第7版 序
本書は1979年,大阪歯科大学の三谷春保教授(当時,故人)が可撤性局部床義歯(パーシャルデンチャー)の講義内容を骨子としてまとめられたのが最初(第1版)で,1988年に第2版,1999年に第3版,2004年に第4版,2009年に第5版,2018年に第6版が発刊されています.第1版から第4版までは三谷先生が編者として,第5版では代表編者として編集作業をされました.
先生は第1版の序において,専門的内容の正確さとバランスのみでなく,その意義と動向についての示唆を含めなければ,学生の心に生涯燃え続けるモチベーションとはならないこと,学問や技術はたえず進歩していくので,それを貫くフィロソフィとコンセプトが必要であることを述べられています.また,基礎編と臨床編に分け,基礎編は歯科補綴学を学ぶ前の心構え(フィロソフィ)を中心とした基盤になる部分であり,人類発達の歴史や近世の歯科医療の発達過程を含め,歯科補綴学全般の根底をなす頭頸局所の解剖学と生理学をやや詳細に,しかも実際の歯科補綴臨床に直結させた形でまとめられています.臨床編はパーシャルデンチャーに関する術式を主としていますが,すべてクラウンブリッジや総義歯(全部床義歯)にも通ずる内容とされています.さらに,常に病者と歯科医師との人間関係を基礎にしていることに留意して学んでほしいと述べられています.
第7版の改訂に際し,まずは重複する内容をできる限り少なくすることに努め,基礎編の前半部分を整理しました.次いで,新しい臨床術式を追加するとともに,学生にとって学びやすいように章の入れ替えと統合を行い,「支台装置」と「連結子,義歯床,人工歯」を基礎編に,「義歯の動き」を臨床編に移動しました.また,これらの改訂に際しては,三谷先生が編者である第5版までを常に参考とし,三谷先生の歯科補綴学教育への情熱を今日に伝え,ご遺志に沿うように編集作業を行わせていただきました.編集委員会の無理なお願いに対し,ご多忙中にもかかわらずご対応いただきました執筆者各位に心から感謝申し上げます.
最後に,本書を手にする読者が歯科補綴学の基礎的知識を踏まえ,パーシャルデンチャー治療のすべてを習得されることを願っております.
2024年12月
志賀 博
横山敦郎
前川賢治
第6版 序
本書のスタートである第1版は,40年前の1979年,大阪歯科大学を中心に,岐阜歯科大学(現朝日大学歯学部),城西歯科大学(現明海大学歯学部)で行われていた可撤性局部床義歯(パーシャルデンチャー)の講義内容を,大阪歯科大学の三谷春保教授(当時,故人)が渾身の熱意でまとめられたものです.その書名でもある「パーシャルデンチャー」は,当時から「partial denture」の日本語訳がまちまちだったことから,そのままカタカナ表記にしたもので,この第6版でも『歯学生のパーシャルデンチャー』の書名を引き継ぎました.
その理由は明らかです.三谷教授の歯科補綴学教育にかけられた情熱を今日に伝えたい,私たち臨床歯学教育に携わるものは先生のご遺志を受け継ぐ責務があると考えたからです.と同時に,時代が超高齢社会であることをふまえ,読者の大半と思われる歯学生や臨床研修医の諸君がより読みやすく,取り巻く状況に正面から向き合えるよう,より明確に,よりわかりやすくすることに細心の注意を払いました.そのため第6版では,三谷教授のフィロソフィーを尊重しつつ,章の入れ替えや統合を含めて大幅に改訂することとし,全国の「パーシャルデンチャー」教育現場で責任を担っておられる先生方に執筆を依頼しました.ご多忙のなか,献身的に作業いただいた執筆者各位に心から感謝申し上げます.
本書は他の教科書と異なり,基礎編と臨床編から構成されています.基礎編では,「パーシャルデンチャー」治療を行うために必須の顎口腔系,咬合,咬合器,義歯の動きなどの基礎知識を獲得でき,臨床編の第14章からは「パーシャルデンチャー」の設計・製作・装着・予後などを学びます.歯学生は基礎編から順に,臨床研修医や若手歯科医師は臨床編から入り基礎編に返るスイッチバックで,それぞれ学ぶこともよいでしょう.これらの学修により,読者は「パーシャルデンチャー」治療のすべてを習得することができます.
私たち編集委員は,本書を手にする読者がここに書かれたすべてを,みずからの知識と技術として身につけ,患者が満足する「パーシャルデンチャー」治療を実行してくれることを強く願っています.この実行によってこそ,患者のもつ歯の欠損から生じた困難な問題を解決し,「食べる喜び」や「生きる喜び」を提供できるものと信じています.本書が,読者の心に「パーシャルデンチャー」治療に対する生涯燃え続けるモチベーションを植えつけられるとしたら,それこそが三谷教授の本懐であり,本書のもつ40年にわたる揺るぎない価値であり,編集委員の最も喜びとするものであります.
2018年7月
赤川安正
岡崎定司
志賀 博
横山敦郎
第5版 序
歯科医学の進歩と医療内容の充実への寄与を重要な責務とする私たちは,とくに新進気鋭の歯学生諸氏の向学心に応えるため,本書の改訂を重ねてきた.多くの歯科大学教授のご支援を得て,本書刊行以来,ほぼ10年ごとに版を改め,刷を重ね,ときにはご退任による著者交替も経験しつつ,早や30年の年月を閲した.今日まで,学務ご繁忙のなか多大なるご支援を賜った著者諸先生方に対し,紙上を借りて衷心より謝意を表したい.
さて,このたびの改訂にあたり,最大の課題であった編者の選定(前版は三谷の1人編集であった)に際しては,第1要件として時代をリードする優れた現役指導者であること,かつ複数の先生にお願いする必要を感じた.結果,小林,赤川両先生を編者に迎えたことの意義は大きく,このうえない幸せと感謝している.
さて,大まかにみて,いまの時代は世紀の移行期ともいえよう.患者中心の医療システムへの医療体制転換期(DOSからPOSへ)にあたり,インフォームド・コンセント,セカンドオピニオン,EBMなどに象徴される新しい医療の流れに戸惑うこともある.また,国家試験の制度も様変わりし,コンピュータを用いた客観試験(CBT)や客観的臨床能力試験(OSCE)の導入など根本的な改変が行われた(2007年).卒直後研修として歯科医師臨床研修制度も導入されたが,いまだ改革の過程であり,歯学生や若手歯科医師を取り巻く情勢がめまぐるしく急速に進歩し続けているのが現状であろう.
さて,第5版の出版基準であるが,用語は,基本的に『歯科補綴学専門用語集 第2版(日本補綴歯科学会編,2004年)』に準拠した.類語の用法は,文中に定めた一定のルールに従い,外国語は原則カナとし併記を避け簡明な記載にした.
最初の6章は歯科補綴学総論ともいうべき章が続き,歯科補綴学を学ぶ前の心構え(フィロソフィ)を中心にまとめており,基盤になる部分である.人類発達の歴史や近世の歯科医療の発達過程を含め,歯科補綴学全般の根底をなす頭頸局所の解剖学と生理学をやや詳細に,しかも実際の歯科補綴臨床に直結させた形で述べられている.本書を読み進めていくうちに,この基礎的な知識がだんだん重みを増して効いてくる点が,本書の特徴の1つである.基礎医学の知識と臨床の医術とが,表裏一体の関係にあることはいうまでもない.
限られた紙面であるため略述するが,「30章:暫間義歯,即時義歯,移行義歯,診断用義歯,ならびに治療用義歯」と「31章:インプラント補綴」は他書に比類ない貴重な内容であり,まさに基礎医学と歯科補綴臨床との通底(底面での繋がり)が実感される章である.歯学生諸氏に有用な紙面になるよう努めた本書の構成意図と,章ごとの特徴の一部を記すことで,巻頭の言葉に代えたい.
2009年2月
編者を代表して 三谷春保
第1版 序
本書は,大阪,岐阜,城西の3歯科大学で従来おこなわれてきた可撤性局部義歯学の講義内容を骨子としてまとめたものである.表紙の書名に“パーシャルデンチャー“の語を用いたのは,その邦訳がまちまちだからで,本書では章の見出しなどフォーマルなところでは“可撤性局部義歯”とし,文中では便宜上使いなれた“局部床義歯”に統一した.
この種の本はまず簡明ですじが通ってまとまっていることが必要であろうが,それにつけても,臨床歯学教育の一環に携わるものの一人としてつねづね思い悩むことは,なにを教え,なにを教えざるべきかということである.専門的内容の正確さとバランスのみでなく,その意義と動向についての示唆を含めなければ,学生諸君の心に生涯燃えつづけるモチベーションとはならないからである.彼ら一人ひとりの手によってそれが多数の患者に施され,学問や技術はたえず進歩していく,それを貫くフィロソフィーとコンセプトが必要なのである.
そこで本書では,基礎編と臨床編に分け,基礎編ではまず咬合をとりあげて,補綴処置に対する咀嚼系の反応を重視し,可撤性局部義歯の占めるシチュエーションと特徴を明らかにしたうえで,そのメリットをたかめ,デメリットをなくして用途をひろげるという動向を強調した.
臨床編は,当然ながら常に病者と歯科医師との人間関係を基礎にしていることに留意して学んでほしい.記載は,可撤性局部義歯に関する術式を主とするようにつとめたが,すべてブリッジや総義歯(全部床義歯)にも通ずると考えてよい.
各章の末尾に掲載した関連問題は,最近4ヵ年間の厚生省の歯科医師国家試験問題が主体になっているから,学生諸君の参考となれば幸いである.ただし,まだ数も少ないために,その内容はたまたまその出題者の教育上のコンセプトのレベルを反映したにすぎないという見方もできるだろう.それらが学問の正しい趨向を示すところまでリファインされることが望まれるゆえんである.
最後に,本書の出版にあたって,岐阜歯科大学 川野襄二教授と城西歯科大学 柳生嘉博教授の適切なご助言と,山下敦助教授,奥田貫之講師をはじめ教室員全員の積極的な協力に対して深甚の謝意を表します.また,虫本栄子助手の図版原画のトレース,本文の起稿から最終校正にいたるまでの一貫した助力と,医歯薬出版株式会社の最大限のご理解と協力に対し,感謝します.
1979年9月
三谷春保
本書は1979年,大阪歯科大学の三谷春保教授(当時,故人)が可撤性局部床義歯(パーシャルデンチャー)の講義内容を骨子としてまとめられたのが最初(第1版)で,1988年に第2版,1999年に第3版,2004年に第4版,2009年に第5版,2018年に第6版が発刊されています.第1版から第4版までは三谷先生が編者として,第5版では代表編者として編集作業をされました.
先生は第1版の序において,専門的内容の正確さとバランスのみでなく,その意義と動向についての示唆を含めなければ,学生の心に生涯燃え続けるモチベーションとはならないこと,学問や技術はたえず進歩していくので,それを貫くフィロソフィとコンセプトが必要であることを述べられています.また,基礎編と臨床編に分け,基礎編は歯科補綴学を学ぶ前の心構え(フィロソフィ)を中心とした基盤になる部分であり,人類発達の歴史や近世の歯科医療の発達過程を含め,歯科補綴学全般の根底をなす頭頸局所の解剖学と生理学をやや詳細に,しかも実際の歯科補綴臨床に直結させた形でまとめられています.臨床編はパーシャルデンチャーに関する術式を主としていますが,すべてクラウンブリッジや総義歯(全部床義歯)にも通ずる内容とされています.さらに,常に病者と歯科医師との人間関係を基礎にしていることに留意して学んでほしいと述べられています.
第7版の改訂に際し,まずは重複する内容をできる限り少なくすることに努め,基礎編の前半部分を整理しました.次いで,新しい臨床術式を追加するとともに,学生にとって学びやすいように章の入れ替えと統合を行い,「支台装置」と「連結子,義歯床,人工歯」を基礎編に,「義歯の動き」を臨床編に移動しました.また,これらの改訂に際しては,三谷先生が編者である第5版までを常に参考とし,三谷先生の歯科補綴学教育への情熱を今日に伝え,ご遺志に沿うように編集作業を行わせていただきました.編集委員会の無理なお願いに対し,ご多忙中にもかかわらずご対応いただきました執筆者各位に心から感謝申し上げます.
最後に,本書を手にする読者が歯科補綴学の基礎的知識を踏まえ,パーシャルデンチャー治療のすべてを習得されることを願っております.
2024年12月
志賀 博
横山敦郎
前川賢治
第6版 序
本書のスタートである第1版は,40年前の1979年,大阪歯科大学を中心に,岐阜歯科大学(現朝日大学歯学部),城西歯科大学(現明海大学歯学部)で行われていた可撤性局部床義歯(パーシャルデンチャー)の講義内容を,大阪歯科大学の三谷春保教授(当時,故人)が渾身の熱意でまとめられたものです.その書名でもある「パーシャルデンチャー」は,当時から「partial denture」の日本語訳がまちまちだったことから,そのままカタカナ表記にしたもので,この第6版でも『歯学生のパーシャルデンチャー』の書名を引き継ぎました.
その理由は明らかです.三谷教授の歯科補綴学教育にかけられた情熱を今日に伝えたい,私たち臨床歯学教育に携わるものは先生のご遺志を受け継ぐ責務があると考えたからです.と同時に,時代が超高齢社会であることをふまえ,読者の大半と思われる歯学生や臨床研修医の諸君がより読みやすく,取り巻く状況に正面から向き合えるよう,より明確に,よりわかりやすくすることに細心の注意を払いました.そのため第6版では,三谷教授のフィロソフィーを尊重しつつ,章の入れ替えや統合を含めて大幅に改訂することとし,全国の「パーシャルデンチャー」教育現場で責任を担っておられる先生方に執筆を依頼しました.ご多忙のなか,献身的に作業いただいた執筆者各位に心から感謝申し上げます.
本書は他の教科書と異なり,基礎編と臨床編から構成されています.基礎編では,「パーシャルデンチャー」治療を行うために必須の顎口腔系,咬合,咬合器,義歯の動きなどの基礎知識を獲得でき,臨床編の第14章からは「パーシャルデンチャー」の設計・製作・装着・予後などを学びます.歯学生は基礎編から順に,臨床研修医や若手歯科医師は臨床編から入り基礎編に返るスイッチバックで,それぞれ学ぶこともよいでしょう.これらの学修により,読者は「パーシャルデンチャー」治療のすべてを習得することができます.
私たち編集委員は,本書を手にする読者がここに書かれたすべてを,みずからの知識と技術として身につけ,患者が満足する「パーシャルデンチャー」治療を実行してくれることを強く願っています.この実行によってこそ,患者のもつ歯の欠損から生じた困難な問題を解決し,「食べる喜び」や「生きる喜び」を提供できるものと信じています.本書が,読者の心に「パーシャルデンチャー」治療に対する生涯燃え続けるモチベーションを植えつけられるとしたら,それこそが三谷教授の本懐であり,本書のもつ40年にわたる揺るぎない価値であり,編集委員の最も喜びとするものであります.
2018年7月
赤川安正
岡崎定司
志賀 博
横山敦郎
第5版 序
歯科医学の進歩と医療内容の充実への寄与を重要な責務とする私たちは,とくに新進気鋭の歯学生諸氏の向学心に応えるため,本書の改訂を重ねてきた.多くの歯科大学教授のご支援を得て,本書刊行以来,ほぼ10年ごとに版を改め,刷を重ね,ときにはご退任による著者交替も経験しつつ,早や30年の年月を閲した.今日まで,学務ご繁忙のなか多大なるご支援を賜った著者諸先生方に対し,紙上を借りて衷心より謝意を表したい.
さて,このたびの改訂にあたり,最大の課題であった編者の選定(前版は三谷の1人編集であった)に際しては,第1要件として時代をリードする優れた現役指導者であること,かつ複数の先生にお願いする必要を感じた.結果,小林,赤川両先生を編者に迎えたことの意義は大きく,このうえない幸せと感謝している.
さて,大まかにみて,いまの時代は世紀の移行期ともいえよう.患者中心の医療システムへの医療体制転換期(DOSからPOSへ)にあたり,インフォームド・コンセント,セカンドオピニオン,EBMなどに象徴される新しい医療の流れに戸惑うこともある.また,国家試験の制度も様変わりし,コンピュータを用いた客観試験(CBT)や客観的臨床能力試験(OSCE)の導入など根本的な改変が行われた(2007年).卒直後研修として歯科医師臨床研修制度も導入されたが,いまだ改革の過程であり,歯学生や若手歯科医師を取り巻く情勢がめまぐるしく急速に進歩し続けているのが現状であろう.
さて,第5版の出版基準であるが,用語は,基本的に『歯科補綴学専門用語集 第2版(日本補綴歯科学会編,2004年)』に準拠した.類語の用法は,文中に定めた一定のルールに従い,外国語は原則カナとし併記を避け簡明な記載にした.
最初の6章は歯科補綴学総論ともいうべき章が続き,歯科補綴学を学ぶ前の心構え(フィロソフィ)を中心にまとめており,基盤になる部分である.人類発達の歴史や近世の歯科医療の発達過程を含め,歯科補綴学全般の根底をなす頭頸局所の解剖学と生理学をやや詳細に,しかも実際の歯科補綴臨床に直結させた形で述べられている.本書を読み進めていくうちに,この基礎的な知識がだんだん重みを増して効いてくる点が,本書の特徴の1つである.基礎医学の知識と臨床の医術とが,表裏一体の関係にあることはいうまでもない.
限られた紙面であるため略述するが,「30章:暫間義歯,即時義歯,移行義歯,診断用義歯,ならびに治療用義歯」と「31章:インプラント補綴」は他書に比類ない貴重な内容であり,まさに基礎医学と歯科補綴臨床との通底(底面での繋がり)が実感される章である.歯学生諸氏に有用な紙面になるよう努めた本書の構成意図と,章ごとの特徴の一部を記すことで,巻頭の言葉に代えたい.
2009年2月
編者を代表して 三谷春保
第1版 序
本書は,大阪,岐阜,城西の3歯科大学で従来おこなわれてきた可撤性局部義歯学の講義内容を骨子としてまとめたものである.表紙の書名に“パーシャルデンチャー“の語を用いたのは,その邦訳がまちまちだからで,本書では章の見出しなどフォーマルなところでは“可撤性局部義歯”とし,文中では便宜上使いなれた“局部床義歯”に統一した.
この種の本はまず簡明ですじが通ってまとまっていることが必要であろうが,それにつけても,臨床歯学教育の一環に携わるものの一人としてつねづね思い悩むことは,なにを教え,なにを教えざるべきかということである.専門的内容の正確さとバランスのみでなく,その意義と動向についての示唆を含めなければ,学生諸君の心に生涯燃えつづけるモチベーションとはならないからである.彼ら一人ひとりの手によってそれが多数の患者に施され,学問や技術はたえず進歩していく,それを貫くフィロソフィーとコンセプトが必要なのである.
そこで本書では,基礎編と臨床編に分け,基礎編ではまず咬合をとりあげて,補綴処置に対する咀嚼系の反応を重視し,可撤性局部義歯の占めるシチュエーションと特徴を明らかにしたうえで,そのメリットをたかめ,デメリットをなくして用途をひろげるという動向を強調した.
臨床編は,当然ながら常に病者と歯科医師との人間関係を基礎にしていることに留意して学んでほしい.記載は,可撤性局部義歯に関する術式を主とするようにつとめたが,すべてブリッジや総義歯(全部床義歯)にも通ずると考えてよい.
各章の末尾に掲載した関連問題は,最近4ヵ年間の厚生省の歯科医師国家試験問題が主体になっているから,学生諸君の参考となれば幸いである.ただし,まだ数も少ないために,その内容はたまたまその出題者の教育上のコンセプトのレベルを反映したにすぎないという見方もできるだろう.それらが学問の正しい趨向を示すところまでリファインされることが望まれるゆえんである.
最後に,本書の出版にあたって,岐阜歯科大学 川野襄二教授と城西歯科大学 柳生嘉博教授の適切なご助言と,山下敦助教授,奥田貫之講師をはじめ教室員全員の積極的な協力に対して深甚の謝意を表します.また,虫本栄子助手の図版原画のトレース,本文の起稿から最終校正にいたるまでの一貫した助力と,医歯薬出版株式会社の最大限のご理解と協力に対し,感謝します.
1979年9月
三谷春保
第1編 基礎編
第1章 医療のなかの歯科補綴学
(赤川安正)
I 医の原則
1 患者の尊厳と医の倫理
2 歯科医師の責務
3 歯科医療における安全性への配慮と危機管理
II 歯科医師としての基本的態度と責任
1 生涯学習
2 コミュニケーション
3 診療情報とその開示
4 保健・医療・福祉制度への理解
第2章 局部床義歯(部分床義歯)補綴の歴史と趨向
(赤川安正)
I 補綴歯科臨床の発達史
II 20世紀における歯科補綴学の進歩の足取り
1 20世紀前半の進歩
2 20世紀後半からの意欲的な動向
III 20世紀後半から現在に至るグローバルな進歩
1 医用電子機器の普及
2 インプラントの役割
3 局部床義歯支台装置としてのインプラント
4 デジタル技術による補綴装置の製作
5 フレイル高齢者における義歯治療の新しい価値
第3章 局部床義歯(部分床義歯)補綴の目的と臨床的意義
(横山敦郎)
I 局部床義歯(部分床義歯)補綴治療の特徴
1 可撤性装置であること
2 義歯の清掃とリコール・メインテナンスが必要なこと
II 局部床義歯補綴の目的
III 局部床義歯補綴の臨床的意義
1)残存組織の保護
2)継発症候の予防
3)機能の回復
4)審美性および精神的な回復
5)即時義歯,暫間義歯,移行義歯などによる最終補綴歯科治療の支援
IV 義歯による高齢者の咬合管理
第4章 顎口腔系の構成と機能運動および局部床義歯(部分床義歯)補綴にかかわる解剖学的事項
(前川賢治・山本さつき)
I 顎口腔系の構成要素
1 顎関節
2 咀嚼・嚥下に関与する筋群
3 下顎骨に付着する靱帯
II 下顎位と下顎運動
1)基本となる下顎位
2)基本となる下顎運動
III 咀嚼運動と嚥下
1)咀嚼時の神経制御機構
2)咀嚼運動路
3)摂食嚥下
IV 義歯の形態と解剖学
1 審美性の回復と解剖学との関係
2 義歯床縁形態と解剖
1)下顎前歯の唇側部
2)下顎臼歯の頬側部
3)下顎舌側部
4)上顎大臼歯部
3 義歯研磨面の形態と解剖
1)内外の筋圧のバランス
2)口輪筋
3)頬筋
第5章 咬合異常,歯の欠損などに継発する症候
(赤川安正)
I 正常咬合
II 咬合異常
1)咬合位の異常
2)咬合接触の異常
III 咬合異常に継発する症候
1)歯周組織の変化
2)顎関節の変化
3)筋(咀嚼筋)の変化
4)下顎位および下顎運動の変化
5)中枢神経系の変化
6)審美性の変化
7)頭・頸・腕・肩・腰部および姿勢の変化
8)その他
IV 咬合異常の背景
V 加齢に伴う顎口腔系の変化
VI 顎口腔系の障害
1 顎関節症
1)病態
2)原因
2 オーラルディスキネジア
3 習慣性顎関節脱臼
4 摂食嚥下障害
5 ブラキシズム
6 口腔乾燥症
第6章 補綴学的咬合様式と局部床義歯(部分床義歯)補綴により回復される咬合
(志賀 博・隅田由香)
I 補綴学的咬合様式
1 咬頭嵌合位における上下顎の咬合接触
1)咬頭・鼓形空隙(辺縁隆線)関係
2)咬頭・小窩関係
2 偏心位における上下顎の咬合接触
1)前方滑走運動時
2)後方滑走運動時
3)側方滑走運動時
II 局部床義歯補綴により回復される咬合
1 局部床義歯補綴により回復される咬合で留意すべき点
2 症例に応じた局部床義歯補綴の咬合の考え方
1)咬合支持が確立されている症例
2)咬合支持が確立されていない(失われている)症例
3 オーバーデンチャー補綴の咬合の考え方
第7章 咬合器の概念
(志賀 博)
I 咬合器の分類
1 非解剖学的咬合器(非顆路型咬合器)
1)自由運動咬合器
2)蝶番咬合器(平線咬合器)
2 解剖学的咬合器(顆路型咬合器)
1)解剖学的咬合器の分類
2)調節性咬合器の顆路指導機構による分類
II 咬合器の選択
第8章 局部床義歯(部分床義歯)の特徴と構成要素
(横山敦郎)
I 局部床義歯(部分床義歯)の特徴
II 局部床義歯の構成要素とそれらの役割
1 支台装置
1)目的
2)要件
3)分類
2 連結子
1)目的
2)要件
3)分類
3 義歯床
1)目的
2)要件
4 人工歯
1)目的
2)要件
3)種類
III 局部床義歯の構造による分類
1)レジン床義歯
2)金属床義歯
第9章 局部床義歯(部分床義歯)の選択
(前川賢治・山本さつき)
I 口腔以外の諸因子
1)年齢
2)健康状態
3)治療費用
4)患者の希望と理解度
5)職業的因子
6)時間的因子
7)患者の同意(インフォームドコンセント)
II ブリッジ
1)ブリッジの長所と短所
2)ブリッジの適応症
III 局部床義歯
1)局部床義歯の適応症
2)局部床義歯の非適応症
IV インプラント義歯
第10章 局部床義歯(部分床義歯)の分類
(玉置勝司)
I 力の負担様式
1)歯根膜負担
2)粘膜負担
3)歯根膜粘膜負担
II 中間欠損と遊離端欠損
1)中間欠損
2)遊離端欠損
III Kennedyの分類
IV Eichnerの分類
第11章 局部床義歯(部分床義歯)の支持,把持,維持の考え方
(市川哲雄・渡邉 恵)
I 局部床義歯のバイオメカニクス(生体力学)
II 局部床義歯の支持機構
1 支持の基本的考え方
2 支持機能を発揮する局部床義歯の構成要素
3 レスト
1)役割と起こりうる有害事象
2)レストの種類と要件
III 局部床義歯の把持機構
1 把持の基本的考え方
2 把持機能を発揮する局部床義歯の構成要素
3 ガイドプレーンと隣接面板
1)役割
2)要件
IV 局部床義歯の維持機構および支台装置の基本的概念
1 維持の基本的考え方
2 維持機能を発揮する局部床義歯の構成要素
3 支台装置とその分類
1)支台装置の要件
2)支台装置の形態による分類とその特徴
3)製作法または使用材料による分類
4)コンビネーションクラスプ
5)直接支台装置と間接支台装置
4 クラスプの基本的理解(レスト付き二腕鉤を例として)
1)クラスプの一般的構造と機能
2)クラスプの要件
3)鉤腕の維持力の発現
5 義歯床における維持
V 支台装置の働き方
1)咬合力の負担様式
2)リジッドサポートとフレキシブルサポート
3)リジッドサポートとその要件
第12章 支台装置
(横山敦郎・坂口 究)
I クラスプ
1 クラスプの分類
1)製作方法による分類
2)形態による分類
2 クラスプの材料
3 クラスプの種類
1)鋳造鉤
2)線鉤
3)コンビネーションクラスプ
II アタッチメント
1 アタッチメントの分類
1)設定位置,形態による分類
2)緩圧作用の有無による分類
3)製作方法による分類
第13章 連結子,義歯床,人工歯
(黒岩昭弘)
I 大連結子
1)設計
2)上顎の大連結子
3)口蓋の大連結子と口蓋粘膜の関係
4)下顎の大連結子
5)その他の大連結子
6)バーの製作法の違い
II 小連結子
III 義歯床
1)義歯床の外形
2)義歯床用レジン
3)加熱重合レジン
4)常温重合レジン
5)その他の床用レジン
6)ノンメタルクラスプデンチャーに用いられるレジン
IV 人工歯
第2編 臨床編
第14章 局部床義歯(部分床義歯)治療の臨床ステップ
(西村正宏・村上 格)
I 局部床義歯治療のステップとチェックポイント
1)診察,検査
2)概形印象採得
3)サベイング(仮設計)
4)治療計画の立案
5)治療計画の提示・インフォームドコンセント
6)口腔内前処置
7)精密印象採得と作業用模型の製作
8)咬合採得
9)作業用模型の咬合器装着
10)サベイングと義歯の設計(本設計)
11)人工歯排列
12)ろう義歯の試適
13)ろう義歯の埋没・重合
14)咬合器再装着・削合・研磨
15)義歯装着と患者指導
16)義歯調整(装着後2回目)
17)定期検診(リコール)
第15章 診察と診断
(佐々木啓一・依田信裕)
I 医療面接
1)面接のはじめに
2)面接をスムーズに行うためのコミュニケーションスキル
3)病歴の聴取
4)その他
II 問題志向型診療録(POMR)の導入
1)POMRの構造
2)POMRの特徴
III 現症の診察と検査
1 口腔外の診察
1)全身的診察
2)局所的診察
2 口腔内の診察
1)残存歯
2)口腔軟組織
3)欠損部顎堤
4)唾液
5)現義歯
3 研究用模型上での検査
1)残存歯
2)義歯床外形
4 エックス線検査
IV 咬合関係の検査
1)口腔内の検査
2)咬合器上での検査
V 機能検査
VI チャートの記入とプロブレムリストの作成
1)チャートの記載
2)プロブレムリストの作成
VII 診断
1)顎口腔系の状況
2)治療方法の選択
第16章 義歯の動き
(志賀 博)
I 義歯の動き
II 支台歯間線(鉤間線)と維持線
III 近心レストと遠心レスト
第17章 研究用模型のサベイング(仮設計)と治療計画
(志賀 博)
I サベイヤーの構造
II 研究用模型のサベイング(仮設計)
III 着脱方向を決定する要因
1)義歯に加わる咬合力の方向
2)ガイドプレーン
3)維持領域
4)着脱を妨げる障害部
5)外観
IV 治療計画
1)治療計画の基本的な順序
2)治療計画立案時の留意事項
3)初期(暫間的な)治療計画
4)最終的な治療計画の記録
5)診断,治療計画の提示とインフォームドコンセント
第18章 口腔内前処置
(都築 尊)
I 補綴前処置
1 咬合治療(咬合位と咬合接触関係の修正)
1)咬合位の回復
2)咬合平面の修正
2 支台歯の前処置
1)歯冠形態の修正
2)レストシートの形成
3)歯冠補綴
4)連結固定
3 前処置としての咬合調整
1)咬合調整の目的
2)咬合調整の適応症
3)咬合調整の禁忌症
4)咬合調整の時期
5)咬合調整に用いる器材
6)咬合器上での検査と模型上での予備調整
7)咬合調整の基本原則
8)早期接触の削合調整(咬頭嵌合位または下顎後退位)
9)咬頭干渉の削合調整(側方運動時)
10)前方運動時の干渉部の削合調整
4 顎堤粘膜の前処置:ティッシュコンディショニング(粘膜調整)
II その他の前処置
1)外科処置
2)保存処置
3)歯周治療
4)矯正治療
第19章 印象採得と模型製作
(横山敦郎)
I 負担様式に基づく印象採得の考え方と方法
1)歯根膜負担義歯
2)粘膜負担義歯
3)歯根膜粘膜負担義歯
II 印象材
1)アルジネート印象材
2)寒天印象材
3)シリコーンゴム印象材(付加重合型)
4)モデリングコンパウンド印象材
III 印象採得の実際
1 概形印象
2 個人トレー
1)個人トレーの目的と要件
2)個人トレーの製作
3 筋圧形成
4 機能印象
1)シリコーンゴム印象材による機能印象
2)寒天アルジネート連合印象による機能印象
IV オルタードキャスト法
1)目的と適応
2)方法
V 模型材と模型の種類
1 模型材
2 研究用模型
3 作業用模型
1)ボクシング
2)模型の製作と修正
4 耐火模型
1)作業用模型の修正
2)複印象
3)耐火模型の製作
第20章 咬合採得,人工歯の選択ならびに咬合器装着
(鮎川保則・古谷野 潔)
I 咬合採得
1)下顎位の評価
2)咬合採得前の咬頭嵌合位の安定度の確認と咬合採得の具体的手順
3)咬合床の種類
II 人工歯の選択
1)人工歯の種類
2)人工歯の選択基準
3)前歯部人工歯の選択
4)臼歯部人工歯の選択
III 咬合器装着
1)咬合器の選択
2)平均値咬合器の手順
3)半調節性咬合器の手順
第21章 作業用模型のサベイングと義歯の設計(本設計)
(村田比呂司)
I 作業用模型のサベイング
II 局部床義歯の設計の基本的考え方
1 設計の検討項目
2 設計の順序
3 設計に必要な考え方
1)支台歯(鉤歯)の選択
2)義歯床の外形
3)大連結子
4)直接支台装置
5)間接支台装置
III Kennedyの分類に基づく設計の考え方
1)Kennedy I級症例(両側性遊離端欠損)の設計
2)Kennedy II級症例(片側性遊離端欠損)の設計
3)Kennedy III級症例(片側性中間欠損)の設計
4)Kennedy IV級症例(両側にまたがる前歯部中間欠損が1か所のみ存在)の設計
IV 歯周組織と残存歯の衛生を考慮した設計
1)クラスプ
2)大連結子
3)人工歯
V 少数歯残存症例の設計
第22章 フレームワークの製作
(大川周治・岡本和彦)
I 金属床義歯の特徴
II フレームワークにおける各部の名称
III フレームワークの製作手順
IV フレームワークの試適
1)支台歯との適合性
2)顎堤および歯槽部粘膜との適合性
3)着脱の容易さ
4)レストおよび鉤肩の咬合調整
V フレームワーク用金属
1)コバルトクロム合金
2)タイプ4金合金・白金加金
3)チタン合金・純チタン
第23章 人工歯の排列,歯肉形成,ならびにろう義歯の試適
(水橋 史)
I 人工歯排列と咬合様式
1 人工歯排列
1)前歯部人工歯の排列
2)臼歯部人工歯の排列
2 咬合様式
1)前方残存歯による咬合誘導がある場合
2)前方残存歯による咬合誘導がない場合
3 人工歯の削合
1)咬頭嵌合位の削合
2)偏心運動時の削合
II 歯肉形成
1)中間欠損部の歯肉形成
2)遊離端欠損部の歯肉形成
3)歯肉形成の共通事項
III ろう義歯試適
第24章 埋没から義歯完成まで
(都尾元宣)
I 加熱重合法
1 埋没法の選択
2 埋没
3 流ろう(脱ろう)
4 加熱重合レジンの填入
5 重合
II 常温重合法
III 重合後の局部床義歯の咬合器再装着
IV 咬合調整
V 研磨
第25章 義歯の装着,調整ならびに指導
(河相安彦・伊藤誠康)
I 完成義歯の装着
1 完成義歯装着前の準備
1)義歯床粘膜面の確認
2)隣接面板周囲のレジンの付着
3)義歯床縁の確認
4)義歯床研磨面の確認
2 完成義歯の装着・検査・調整
1)支台装置と支台歯の適合試験
2)義歯床と粘膜との適合試験
3)義歯床縁の確認
4)維持力の確認
5)咬合関係の検査と調整
6)咬合調整後の義歯床と粘膜面との適合試験
7)構音,装着感の確認
3 完成義歯装着2回目以降の検査・調整
1)2回目来院時の医療面接と検査・調整
2)治療効果の評価
II 完成義歯装着時の患者指導
1)義歯の着脱方法
2)食事の摂取方法
3)義歯の清掃方法
4)口腔内の清掃方法
5)就寝時の義歯の取り扱い方法
6)義歯装着後に起こりうる事項の説明と管理に関する指導
第26章 義歯装着により生じる口腔と義歯の変化
(横山敦郎)
I 局部床義歯装着後の口腔の変化
1)下顎位
2)残存歯
3)顎堤粘膜と顎骨
II 局部床義歯装着後の義歯の変化
1)構成要素の破損
2)人工歯の咬耗
3)義歯床の変化
第27章 義歯装着後の管理
(山森徹雄)
I リコール
1)リコールの時期
2)リコール時の検査事項
3)問題点への対応
II リラインとリベース
1 リラインとリベースの適用条件
2 リライン,リベース用材料
1)リライン用材料
2)リベース用材料
3 直接法リラインの術式
4 間接法リラインの術式
5 リベースの術式(フラスク埋没による方法)
III 義歯の修理
1 義歯床の破折
1)原因
2)修理法
2 人工歯の脱落,破損
1)原因
2)修理法
3 支台装置,フレームワークの破損,脱落
1)原因
2)修理法
4 人工歯の咬耗,摩耗,変色
1)原因
2)修理法(人工歯の交換)
5 人工歯の追加(増歯)
1)原因(支台歯や残存歯の喪失)
2)修理法(増歯する方法)
IV 支台歯歯冠の再修復
1)一塊印象法
2)トランスファーコーピング法
第28章 暫間義歯,即時義歯,移行義歯,診断用義歯ならびに治療用義歯
(皆木省吾・兒玉直紀)
I 暫間義歯
1)適応症
2)利点と欠点
3)義歯を製作するうえで留意すべき事項
II 即時義歯
1)適応症
2)利点と欠点
3)義歯を製作するうえで留意すべき事項
III 移行義歯
1)適応症
2)利点と欠点
3)義歯を製作するうえで留意すべき事項
IV 診断用義歯ならびに治療用義歯
1)適応症
2)義歯を製作するうえで留意すべき事項
第29章 オーバーデンチャー
(池邉一典・権田知也)
I オーバーデンチャー
1)根面被覆(コーピング)
2)床外形
3)補強構造
4)経過観察
II オーバーデンチャーに用いるアタッチメントとその選択基準
1)根面アタッチメント
2)バーアタッチメント
3)磁性アタッチメント
III インプラントオーバーデンチャー
第30章 磁性アタッチメント義歯
(大川周治・曽根峰世)
1 構造
2 特徴(主として,根面アタッチメントの場合)
3 支台歯の選択基準
4 治療術式の要点
5 設計の基本原則(クラスプ義歯とほぼ同様)
6 患者への注意点
7 臨床例
第31章 インプラント補綴
(武部 純)
I インプラント治療の流れ
1)診察・検査
2)診断・治療計画
3)インプラント体埋入手術(一次手術,二次手術)
4)暫間上部構造の装着
5)最終上部構造の装着
6)術後の評価とリコール・メインテナンス
II 欠損歯列におけるインプラント治療の位置づけ
III 欠損歯列におけるインプラント体支持の局部床義歯
IV インプラントを用いた顎補綴治療
第32章 顎顔面補綴
(小野高裕・堀 一浩)
I 顎顔面補綴とは
II 顎顔面補綴患者の機能障害
1)上顎領域の欠損による機能障害
2)下顎領域の欠損による機能障害
3)機能検査による診断
III 顎顔面補綴装置とその効果
1)上顎領域の顎補綴装置
2)下顎領域の顎補綴装置
3)顔面補綴装置
第33章 要支援・要介護高齢者に対する局部床義歯(部分床義歯)補綴
(津賀一弘・吉川峰加)
I 要支援・要介護高齢者とは
II 要支援・要介護高齢者に対する局部床義歯の問題
III 要支援・要介護高齢者に対する局部床義歯治療
IV 摂食嚥下障害と舌接触補助床
V 予後を見据えた局部床義歯治療
コラム
矢状顆路傾斜角と側方顆路傾斜角の調節
左側方運動時の咬合器の動き
インプラント体支持
緩圧クラスプ
ビーディング
一次固定と二次固定
フィニッシュライン,維持格子,ティッシュストップ,メタルタッチ
参考文献
索引
第1章 医療のなかの歯科補綴学
(赤川安正)
I 医の原則
1 患者の尊厳と医の倫理
2 歯科医師の責務
3 歯科医療における安全性への配慮と危機管理
II 歯科医師としての基本的態度と責任
1 生涯学習
2 コミュニケーション
3 診療情報とその開示
4 保健・医療・福祉制度への理解
第2章 局部床義歯(部分床義歯)補綴の歴史と趨向
(赤川安正)
I 補綴歯科臨床の発達史
II 20世紀における歯科補綴学の進歩の足取り
1 20世紀前半の進歩
2 20世紀後半からの意欲的な動向
III 20世紀後半から現在に至るグローバルな進歩
1 医用電子機器の普及
2 インプラントの役割
3 局部床義歯支台装置としてのインプラント
4 デジタル技術による補綴装置の製作
5 フレイル高齢者における義歯治療の新しい価値
第3章 局部床義歯(部分床義歯)補綴の目的と臨床的意義
(横山敦郎)
I 局部床義歯(部分床義歯)補綴治療の特徴
1 可撤性装置であること
2 義歯の清掃とリコール・メインテナンスが必要なこと
II 局部床義歯補綴の目的
III 局部床義歯補綴の臨床的意義
1)残存組織の保護
2)継発症候の予防
3)機能の回復
4)審美性および精神的な回復
5)即時義歯,暫間義歯,移行義歯などによる最終補綴歯科治療の支援
IV 義歯による高齢者の咬合管理
第4章 顎口腔系の構成と機能運動および局部床義歯(部分床義歯)補綴にかかわる解剖学的事項
(前川賢治・山本さつき)
I 顎口腔系の構成要素
1 顎関節
2 咀嚼・嚥下に関与する筋群
3 下顎骨に付着する靱帯
II 下顎位と下顎運動
1)基本となる下顎位
2)基本となる下顎運動
III 咀嚼運動と嚥下
1)咀嚼時の神経制御機構
2)咀嚼運動路
3)摂食嚥下
IV 義歯の形態と解剖学
1 審美性の回復と解剖学との関係
2 義歯床縁形態と解剖
1)下顎前歯の唇側部
2)下顎臼歯の頬側部
3)下顎舌側部
4)上顎大臼歯部
3 義歯研磨面の形態と解剖
1)内外の筋圧のバランス
2)口輪筋
3)頬筋
第5章 咬合異常,歯の欠損などに継発する症候
(赤川安正)
I 正常咬合
II 咬合異常
1)咬合位の異常
2)咬合接触の異常
III 咬合異常に継発する症候
1)歯周組織の変化
2)顎関節の変化
3)筋(咀嚼筋)の変化
4)下顎位および下顎運動の変化
5)中枢神経系の変化
6)審美性の変化
7)頭・頸・腕・肩・腰部および姿勢の変化
8)その他
IV 咬合異常の背景
V 加齢に伴う顎口腔系の変化
VI 顎口腔系の障害
1 顎関節症
1)病態
2)原因
2 オーラルディスキネジア
3 習慣性顎関節脱臼
4 摂食嚥下障害
5 ブラキシズム
6 口腔乾燥症
第6章 補綴学的咬合様式と局部床義歯(部分床義歯)補綴により回復される咬合
(志賀 博・隅田由香)
I 補綴学的咬合様式
1 咬頭嵌合位における上下顎の咬合接触
1)咬頭・鼓形空隙(辺縁隆線)関係
2)咬頭・小窩関係
2 偏心位における上下顎の咬合接触
1)前方滑走運動時
2)後方滑走運動時
3)側方滑走運動時
II 局部床義歯補綴により回復される咬合
1 局部床義歯補綴により回復される咬合で留意すべき点
2 症例に応じた局部床義歯補綴の咬合の考え方
1)咬合支持が確立されている症例
2)咬合支持が確立されていない(失われている)症例
3 オーバーデンチャー補綴の咬合の考え方
第7章 咬合器の概念
(志賀 博)
I 咬合器の分類
1 非解剖学的咬合器(非顆路型咬合器)
1)自由運動咬合器
2)蝶番咬合器(平線咬合器)
2 解剖学的咬合器(顆路型咬合器)
1)解剖学的咬合器の分類
2)調節性咬合器の顆路指導機構による分類
II 咬合器の選択
第8章 局部床義歯(部分床義歯)の特徴と構成要素
(横山敦郎)
I 局部床義歯(部分床義歯)の特徴
II 局部床義歯の構成要素とそれらの役割
1 支台装置
1)目的
2)要件
3)分類
2 連結子
1)目的
2)要件
3)分類
3 義歯床
1)目的
2)要件
4 人工歯
1)目的
2)要件
3)種類
III 局部床義歯の構造による分類
1)レジン床義歯
2)金属床義歯
第9章 局部床義歯(部分床義歯)の選択
(前川賢治・山本さつき)
I 口腔以外の諸因子
1)年齢
2)健康状態
3)治療費用
4)患者の希望と理解度
5)職業的因子
6)時間的因子
7)患者の同意(インフォームドコンセント)
II ブリッジ
1)ブリッジの長所と短所
2)ブリッジの適応症
III 局部床義歯
1)局部床義歯の適応症
2)局部床義歯の非適応症
IV インプラント義歯
第10章 局部床義歯(部分床義歯)の分類
(玉置勝司)
I 力の負担様式
1)歯根膜負担
2)粘膜負担
3)歯根膜粘膜負担
II 中間欠損と遊離端欠損
1)中間欠損
2)遊離端欠損
III Kennedyの分類
IV Eichnerの分類
第11章 局部床義歯(部分床義歯)の支持,把持,維持の考え方
(市川哲雄・渡邉 恵)
I 局部床義歯のバイオメカニクス(生体力学)
II 局部床義歯の支持機構
1 支持の基本的考え方
2 支持機能を発揮する局部床義歯の構成要素
3 レスト
1)役割と起こりうる有害事象
2)レストの種類と要件
III 局部床義歯の把持機構
1 把持の基本的考え方
2 把持機能を発揮する局部床義歯の構成要素
3 ガイドプレーンと隣接面板
1)役割
2)要件
IV 局部床義歯の維持機構および支台装置の基本的概念
1 維持の基本的考え方
2 維持機能を発揮する局部床義歯の構成要素
3 支台装置とその分類
1)支台装置の要件
2)支台装置の形態による分類とその特徴
3)製作法または使用材料による分類
4)コンビネーションクラスプ
5)直接支台装置と間接支台装置
4 クラスプの基本的理解(レスト付き二腕鉤を例として)
1)クラスプの一般的構造と機能
2)クラスプの要件
3)鉤腕の維持力の発現
5 義歯床における維持
V 支台装置の働き方
1)咬合力の負担様式
2)リジッドサポートとフレキシブルサポート
3)リジッドサポートとその要件
第12章 支台装置
(横山敦郎・坂口 究)
I クラスプ
1 クラスプの分類
1)製作方法による分類
2)形態による分類
2 クラスプの材料
3 クラスプの種類
1)鋳造鉤
2)線鉤
3)コンビネーションクラスプ
II アタッチメント
1 アタッチメントの分類
1)設定位置,形態による分類
2)緩圧作用の有無による分類
3)製作方法による分類
第13章 連結子,義歯床,人工歯
(黒岩昭弘)
I 大連結子
1)設計
2)上顎の大連結子
3)口蓋の大連結子と口蓋粘膜の関係
4)下顎の大連結子
5)その他の大連結子
6)バーの製作法の違い
II 小連結子
III 義歯床
1)義歯床の外形
2)義歯床用レジン
3)加熱重合レジン
4)常温重合レジン
5)その他の床用レジン
6)ノンメタルクラスプデンチャーに用いられるレジン
IV 人工歯
第2編 臨床編
第14章 局部床義歯(部分床義歯)治療の臨床ステップ
(西村正宏・村上 格)
I 局部床義歯治療のステップとチェックポイント
1)診察,検査
2)概形印象採得
3)サベイング(仮設計)
4)治療計画の立案
5)治療計画の提示・インフォームドコンセント
6)口腔内前処置
7)精密印象採得と作業用模型の製作
8)咬合採得
9)作業用模型の咬合器装着
10)サベイングと義歯の設計(本設計)
11)人工歯排列
12)ろう義歯の試適
13)ろう義歯の埋没・重合
14)咬合器再装着・削合・研磨
15)義歯装着と患者指導
16)義歯調整(装着後2回目)
17)定期検診(リコール)
第15章 診察と診断
(佐々木啓一・依田信裕)
I 医療面接
1)面接のはじめに
2)面接をスムーズに行うためのコミュニケーションスキル
3)病歴の聴取
4)その他
II 問題志向型診療録(POMR)の導入
1)POMRの構造
2)POMRの特徴
III 現症の診察と検査
1 口腔外の診察
1)全身的診察
2)局所的診察
2 口腔内の診察
1)残存歯
2)口腔軟組織
3)欠損部顎堤
4)唾液
5)現義歯
3 研究用模型上での検査
1)残存歯
2)義歯床外形
4 エックス線検査
IV 咬合関係の検査
1)口腔内の検査
2)咬合器上での検査
V 機能検査
VI チャートの記入とプロブレムリストの作成
1)チャートの記載
2)プロブレムリストの作成
VII 診断
1)顎口腔系の状況
2)治療方法の選択
第16章 義歯の動き
(志賀 博)
I 義歯の動き
II 支台歯間線(鉤間線)と維持線
III 近心レストと遠心レスト
第17章 研究用模型のサベイング(仮設計)と治療計画
(志賀 博)
I サベイヤーの構造
II 研究用模型のサベイング(仮設計)
III 着脱方向を決定する要因
1)義歯に加わる咬合力の方向
2)ガイドプレーン
3)維持領域
4)着脱を妨げる障害部
5)外観
IV 治療計画
1)治療計画の基本的な順序
2)治療計画立案時の留意事項
3)初期(暫間的な)治療計画
4)最終的な治療計画の記録
5)診断,治療計画の提示とインフォームドコンセント
第18章 口腔内前処置
(都築 尊)
I 補綴前処置
1 咬合治療(咬合位と咬合接触関係の修正)
1)咬合位の回復
2)咬合平面の修正
2 支台歯の前処置
1)歯冠形態の修正
2)レストシートの形成
3)歯冠補綴
4)連結固定
3 前処置としての咬合調整
1)咬合調整の目的
2)咬合調整の適応症
3)咬合調整の禁忌症
4)咬合調整の時期
5)咬合調整に用いる器材
6)咬合器上での検査と模型上での予備調整
7)咬合調整の基本原則
8)早期接触の削合調整(咬頭嵌合位または下顎後退位)
9)咬頭干渉の削合調整(側方運動時)
10)前方運動時の干渉部の削合調整
4 顎堤粘膜の前処置:ティッシュコンディショニング(粘膜調整)
II その他の前処置
1)外科処置
2)保存処置
3)歯周治療
4)矯正治療
第19章 印象採得と模型製作
(横山敦郎)
I 負担様式に基づく印象採得の考え方と方法
1)歯根膜負担義歯
2)粘膜負担義歯
3)歯根膜粘膜負担義歯
II 印象材
1)アルジネート印象材
2)寒天印象材
3)シリコーンゴム印象材(付加重合型)
4)モデリングコンパウンド印象材
III 印象採得の実際
1 概形印象
2 個人トレー
1)個人トレーの目的と要件
2)個人トレーの製作
3 筋圧形成
4 機能印象
1)シリコーンゴム印象材による機能印象
2)寒天アルジネート連合印象による機能印象
IV オルタードキャスト法
1)目的と適応
2)方法
V 模型材と模型の種類
1 模型材
2 研究用模型
3 作業用模型
1)ボクシング
2)模型の製作と修正
4 耐火模型
1)作業用模型の修正
2)複印象
3)耐火模型の製作
第20章 咬合採得,人工歯の選択ならびに咬合器装着
(鮎川保則・古谷野 潔)
I 咬合採得
1)下顎位の評価
2)咬合採得前の咬頭嵌合位の安定度の確認と咬合採得の具体的手順
3)咬合床の種類
II 人工歯の選択
1)人工歯の種類
2)人工歯の選択基準
3)前歯部人工歯の選択
4)臼歯部人工歯の選択
III 咬合器装着
1)咬合器の選択
2)平均値咬合器の手順
3)半調節性咬合器の手順
第21章 作業用模型のサベイングと義歯の設計(本設計)
(村田比呂司)
I 作業用模型のサベイング
II 局部床義歯の設計の基本的考え方
1 設計の検討項目
2 設計の順序
3 設計に必要な考え方
1)支台歯(鉤歯)の選択
2)義歯床の外形
3)大連結子
4)直接支台装置
5)間接支台装置
III Kennedyの分類に基づく設計の考え方
1)Kennedy I級症例(両側性遊離端欠損)の設計
2)Kennedy II級症例(片側性遊離端欠損)の設計
3)Kennedy III級症例(片側性中間欠損)の設計
4)Kennedy IV級症例(両側にまたがる前歯部中間欠損が1か所のみ存在)の設計
IV 歯周組織と残存歯の衛生を考慮した設計
1)クラスプ
2)大連結子
3)人工歯
V 少数歯残存症例の設計
第22章 フレームワークの製作
(大川周治・岡本和彦)
I 金属床義歯の特徴
II フレームワークにおける各部の名称
III フレームワークの製作手順
IV フレームワークの試適
1)支台歯との適合性
2)顎堤および歯槽部粘膜との適合性
3)着脱の容易さ
4)レストおよび鉤肩の咬合調整
V フレームワーク用金属
1)コバルトクロム合金
2)タイプ4金合金・白金加金
3)チタン合金・純チタン
第23章 人工歯の排列,歯肉形成,ならびにろう義歯の試適
(水橋 史)
I 人工歯排列と咬合様式
1 人工歯排列
1)前歯部人工歯の排列
2)臼歯部人工歯の排列
2 咬合様式
1)前方残存歯による咬合誘導がある場合
2)前方残存歯による咬合誘導がない場合
3 人工歯の削合
1)咬頭嵌合位の削合
2)偏心運動時の削合
II 歯肉形成
1)中間欠損部の歯肉形成
2)遊離端欠損部の歯肉形成
3)歯肉形成の共通事項
III ろう義歯試適
第24章 埋没から義歯完成まで
(都尾元宣)
I 加熱重合法
1 埋没法の選択
2 埋没
3 流ろう(脱ろう)
4 加熱重合レジンの填入
5 重合
II 常温重合法
III 重合後の局部床義歯の咬合器再装着
IV 咬合調整
V 研磨
第25章 義歯の装着,調整ならびに指導
(河相安彦・伊藤誠康)
I 完成義歯の装着
1 完成義歯装着前の準備
1)義歯床粘膜面の確認
2)隣接面板周囲のレジンの付着
3)義歯床縁の確認
4)義歯床研磨面の確認
2 完成義歯の装着・検査・調整
1)支台装置と支台歯の適合試験
2)義歯床と粘膜との適合試験
3)義歯床縁の確認
4)維持力の確認
5)咬合関係の検査と調整
6)咬合調整後の義歯床と粘膜面との適合試験
7)構音,装着感の確認
3 完成義歯装着2回目以降の検査・調整
1)2回目来院時の医療面接と検査・調整
2)治療効果の評価
II 完成義歯装着時の患者指導
1)義歯の着脱方法
2)食事の摂取方法
3)義歯の清掃方法
4)口腔内の清掃方法
5)就寝時の義歯の取り扱い方法
6)義歯装着後に起こりうる事項の説明と管理に関する指導
第26章 義歯装着により生じる口腔と義歯の変化
(横山敦郎)
I 局部床義歯装着後の口腔の変化
1)下顎位
2)残存歯
3)顎堤粘膜と顎骨
II 局部床義歯装着後の義歯の変化
1)構成要素の破損
2)人工歯の咬耗
3)義歯床の変化
第27章 義歯装着後の管理
(山森徹雄)
I リコール
1)リコールの時期
2)リコール時の検査事項
3)問題点への対応
II リラインとリベース
1 リラインとリベースの適用条件
2 リライン,リベース用材料
1)リライン用材料
2)リベース用材料
3 直接法リラインの術式
4 間接法リラインの術式
5 リベースの術式(フラスク埋没による方法)
III 義歯の修理
1 義歯床の破折
1)原因
2)修理法
2 人工歯の脱落,破損
1)原因
2)修理法
3 支台装置,フレームワークの破損,脱落
1)原因
2)修理法
4 人工歯の咬耗,摩耗,変色
1)原因
2)修理法(人工歯の交換)
5 人工歯の追加(増歯)
1)原因(支台歯や残存歯の喪失)
2)修理法(増歯する方法)
IV 支台歯歯冠の再修復
1)一塊印象法
2)トランスファーコーピング法
第28章 暫間義歯,即時義歯,移行義歯,診断用義歯ならびに治療用義歯
(皆木省吾・兒玉直紀)
I 暫間義歯
1)適応症
2)利点と欠点
3)義歯を製作するうえで留意すべき事項
II 即時義歯
1)適応症
2)利点と欠点
3)義歯を製作するうえで留意すべき事項
III 移行義歯
1)適応症
2)利点と欠点
3)義歯を製作するうえで留意すべき事項
IV 診断用義歯ならびに治療用義歯
1)適応症
2)義歯を製作するうえで留意すべき事項
第29章 オーバーデンチャー
(池邉一典・権田知也)
I オーバーデンチャー
1)根面被覆(コーピング)
2)床外形
3)補強構造
4)経過観察
II オーバーデンチャーに用いるアタッチメントとその選択基準
1)根面アタッチメント
2)バーアタッチメント
3)磁性アタッチメント
III インプラントオーバーデンチャー
第30章 磁性アタッチメント義歯
(大川周治・曽根峰世)
1 構造
2 特徴(主として,根面アタッチメントの場合)
3 支台歯の選択基準
4 治療術式の要点
5 設計の基本原則(クラスプ義歯とほぼ同様)
6 患者への注意点
7 臨床例
第31章 インプラント補綴
(武部 純)
I インプラント治療の流れ
1)診察・検査
2)診断・治療計画
3)インプラント体埋入手術(一次手術,二次手術)
4)暫間上部構造の装着
5)最終上部構造の装着
6)術後の評価とリコール・メインテナンス
II 欠損歯列におけるインプラント治療の位置づけ
III 欠損歯列におけるインプラント体支持の局部床義歯
IV インプラントを用いた顎補綴治療
第32章 顎顔面補綴
(小野高裕・堀 一浩)
I 顎顔面補綴とは
II 顎顔面補綴患者の機能障害
1)上顎領域の欠損による機能障害
2)下顎領域の欠損による機能障害
3)機能検査による診断
III 顎顔面補綴装置とその効果
1)上顎領域の顎補綴装置
2)下顎領域の顎補綴装置
3)顔面補綴装置
第33章 要支援・要介護高齢者に対する局部床義歯(部分床義歯)補綴
(津賀一弘・吉川峰加)
I 要支援・要介護高齢者とは
II 要支援・要介護高齢者に対する局部床義歯の問題
III 要支援・要介護高齢者に対する局部床義歯治療
IV 摂食嚥下障害と舌接触補助床
V 予後を見据えた局部床義歯治療
コラム
矢状顆路傾斜角と側方顆路傾斜角の調節
左側方運動時の咬合器の動き
インプラント体支持
緩圧クラスプ
ビーディング
一次固定と二次固定
フィニッシュライン,維持格子,ティッシュストップ,メタルタッチ
参考文献
索引














