やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

健康教育―いまの考えにたどりつくまで

 丸森 賢二 Kenji Marumori

 はじめに
 診療室で,患者さんにインフォームド・コンセントをする段階になって困ることはないでしょうか.私の経験では,診察後,患者さんにひととおり説明し,最後に治療方法を選択するところで,「どうしましょうか?」と尋ねると,「どうぞ先生のよろしいように」と,ほとんどの方がおっしゃいます.なぜ自分で決めることができないのかと思うのですが,それは,自分の健康について考え,判断するために必要な健康教育に相当するものが,これまで全く行われていなかったためではないでしょうか.
 そこで,健康教育とはどうあればいいのかを考えるようになりました.そのために「歯科保健教育勉強会」を始めたのは,いまから18年前のことです.
 健康教育については,大勢の人たちがそれぞれ意見を述べていますが,そのなかでも,私がいちばん簡潔でわかりやすいと思っている言葉を紹介しましょう.
 『健康管理』という雑誌の1990年6月号に掲載されている,岡惺治先生の特別講演「健康教育の反省と将来展望」のなかに次のような一節があります.
 「しかし結局は,行動変容,つまり社会生活,あるいは日常生活における行動,態度,習慣を,自分なりに変えていってもらうことを,健康教育の結果として,私たちは求めているわけです」
 つまり,自分の健康に必要な行動をしてもらう,ということです.続きの言葉をもう少し引用すると,
 「そのためには,やはり動機づけが必要です,動機づけのためには,知識を与えなくてはならないでしょう.しかし知識だけ与えてみても,きわめてむなしいことであります.まして押し付けの知識など何の意味もないのだ,という反省は,これも昔からしきりにいわれています」
 私は,これを読んだときに,目からウロコが落ちる思いをしました.それまでの指導は,単に知識教育や技術指導をしていたにすぎなかった,という深い反省に至ったのです.

 診療室での患者指導
 歯科の場合,患者さんが自分で見て判断できるものまで,わからないものとして,歯科医師が,「すべて面倒を見てあげましょう」で,いままできました.これでは,患者さんにとって自分の歯でありながら,他人事になってしまうのも当然です.要するに,自分の健康は他人任せでいたわけです.自分で守るということが根本にないと,保健行動としては不十分なものになってしまいます.そして,自分で気をつけるように仕向けることこそ,患者指導の基本としてあるべきだと思います.
 さらに大切なことは,最初にできたむし歯や歯周病の原因は何かということを,自分の生活を振り返って考え,あらためることです.それをあらためないかぎり,治しても治しても次から次へとむし歯や歯周病が進行していくわけです.むし歯の患者さんが来院したときに,「むし歯ができましたね.治してあげましょう」と治療にとりかかる前に,そのむし歯ができた原因は何かを,私たちは患者さんと一緒に考えることが必要なのです.
 1997年に厚生省は,それまでの「成人病」という言葉を「生活習慣病」とあらためました,私はまさに“我が意を得たり”と思いました.歯科における患者指導も,まずは生活習慣をただす立場からのお話をすることが必要なのです.

 問題発見・問題解決型の指導を歯科に導入する
 いまから12年ほど前の1988年,文部省の学習指導要領改訂で,日本の教育方針は大きく変わりました.以前は「知識,理解」がいちばん上で,「意欲,関心,態度」はいちばん下におかれていました.その順位が,いまでは入れ替わったのです.
 かつて私たちは,習った知識をすべて記憶していることが大事であるということで,いつも「覚えている」ことを試験されてきました.そして試験が終わったら忘れてしまったものでした.ところが,現在の教育では,「丸暗記型を見直そう」ということで,「自ら学び,考える力」をつけることがもっとも大事なこととなりました.「問題に直面したとき,何をどう考えて解決するのか」に重点が置かれるように大きく変わってきたのです.
 これと全く同じことが,診療室の現場でもいえると思います.自分の歯の状態を歯医者さんに調べてもらう,そして「その結果どうしたらよいかは,先生にお任せします」という慣習を変えなくてはいけません.患者さんが,自分で観察して対処する能力をもつことが必要なのです.なぜなら,そうでないと歯科疾患再発の危険の回避にはつながらないからです.歯をよい状態に保っていくには,まず,「どうなっているのだろう」と,鏡を見なければいけないのです.そして,「変だぞ」と自分自身で思えることが大切です.
 ところが,現在の大人は,一度も自分の口の中をよく見たことのない人が大半です.ですから,「見てごらんなさい」と鏡を渡されても,何を見てよいのかわかりません.また,それがどうなっていればよいのか悪いのか,説明を聞いてもよくわからないのです.このような状態から自分の問題として認識させることは本当に大変なことになります.

 問題を発見する力をつける
 ではどうしたらよいのでしょうか.歯科保健教育勉強会の一員である榊原紀美子先生(横浜市開業)は,小学校における健康教育の一つとして,次のような試みを実際に行ってみたことがあります.それは,学校の健康診断の前に,子どもに自分で歯の観察(自己健診)をさせてみるのです.
 歯科疾患や治療に関する写真図鑑を見せて,「自分の歯や歯肉はどうなっていますか,去年よりもむし歯が増えたところはありませんか」などと聞きながら,子ども自身に鏡で口の中をよく観察させて,気になるところを記入させるのです.そして歯科健診の日に,自分で健診した結果を記入した紙を持って,歯科医師の健診を受けます.そこで自分の判断と歯科医師の診断が違っていれば,「どうして違っているのだろう」と思うことでしょう.「さすがに歯医者さんは専門家だけあって,自分が見つけられなかったむし歯を見つけてしまう」と感心するかもしれません.しかし,一方で,「歯医者さんの見方はおかしい」と言い出す子どももいるでしょう.子どもに見せる図鑑には,充填例なども出ています.もし,自分の歯に,いい加減な充填がされてあったりすると,「僕のはへんだ」と言う子もいるはずです.二次う蝕の見本を見て,「私のもそうなっている感じがする」と子どもが思っているとき,「はい,むし歯なし」などと歯科医師が言えば,「先生,私,ここがむし歯になりそうだと思うんだけど,どうですか」と子どもがたずねてきます.
 それほど子どもは自分の歯について真剣に見るのです.このような経験こそ「自分の問題」としてとらえさせることに,とても有効なのではないでしょうか.そして,「自分で気をつける」ためにこそ,歯磨き自体が大きくかかわってくるのです.

 歯磨きへの誤解と“毛先磨き”
 ところで,厚生省歯科疾患実態調査によれば,国民の98%が歯磨きをしています.そして1日2回は磨く人がどんどん増えています.3回磨く人も増えています.それなのに,歯は加齢とともに悪くなっていきます.そのために,歯磨きは効果がないといわれています.これは,私からすればとても残念な勘違いをされていることになります.
 プラークが本当に取れたときの,歯肉への絶大な歯磨き効果がよく知られていないため,そのような誤解が生じるのではないでしょうか.また,磨いて本当によくなったという体験学習を患者さんにさせていないからではないでしょうか.
 1992年に文部省は,先の学習指導要領の改訂に合わせて,『小学校 歯の保健指導の手引(改訂版)』を発刊しました,この改訂版のなかで,中核となる歯磨きの方法が,私たちが主張している“毛先磨き“にすっかり変わっています.改訂前は,“ローリング法”,“フォーンズ法”などが掲載されていました.それらが全面的に改訂されたのは,従来の磨き方では,プラークが完全に取れないとわかったからだと思います.そして,歯磨きの指導を,問題解決学習として進めることの重要性が,明確に記載されています.
 しかし,全国の小学校で,この手引のように,実際の指導が行われているかというと,まだまだそうではないのが現状です.なぜなら,養護教諭も学級担任も,この手引を見る機会は少ないし,読んでみても要点をはっきりつかみにくいからでしょう.また,学校歯科医にも十分な情報が行き届いていないため,的確な対応ができていないところもあるようです.ですからいまのところ,うまく活用されるに至っていません.しかし,あと20年くらいすれば変わるだろうと,私は思っています.というのも,テレビの広告もずいぶん変わってきており,「毛先を当てる」とか,「毛先を働かせる」といういい方が出て,画面に赤染めの情景なども出てくるようになっているからです.こうなるといずれ大きな変化となるに違いありません.

 「やる気」を起こさせる指導の追求
 もっとも,“毛先磨き”をしたからといって,ポケットの深い疾患まで全部治るわけではありません.治る人もいれば,その人の状態によりいろいろなことが関係しますから,思ったほどよくならない人もいます.しかし,本当にプラークが取れるくらいまで磨いてみたかどうかが重要な点です.
 健康教育の観点からも,「上手に歯を磨けば,あれほどひどかった歯肉でもかなりよくなるのだ」と患者さんが自分で体験して納得できれば,歯磨きのモチベーションとしてたいへん有効なものとなります.そしてその思いが中断しないようにほめて「やる気」をもたせていくことが,指導する側の姿勢として重要になってきます.「ずいぶん上手に磨けるようになったじゃないですか.もう一息です」などと激励することです.しかし,何もよくなっていないのに,「よくなりましたね」はいけません.ほめればよいといっても嘘はダメです.嘘はいわずに,患者さんの思いを汲んで話にのせてゆく技術が必要なのです.
 テープレコーダーのように,毎回どの患者さんにも同じことを説明するのでは効果はありません.“個への対応”ではないからです.患者さん個人によって,興味をもっているところ,理解力などはそれぞれ違います.ですからその人に合わせて指導しなければいけません.相手をどう読むか,どこに焦点を合わせて指導をするのかが問われるのです.
 本当にきれいにプラークを取るためには,かなり気をつけて歯ブラシを操作して磨かないとうまくいきません.そして,それを理解させるためには,「患者さんはどのような人か」,「理解力はどうか」,「手の動きはどうか」など,いろいろと考えながら,目の前の患者さんに向けての指導をしていくことが求められるのです.
 前もって予定を立てていても,そのときの患者さんの様子によっては対応が変わります.いわば出たとこ勝負です.患者さんの発言を注意深く聞いて,その日の目標やレベルを想定したうえで指導をしていくことが求められるのです.
 それでは,そのあたりの技術,その呼吸はどうしたら身につくのでしょうか.見る目ができてくるのは,やはり指導者としての経験なのです.そして,これこそが歯科医師と歯科衛生士の永久のテーマだと思いました.
 現在の歯科保健教育勉強会では,このあたりを中心に討論を進めているところです.

 食教育の必要性
 さらに,食生活のあり方も問題です.現代生活の食の乱れが,歯科疾患はもとより,いかに多くの疾患の大きな要因となっているか,歯科関係者に理解されているでしょうか.
 私の大きな反省の1つとして,昔,私も砂糖の制限をどんどん指導していた時代があります.ところがそれは守られませんでした.いまになってわかったことは,甘いものの制限をする前に,「ちゃんとした食事がとれているか」を問う必要があったのです.
 というのは,砂糖の摂取が多すぎることがわかって,だだ減らすように患者さんに指導をしても長続きしないからです.それはどうしてでしょうか.実は,お菓子をたくさん食べる人は,それが食事の一部になっていることが多いのです.そこに,「お菓子を食べてはダメだよ」といっても,それでは食べるものがなくなってしまうので,当然守られるわけはないのです.
 そこで,子どもには最初に,毎日どんなものをどのくらい食べているかということを聞いてみて,問題点を納得させたうえで,3度の食事をしっかりとさせること,つまりお菓子に頼らない食事に導くことが必要なのです.大人も同様です.砂糖のとりすぎがわかったら,「砂糖をやめなさい」という前に,3度の食事の確立が必要なのです.
 しかし,大人になってから,それまでの食生活を変更させる指導は本当に困難です.好き嫌いの激しい人に,「1日30品目食べましょう,野菜をたくさんとりましょう」と指導しても,本人にとっては苦行でしかありません.いくら工夫した献立を提供しても,結局嫌いなものは食べないことになります.わかっていても簡単に軌道修正できないのが「味覚」なのです.
 ではどうしたらよいでしょう.
 結局,赤ちゃんの離乳食までさかのぼることになります.
 3歳までは,無理矢理する歯磨きより,食べるもので予防することが合理的である,と私たちは考えています.そして,それこそがむし歯予防につながるのです.
 具体的には,離乳食を開始したときから,好き嫌いなく何でも食べられる子どもに育てよう,という目標をもって行うことです.そうなると,歯科から見れば隣の職種である栄養士さんや保健婦さんの仕事の領域に重なってきます.
 食べ方の指導は,誰が行ってもいいわけですが,実際問題としてはなかなかうまくできません.それを考えると,栄養士さんと歯科側の共同作業が必要になってきます.

 味覚形成とむし歯予防
 むし歯予防は,生まれたときからの育児に始まります.特に,3歳までの「味覚形 成」が大事です.これは単に,砂糖を食べさせないということではなく,子どもの一生の味覚にかかわることを3歳ぐらいまでの間にしっかり行おうということで,それが結果的にむし歯を予防することにつながるわけです.つまり,本当に歯科疾患を予防しようとするなら,歯が生えてからの歯科健診の場や,診療室での指導では,すでに手遅れであり,それよりずっと以前の段階で,健康教育としての「食の教育」がもっとも必要になってくるのではないか,という考えに至りました.
 ここで,味覚形成について,もう少し詳しく述べたいと思います.
 甘い味はやはりおいしく魅力あるもので,一度覚えてしまうと,どうしてもそれを欲しがるようになるものです.親がいくら気をつけていても,3歳ぐらいになれば,いろいろなものを食べるようになるでしょうし,甘いものも口に入ってくるでしょう.きちんとした歯磨きが必要になってくるのは,それからです.仕上げ磨きも,3歳くらいになればちゃんと磨かせるようになります.だから,大切なことは,3歳までは,甘いものを覚えさせずにおいて,その代わりに野菜をはじめとする,身体に必要ないろいろな食べものの味をしっかりと覚えさせ,馴染ませて,好き嫌いなく何でも食べられる子どもにしておくことなのです.
 赤ちゃんには,赤ちゃんらしいものを食べさせましょう.赤ちゃんの食べものを神様は想定したはずですが,現代の生活のなかには,そこらじゅうにむし歯をつくるものがあふれています.そんな状態のなかで「お菓子を食べさせない」という指導は通りにくいと思います.だからこそ,3歳までの味覚形成が何をおいても必要なのです.好き嫌いなくしっかりと3度の食事が食べられるような子どもにすることが第一なのです.食事で満足している子どもは,お菓子がそばにあっても,さほど欲しがりません.離乳食が終わったときからちゃんとした食事ができること,これが,赤ちゃんを健康に育てるという第一歩だと思います.歯科として特別なことを求めるのではなく,お医者さんも歯医者さんも,また栄養士さんも保健婦さんも,ともにあるべき姿と思うような食生活を目指し,それぞれの立場から伝えていく,それができあがったうえで,きちんと歯を磨く習慣をつけさせることが理想です.
 つまり,食べものを先行させたかたちでの子どもの生活習慣を築きあげることが,歯科疾患予防の第一歩と考えているのです.
 そして,このことは,結局は歯科の領域を越えて,「生活習慣病の予防」という,いま,厚生省が国民の最重要課題として位置づけている大きな健康目標にも直結してくるものです.そのいちばん最初のスタート地点,つまり乳幼児期の味覚形成を,むし歯予防と結びつけて指導できるということに気づいたとき,私たちは,歯科保健指導を生涯健康の立場から,よりいっそうの自信をもって実行できるようになったのです.

 健康教育を生涯教育として積み上げる
 食生活が豊かになったいまの時代において,歯の病気を予防するためには,大人になったとき,きちんと歯磨きができる力をつけて実行することが必要です.また,診療室でインフォームド・コンセントを行う際に,私たちの説明が理解でき,判断できる子どもなり大人にするためにも,幼稚園のときから歯科保健の素養を身につけさせておくことがぜひとも必要だと私は思っています.
 健康教育は,生涯にわたる各年代層に対して,きめ細かく行われるべきです.しかし,現実にはブツ切りで一貫性のある指導になっていません.したがって,累積効果などは,いまのところ望むべくもありません.
 私は,横浜のそごうデパートで,『赤ちゃん相談室』を9年間続けてきました.25年前から,横浜市内にある私立めぐみ幼児園とかかわりをもち,歯と食の指導を継続させていただいています.また,10年前からは,東京都杉並区にある私立立教女学院小学校で歯磨きの授業を受け持たせていただくチャンスを得ました.そして,歯科保健教育勉強会のメンバーは,それぞれ幼稚園や学校で,また公衆衛生の現場などで歯科保健教育の実践を試み,お互いに報告し合い,切磋琢磨を続けています.本書では,そのいくつかを紹介していますが,これらの現場での実践を,いつか一貫性をもったものにしたいものだと思っているところです.
 そしてその延長線上に,大人の歯の健康があり,はじめて「8020」が達成できるのです.それも「8020」ではなくて「8028」.本当は,自分の歯全部が健康な状態で寿命をまっとうしてほしいわけです.
 私たちの指導を赤ちゃんから受けて80歳になった人はまだ1人もいませんので,実証したわけではないのですが,きちんと赤ちゃんのときからのプログラムを実行してくれたら,「8020」はわりと簡単にできるのではないかと思っています.というのも,私がかかわってきた初期の例では,歯科大学を卒業し,あるいは歯科衛生士学校を卒業し,親になって,むし歯なしの子育てを実践している事例が数多くあるからです.
 何はともあれ,食生活をはじめ,毎日の生活を自分の健康のためによかれと思うようなものにすることによって,間違いなく「8020」は達成可能なはずです.私は,そのような生活への道筋をつけることが,私たち歯科医療を担う者の責任と思っています.

 おわりに
 健康教育について,「患者指導」,「食の教育」の2つの大きな観点から,私の経験したことを中心に,考えていることを述べてきました.特に,食の教育と歯磨きの学習をはじめとする実践的教育は,赤ちゃん指導から学齢期を一貫して,教育として位置づける必要があると思っています.私たちが考えた健康教育の理念とは,自分の健康によいことを実行に移す,そして悪いことはやめるということです.これを「行動の変容」として起こさせる教育のあり方を,いま現在も追求しています,単なる知識教育をするのではなく,実際にそういう具体的な行動が起きることをねらいにするのです.もちろん知識教育も必要です.しかし,それ以前に行動の変容が起こるような健康教育を行わないと,具体的な変化は期待できません.
 この考え方を診療室の指導にも,対外活動にも,また教育の現場などにおいても,ぜひ応用していただきたいと願っています.
執筆者・執筆協力者………II
まえがき………III
健康教育―いまの考えにたどりつくまで………VI 丸森賢二

1.子育て編………1
 むし歯のない子が育っています 丸森賢二・石井直美
  その1:宮 千草さんの場合…”楽しい食事”の延長にあるのがむし歯予防………2
  その2:小林幸雄さん一家の場合…むし歯予防は子どもに伝えられる財産です………5
  その3:佐藤文子さんの場合…遊びが1番,食事が2番,小さいうちはお菓子は不要………8
 むし歯ゼロの子育て事例から学ぶ 石井直美 「みんなでよい歯のまちづくり」………12
 歯科から贈る育児の知恵
  その1:赤ちゃん相談室の記録より「3歳までが大事だよ」 中野久美子………30
  その2:初妊婦指導の現場より「むし歯ゼロの子育て」は育児の基本 鈴木祐司………42
  その3:歯科医院の健康教室より 頼もしく育った”むし歯予防教室”の参加者たち 鈴木祐司………50
2.幼児教育編………63
 めぐみ幼稚園の歯と食のカリキュラム 丸森賢二・市毛布美子・鈴木和子………64
  1:歯の健康のカリキュラム………66
  2:楽しい食のカリキュラム………86
 対談:新しいカリキュラム観を語る 丸森賢二・瀬底ノリ子………108
 幼児教育編:さくら保育所の歯科保健教育 三宅紀子………118
3.小学生指導編………129
 立教女学院小学校で積み重ねた歯磨きの授業―真の問題発見・問題解決学習を求めて― 市毛布美子………130
 座談会:問題解決学習を語る 丸森賢二・市毛布美子・杉岡靖子・渡辺明子………144
 歯科巡回指導の現場から:子どもの目が輝く授業への道のり 高荷かほる………152
4.患者指導編………163
 教育は無力か 丸森英史………164
 指導の実際1:あきらめずにアプローチを続けた指導 世川晶子………172
 指導の実際2:やる気を育てるブラッシング指導を目指して 今村幸恵………177
 指導の実際3:患者さんの”理解が深まる方向”に合わせて指導する 市毛布美子………185
巻末資料編………193
 歯科保健教育勉強会のあゆみ 鈴木ゆみ子………194
 私たちの活用している4つの指導方法 鈴木ゆみ子………196
 ・毛先磨き………196
 ・コップの実験………196
 ・お砂糖3本分………200
 ・げんき号………202