第4版 序文
口腔生化学がめざすもの
一般生化学general biochemistryとは,化学的分析によって生物がどのような分子から構成されているか,それらの構成分子がどのように集合し,相互作用することによって生命体を構成し,秩序だってその機能を調節し維持しているかを学び,研究する分野であり,その対象とするところは生物全般の生命現象である.これに対して,口腔生化学oral biochemistryとは口腔組織に生化学的,さらには分子生物学的な考え方や技術が適用され,蓄積された知識であり,従来の口腔生物学oral biologyから派生し,新しく体系づけられ,発展をしてきた(第1版序文参照).第1版が企画された当時において,口腔生化学は非常に新しい学問であり,したがって,第1版では一般生化学との関係を理解することを前提に次のようなねらいを目的として執筆された.
●口腔生化学は生化学的研究方法によって歯科臨床における諸課題と直結するテーマを扱う学問である.学問的に解明されてきたこと,研究途上のことなど,現況を把握する.
●口腔領域は小さいにもかかわらず,よく分化した組織からなり,また外界に開いているという他の身体部分とは異なる特徴を持つことから,口腔生化学を学ぶに際して,常に口腔解剖学や口腔組織学と関連づけるように心がけることが大切である.
●さらに,口腔生化学は他の歯科基礎医学との間にも相互に関連がある.特に,生理学,微生物学,病理学などと密接に関連していることを理解し,種々の学問の複合的な努力により臨床上の課題に光が当てられていることを知っておく.
本書の第1版の出版された1987年は利根川進博士が「多様な抗体を生成する遺伝的原理の解明」により日本人としてはじめてのノーベル医学・生理学賞を受賞した年であるが,約20年前に,今日の急速な生命科学の進歩は予測できたであろうか.その後のノーベル医学・生理学賞をみても,1990年代になり細胞内の情報伝達機構であるタンパク質リン酸化*やGTP結合タンパク質**などが次々と明らかになってきた.この機構は多くの生命現象に関係しており,口腔組織を理解する上でも避けて通れないものとなっている.それゆえ,本書ではサイトカイン,増殖因子などによる四肢や歯の形づくり,結合組織の形成,骨や軟骨の分化,炎症反応,がんの発生などの項で,これら細胞内情報伝達系の機構とその意義について取り上げている.同じように1990年代には遺伝子のエクソンやイントロンの構造が明らかになり,遺伝子を利用した医療の展開も始まってきた.2001年にはヒトの全ゲノムの解読がほぼ完了し,今後はそれら遺伝子の産物であるタンパク質の相互作用の解析という新しい生命科学の時代(ポストゲノムといわれる)へと突入していく.こうした分子生物学や細胞生物学の急速な進歩は文字通り目覚ましいものがあり,今回の改訂もそれらの知見を必要に応じて,随所に織り込み編集にあたったが,その骨格は第1版のものを継承している.すなわち,1987年の初版時にすでに現在をも見越して,本書の構成の筋道がつけられていたといっても過言ではないかと思う.しかも,口腔生化学が歯科臨床医学の基礎としてますますその重要性が高まってきていることを考えれば,第1版を執筆された早川太郎,須田立雄の両先生の慧眼に驚くばかりである.
生命科学の進歩とともに,歯科医学教育も劇的な変動の時代を迎えている.平成18年からは新しく改定された歯科医師国家試験出題基準により国家試験が行われる.その中では分子生物学の基礎も課題としてとりあげられている.また,「21世紀における医学・歯学教育の改善―学部教育の再構築のために―」(平成13年度医学・歯学教育の在り方調査研究協力者会議)の考え方からコアカリキュラムの教育内容についてガイドライン*が示され,それらを基に,平成18年度からは歯科医学教育の一環としての臨床実習に先立って,共用試験**が全国的に義務化される.コアカリキュラムやCBTでは生命科学の生化学的,分子生物学,細胞生物学の基本的な事項が問われる.歯科医師としてこれらの基礎的な知識の必要性が問われてきているのは,科学的なエビデンスに基いて思考する力が求められているからである.そのような意味からも口腔生化学の重要性が増していると考えられる.
第4版では,あたらしく著者として畑隆一郎(神奈川歯科大学),橋信博(東北大学大学院歯学研究科),宇田川信之(松本歯科大学)が加わった.基本的には第1版から第3版までの本書の精神を受け継ぎ,その構成は第1章から14章までほぼ踏襲しているが,それぞれの分野では,分子生物学的,細胞生物学的な新しい知見,考え方を加えて改訂を行った.とくに,全章をとおして歯科臨床医学とも関連づけるため,ヒトの疾患とのかかわりについて配慮した.また,内容を理解できるように,アミノ酸の一文字表記と三文字表記は一覧表として表紙裏に掲載し,分子生物学の基本的な知識についてはコラムとして随所に挿入し,本文中に参照ページを明記した.第2版までの「歯にみられる付着物」は,第3版では分割され「唾液の生化学」と「齲蝕の生化学」に組み入れられていたが,歯科における2大疾患といわれている齲蝕と歯周疾患とプラークとのかかわりの重要性を考慮し,第4版では第10章「プラーク」を新たに設け,プラーク,ペリクルをバイオフィルムという新しい概念としてとらえ,口腔内微生物が形づくる微小生態系に重点をおき再構成した.また,近年の免疫学の進歩は著しく,歯学部でも免疫学が生化学,細菌学とは別個に講義されることが多くなっていることを考慮し,第12章の「炎症と免疫」では免疫についての記載は自然免疫について重点をおき獲得免疫についてはその概論にとどめている.
口腔組織(象牙質,セメント質,歯槽骨,歯根膜,歯肉)といえばエナメル質を除いてはいずれも結合組織である.結合組織における代謝や組織形成を生化学的,分子生物学的に理解することはもちろんであるが,それとともに,口腔内での特徴を全身の他の臓器,組織と比較してこそ,口腔組織の特異性が理解されると考える.もちろん,それには口腔解剖学的,口腔組織学的,そして発生学的な特異性とも相互に結びつけ理解して,はじめて口腔組織の全貌が理解できることになる.さらに口腔の特徴はその表面がプラークと呼ばれる膨大な数の微生物で構成されるバイオフィルムで覆われているという事実であり,これら微生物の生化学的活性を通して齲蝕などの口腔疾患が生じる.エナメル質,象牙質,セメント質,歯根膜などは口腔に特有な組織であり,それだけにそこでの疾患も口腔特有なものとなる.骨組織に関する知識は歯周疾患でみられる歯槽骨の吸収,口腔外科などで扱う骨欠損部の修復,補綴領域で行われるインプラントの骨性癒合など歯科臨床での重要な問題を理解するのに不可欠である.唾液は絶えず口腔内に分泌され,重要な生理機能が知られているが,消化器系,泌尿器系,呼吸器系の粘膜組織にもよく似た成分の分泌液が存在する.それらとの相違を明確にすることにより,口腔組織の特徴が理解されるであろう.また近年,人口の高齢化にともない口腔がんの頻度も次第に増加しつつある.プラーク,炎症,がんなどは口腔生化学だけではなく口腔微生物学,口腔免疫学,口腔病理学とも関係の深い内容であり,それぞれと相互に結びつけて理解することを望みたい.すなわち,「口腔生化学」といえども単一の限局された部位での生化学的事象を理解するものではなく,生体全体の生命現象の一部であり,そこで学ぶ事象は全身と密接に関連しているという観点を基に理解してほしい.本書が歯科医師国家試験や共用試験などの目的だけに利用されるのではなく,本書から口腔組織のもつ科学としての面白さを感じ取られることを期待している.
あたらしい筆者を加え,「口腔生化学」が第4版として継続されたことを誇りに思っている.改訂にあたり,さまざまなご助言をいただいた早川太郎,須田立雄先生にはあらためて敬意を表し感謝申し上げたい.第1版から第3版の出版でのご助言や資料の提供をいただいた先生方,さらに今回の第4版で新たに文献や資料として引用させていただいた先生方には心より感謝の意を表したい.
出版にあたり適切な指摘や助言をしてくださった医歯薬出版編集部のみなさんにも謝意を表したい.
2005年8月
著者代表 木崎 治俊
口腔生化学がめざすもの
一般生化学general biochemistryとは,化学的分析によって生物がどのような分子から構成されているか,それらの構成分子がどのように集合し,相互作用することによって生命体を構成し,秩序だってその機能を調節し維持しているかを学び,研究する分野であり,その対象とするところは生物全般の生命現象である.これに対して,口腔生化学oral biochemistryとは口腔組織に生化学的,さらには分子生物学的な考え方や技術が適用され,蓄積された知識であり,従来の口腔生物学oral biologyから派生し,新しく体系づけられ,発展をしてきた(第1版序文参照).第1版が企画された当時において,口腔生化学は非常に新しい学問であり,したがって,第1版では一般生化学との関係を理解することを前提に次のようなねらいを目的として執筆された.
●口腔生化学は生化学的研究方法によって歯科臨床における諸課題と直結するテーマを扱う学問である.学問的に解明されてきたこと,研究途上のことなど,現況を把握する.
●口腔領域は小さいにもかかわらず,よく分化した組織からなり,また外界に開いているという他の身体部分とは異なる特徴を持つことから,口腔生化学を学ぶに際して,常に口腔解剖学や口腔組織学と関連づけるように心がけることが大切である.
●さらに,口腔生化学は他の歯科基礎医学との間にも相互に関連がある.特に,生理学,微生物学,病理学などと密接に関連していることを理解し,種々の学問の複合的な努力により臨床上の課題に光が当てられていることを知っておく.
本書の第1版の出版された1987年は利根川進博士が「多様な抗体を生成する遺伝的原理の解明」により日本人としてはじめてのノーベル医学・生理学賞を受賞した年であるが,約20年前に,今日の急速な生命科学の進歩は予測できたであろうか.その後のノーベル医学・生理学賞をみても,1990年代になり細胞内の情報伝達機構であるタンパク質リン酸化*やGTP結合タンパク質**などが次々と明らかになってきた.この機構は多くの生命現象に関係しており,口腔組織を理解する上でも避けて通れないものとなっている.それゆえ,本書ではサイトカイン,増殖因子などによる四肢や歯の形づくり,結合組織の形成,骨や軟骨の分化,炎症反応,がんの発生などの項で,これら細胞内情報伝達系の機構とその意義について取り上げている.同じように1990年代には遺伝子のエクソンやイントロンの構造が明らかになり,遺伝子を利用した医療の展開も始まってきた.2001年にはヒトの全ゲノムの解読がほぼ完了し,今後はそれら遺伝子の産物であるタンパク質の相互作用の解析という新しい生命科学の時代(ポストゲノムといわれる)へと突入していく.こうした分子生物学や細胞生物学の急速な進歩は文字通り目覚ましいものがあり,今回の改訂もそれらの知見を必要に応じて,随所に織り込み編集にあたったが,その骨格は第1版のものを継承している.すなわち,1987年の初版時にすでに現在をも見越して,本書の構成の筋道がつけられていたといっても過言ではないかと思う.しかも,口腔生化学が歯科臨床医学の基礎としてますますその重要性が高まってきていることを考えれば,第1版を執筆された早川太郎,須田立雄の両先生の慧眼に驚くばかりである.
生命科学の進歩とともに,歯科医学教育も劇的な変動の時代を迎えている.平成18年からは新しく改定された歯科医師国家試験出題基準により国家試験が行われる.その中では分子生物学の基礎も課題としてとりあげられている.また,「21世紀における医学・歯学教育の改善―学部教育の再構築のために―」(平成13年度医学・歯学教育の在り方調査研究協力者会議)の考え方からコアカリキュラムの教育内容についてガイドライン*が示され,それらを基に,平成18年度からは歯科医学教育の一環としての臨床実習に先立って,共用試験**が全国的に義務化される.コアカリキュラムやCBTでは生命科学の生化学的,分子生物学,細胞生物学の基本的な事項が問われる.歯科医師としてこれらの基礎的な知識の必要性が問われてきているのは,科学的なエビデンスに基いて思考する力が求められているからである.そのような意味からも口腔生化学の重要性が増していると考えられる.
第4版では,あたらしく著者として畑隆一郎(神奈川歯科大学),橋信博(東北大学大学院歯学研究科),宇田川信之(松本歯科大学)が加わった.基本的には第1版から第3版までの本書の精神を受け継ぎ,その構成は第1章から14章までほぼ踏襲しているが,それぞれの分野では,分子生物学的,細胞生物学的な新しい知見,考え方を加えて改訂を行った.とくに,全章をとおして歯科臨床医学とも関連づけるため,ヒトの疾患とのかかわりについて配慮した.また,内容を理解できるように,アミノ酸の一文字表記と三文字表記は一覧表として表紙裏に掲載し,分子生物学の基本的な知識についてはコラムとして随所に挿入し,本文中に参照ページを明記した.第2版までの「歯にみられる付着物」は,第3版では分割され「唾液の生化学」と「齲蝕の生化学」に組み入れられていたが,歯科における2大疾患といわれている齲蝕と歯周疾患とプラークとのかかわりの重要性を考慮し,第4版では第10章「プラーク」を新たに設け,プラーク,ペリクルをバイオフィルムという新しい概念としてとらえ,口腔内微生物が形づくる微小生態系に重点をおき再構成した.また,近年の免疫学の進歩は著しく,歯学部でも免疫学が生化学,細菌学とは別個に講義されることが多くなっていることを考慮し,第12章の「炎症と免疫」では免疫についての記載は自然免疫について重点をおき獲得免疫についてはその概論にとどめている.
口腔組織(象牙質,セメント質,歯槽骨,歯根膜,歯肉)といえばエナメル質を除いてはいずれも結合組織である.結合組織における代謝や組織形成を生化学的,分子生物学的に理解することはもちろんであるが,それとともに,口腔内での特徴を全身の他の臓器,組織と比較してこそ,口腔組織の特異性が理解されると考える.もちろん,それには口腔解剖学的,口腔組織学的,そして発生学的な特異性とも相互に結びつけ理解して,はじめて口腔組織の全貌が理解できることになる.さらに口腔の特徴はその表面がプラークと呼ばれる膨大な数の微生物で構成されるバイオフィルムで覆われているという事実であり,これら微生物の生化学的活性を通して齲蝕などの口腔疾患が生じる.エナメル質,象牙質,セメント質,歯根膜などは口腔に特有な組織であり,それだけにそこでの疾患も口腔特有なものとなる.骨組織に関する知識は歯周疾患でみられる歯槽骨の吸収,口腔外科などで扱う骨欠損部の修復,補綴領域で行われるインプラントの骨性癒合など歯科臨床での重要な問題を理解するのに不可欠である.唾液は絶えず口腔内に分泌され,重要な生理機能が知られているが,消化器系,泌尿器系,呼吸器系の粘膜組織にもよく似た成分の分泌液が存在する.それらとの相違を明確にすることにより,口腔組織の特徴が理解されるであろう.また近年,人口の高齢化にともない口腔がんの頻度も次第に増加しつつある.プラーク,炎症,がんなどは口腔生化学だけではなく口腔微生物学,口腔免疫学,口腔病理学とも関係の深い内容であり,それぞれと相互に結びつけて理解することを望みたい.すなわち,「口腔生化学」といえども単一の限局された部位での生化学的事象を理解するものではなく,生体全体の生命現象の一部であり,そこで学ぶ事象は全身と密接に関連しているという観点を基に理解してほしい.本書が歯科医師国家試験や共用試験などの目的だけに利用されるのではなく,本書から口腔組織のもつ科学としての面白さを感じ取られることを期待している.
あたらしい筆者を加え,「口腔生化学」が第4版として継続されたことを誇りに思っている.改訂にあたり,さまざまなご助言をいただいた早川太郎,須田立雄先生にはあらためて敬意を表し感謝申し上げたい.第1版から第3版の出版でのご助言や資料の提供をいただいた先生方,さらに今回の第4版で新たに文献や資料として引用させていただいた先生方には心より感謝の意を表したい.
出版にあたり適切な指摘や助言をしてくださった医歯薬出版編集部のみなさんにも謝意を表したい.
2005年8月
著者代表 木崎 治俊
1章 硬組織の起源とその進化(木崎治俊・須田立雄)
1 骨の起源
2 無脊椎動物から脊椎動物へ―炭酸カルシウムからリン酸カルシウムへの変化をもたらしたもの
3 脊椎動物における骨組織の進化―外骨格から内骨格へ
4 骨は軟骨から進化したのだろうか
5 歯と骨はどちらが先に進化したか
2章 骨と歯の形づくりの分子メカニズム(木崎治俊・須田立雄)
1 四肢の原基(肢芽)の構造と3つの体軸(基部先端部軸,前後軸,背腹軸)の決定
2 骨(軟骨)の形を決めるホメオボックス遺伝子(Hox遺伝子)
3 歯の形成とホメオボックス遺伝子
3章 結合組織の生化学(畑隆一郎・早川太郎)
1 コラーゲン
1.コラーゲンファミリー
2.線維形成コラーゲン
1)線維形成コラーゲンの化学と構造 2)コラーゲンの合成過程
3.ファシットコラーゲン
4.基底膜コラーゲン
5.その他のコラーゲン
6.コラーゲン様タンパク質
2 エラスチン
1.エラスチンの所在と構造
2.トロポエラスチン
3.エラスチン結合ミクロフィブリル
3 プロテオグリカンファミリー
1.プロテオグリカンとグリコサミノグリカン
2.主なプロテオグリカン
1)アグリカン 2)デコリン 3)シンデカン 4)パールカン 5)グリピカン
3.プロテオグリカンの生理的機能
4 接着性タンパク質
1.フィブロネクチン
2.ラミニンファミリー
3.テネイシン
4.ビトロネクチン
5.トロンボスポンジンファミリー
6.細胞接着ペプチドとインテグリンスーパーファミリー
7.インテグリン接着シグナルの生理的意味
8.インテグリン以外のECM受容体
9.細胞と細胞の接着因子
5 細胞外マトリックス成分の分解
1.タンパク質の分解
1)マトリックスメタロプロテアーゼ 2)マトリックス成分の分解調節機構 3)セリンプロテアーゼ
2.グリコサミノグリカンの分解
1)酵素と先天性酵素欠損症
6 上皮とケラチン
1.上 皮
2.ケラチン
3.ケラチン分子とその構造
4章 骨と歯に特有な有機成分(畑隆一郎・早川太郎)
1 骨,象牙質およびセメント質に共通な有機成分
1.コラーゲン
2.硬組織にのみ存在する非コラーゲン性タンパク質
1)オステオカルシン 2)骨シアロタンパク質 3)象牙質マトリックスタンパク質1 4)BAG-75
3.他の結合組織にも存在する非コラーゲン性タンパク質
1)マトリックスGlaタンパク質 2)オステオネクチン……82 3)オステオポンチン 4)その他のRGD含有タンパク質……84 5)プロテオグリカン 6)増殖因子
4.血清タンパク質
1)血清アルブミン 2)α2-HS-糖タンパク質
5.脂質
6.その他の有機成分
2 エナメル質のタンパク質
1.幼若エナメルのタンパク質
1)アメロゲニン 2)エナメリン 3)シースリン……90 4)その他のタンパク質
2.成熟エナメル質のタンパク質
1)タフトタンパク質
3 象牙質に特有な非コラーゲン性タンパク質―象牙質シアロリンタンパク質
1.象牙質リンタンパク質
5章 骨と歯の無機成分(畑隆一郎・早川太郎)
1 リン酸カルシウムとアパタイト前駆体
2 ヒドロキシアパタイトの結晶学
1.単位胞
2.CaとPの比
3 アパタイトの特異な性質
1.水和層
2.イオン交換
4 エナメル質アパタイトの特徴
5 エナメル質の無機成分の特徴
1.ナトリウム(Na)
2.マグネシウム(Mg)
3.塩素(Cl)
4.炭酸
5.エナメル質の微量元素
1)フッ素(F) 2)ストロンチウム(Sr) 3)鉛(Pb)……109 4)銅(Cu) 5)鉄(Fe) 6)亜鉛(Zn)……109 7)その他の微量元素
6章 硬組織の形成と吸収のしくみ(宇田川信之・須田立雄)
1 軟骨細胞,骨芽細胞および骨細胞の分化と機能発現の調節
1.軟骨と骨を形成する細胞の起源
2.膜内骨化と軟骨内骨化
1)膜内骨化 2)軟骨内骨化
3.軟骨細胞の特徴と機能発現の調節
1)軟骨細胞の特徴 2)軟骨細胞の増殖と分化 3)軟骨細胞の分化と機能発現を調節する因子
4.骨芽細胞の分化と機能発現の調節
1)骨芽細胞の特徴 2)骨芽細胞の分化と機能発現を調節するBMP 3)BMPファミリーの構造と分類およびシグナル伝達……121 4)骨芽細胞の分化に必須な転写因子Runx2(cbfa1)とOsterix
5.骨細胞の特徴と機能
2 破骨細胞の分化と機能発現の調節
1.破骨細胞の特徴
2.破骨細胞の形成とその調節
3.破骨細胞形成抑制因子(OPG)の発見
4.破骨細胞分化因子(RANKL)の同定
5.RANKLの骨芽細胞におけるシグナル伝達
6.炎症性サイトカインによる破骨細胞形成と骨吸収機能調節
3 骨組織のリモデリング(改造)
1.骨のモデリングとリモデリング
2.リモデリングの調節因子
3.骨吸収と骨形成のカップリング
4 エナメル質と象牙質の形成
1.歯の構造的な特徴
2.エナメル芽細胞の一生
3.象牙質の形成
7章 石灰化の機構(宇田川信之・須田立雄)
1 血清中のカルシウムとリン酸の活動度積(溶解度積)
2 骨の石灰化
1.Robisonのアルカリホスファターゼ説
2.体液は骨ミネラルに対して本当に不飽和か
3.Neumanのエピタキシー説
1)コラーゲンによるヒドロキシアパタイトのエピタキシー……147 2)非コラーゲン性タンパク質によるヒドロキシアパタイトのエピタキシー 3)脂質によるヒドロキシアパタイトのエピタキシー
4.基質小胞説
1)基質小胞の発見と形態学的特徴 2)基質小胞の酵素……153 3)基質小胞へのカルシウム流入機構 4)基質小胞と脂質……155 5)初期石灰化機構と基質小胞の役割
5.アルカリホスファターゼの石灰化における新たな生理的役割
6.現時点での骨の石灰化機構の全体像
3 エナメル質と象牙質の石灰化の機構
1.エナメル質の石灰化
1)アメロゲニン 2)エナメリン
2.象牙質の石灰化
8章 血清カルシウムの恒常性とその調節機構(宇田川信之・須田立雄)
1 生体内におけるカルシウムの動き
2 血清カルシウムの恒常性
3 副甲状腺(上皮小体)ホルモンとその役割
1.副甲状腺ホルモンの化学
2.PTH分子の構造活性相関
3.副甲状腺ホルモンの合成・分泌機構
1)Ca2+による調節 2)活性型ビタミンDによる調節
4.副甲状腺ホルモンの作用
1)PTHの腎臓での作用 2)PTHの骨組織での作用
5.副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)
6.PTH/PTHrP受容体の分布とシグナル伝達系
4 カルシトニンとその作用
1.カルシトニンの発見
2.カルシトニンの化学
3.カルシトニンの分泌調節
4.カルシトニンの作用
1)骨に対する作用 2)腎臓に対する作用 3)消化管に対する作用 4)中枢神経系に対する作用
5.カルシトニン受容体
6.カルシトニン遺伝子関連ペプチド
5 ビタミンDとその役割
1.ビタミンDの化学
2.ビタミンDの代謝経路
3.ビタミンDの代謝調節機構
1)腎臓におけるビタミンD代謝調節 2)ビタミンDの活性化を負に制御するFGF-23
4.ビタミンDの作用メカニズム
1)小腸に対する作用 2)骨組織に対する作用 3)血球細胞に対する作用
9章 唾液の生化学(木崎治俊・早川太郎)
1 唾液腺の構造と神経支配
2 唾液分泌のメカニズム
3 唾液の組成
4 唾液の有機成分
1.タンパク質
1)糖タンパク質 2)唾液に特徴的なタンパク質およびペプチド……200 3)唾液中の主な酵素とその関連因子 4)抗菌性,抗ウイルス性タンパク質 5)その他の血清由来成分
2.低分子有機物質
3.ホルモン
4.サイトカイン
5 唾液の無機成分
1.カルシウムとリン酸
2.ナトリウムとカリウム
3.ハロゲン元素
4.ロダン
5.炭酸ガスと唾液pH
6.唾液タンパク質とペリクル
10章 プラーク(橋信博・早川太郎)
1 ペリクルとプラークの形成
1.有機質被膜としてのペリクルの形成
1)ペリクルの組成 2)ペリクルの形成機序と機能……215 3)ペリクル以外の口腔表面有機質被膜
2.バイオフィルム,微小生態系としてのプラーク
1)バイオフィルムとしてのプラーク 2)微小生態系としてのプラーク
2 歯肉縁上プラーク
1.歯肉縁上プラークの環境
2.歯肉縁上プラークの組成
1)細菌 2)マトリックス 3)その他
3.歯肉縁上プラークの代謝活性 ―酸産生とpH低下
1)ステファン曲線 2)糖代謝と酸の産生 3)pHの回復
3 歯肉縁下プラーク
1.歯肉縁下プラークの環境
2.歯肉縁下プラークの組成
3.代謝活性 ―タンパク質,アミノ酸の代謝
4.歯周病原性
1)細菌の代謝活性と生体防御機構 2)細菌の適応と細菌叢のシフト 3)歯周疾患の発症
4 舌苔
1.舌苔の環境と組成
2.代謝活性と口臭
3.口臭および舌苔と他の疾患
5 歯石
1.組成
2.形成機構
11章 齲蝕の生化学(橋信博・早川太郎)
1 齲蝕発生のしくみ
1.エナメル質の脱灰
1)酸脱灰説と酸によるエナメル質の脱灰 2)タンパク分解説とタンパク分解‐キレート説 3)初期のエナメル質齲蝕
2.象牙質齲蝕
3.多因子疾患としての齲蝕
1)細菌 2)糖質 3)宿主 4)時間……249 5)生活習慣病としての齲蝕
4.エナメル質の再石灰化
2 齲蝕の予防
1.フッ素
2.砂糖と代用甘味料
1)砂糖の甘味料としての特徴 2)非齲蝕性甘味料
3.齲蝕免疫
12章 炎症と免疫(木崎治俊・須田立雄)
1 生体防御機構の構築
2 炎症・免疫にかかわる細胞の発生・分化
3 炎症の経過と炎症細胞の機能
1.炎症の経過
2.炎症と接着因子
3.炎症細胞の役割
1)好中球(多形核白血球) 2)呼吸バーストと活性酸素による殺菌 3)好塩基球,マスト細胞と好酸球の働き 4)マクロファージの働き
4.病原体の認識と炎症反応
4 炎症とケミカルメディエーター
1.ケミカルメディエーター
1)アミン 2)キニン 3)プロスタグランジンとロイコトリエン 4)サイトカイン
2.炎症と一酸化窒素(NO)
5 免疫
1.自己と非自己の認識液性免疫と細胞性免疫
2.免疫反応の概要
1)異物の貪食と抗原の提示 2)Tリンパ球の働き……281 3)Bリンパ球と抗体産生 4)免疫グロブリン……282 5)NK細胞
3.補体
13章 歯周組織と歯周疾患のなりたち(木崎治俊・早川太郎)
1 歯周組織の構造と組成
1.歯周組織の構造
1)口腔粘膜と歯肉 2)セメント質 3)歯根膜……290 4)歯槽骨
2.歯周組織の化学組成
1)歯肉 2)セメント質 3)歯根膜
2 歯周組織の破壊と再生
1.歯肉組織の破壊
1)プロテアーゼによる破壊 2)サイトカインと組織傷害
2.歯槽骨の吸収
3.歯周組織の再生
14章 がんはどうしてできるか(木崎治俊・須田立雄)
1 細胞の増殖
1.細胞周期
2.体細胞の分裂能
3.細胞周期の制御機構
2 がん細胞の特徴
1.無秩序な自律性増殖
2.アポトーシスの回避と血管形成
3.がんの浸潤と転移
4.その他の多様な性質
3 がん細胞ができるまで
1.正常細胞の形質転換
2.プロトがん遺伝子の役割
3.がん抑制遺伝子とその働き
4.形質転換した細胞の成長(プロモーション)と悪性化(プログレッション)
4 発がん因子
1.ウイルス
2.放射線
3.化学物質
4.遺伝
コラム1 条件付き遺伝子破壊マウスの作製法
コラム2 ノックアウトマウスの作製法
コラム3 トランスジェニックマウスの作製法
コラム4 プロモーター
コラム5 選択的RNAスプライシング
コラム6 クローニング
・和文索引
・欧文索引
1 骨の起源
2 無脊椎動物から脊椎動物へ―炭酸カルシウムからリン酸カルシウムへの変化をもたらしたもの
3 脊椎動物における骨組織の進化―外骨格から内骨格へ
4 骨は軟骨から進化したのだろうか
5 歯と骨はどちらが先に進化したか
2章 骨と歯の形づくりの分子メカニズム(木崎治俊・須田立雄)
1 四肢の原基(肢芽)の構造と3つの体軸(基部先端部軸,前後軸,背腹軸)の決定
2 骨(軟骨)の形を決めるホメオボックス遺伝子(Hox遺伝子)
3 歯の形成とホメオボックス遺伝子
3章 結合組織の生化学(畑隆一郎・早川太郎)
1 コラーゲン
1.コラーゲンファミリー
2.線維形成コラーゲン
1)線維形成コラーゲンの化学と構造 2)コラーゲンの合成過程
3.ファシットコラーゲン
4.基底膜コラーゲン
5.その他のコラーゲン
6.コラーゲン様タンパク質
2 エラスチン
1.エラスチンの所在と構造
2.トロポエラスチン
3.エラスチン結合ミクロフィブリル
3 プロテオグリカンファミリー
1.プロテオグリカンとグリコサミノグリカン
2.主なプロテオグリカン
1)アグリカン 2)デコリン 3)シンデカン 4)パールカン 5)グリピカン
3.プロテオグリカンの生理的機能
4 接着性タンパク質
1.フィブロネクチン
2.ラミニンファミリー
3.テネイシン
4.ビトロネクチン
5.トロンボスポンジンファミリー
6.細胞接着ペプチドとインテグリンスーパーファミリー
7.インテグリン接着シグナルの生理的意味
8.インテグリン以外のECM受容体
9.細胞と細胞の接着因子
5 細胞外マトリックス成分の分解
1.タンパク質の分解
1)マトリックスメタロプロテアーゼ 2)マトリックス成分の分解調節機構 3)セリンプロテアーゼ
2.グリコサミノグリカンの分解
1)酵素と先天性酵素欠損症
6 上皮とケラチン
1.上 皮
2.ケラチン
3.ケラチン分子とその構造
4章 骨と歯に特有な有機成分(畑隆一郎・早川太郎)
1 骨,象牙質およびセメント質に共通な有機成分
1.コラーゲン
2.硬組織にのみ存在する非コラーゲン性タンパク質
1)オステオカルシン 2)骨シアロタンパク質 3)象牙質マトリックスタンパク質1 4)BAG-75
3.他の結合組織にも存在する非コラーゲン性タンパク質
1)マトリックスGlaタンパク質 2)オステオネクチン……82 3)オステオポンチン 4)その他のRGD含有タンパク質……84 5)プロテオグリカン 6)増殖因子
4.血清タンパク質
1)血清アルブミン 2)α2-HS-糖タンパク質
5.脂質
6.その他の有機成分
2 エナメル質のタンパク質
1.幼若エナメルのタンパク質
1)アメロゲニン 2)エナメリン 3)シースリン……90 4)その他のタンパク質
2.成熟エナメル質のタンパク質
1)タフトタンパク質
3 象牙質に特有な非コラーゲン性タンパク質―象牙質シアロリンタンパク質
1.象牙質リンタンパク質
5章 骨と歯の無機成分(畑隆一郎・早川太郎)
1 リン酸カルシウムとアパタイト前駆体
2 ヒドロキシアパタイトの結晶学
1.単位胞
2.CaとPの比
3 アパタイトの特異な性質
1.水和層
2.イオン交換
4 エナメル質アパタイトの特徴
5 エナメル質の無機成分の特徴
1.ナトリウム(Na)
2.マグネシウム(Mg)
3.塩素(Cl)
4.炭酸
5.エナメル質の微量元素
1)フッ素(F) 2)ストロンチウム(Sr) 3)鉛(Pb)……109 4)銅(Cu) 5)鉄(Fe) 6)亜鉛(Zn)……109 7)その他の微量元素
6章 硬組織の形成と吸収のしくみ(宇田川信之・須田立雄)
1 軟骨細胞,骨芽細胞および骨細胞の分化と機能発現の調節
1.軟骨と骨を形成する細胞の起源
2.膜内骨化と軟骨内骨化
1)膜内骨化 2)軟骨内骨化
3.軟骨細胞の特徴と機能発現の調節
1)軟骨細胞の特徴 2)軟骨細胞の増殖と分化 3)軟骨細胞の分化と機能発現を調節する因子
4.骨芽細胞の分化と機能発現の調節
1)骨芽細胞の特徴 2)骨芽細胞の分化と機能発現を調節するBMP 3)BMPファミリーの構造と分類およびシグナル伝達……121 4)骨芽細胞の分化に必須な転写因子Runx2(cbfa1)とOsterix
5.骨細胞の特徴と機能
2 破骨細胞の分化と機能発現の調節
1.破骨細胞の特徴
2.破骨細胞の形成とその調節
3.破骨細胞形成抑制因子(OPG)の発見
4.破骨細胞分化因子(RANKL)の同定
5.RANKLの骨芽細胞におけるシグナル伝達
6.炎症性サイトカインによる破骨細胞形成と骨吸収機能調節
3 骨組織のリモデリング(改造)
1.骨のモデリングとリモデリング
2.リモデリングの調節因子
3.骨吸収と骨形成のカップリング
4 エナメル質と象牙質の形成
1.歯の構造的な特徴
2.エナメル芽細胞の一生
3.象牙質の形成
7章 石灰化の機構(宇田川信之・須田立雄)
1 血清中のカルシウムとリン酸の活動度積(溶解度積)
2 骨の石灰化
1.Robisonのアルカリホスファターゼ説
2.体液は骨ミネラルに対して本当に不飽和か
3.Neumanのエピタキシー説
1)コラーゲンによるヒドロキシアパタイトのエピタキシー……147 2)非コラーゲン性タンパク質によるヒドロキシアパタイトのエピタキシー 3)脂質によるヒドロキシアパタイトのエピタキシー
4.基質小胞説
1)基質小胞の発見と形態学的特徴 2)基質小胞の酵素……153 3)基質小胞へのカルシウム流入機構 4)基質小胞と脂質……155 5)初期石灰化機構と基質小胞の役割
5.アルカリホスファターゼの石灰化における新たな生理的役割
6.現時点での骨の石灰化機構の全体像
3 エナメル質と象牙質の石灰化の機構
1.エナメル質の石灰化
1)アメロゲニン 2)エナメリン
2.象牙質の石灰化
8章 血清カルシウムの恒常性とその調節機構(宇田川信之・須田立雄)
1 生体内におけるカルシウムの動き
2 血清カルシウムの恒常性
3 副甲状腺(上皮小体)ホルモンとその役割
1.副甲状腺ホルモンの化学
2.PTH分子の構造活性相関
3.副甲状腺ホルモンの合成・分泌機構
1)Ca2+による調節 2)活性型ビタミンDによる調節
4.副甲状腺ホルモンの作用
1)PTHの腎臓での作用 2)PTHの骨組織での作用
5.副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)
6.PTH/PTHrP受容体の分布とシグナル伝達系
4 カルシトニンとその作用
1.カルシトニンの発見
2.カルシトニンの化学
3.カルシトニンの分泌調節
4.カルシトニンの作用
1)骨に対する作用 2)腎臓に対する作用 3)消化管に対する作用 4)中枢神経系に対する作用
5.カルシトニン受容体
6.カルシトニン遺伝子関連ペプチド
5 ビタミンDとその役割
1.ビタミンDの化学
2.ビタミンDの代謝経路
3.ビタミンDの代謝調節機構
1)腎臓におけるビタミンD代謝調節 2)ビタミンDの活性化を負に制御するFGF-23
4.ビタミンDの作用メカニズム
1)小腸に対する作用 2)骨組織に対する作用 3)血球細胞に対する作用
9章 唾液の生化学(木崎治俊・早川太郎)
1 唾液腺の構造と神経支配
2 唾液分泌のメカニズム
3 唾液の組成
4 唾液の有機成分
1.タンパク質
1)糖タンパク質 2)唾液に特徴的なタンパク質およびペプチド……200 3)唾液中の主な酵素とその関連因子 4)抗菌性,抗ウイルス性タンパク質 5)その他の血清由来成分
2.低分子有機物質
3.ホルモン
4.サイトカイン
5 唾液の無機成分
1.カルシウムとリン酸
2.ナトリウムとカリウム
3.ハロゲン元素
4.ロダン
5.炭酸ガスと唾液pH
6.唾液タンパク質とペリクル
10章 プラーク(橋信博・早川太郎)
1 ペリクルとプラークの形成
1.有機質被膜としてのペリクルの形成
1)ペリクルの組成 2)ペリクルの形成機序と機能……215 3)ペリクル以外の口腔表面有機質被膜
2.バイオフィルム,微小生態系としてのプラーク
1)バイオフィルムとしてのプラーク 2)微小生態系としてのプラーク
2 歯肉縁上プラーク
1.歯肉縁上プラークの環境
2.歯肉縁上プラークの組成
1)細菌 2)マトリックス 3)その他
3.歯肉縁上プラークの代謝活性 ―酸産生とpH低下
1)ステファン曲線 2)糖代謝と酸の産生 3)pHの回復
3 歯肉縁下プラーク
1.歯肉縁下プラークの環境
2.歯肉縁下プラークの組成
3.代謝活性 ―タンパク質,アミノ酸の代謝
4.歯周病原性
1)細菌の代謝活性と生体防御機構 2)細菌の適応と細菌叢のシフト 3)歯周疾患の発症
4 舌苔
1.舌苔の環境と組成
2.代謝活性と口臭
3.口臭および舌苔と他の疾患
5 歯石
1.組成
2.形成機構
11章 齲蝕の生化学(橋信博・早川太郎)
1 齲蝕発生のしくみ
1.エナメル質の脱灰
1)酸脱灰説と酸によるエナメル質の脱灰 2)タンパク分解説とタンパク分解‐キレート説 3)初期のエナメル質齲蝕
2.象牙質齲蝕
3.多因子疾患としての齲蝕
1)細菌 2)糖質 3)宿主 4)時間……249 5)生活習慣病としての齲蝕
4.エナメル質の再石灰化
2 齲蝕の予防
1.フッ素
2.砂糖と代用甘味料
1)砂糖の甘味料としての特徴 2)非齲蝕性甘味料
3.齲蝕免疫
12章 炎症と免疫(木崎治俊・須田立雄)
1 生体防御機構の構築
2 炎症・免疫にかかわる細胞の発生・分化
3 炎症の経過と炎症細胞の機能
1.炎症の経過
2.炎症と接着因子
3.炎症細胞の役割
1)好中球(多形核白血球) 2)呼吸バーストと活性酸素による殺菌 3)好塩基球,マスト細胞と好酸球の働き 4)マクロファージの働き
4.病原体の認識と炎症反応
4 炎症とケミカルメディエーター
1.ケミカルメディエーター
1)アミン 2)キニン 3)プロスタグランジンとロイコトリエン 4)サイトカイン
2.炎症と一酸化窒素(NO)
5 免疫
1.自己と非自己の認識液性免疫と細胞性免疫
2.免疫反応の概要
1)異物の貪食と抗原の提示 2)Tリンパ球の働き……281 3)Bリンパ球と抗体産生 4)免疫グロブリン……282 5)NK細胞
3.補体
13章 歯周組織と歯周疾患のなりたち(木崎治俊・早川太郎)
1 歯周組織の構造と組成
1.歯周組織の構造
1)口腔粘膜と歯肉 2)セメント質 3)歯根膜……290 4)歯槽骨
2.歯周組織の化学組成
1)歯肉 2)セメント質 3)歯根膜
2 歯周組織の破壊と再生
1.歯肉組織の破壊
1)プロテアーゼによる破壊 2)サイトカインと組織傷害
2.歯槽骨の吸収
3.歯周組織の再生
14章 がんはどうしてできるか(木崎治俊・須田立雄)
1 細胞の増殖
1.細胞周期
2.体細胞の分裂能
3.細胞周期の制御機構
2 がん細胞の特徴
1.無秩序な自律性増殖
2.アポトーシスの回避と血管形成
3.がんの浸潤と転移
4.その他の多様な性質
3 がん細胞ができるまで
1.正常細胞の形質転換
2.プロトがん遺伝子の役割
3.がん抑制遺伝子とその働き
4.形質転換した細胞の成長(プロモーション)と悪性化(プログレッション)
4 発がん因子
1.ウイルス
2.放射線
3.化学物質
4.遺伝
コラム1 条件付き遺伝子破壊マウスの作製法
コラム2 ノックアウトマウスの作製法
コラム3 トランスジェニックマウスの作製法
コラム4 プロモーター
コラム5 選択的RNAスプライシング
コラム6 クローニング
・和文索引
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