に解説する.各章は当該分野の第一線で活躍する専門家が執筆しており,最新のエビデンスに基づきながらも明日からの臨床実践に直結する内容となっている.本書が高齢者の栄養ケアに携わるすべての医療従事者にとって,知識の深化と日々の実践の向上に資する一冊となることを心より願っている.
前田圭介(愛知医科大学 栄養治療支援センター)
超高齢社会の進展にともない,臨床栄養のパラダイムは劇的な転換点を迎えている.高齢者の栄養ケアは,単なる栄養不足の補正に留まらず,加齢にともなうアナボリックレジスタンス,体組成の変化,慢性疾患や入院イベント,ポリファーマシー,社会的脆弱性などが複雑に絡み合い,評価と介入の標準化を困難にしている.加えて,体組成評価法の進歩,腸内細菌叢と筋肉の関連性の解明,デジタルヘルス技術の台頭など,「老年栄養」という新しい領域を取り巻く知見は近年急速に拡大・更新されている.一方で,臨床現場では指標の選択と解釈が属人的となりやすく,多職種によるチーム医療や地域連携における共通言語・共通基盤もいまだ脆弱であるのが実情である.
本書は,こうした背景を踏まえ,「老年栄養」という新しい領域の最新知見を体系的に整理し,臨床現場で活用可能な現時点での実践的知識を集約した.Part 1では老年栄養の概念的枠組みを提示し,Part 2以降では体組成評価,食事療法,マッスルヘルス,栄養状態増悪要因,デジタルヘルスと,基礎から応用まで網羅的に解説する.各章は当該分野の第一線で活躍する専門家が執筆しており,最新のエビデンスに基づきながらも明日からの臨床実践に直結する内容となっている.本書が高齢者の栄養ケアに携わるすべての医療従事者にとって,知識の深化と日々の実践の向上に資する一冊となることを心より願っている.
前田圭介(愛知医科大学 栄養治療支援センター)
序文(前田圭介)
Part 1 老年栄養の概念と枠組み
臨床栄養の定義(前田圭介)
高齢者特有の栄養問題(葛谷雅文)
アナボリックレジスタンスと体組成変化(森 直治)
高齢者における慢性疾患の食事療法(西條 豪)
Part 2 体組成評価
DXA法の原理と高齢者の体組成(畑中 翔・山田陽介)
BIA法を用いた体液量・筋量評価(高木咲穂子)
BIVAの理解を深める測定原理と将来像 (山田苑子・重田萌々花・和泉優奈・阪上 浩・野村和弘)
身体診察による筋量減少評価(中西信人)
肥満とサルコペニア肥満の診断および介入(石井好二郎)
Part 3 食事療法
高齢者のための時間栄養学(木下かほり)
高齢者のための油脂栄養学(岡田希和子)
高齢者のための食物繊維のすすめ(内山和彦・高木智久)
高齢者のための微量栄養素サプリメント(久保 明)
高齢者のための水分・電解質(宮島 功)
高齢者のためのONS(井田 智)
Part 4 マッスルヘルス
腸内細菌とマッスルヘルス(浅岡大介)
HMBと筋タンパク合成促進(吉村芳弘)
骨格筋の質を評価する手法(山田 実)
悪液質研究の最前線―診断から治療開始までの「空白」を「準備期間」へ変える(勝島詩恵)
骨粗鬆症とマッスルヘルス(井上達朗)
ポリファーマシーとマッスルヘルス(松本彩加)
周術期におけるマッスルヘルス(斎野容子)
Part 5 栄養状態増悪要因
社会的側面が関与する栄養問題(藤原 大)
ポリファーマシーが関与する栄養問題(中道真理子)
認知機能低下が関与する栄養問題(田中志子)
入院イベントが関与する栄養問題(森 みさ子)
慢性疾患が関与する栄養問題(宇野千晴)
医療・ケア水準が関与する栄養問題(上島順子)
Part 6 デジタルヘルス
デジタルヘルスとは(中窪 翔)
高齢者におけるデジタルデバイド(片山 脩)
サルコペニア・フレイルに関するデジタルヘルス(佐竹昭介)
デジタルヘルスと栄養・食事管理の新たな展開(森 博康)
運動とデジタルヘルス(田平健人・牧迫飛雄馬)
在宅栄養を支えるICTが促進するコミュニケーション(藤村真依)
モニタリング・バイオフィードバックが促進する栄養療法(辻下守弘)
Part 1 老年栄養の概念と枠組み
臨床栄養の定義(前田圭介)
高齢者特有の栄養問題(葛谷雅文)
アナボリックレジスタンスと体組成変化(森 直治)
高齢者における慢性疾患の食事療法(西條 豪)
Part 2 体組成評価
DXA法の原理と高齢者の体組成(畑中 翔・山田陽介)
BIA法を用いた体液量・筋量評価(高木咲穂子)
BIVAの理解を深める測定原理と将来像 (山田苑子・重田萌々花・和泉優奈・阪上 浩・野村和弘)
身体診察による筋量減少評価(中西信人)
肥満とサルコペニア肥満の診断および介入(石井好二郎)
Part 3 食事療法
高齢者のための時間栄養学(木下かほり)
高齢者のための油脂栄養学(岡田希和子)
高齢者のための食物繊維のすすめ(内山和彦・高木智久)
高齢者のための微量栄養素サプリメント(久保 明)
高齢者のための水分・電解質(宮島 功)
高齢者のためのONS(井田 智)
Part 4 マッスルヘルス
腸内細菌とマッスルヘルス(浅岡大介)
HMBと筋タンパク合成促進(吉村芳弘)
骨格筋の質を評価する手法(山田 実)
悪液質研究の最前線―診断から治療開始までの「空白」を「準備期間」へ変える(勝島詩恵)
骨粗鬆症とマッスルヘルス(井上達朗)
ポリファーマシーとマッスルヘルス(松本彩加)
周術期におけるマッスルヘルス(斎野容子)
Part 5 栄養状態増悪要因
社会的側面が関与する栄養問題(藤原 大)
ポリファーマシーが関与する栄養問題(中道真理子)
認知機能低下が関与する栄養問題(田中志子)
入院イベントが関与する栄養問題(森 みさ子)
慢性疾患が関与する栄養問題(宇野千晴)
医療・ケア水準が関与する栄養問題(上島順子)
Part 6 デジタルヘルス
デジタルヘルスとは(中窪 翔)
高齢者におけるデジタルデバイド(片山 脩)
サルコペニア・フレイルに関するデジタルヘルス(佐竹昭介)
デジタルヘルスと栄養・食事管理の新たな展開(森 博康)
運動とデジタルヘルス(田平健人・牧迫飛雄馬)
在宅栄養を支えるICTが促進するコミュニケーション(藤村真依)
モニタリング・バイオフィードバックが促進する栄養療法(辻下守弘)















