はじめに
山田憲嗣
奈良県立大学地域創造学部,大阪大学国際医工情報センター
近年,ブロックチェーンやNFT(Non-Fungible Token)をはじめとするWeb3技術の進展が著しく,医療・ヘルスケア分野においてもこれらの技術の応用が強く期待されている.これらは単なる情報技術の延長ではなく,医療データの信頼性・透明性・安全性を飛躍的に高め,さらに患者・医療者・研究者が対等に参画できる新しい医療エコシステムの基盤をもたらしうるものである.
本書では,こうした新しい潮流に対して,国内外で先進的な取り組みを進める研究者・実務家の先生方にご寄稿を賜った.冒頭では,水島洋先生(東京都健康長寿医療センター)が,国際的な視点から見た日本におけるWeb3医療の現状と課題についてご論考くださった.続いて宮西七海先生(大阪大学)には,医療応用におけるスマートコントラクトおよびブロックチェーン技術の基礎をご整理いただき,木村映善先生(愛媛大学)には,Web3時代における標準交換規約としてのFHIRに関する具体的な考察をお示しいただいた.また,落合渉悟先生(臨床医工情報学コンソーシアム関西)には,生成AIやDAO(分散型自律組織)との連携による新たな医療制度の展望をご紹介いただいている.
技術基盤においては,面和成先生(筑波大学)にはブロックチェーンおよびNFTを活用した医療データ共有の可能性について解説いただき,野上保之先生(岡山大学)には暗号技術を用いた医療情報セキュリティの構築について,森岡康一先生(AIBTRUST株式会社)にはWeb3技術を利用した非匿名化情報を用いた医療用AIソフトウェア開発基盤の提案をご紹介いただいた.さらに,松下一之先生(千葉大学)には,中央集約型と分散型を併用した医療情報共有アプリケーションに関する実践的な取り組みをご提示いただいている.
応用事例としては,中田研先生(大阪大学)には分散型ネットワークを活用した世代横断的コンディショニング支援システムについて,大浦紀彦先生(杏林大学)には自己管理型AIによる創傷評価システムについて,宮川繁先生(大阪大学)には,分散連合学習が可能なデータ流通基盤とオミクス解析を用いた病態解明および疾患予測モデル構築について,それぞれ臨床応用に直結した革新的な実装例をご紹介いただいた.また,卯津羅泰生先生(Integrated Health Science株式会社)にはリビングラボにおけるNFTの利活用を,新岡宏彦先生(九州大学)にはプログラム医療機器とAI・Web3の融合に関する先進的な取り組みをお示しいただいている.
本書は,単なる技術解説にとどまらず,Web3がもたらす医療の構造変革を多面的に考察する試みである.諸先生方のご寄稿により,実装・制度・倫理を含めた多様な視点からの議論が可能となったことに深く感謝申し上げるとともに,本企画が医療×情報×社会の未来を切り拓く一助となることを願ってやまない.
山田憲嗣
奈良県立大学地域創造学部,大阪大学国際医工情報センター
近年,ブロックチェーンやNFT(Non-Fungible Token)をはじめとするWeb3技術の進展が著しく,医療・ヘルスケア分野においてもこれらの技術の応用が強く期待されている.これらは単なる情報技術の延長ではなく,医療データの信頼性・透明性・安全性を飛躍的に高め,さらに患者・医療者・研究者が対等に参画できる新しい医療エコシステムの基盤をもたらしうるものである.
本書では,こうした新しい潮流に対して,国内外で先進的な取り組みを進める研究者・実務家の先生方にご寄稿を賜った.冒頭では,水島洋先生(東京都健康長寿医療センター)が,国際的な視点から見た日本におけるWeb3医療の現状と課題についてご論考くださった.続いて宮西七海先生(大阪大学)には,医療応用におけるスマートコントラクトおよびブロックチェーン技術の基礎をご整理いただき,木村映善先生(愛媛大学)には,Web3時代における標準交換規約としてのFHIRに関する具体的な考察をお示しいただいた.また,落合渉悟先生(臨床医工情報学コンソーシアム関西)には,生成AIやDAO(分散型自律組織)との連携による新たな医療制度の展望をご紹介いただいている.
技術基盤においては,面和成先生(筑波大学)にはブロックチェーンおよびNFTを活用した医療データ共有の可能性について解説いただき,野上保之先生(岡山大学)には暗号技術を用いた医療情報セキュリティの構築について,森岡康一先生(AIBTRUST株式会社)にはWeb3技術を利用した非匿名化情報を用いた医療用AIソフトウェア開発基盤の提案をご紹介いただいた.さらに,松下一之先生(千葉大学)には,中央集約型と分散型を併用した医療情報共有アプリケーションに関する実践的な取り組みをご提示いただいている.
応用事例としては,中田研先生(大阪大学)には分散型ネットワークを活用した世代横断的コンディショニング支援システムについて,大浦紀彦先生(杏林大学)には自己管理型AIによる創傷評価システムについて,宮川繁先生(大阪大学)には,分散連合学習が可能なデータ流通基盤とオミクス解析を用いた病態解明および疾患予測モデル構築について,それぞれ臨床応用に直結した革新的な実装例をご紹介いただいた.また,卯津羅泰生先生(Integrated Health Science株式会社)にはリビングラボにおけるNFTの利活用を,新岡宏彦先生(九州大学)にはプログラム医療機器とAI・Web3の融合に関する先進的な取り組みをお示しいただいている.
本書は,単なる技術解説にとどまらず,Web3がもたらす医療の構造変革を多面的に考察する試みである.諸先生方のご寄稿により,実装・制度・倫理を含めた多様な視点からの議論が可能となったことに深く感謝申し上げるとともに,本企画が医療×情報×社会の未来を切り拓く一助となることを願ってやまない.
はじめに(山田憲嗣)
日本と世界におけるWeb3.0医療の最前線
(水島 洋)
Keywords Web3.0,ブロックチェーン,エストニア
医療DXを支えるWeb3技術の基礎
(宮西七海・山田憲嗣)
Keywords Web3,ブロックチェーン,スマートコントラクト,NFT,DAO
日本における医療データの生成AI利用の課題およびブロックチェーンが拓く「患者主権」の医療データ流通基盤
(落合渉悟)
Keywords サイロ化,患者主権,難病情報の市場,自律分散型組織(DAO)
Web3.0時代における標準交換規約としてのFHIR
(木村映善)
Keywords FHIR,相互運用性,Web3.0,ブロックチェーン
ブロックチェーンとNFTを活用した医療データ共有システムの可能性
(面 和成)
Keywords ブロックチェーン,スマートコントラクト,NFT,IPFS,SIMカード
ICTおよび暗号技術を駆使した医療情報セキュア管理システムの構築
(野上保之)
Keywords 暗号技術,ユーザ・機器認証,プライバシ保護
非匿名化情報による医療用AIソフトウェア開発基盤の研究開発について
(森岡康一)
Keywords リアルワールドデータ(RWD),情報返却,ブロックチェーン,スマートコントラクト,連合学習
中央集権型と分散型Web3.0併用による医療情報共有のトラスト(信頼関係)の評価法
(松下一之)
Keywords 分散型Web3.0(ブロックチェーン),中央集権型,医療情報,トラスト(信頼関係)の評価,NFT
「ヘルスプロモーションプランナー」実現に向けた分散型ネットワークとデジタルツイン活用のスポーツ医学の発展:『次世代コンディショニング提供システム』構築
(中田 研・他)
Keywords Sport in Life推進プロジェクト,ジャパン・スポーツ・サイバーフィジカルシステム(JS-CPS),ヘルスプロモーション,分散型ネットワーク,デジタルツイン
創傷管理におけるAIを利用した創傷自動評価システムの開発
(大浦紀彦・他)
Keywords 深層学習,wound segmentation,創傷評価,難治性創傷,AI診断
分散連合学習可能なデータ流通基盤およびオミクス解析に基づく病態解明と疾患予測モデル構築
(宮川 繁)
Keywords 予測モデル,大動脈瘤,空間オミクス,分散連合学習,データ流通基盤
ヘルスケア型リビングラボにおけるNFT利活用
(卯津羅泰生)
Keywords ヘルスケア型リビングラボ,実証データ(RWD)活用,データマネジメント
Web3を活用したAIとプログラム医療機器
(新岡宏彦)
Keywords Web3,スマートコントラクト,人工知能(AI),診断支援,プログラム医療機器(SaMD)
日本と世界におけるWeb3.0医療の最前線
(水島 洋)
Keywords Web3.0,ブロックチェーン,エストニア
医療DXを支えるWeb3技術の基礎
(宮西七海・山田憲嗣)
Keywords Web3,ブロックチェーン,スマートコントラクト,NFT,DAO
日本における医療データの生成AI利用の課題およびブロックチェーンが拓く「患者主権」の医療データ流通基盤
(落合渉悟)
Keywords サイロ化,患者主権,難病情報の市場,自律分散型組織(DAO)
Web3.0時代における標準交換規約としてのFHIR
(木村映善)
Keywords FHIR,相互運用性,Web3.0,ブロックチェーン
ブロックチェーンとNFTを活用した医療データ共有システムの可能性
(面 和成)
Keywords ブロックチェーン,スマートコントラクト,NFT,IPFS,SIMカード
ICTおよび暗号技術を駆使した医療情報セキュア管理システムの構築
(野上保之)
Keywords 暗号技術,ユーザ・機器認証,プライバシ保護
非匿名化情報による医療用AIソフトウェア開発基盤の研究開発について
(森岡康一)
Keywords リアルワールドデータ(RWD),情報返却,ブロックチェーン,スマートコントラクト,連合学習
中央集権型と分散型Web3.0併用による医療情報共有のトラスト(信頼関係)の評価法
(松下一之)
Keywords 分散型Web3.0(ブロックチェーン),中央集権型,医療情報,トラスト(信頼関係)の評価,NFT
「ヘルスプロモーションプランナー」実現に向けた分散型ネットワークとデジタルツイン活用のスポーツ医学の発展:『次世代コンディショニング提供システム』構築
(中田 研・他)
Keywords Sport in Life推進プロジェクト,ジャパン・スポーツ・サイバーフィジカルシステム(JS-CPS),ヘルスプロモーション,分散型ネットワーク,デジタルツイン
創傷管理におけるAIを利用した創傷自動評価システムの開発
(大浦紀彦・他)
Keywords 深層学習,wound segmentation,創傷評価,難治性創傷,AI診断
分散連合学習可能なデータ流通基盤およびオミクス解析に基づく病態解明と疾患予測モデル構築
(宮川 繁)
Keywords 予測モデル,大動脈瘤,空間オミクス,分散連合学習,データ流通基盤
ヘルスケア型リビングラボにおけるNFT利活用
(卯津羅泰生)
Keywords ヘルスケア型リビングラボ,実証データ(RWD)活用,データマネジメント
Web3を活用したAIとプログラム医療機器
(新岡宏彦)
Keywords Web3,スマートコントラクト,人工知能(AI),診断支援,プログラム医療機器(SaMD)















