改訂の序
本書の前身である『おいしい食事のコーディネート―栄養・給食・調理の技術―』の第1版が発行されたのが1999年4月ですが,それ以後栄養士・管理栄養士養成施設における教科書として,また,集団給食施設などでの献立立案・作成のサブノートとして多くの皆様にご利用いただきました.著者一同,改めて厚くお礼申し上げる次第です.
ところで,本書は2000年11月に改訂された『五訂日本食品標準成分表』に準拠し,食品栄養価の全面修正を図ることになったのですが,この機会を利用し内容や執筆者も大幅に変更することに致しました.編集は木村・井上が担当し,執筆者には若い先生方にも参画して頂きました.内容は2002年4月から施行されているカリキュラムに沿った学内「給食経営管理実習」,また2002年8月に発表されました新ガイドラインの『給食経営管理論』の『学内実習書』として再編成しました.
現在,管理栄養士・栄養士を取り巻く社会環境条件は大きく変化し,保健・栄養・福祉施設などにおける食生活の課題に対応できる給食経営管理が改めて求められています.そのためには,経営管理や生産管理の理論や手法を,給食に応用展開する知識と技能を駆使して給食管理業務の遂行に当ることが必要であると言われています.こういう状況の中で,管理栄養士・栄養士を目指す学生には経営的な効率性を取り入れた給食経営管理の企画力,マネジメント能力,適切な評価,さらに地域社会へのサービスの展開などを,それぞれの集団給食施設としての独自性を尊重しながら学習することが求められています.
この視点から考えれば,学生にとっては給食の対象となる人々や特定集団を的確に把握した上で,具体的な栄養・食事管理を行うためのplan・do・seeを体験および実践することが必要になり,教員にはその知識と技術を習得させるコツが要求されます.そして,栄養・食事管理およびサービスを効率的に,且つ安全に運営するためのシステム構築とそのマネジメントをする能力の育成が重要視されます.本書はこれらの教育内容を学生が会得・理解することを目標とし,構成も大きく「基礎偏」と「学内集団給食実習編」に分けて,極力,実践の場で役立つ内容を取り入れ,「学内給食経営管理実習」の教科書として簡潔な記述を心がけ編集したものです.
近年,学校給食,事業所給食,病院給食,福祉施設給食を始め高齢者の宅配給食など多くの特定給食施設では,予算枠内で様々な工夫をこらして,また一方では喫食者の健康管理を考えて,美味しく見栄えよく楽しい食事を提供するマネジメントができるようになっています.ですから,本書を利用して学習される皆さんも,「おいしい食事のコーディネート」ができるプロフェショナルとしての実力を会得され,社会に役立てられるよう心より願うものです.
なお,執筆者のほとんどは各養成施設において給食経営管理論の講義および実習を担当している教官ですが,浅学非才で,不備の点も多々あろうと思われます.このような点は順次改正に努めたいと思いますので是非お気づきの点などご指摘いただき,ご指導・ご助言を賜りたいと存じます.
2003年2月 編者
序文
最近の学校給食,事業所給食,病院給食をはじめ高齢者の宅配給食など,多くの集団給食施設では,予算の枠内で様々な工夫をこらして,喫食者の健康管理を考えて,おいしく見栄えよく,楽しい食事を提供する施設が多くなった.
本書は,栄養士・管理栄養士の必修科目である給食管理の「基礎」と「集団給食調理実習」について記述した.
基礎編では,給食管理における基本的な必要事項を10節にわたって,簡潔に述べた.給食調理実習編では,次のように直ちに実習に役立つ内容とした.
(1) 食材と調理法を広げる:主材料,副材料,調味料,香辛料などを,できるだけ幅広く使いこなすことを目標とした.
(2) 調理様式と調理法が習得できる:和・洋・中・デザートの調理法の要点を十分に把握させる.
(3) 献立・料理の変更に直ちに対応できる:それぞれの料理の1人分の食材料と栄養量を示し,給与栄養量の確保,食材の都合などによっておこる料理の変更・追加などが生じた場合の代替料理を選びやすくし,献立の再構成と栄養価の修正が容易にできるように工夫した.
(4) それぞれの料理について,応用料理とその調理法を記載した.
(5) 料理に関連するサイエンスを記述した.なお,喫食対象者が多い大量調理では,食材や調味料の分量,加熱時間・加熱温度の調節が必要なことは周知の通りである.
(6) おいしくできて,楽しい給食調理の実習を目指して,随所のコラム欄に“ちょっとみて”を記載した.
本書を利用して学習される皆さんが「おいしい食事づくりがコーディネートできる」プロフェッショナルとして実力を会得され,社会に役立てられるよう心より願うものである.
本書の出版に当たり,医歯薬出版株式会社ならびに関係者のF様に,心より感謝の意を表する次第である.
1999年4月 著者一同
本書の前身である『おいしい食事のコーディネート―栄養・給食・調理の技術―』の第1版が発行されたのが1999年4月ですが,それ以後栄養士・管理栄養士養成施設における教科書として,また,集団給食施設などでの献立立案・作成のサブノートとして多くの皆様にご利用いただきました.著者一同,改めて厚くお礼申し上げる次第です.
ところで,本書は2000年11月に改訂された『五訂日本食品標準成分表』に準拠し,食品栄養価の全面修正を図ることになったのですが,この機会を利用し内容や執筆者も大幅に変更することに致しました.編集は木村・井上が担当し,執筆者には若い先生方にも参画して頂きました.内容は2002年4月から施行されているカリキュラムに沿った学内「給食経営管理実習」,また2002年8月に発表されました新ガイドラインの『給食経営管理論』の『学内実習書』として再編成しました.
現在,管理栄養士・栄養士を取り巻く社会環境条件は大きく変化し,保健・栄養・福祉施設などにおける食生活の課題に対応できる給食経営管理が改めて求められています.そのためには,経営管理や生産管理の理論や手法を,給食に応用展開する知識と技能を駆使して給食管理業務の遂行に当ることが必要であると言われています.こういう状況の中で,管理栄養士・栄養士を目指す学生には経営的な効率性を取り入れた給食経営管理の企画力,マネジメント能力,適切な評価,さらに地域社会へのサービスの展開などを,それぞれの集団給食施設としての独自性を尊重しながら学習することが求められています.
この視点から考えれば,学生にとっては給食の対象となる人々や特定集団を的確に把握した上で,具体的な栄養・食事管理を行うためのplan・do・seeを体験および実践することが必要になり,教員にはその知識と技術を習得させるコツが要求されます.そして,栄養・食事管理およびサービスを効率的に,且つ安全に運営するためのシステム構築とそのマネジメントをする能力の育成が重要視されます.本書はこれらの教育内容を学生が会得・理解することを目標とし,構成も大きく「基礎偏」と「学内集団給食実習編」に分けて,極力,実践の場で役立つ内容を取り入れ,「学内給食経営管理実習」の教科書として簡潔な記述を心がけ編集したものです.
近年,学校給食,事業所給食,病院給食,福祉施設給食を始め高齢者の宅配給食など多くの特定給食施設では,予算枠内で様々な工夫をこらして,また一方では喫食者の健康管理を考えて,美味しく見栄えよく楽しい食事を提供するマネジメントができるようになっています.ですから,本書を利用して学習される皆さんも,「おいしい食事のコーディネート」ができるプロフェショナルとしての実力を会得され,社会に役立てられるよう心より願うものです.
なお,執筆者のほとんどは各養成施設において給食経営管理論の講義および実習を担当している教官ですが,浅学非才で,不備の点も多々あろうと思われます.このような点は順次改正に努めたいと思いますので是非お気づきの点などご指摘いただき,ご指導・ご助言を賜りたいと存じます.
2003年2月 編者
序文
最近の学校給食,事業所給食,病院給食をはじめ高齢者の宅配給食など,多くの集団給食施設では,予算の枠内で様々な工夫をこらして,喫食者の健康管理を考えて,おいしく見栄えよく,楽しい食事を提供する施設が多くなった.
本書は,栄養士・管理栄養士の必修科目である給食管理の「基礎」と「集団給食調理実習」について記述した.
基礎編では,給食管理における基本的な必要事項を10節にわたって,簡潔に述べた.給食調理実習編では,次のように直ちに実習に役立つ内容とした.
(1) 食材と調理法を広げる:主材料,副材料,調味料,香辛料などを,できるだけ幅広く使いこなすことを目標とした.
(2) 調理様式と調理法が習得できる:和・洋・中・デザートの調理法の要点を十分に把握させる.
(3) 献立・料理の変更に直ちに対応できる:それぞれの料理の1人分の食材料と栄養量を示し,給与栄養量の確保,食材の都合などによっておこる料理の変更・追加などが生じた場合の代替料理を選びやすくし,献立の再構成と栄養価の修正が容易にできるように工夫した.
(4) それぞれの料理について,応用料理とその調理法を記載した.
(5) 料理に関連するサイエンスを記述した.なお,喫食対象者が多い大量調理では,食材や調味料の分量,加熱時間・加熱温度の調節が必要なことは周知の通りである.
(6) おいしくできて,楽しい給食調理の実習を目指して,随所のコラム欄に“ちょっとみて”を記載した.
本書を利用して学習される皆さんが「おいしい食事づくりがコーディネートできる」プロフェッショナルとして実力を会得され,社会に役立てられるよう心より願うものである.
本書の出版に当たり,医歯薬出版株式会社ならびに関係者のF様に,心より感謝の意を表する次第である.
1999年4月 著者一同
改訂の序
序文
第1章 基礎編
1.学内実習の目的と実習の心得
//学内実習の目的//実習の心得//(井上明美)
2.マネジメント
//給食の生産(調理)管理の目的とマネジメントサイクル//給食の組織//給食部門業務の管理//(松井元子)
3.栄養・食事管理業務
//新しい栄養管理システム//栄養計画と食事管理業務//(木村友子)
4.給食の品質管理(品質保証・標準化)
//食品の品質に関わる規格と表示//献立・生産(調理)工程の標準化と品質管理//(井上明美)
5.給食の組織・人事管理
//実習担当者の役割分担の配置と連携//担当責任者のリーダーシップとマネジメント//(尾木千恵美)
6.施設・設備の保守管理
//生産施設・設備・器具//施設・設備の保守管理//食事環境の設備・整備//(桑野稔子)
7.食材の生産(調理)管理の実践
//食材の流通と購買管理//(長澤伸江)//生産(調理)管理//大量調理の方法・技術と科学//クックチルシステムへの対応//盛り付け・配膳・適温給食・下膳・洗浄//(野村幸子)
8.安全・衛生管理
//安全・衛生管理//大量調理施設衛生管理マニュアル//HACCPプログラムへの対応//検食・保存食//厨芥処理・廃棄物処理//施設・設備,機器・器具の点検//衛生教育//食中毒等緊急時の処置//(高野良子)
9.食環境(食事サービス)
//喫食室・ランチルームの環境//(相良多喜子,桑野稔子)
10.喫食者の特性と栄養教育
//喫食者の特性//(長澤伸江)//栄養教育方法//判定方法(相良多喜子)
11.給食のマーケティング調査
//給食のマーケティング//給食のマーケティング・リサーチ//官能検査//(松井元子)
12.事務処理,事務管理
//事務処理//(大関知子)//原価管理(コストマネジメント)//食材料費の管理//減価償却,損益分岐点//ABC分析//財務諸表//(松井元子)
13.緊急災害時の給食
//栄養管理室の災害時対応マニュアル//(相良多喜子)
第2章 実習編
主食 〈和食〉
〈洋食〉
〈中華〉(尾木千恵美)
汁物 〈和食〉
〈洋食〉
〈中華〉(桑野稔子・大関知子)
主菜 〈和食〉
〈洋食〉
〈中華〉(長澤伸江・相良多喜子)
副菜 〈和食〉
〈洋食〉
〈中華〉(木村友子・井上明美・松井元子)
デザート〈和食〉
〈洋食〉
〈中華〉(高野良子・野村幸子)
実習編に掲載した料理を組み合わせた昼食分の献立例
付表
参考文献
索引
序文
第1章 基礎編
1.学内実習の目的と実習の心得
//学内実習の目的//実習の心得//(井上明美)
2.マネジメント
//給食の生産(調理)管理の目的とマネジメントサイクル//給食の組織//給食部門業務の管理//(松井元子)
3.栄養・食事管理業務
//新しい栄養管理システム//栄養計画と食事管理業務//(木村友子)
4.給食の品質管理(品質保証・標準化)
//食品の品質に関わる規格と表示//献立・生産(調理)工程の標準化と品質管理//(井上明美)
5.給食の組織・人事管理
//実習担当者の役割分担の配置と連携//担当責任者のリーダーシップとマネジメント//(尾木千恵美)
6.施設・設備の保守管理
//生産施設・設備・器具//施設・設備の保守管理//食事環境の設備・整備//(桑野稔子)
7.食材の生産(調理)管理の実践
//食材の流通と購買管理//(長澤伸江)//生産(調理)管理//大量調理の方法・技術と科学//クックチルシステムへの対応//盛り付け・配膳・適温給食・下膳・洗浄//(野村幸子)
8.安全・衛生管理
//安全・衛生管理//大量調理施設衛生管理マニュアル//HACCPプログラムへの対応//検食・保存食//厨芥処理・廃棄物処理//施設・設備,機器・器具の点検//衛生教育//食中毒等緊急時の処置//(高野良子)
9.食環境(食事サービス)
//喫食室・ランチルームの環境//(相良多喜子,桑野稔子)
10.喫食者の特性と栄養教育
//喫食者の特性//(長澤伸江)//栄養教育方法//判定方法(相良多喜子)
11.給食のマーケティング調査
//給食のマーケティング//給食のマーケティング・リサーチ//官能検査//(松井元子)
12.事務処理,事務管理
//事務処理//(大関知子)//原価管理(コストマネジメント)//食材料費の管理//減価償却,損益分岐点//ABC分析//財務諸表//(松井元子)
13.緊急災害時の給食
//栄養管理室の災害時対応マニュアル//(相良多喜子)
第2章 実習編
主食 〈和食〉
〈洋食〉
〈中華〉(尾木千恵美)
汁物 〈和食〉
〈洋食〉
〈中華〉(桑野稔子・大関知子)
主菜 〈和食〉
〈洋食〉
〈中華〉(長澤伸江・相良多喜子)
副菜 〈和食〉
〈洋食〉
〈中華〉(木村友子・井上明美・松井元子)
デザート〈和食〉
〈洋食〉
〈中華〉(高野良子・野村幸子)
実習編に掲載した料理を組み合わせた昼食分の献立例
付表
参考文献
索引