やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

改訂(第4版)の序
 1983年に「予防歯科学」(島田義弘編)が出版されて四半世紀余りが過ぎた.その「予防歯科学」の流れを継いで1993年に「新予防歯科学」(岡田昭五郎他編)が出版され版を重ね,このたび第4版を上梓することとなった.「予防歯科学」初版の目次と「新予防歯科学」第4版の目次を見比べると感慨深いものがある.そこには社会の変遷と学問の進歩を読み取ることができる.人生50年といわれていた第二次世界大戦直後に誰が「8020」を想像したであろうか.我が国における平均寿命の延長と疾病構造の変化,国境を越えたグローバル化は,歯科保健への新たなニーズを掘り起こすとともに,予防歯科学の学問体系にも大きな影響を及ぼした.
 今回の改訂では,2007年に出された「歯科医学教授要綱」,2008年度の「歯学教育モデル教育内容ガイドライン」,2010年版の「歯科医師国家試験出題基準」を考慮し,新進気鋭の執筆陣も加わり,最新のエビデンスを基に現状で最高の内容になったと自負している.
 なお,「新予防歯科学」になって,保健制度などの変わりやすさに対応するため,上巻を個人予防歯科,下巻を公衆歯科衛生として上下2巻としていたものを,第4版ではふたたび1冊にまとめた.予防歯科学の進歩はめざましく,あえて「個人」と「公衆衛生」とに分ける必要がなくなったとの判断からである.
 歯科疾患実態調査によると若年者を中心に齲蝕は減少し,高齢になっても自分の歯が多く残るようになってきており,国民の歯科保健状態は改善傾向にある.人類の叡知を信じればこのことは必然とも言える.
 本書は歯科大学,歯学部の学生の教科書として編纂したものであるが,国民の健康志向が高まるとともに,近年,歯科保健と全身の健康との関連性が明らかになってきており,歯科学生のみならず多くの保健医療関係者の方々にも愛読していただければ幸いである.
 2010年3月
 編者代表 米満正美

改訂(第3版)の序
 1975年に東京医科歯科大学歯学部,大阪大学歯学部の口腔衛生学講座が予防歯科学講座に名称変更され,それ以降開設された国立大学歯学部に予防歯科学講座が設置された.それらの大学で使用する教科書として,1983年に医歯薬出版より「予防歯科学」(島田義弘編)が出版されて20年になる.1993年に「新予防歯科学」として改訂され版を重ねて今日に至っているが,「10年一昔」のとおり社会は大きく変化し,この度の大幅な改訂となった.
 大学によって口腔衛生学,予防歯科学など名称は異なるがその教育内容に大きな違いはない.一部の私立大学,公立大学でも予防歯科学講座を標榜するようになったが,1990年代後半になると大学改革により講座名も複雑多岐となり,特に国立大学では予防歯科学という名称を用いる大学は少なくなり今日に至っている.しかし,「人類の願いが病から免れ,幸福なうちに一生を全うすることである」とすれば,口腔衛生学,予防歯科学の足下は揺るぎようもなく,名称はどうであれその学問体系は引き継がれていくものである.
 齲蝕の洪水時代であった1970年代と比べると国民の歯科保健に対する意識は格段に向上し,歯科保健状況も好転してきた.「8020運動」の継続とともに,21世紀の健康づくり運動である「健康日本21」の項目に「歯の健康」が取り入れられ,またその法的裏付けとして「健康増進法」が施行された.一方,歯科医学教育においては歯科医師の質的向上を目指して,コアカリキュラムの導入とそれに伴う共用試験(CBTとOSCE)の本格導入が目前に迫っている.
 本書は,このような背景を踏まえ,編纂したものである.近年,EBM(Evidence based medicine)が叫ばれるなか,最新の確かな知見をもとに執筆した.生活習慣が歯科疾患の発症に大きく関与していることから「行動科学と歯科疾患」を,さらに歯科保健の国際化が今後ますます盛んになることから「国際歯科保健」の章をそれぞれ新たに追加した.また,学生諸君,読者が理解しやすいように各章の冒頭に章の「まとめ」を示した.
 本書が歯学部学生をはじめ多くの方に活用され,わが国の歯科保健の向上に少しでも役立つことを願っている.
 2003年10月
 編者代表 米満正美

改訂(第2版)の序
 1993年秋に「新予防歯科学」を発刊して約2年半になった.予想以上に多くの読者に恵まれて,編者一同うれしく思っている.
 近年,公衆衛生の分野で地域保健対策の強化を図るための種々の法令が整備され,1997年度からの実施に向けて着々と準備がすすめられている.また,1993年に実施された歯科疾患実態調査の詳細な結果が1995年に公表された.さらに,学校保健法施行規則の一部が改正され,本書の下巻では,大幅な改訂を余儀なくされる部分が多数出てきた.その他,毎年発表される歯科保健に関連のある数値は新しい数値に差し替えるべきであることなどの事情で,初版を発行してからわずかの期間であるが,このたび第2版を発行することとなった次第である.
 1994年は口腔保健年といわれた.WHOは4月7日の世界保健デーの標語を「Oral Health for Healthy Life(健やかな生活は口腔保健から)」とし,各国で口腔保健の向上を図るための催しが行われた.わが国でも8020達成に向けて世界口腔保健学術大会などいろいろな行事が行われた.
 歯科疾患は自然治癒ということが困難な疾患で,生活習慣とつながりの深い疾患である.1993年に実施された歯科疾患実態調査の結果では,国民の歯科保健状態は徐々によい方向に推移しているが,まだ大幅な改善がみられるというほどではない.一方,わが国の人口は年々高齢者の増加が伝えられている.近年は,平均寿命も女性が80歳を超え,男性も80歳に近づいている.しかし歯の平均寿命は,もっとも長い歯でも約60年で,50年以下の歯もある現状である.これからの医療は単なる治療だけでなく,予防的措置やリハビリテーションも含まれた医療が行われることになる.また,地域歯科保健活動は地域特性をふまえて,地域住民のニーズに応えるべく,福祉と一体となってきめ細かく展開することをねらいとして計画が作成されつつある.
 WHOとFDIが2000年に向けて掲げた目標達成の期限も目の前に迫ってきている.本書がわが国の国民の口腔保健の目標達成に貢献してくれることを願うものである.
 1996年3月
 編者代表 岡田昭五郎


 わが国は太平洋戦争後の高度な経済的発展の時期に,こどもたちのう歯が著しく増加した.近年先進諸国では,こどもたちのう歯が顕著に減少していると報告されており,現在では発展途上国のう歯の増加が懸念されている.このようななかでわが国では,戦後に増加したう歯がまだ目立った減少を示さず,21世紀に向けてう歯の予防にもなお一層の努力が必要であるといわれている.
 わが国では口腔衛生学という成書が多数出版されているが,予防歯科学という本は島田義弘編『予防歯科学』が1983年医歯薬出版株式会社から出版されたのがはじめてである.この本は当初,全国の11国立大学歯学部の予防歯科学書として計画刊行されたものであるが,内容は歯学教授要綱の口腔衛生学に準拠して編集されたものである.
 全国の大学歯学部あるいは歯科大学で教育される口腔保健に関する教科は,各大学の事情もあって予防歯科学あるいは口腔衛生学という名称が使われており統一されていないが,教育される内容には大きな違いはない.
 本書は,将来の歯科医師をめざして学ぶ学生諸君の参考書として広く活用されることを考慮し,歯学教授要綱や歯科医師国家試験出題基準を参考にして,近年の歯科医学の進歩,わが国における歯科疾患の罹患状況や国民の口腔保健に対するニーズ,改正された公衆衛生的施策等,最新の口腔保健に関する情報を集約して盛り込んで編集した.著者には国公私立大学で予防歯科学あるいは口腔衛生学の教育にあたっている方々に執筆を依頼した.年々進歩する口腔保健に関する研究の成果を限りある紙面に集成するために,本書は上下2巻に分け,図や表を多用するように配慮して編集した.
 本書は1991年に出版が企画され,1993年春には刊行する予定であったが,種々の事情で出版が遅れご迷惑をおかけすることになった.編者の不行き届きの段,深くお詫びいたします.
 わが国は世界に類をみない早さで高齢化社会を迎えつつある.国民の一人ひとりが健康な生活を送り,健康な老後を迎えるためにさまざまな対策が立てられ,少しずつ実行に移されている.生涯を通じた健康づくりとして,健康診査の充実と保健指導が行われており,わが国の口腔保健は具体的目標として“8020”を掲げている.この目標を一日も早く,よく多くの人が達成できるようにするためにも,歯科医療関係者は患者のみならず,一般の人々に対しても折りに触れて口腔保健に対する正しい知識の普及とよい習慣を身につけた生活に努めるように呼びかけてゆくべきである.
 WHOとFDIが2000年をめどに掲げた目標の達成期限も目前に迫ってきている.この目標をいくつ達成することができるかも,わが国の歯科医師たちの努力にかかっているといえよう.本書がわが国の口腔保健目標の達成に貢献してくれることも願うものである.
 1993年7月
 編者代表 岡田昭五郎
第1章 序論(米満正美)
 1 健康と予防歯科学
  1)健康とはなにか
  2)予防歯科学とは
  3)予防歯科学の歴史
 2 歯科疾患の特徴と予防の必要性
  1)歯科疾患の特徴
  2)歯科疾患と全身の健康
 3 疾病の自然史と予防のレベル
  1)齲蝕の自然史と予防
  2)歯周疾患の自然史と予防
  3)口腔機能のリハビリテーション
  4)障害者に対する予防の基本的な考え方
 4 歯科医師と予防歯科学
  1)患者の尊厳
  2)医の倫理
  3)歯科医師の責務
  4)インフォームドコンセント
  5)歯科医療における安全性への配慮と危機管理
第2章 歯,口腔の発育発達と加齢変化
 1 歯,口の形成と発育発達(本多丘人)
  1)顎顔面の成長発育の基本過程
  2)歯の発生
  3)歯の石灰化時期
  4)歯の萌出時期
  5)口腔機能の発達
 2 歯,口の形成異常
  1)口,顎顔面の形成不全
  2)小帯の異常
  3)歯数の異常
  4)歯の形態異常
  5)歯の形成不全
  6)歯の色の異常
 3 歯,口の機能(於保孝彦)
  1)咀嚼
  2)発音と会話
  3)表情と審美性
  4)味覚
  5)唾液の役割
 4 口の機能を正常に保つための条件
  1)歯および歯周組織
  2)咀嚼筋
  3)顎関節
  4)咬合
  5)口腔顔面領域の体性感覚23
 5 口腔領域の加齢変化(本多丘人)
  1)歯
  2)歯髄
  3)セメント質
  4)歯肉
  5)歯槽骨
  6)唾液腺
  7)顎骨と顎関節
  8)口腔の運動機能
  9)口腔感覚
  10)高齢者の口腔内にみられる特徴
第3章 口腔の不潔物とプラークコントロール
 1 はじめに(安細敏弘)
 2 獲得被膜(ペリクル)(吉田明弘)
 3 歯垢(デンタルプラーク)
  1)歯垢の構造と機能
  2)歯垢の形成機序
  3)歯垢の病原性
 4 歯石(安細敏弘)
  1)歯石の化学組成
  2)歯石の形成機序
  3)歯石の為害作用
  4)歯石形成阻害剤
  5)歯石形成と齲蝕・歯周疾患との関係
 5 舌苔(粟野秀慈)
 6 着色沈着物
  1)外来性着色沈着物
  2)内因性着色沈着物(歯質の着色)
 7 口腔の自浄作用
  1)歯面の自浄性
  2)口腔粘膜の自浄性
  3)清掃性食品と停滞性食品
 8 プラークコントロール(齋藤俊行)
  1)プラークコントロールの定義
  2)プラークコントロールの種類
 9 物理的プラークコントロール
  1)セルフケアとしてのプラークコントロール
  2)PMTC
  3)自浄作用によるプラークコントロール
 10 化学的プラークコントロール
  1)薬剤によるコントロール
  2)免疫学的コントロール
  3)食生活によるコントロール
 11 歯磨剤
  1)歯磨剤の分類
  2)歯磨剤の組成
第4章 齲蝕とその予防
 1 齲蝕の定義(花田信弘・井上昌一)
  1)齲蝕の進行
  2)齲蝕の病因論
 2 齲蝕の発症要因
  1)宿主と歯の要因(個体要因)
  2)微生物の要因(病原要因)
  3)飲食物の要因(環境要因)
  4)時間の要因(環境要因)
  5)生活環境の要因(環境要因)
 3 齲蝕のリスク診断(花田信弘・伊藤博夫)
  1)歯・宿主の要因に関するリスク診断
  2)微生物の要因に関するリスク診断
  3)飲食物と時間の要因に関するリスク診断
  4)その他の重要な齲蝕要因に関するリスク診断
  5)唾液検査(齲蝕活動性試験)
  6)齲蝕ハイリスク者の診断
 4 齲蝕の予防(伊藤博夫)
  1)フッ化物による予防
  2)シーラントによる小窩裂溝塞法
  3)プラークコントロール
  4)食事指導
  5)定期健康診断
  6)特異的予防と健康増進
第5章 フッ化物の応用(小林清吾)
 1 フッ素とは,フッ化物とは
  1)自然界のフッ素,フッ化物
  2)栄養素,または有益元素としてのフッ素
 2 フッ化物利用による齲蝕予防が普及するまでの経緯
  1)斑状歯の流行と原因調査の時代
  2)齲蝕と歯のフッ素症を最小にする適正フッ化物濃度を確立した疫学研究の時代(1933~1945年)
  3)各種フッ化物応用法研究の時代(1945年以降)
  4)各種フッ化物応用普及の時代
 3 種々のフッ化物応用
  1)全身応用
  2)局所応用
  3)適切なフッ化物応用の選択
 4 フッ化物による齲蝕予防機序
  1)全身応用による齲蝕予防機序
  2)局所応用による齲蝕予防機序
 5 フッ化物の代謝
  1)フッ化物の摂取
  2)フッ化物の吸収
  3)フッ化物の体内分布
  4)フッ化物の排泄
  5)フッ化物の胎盤通過性
 6 フッ化物の適正量
  1)水道水の適正フッ化物濃度
  2)フッ化物の1日適正摂取量,許容上限量
  3)フッ化物と骨の健康
  4)安全なフッ化物応用のための留意点
 7 過量フッ化物の生体に対する為害作用
  1)慢性中毒
  2)急性中毒とその手当て
 8 フッ化物応用の安全性についての考え方
 9 フッ化物応用の推奨
  1)世界の動き
  2)わが国の動き
第6章 歯周疾患とその予防
 1 歯周疾患の定義と分類(小関健由・雫石 聰)
  1)歯周疾患の定義
  2)歯周疾患の特徴
  3)歯周疾患の分類
 2 歯周疾患の発症機序と病因
  1)病態と歯周組織の変化
  2)歯周疾患の発症機序
  3)歯周疾患に関与するプラーク細菌
  4)歯周組織における免疫反応と炎症反応
  5)歯周疾患の病態を修飾する因子
  6)全身疾患への影響
 3 歯周疾患のリスク評価(埴岡 隆)
  1)歯周疾患活動性
  2)歯周疾患リスクの評価
 4 歯周疾患の予防
  1)歯肉炎の予防
  2)歯周炎の予防
  3)サポーティブケア
  4)禁煙指導・支援
第7章 不正咬合・歯列不正とその予防(磯 篤則)
 1 不正咬合の定義と分類
  1)不正咬合の定義
  2)不正咬合の種類とその分類
 2 不正咬合・歯列不正の原因
 3 不正咬合・歯列不正による障害
 4 不正咬合の予防
  1)齲蝕予防と治療
  2)口腔習癖と不正咬合
  3)歯周疾患の予防と治療
  4)過剰歯や小帯の異常に対する処置
  5)学校における歯・口腔の健康診断
第8章 口臭の予防(八重垣 健)
 1 口臭の定義と分類
  1)口臭の定義
  2)口臭の分類
 2 口臭の原因
  1)口腔由来の口臭
  2)全身由来の病的口臭
 3 口臭による障害
  1)対人関係,社会性の障害
  2)歯周組織の障害
 4 口臭症の臨床ガイドライン
  1)口臭の検査法
  2)口臭の予防と治療
第9章 その他の歯科疾患の予防(千葉逸朗)
 1 口腔癌
  1)口腔癌の定義
  2)口腔癌の疫学,症状,原因
  3)前癌病変
  4)口腔癌の予防
 2 顎関節症
  1)顎関節症の定義
  2)顎関節症の分類
  3)顎関節症の特徴
  4)顎関節症の原因
  5)顎関節症の予防
第10章 行動科学と歯科疾患(鶴本明久)
 1 行動科学とは
  1)行動科学の成立
  2)医療における行動科学の意義
  3)保健行動のモデル
 2 齲蝕と行動科学
  1)齲蝕に関与する保健行動
  2)フッ化物応用とその合意形成
 3 歯周疾患と行動科学
  1)歯周疾患と保健活動
  2)歯周疾患とPRECEDEモデルの応用
 4 不正咬合と行動科学
  1)審美性の確保が重要
  2)不良習癖の背景を知る
第11章 歯科保健指導と歯科健康教育(鶴本明久)
 1 歯科保健指導と歯科健康教育とは
  1)保健指導と健康教育
  2)健康教育の定義
  3)健康教育の理論
  4)健康教育の変遷
  5)ヘルスプロモーションと健康教育
  6)歯科保健活動における健康教育
 2 歯科保健とモチベーション
  1)保健行動におけるモチベーション
  2)保健行動の動機
  3)ライフサイクルとモチベーション
第12章 公衆歯科衛生概論(米満正美)
 1 プライマリ・ヘルスケアとヘルスプロモーション
  1)プライマリ・ヘルスケア
  2)ヘルスプロモーション
 2 「健康日本21」と歯科保健
第13章 歯科疾患の疫学(葭原明弘・宮 秀夫)
 1 喪失歯の疫学
  1)歯の喪失の実態
  2)歯の喪失の原因
  3)歯の喪失と咀嚼機能との関係
 2 齲蝕の疫学
  1)齲蝕の疫学的特性
  2)齲蝕の有病状況
  3)根面齲蝕の状況
 3 歯周疾患の疫学
  1)歯肉炎と歯周炎
  2)歯周疾患の疫学的特性
  3)歯周疾患の発生要因
  4)歯周疾患の有病状況
 4 不正咬合の疫学
第14章 国民の歯科保健状況
 1 歯科疾患実態調査(米満正美)
  1)調査の概要
  2)調査の実施および診査基準
  3)調査結果の概要
 2 学校保健統計(稲葉大輔)
  1)調査の概要
  2)齲蝕有病状況の概要
 3 国民健康・栄養調査
  1)調査の概要
  2)調査結果の概要
 4 国民生活基礎調査
  1)調査の概要
  2)調査結果の概要
 5 患者調査
  1)調査の概要
  2)調査結果の概要
第15章 歯・口腔の健康診断
 1 歯科集団検診(森田 学)
  1)目的と意義
  2)歯科集団検診の種類
  3)歯科集団検診の実際
  4)診査誤差とその対策
 2 スクリーニング検査(岸本悦央)
  1)意義・目的
  2)検査が備えるべき条件と対象となる疾患
 3 歯科疾患の数量化と分析(於保孝彦)
  1)衛生統計と疫学
  2)疾患数量化の基本概念
  3)齲蝕の数量評価法
  4)歯周疾患の数量評価法
  5)口腔清掃状態の数量評価法
  6)歯のフッ素症の数量評価法
  7)その他の口腔疾患の数量評価法
第16章 地域歯科保健
 1 地域歯科保健とヘルスプロモーション(筒井昭仁)
  1 20世紀の保健・医療:病気への対処
   1)感染症対策の時代
   2)生活習慣病対策
  2 21世紀の保健・医療:健康づくり
   1)ハイリスク・アプローチからポピュレーション・アプローチへ
   2)「健康日本21」と健康増進法
  3 地域歯科保健の歩み
   1)小児の齲蝕予防対策
   2)成人・高齢者の歯周疾患対策と「8020運動」
   3)地域保健法と歯科保健
   4)「健康日本21」と歯科保健
  4 地域歯科保健のマンパワー
  5 21世紀の地域歯科保健・医療のアプローチとプログラム
  6 都道府県,地方自治体の歯科保健
 2 母子歯科保健(川口陽子)
  1 母子保健
  2 母子歯科保健
  3 母子歯科保健活動の実際
   1)妊産婦の歯科保健
   2)乳幼児の歯科保健
   3)母子健康手帳
  4 母子歯科保健のこれまでの歩みと今後の課題
 3 学校歯科保健(川口陽子)
  1 学校保健
  2 学校歯科保健
  3 学校歯科医
  4 学校歯科保健活動
   1)保健教育
   2)保健管理
   3)組織活動
  5 学校歯科保健のこれまでの歩みと今後の課題
 4 成人歯科保健(柳沢 茂)
  1 意義と概要
  2 成人における歯科疾患の現況
   1)歯周疾患
   2)齲蝕・現在歯数
  3 対策
   1)高齢者医療確保法の保健事業
   2)健康増進法の健康増進事業
   3)歯科保健医療対策事業(8020運動推進特別事業)
 5 産業歯科保健(尾﨑哲則)
  1 意義
   1)産業保健の目的
   2)産業保健の特徴
  2 制度
   1)産業衛生行政の歩み
   2)労働衛生行政の組織
   3)産業衛生に関する法規
  3 産業保健活動
   1)産業保健対策および産業歯科保健対策
   2)産業保健管理
   3)健康診断および歯科健康診断
   4)健康診断の事後措置
   5)健康保持増進対策
  4 口腔領域に現れる職業性疾病
   1)職業性疾病
   2)職業性疾病の発生状況
   3)おもな職業性疾病
   4)職業性歯科疾病
   5)職域における口腔保健管理
 6 高齢者歯科保健(平田幸夫)
  1 高齢者の特性
   1)老化とは何か
   2)老化に伴う変化とその機序
   3)高齢期の疾患の特徴
   4)要介護老人の特性
  2 加齢による身体的,精神的変化
   1)加齢に伴う身体的変化
   2)加齢に伴うおもな疾患
   3)加齢に伴う精神的変化
  3 加齢に伴う口腔諸組織の構造と機能の変化
   1)口腔乾燥症
   2)口腔粘膜疾患
   3)齲蝕と歯周疾患
   4)摂食・嚥下障害
  4 高齢者に対する歯科疾患予防
  5 高齢者の歯科診療における注意点
   1)高齢者に接する際の一般的注意点
   2)高齢者に特有の診査項目
   3)高齢者の歯科治療における留意事項
  6 摂食・嚥下障害への対処
   1)診断
   2)口腔機能リハビリテーション
  7 制度の活用とニーズ把握
   1)口腔機能向上と介護予防
   2)介護サービスと高齢者医療制度
   3)積極的なニーズの把握
 7 障害者歯科保健(向井美惠)
  1 障害の概念の転換
  2 障害者の口腔保健上の特性
   1)歯科治療の困難性
   2)歯科保健指導,管理とその困難性
   3)障害者の特性
  3 口腔保健管理とそれを支える体制
   1)プロフェッショナルケア
   2)個人的予防管理(セルフケア)とその限界
   3)口腔保健管理システムの構築
第17章 国際歯科保健(川口陽子)
 1 国際保健
  1)開発途上国における健康問題
  2)わが国における国際保健問題
 2 国際協力
 3 国際保健医療協力機関
  1)WHO(世界保健機関)
  2)政府援助機関
  3)非政府機関(NGO/NPO)
 4 世界の口腔保健状況と口腔保健従事者
  1)口腔保健状況の国際比較
  2)歯科医師数の国際比較
 5 開発途上国における歯科保健医療協力
  1)開発途上国に必要な協力は何か
  2)WHOが提示した開発途上国における基本戦略
 6 国際化に伴うわが国の保健医療問題
 7 世界の口腔保健目標
  年齢層ごとの口腔保健目標

 参考文献
 索引
 コラム
  再石灰化療法
  Maslowの「5段階の欲求断層説」
  新潟県の地域歯科保健事業とその成果