第1版 序
“このプロジェクトが完了する頃には,書き進むにつれて,はじめに予定した内容のものよりも徐々に充実し,当初のアウトラインには含まれていなかった分野にも力点のおかれたテキストとなっていることであろう……”
1982年の第1回目のミーティング以来,まさにそのとおりのことが起こったといえる.本書は元々,歯学教育のカリキュラムの 間を埋めるという意図のもとに始められたのであるが,結果的には歯学生,歯学教育に携わる人々のみならず,広く臨床家,さらには研究者も含め,高いクォリティーの総合的な歯冠補綴学に共通の関心をもつ人々のためのテキストに,成長したといえる.
歯冠補綴学は,主として技術を中心とした学科から,基礎科学に裏付けられた技術の専門分野へと革命的な変化を遂げている.さらに,総合的な治療計画作成にさいして,他の専門分野との相互的な関連について術者が十分に理解しておくことは,予定した治療の成功に対する自信をもつうえで必ず必要である.歯科臨床のなかでも最も困難な歯冠補綴学の分野において,より高いレベルを目指す学生と歯科医師に対し,臨床技術と科学に基づく知識とを統合する機会が提供されるべきである.その結果,臨床歯科医学の技術面に関する,生物学的な意義についての理解が得られるわけである.同様に,研究者は現在最先端であると考えられている事柄の根拠を知らなければならない.それによって,この分野の継続的発展のために,より意義のある貢献が可能となるのである.
本書は,四つの部分で構成されている.つまり,第I編 治療計画および術前の準備,第II編 臨床術式:パートI,第III編 技工物の作製,第IV編 臨床術式:パートIIである.テキスト全体をとおして,関連のある基礎科学的情報を組み入れることに誠実な努力がなされており,そのような情報と臨床法との関連が述べられている.
第I編では,現病歴聴取,診査,診断,予後および治療計画の作成に関して詳細に述べる.長期にわたる治療の成功のために重要な役割を果たすと考えられる咬合,歯周治療,歯冠補綴治療のための前処置としてのマウスプレパレーションについてそれぞれ各章で論ずる.これにより,臨床的適用を強調する価値が減ずるのではなく,読者に適切な情報が提供されることを希望する.
第II編では,治療初期の臨床術式について述べる.歯冠形成に関する詳細な基本的理論の考察の後に,各種歯の形成法について個別に章を設けて解説する.歯内療法を行った歯の補綴,軟組織への配慮,印象法,およびさまざまな暫間補綴物の作製法も,それぞれ章別に述べている.
第III編は13章より成り,すべての技工操作と治療に関連する考察が述べられている.陶材焼付鋳造冠のコーピングデザインや金属の選択に関する章には,補綴物作製の段階で決定を下すさいに重要な情報が含まれるため,ワックスパターンに関する章の直後に置いた.同様に,可撤性部分床義歯の維持装置に関する設計基準の章を個別に設け,埋没と鋳造に関する章の前に置いた.また,陶材焼付鋳造冠やオールセラミック(全部陶材)修復物の作製上の技工に関する章の前に,色彩学とシェードの選択について論じている.レジン接着性橋義歯や審美的な前装冠についてはポンティック作製の原理についての記述の後に述べている.見すごされがちであるが,歯科サイドとのコミュニケーションは非常に重要である.これについては独立した章として記述した.
第IV編は,技工の段階が完了した後の臨床の手順に主眼を置いている.最初の試適の段階から形態修正,ステイニングによる個性の表現,艶焼きなどに関して詳細に解説した後,合着材とセメンテーションについて述べる.補綴治療完了後のフォローアップについては,最終章で十分紙面をさいて解説した.
また,できるかぎり臨床写真とともに図を用いて,要点の解説を行っている.可能なかぎり,作製手順は最初から最後まで写真で示すようにした.包括的治療のニーズにこたえる“マスタープラン”に,各治療ステップをなぜ,どのように組み込んでいくのかを理解し,その価値を認識するうえで本書が貢献できることを期待する.
謝 辞:
惜しむことなくご自身の症例,または臨床上遭遇した症例の写真を提供してくださった多くの優秀な歯科医師の方々に感謝します.
私たちの厳しい批評家であり,本書の作成,編集にあたり膨大な時間と労力を傾注され,そしてなによりも本書の内容から偏見と狭量さを取り除いてくださ チたCastleberry先生,Ferencz先生,そしてSeibly先生に感謝します.
第14章(プロビジョナルレストレーション),第4章(歯周組織に対する配慮)をそれぞれ執筆してくださったGegauff先生およびBaima先生に感謝します.Gegauff先生は,Srodulskiさんの挿絵の多くの下絵を描かれました.また歯質,歯髄,歯周組織に対する配慮に力点を置いた,歯冠形成の最新の概念を象徴する,表紙の挿絵も下書きをして頂きました.
Laub先生,Reisbick先生,そしてSandrik先生の,歯冠補綴学および材料学の両面にわたる深い知識により,本文中に多くの材料学的な要素を取り入れることができました.
本文中の多くの写真から素晴らしい技術力が明らかである,マスターセラミストの青木利道氏,桧田健幸氏,松本宏之氏,そして深澤利彦氏に感謝します.
私たちを教育してくださった英国,オランダ,日本,インディアナの各大学,および多くの専門知識を提供してくださったフロリダ大学の同僚たちに感謝します.
多くの援助と,支持をしてくださったオハイオ州立大学,ロンドン・キングスカレッジ,そしてロヨラ大学の医局員とスタッフの人々に感謝します.また,特に第11章と第26章のイラストを担当された,バイオメディカルイラストレーターのSandra L.Celloさんに感謝します.
多くのイラストのなかで,その芸術的感覚を熱意をもって発揮されたKrys Srodulskiさんに感謝します.そして私たちの度重なる写真への要望に,辛抱強く応じてくださったJim Cockerill氏に感謝します.
C.V.Mosby社の編集者の方々,特にGeorge Stericker氏と,Darlene Warfel氏の職業的意識と,このプロジェクトの期間中,絶え間なく激励されたことに対して感謝します.また,はかり知れないほどの援助をくださったDonna Sokolowskiさん,そしてMelba Steubeさんに感謝します.
最後に,この本の著者たちよりも,より多くの時間と労力をこの本に捧げてくれたEnid,Karen,そして淑子に感謝します.Enidの原稿での手助け,そしてKarenのイラストの編集がなくては,このプロジェクトは完遂しなかったことでしょう.
私たちは,本書が現代の歯科補綴学の教育および臨床に貢献し,またその精緻さゆえに,われわれが高く評価するとともに尊重するところの,この専門分野の絶え間ない発展に寄与することを期待する.とりわけ歯冠補綴学をマスターするために努力を惜しまない人々の,挑戦と期待とに答えうるものであることを切望するものである.
Stephen F.Rosenstiel Martin F.Land 藤本順平
第2版 序
“教科書の第2版は,往々にして著者らが初版を執筆する際に目指した内容となるものである“1988年に,“Contemporary Fixed Prosthodontics”の初版が出版されたとき,われわれの仕事はまだ始まったばかりであることにほとんど気づいていなかった.内容はおおむね好評であったものの,固定性補綴学の発展のみならず歯科医療の提供や歯学教育の変化と照らし合わせると,刷新しなければならないことは明らかであった.この第2版には,さまざまな理由のために初版には含まれなかった多くの考え方と概念を盛り込んだ.本書は,初版と同様に大きく四つの部分に分けることができる.治療計画と術前の準備,臨床術式:パートI,技工物の作製,臨床術式:パートIIの四つである.また,本文で論ずる手順,術式に関連する基礎科学についても,読者に示すよう可能なかぎりの方法をとった.
有難いことに,多くの同僚,学生,および歯学教育,歯科臨床,歯科産業に携わる友人たちから熱心な支持を頂いた.心から感謝したい.私たちが受けとった多くの提案や建設的批判に応えるとともに,臨床的な原則および技術を,関連する基礎科学と統合することを目指す包括的なテキストの完全性を維持しながらも,教育カリキュラムに求められる多様なニーズを満たすという微妙なバランスをとることに誠実な努力を払った.多くの要望に応えて,一つの術式に対して可能なかぎり複数の術式を図示し,器材も幅広く紹介しつつ,歯学教育においてよく用いられる物については,特に重点を置いた.
歯学部の再編により,多くの“修復学講座”が誕生している.その結果,以前は別のコースとして保存学の講座で教えられていた治療法(インレー,アンレーなど)が,補綴学の臨床実習前の講義で教えられるようになった.したがって,今回このような修復学的な内容を追加した.歯内療法後の歯の修復に関する章では,既製品のポストシステムについての新しい情報を多く紹介した.また,消毒に関する規則の変更,学生教育カリキュラム上のインプラント教育の重要性の増大,オールセラミック修復物の新しい作製技術の出現などのため,これらの内容についても新しく含む必要があった.したがって,インプラント補綴に関する新しい章が追加された.インプラントはわれわれの専門分野および一般開業の歯科医師において,この10年で最も急速に発展をつづけている分野であろう.同様な意味で,唇側ベニア修復の分野もさまざまな作製法を含んだものに大きくその範囲を広げ,また同様に,オールセラミック修復の章にインレーの解説を加えた.初版でのポンティックに関する二つの章は一つに統合し,最新の技術について焦点をあてた内容となっている.さらに初版での図説も修正,変更され,考え方や原則をより明確にするために80もの新しい図説を追加した.さらに,臨床および技工操作の写真も本書全体をとおして増やした.
この第2版を実現させてくださった多くの人々への感謝の言葉:
ふたたび第2版でも多くの人々が,考え方や原則を明確にするために,無条件にユニークな臨床写真を提供してくださった.可能なかぎり,本書のなかで教職員,臨床家,学生,その他多くの提供者の氏名を明記した.私たちの不注意でお名前がもれてしまった方が万一あれば,深くお詫び申し上げたい.
謝 辞:
第4章(歯周組織に対する配慮),第12章(インプラント支持の固定性補綴物),第14章(プロビジョナルレストレーション)の各章を執筆されたEdwin McGlumphy先生,Anthony Gegauff先生,およびRobert Baima先生のご尽力に感謝します.
第14章(プロビジョナルレストレーション),第18章(ポンティックの設計),第24章(レジン接着性固定性橋義歯)の各章を担当されたRobert Rada先生,Marco Padilla先生,そしてWilliam Johnston先生に感謝します.
材料科学の部分の改訂,刷新をされたLeon Laub先生,M.H.Reisbick先生,James L.Sandirk先生に感謝します.
第2版出版にあたり,援助,助言を頂いたオハイオ州立大学歯学部の医局員,大学院生の方々に感謝します.
テクニックや操作を図解するにあたり,快く手伝ってくださったロヨラ大学の医局員,そして大学院生に感謝します.
“あと数枚写真をお願いします”という,私たちの要望に快く応じられたJim Cockerill氏に感謝します.
初版のSrodulskiさんによる素晴らしいイラストと,手法 ・質ともによくマッチする新しいイラスト作製のための,たゆまない努力をされたSandra Cello・Langさん,およびSue Cottrillさんに感謝します.
著者の一人にとって多くの環境の変化が訪れた時期に,心温まる援助をしてくださった南イリノイ大学歯学部の先生方と,スタッフの方々に感謝します.
私たちの,終わりのない使命をやり遂げるための能力について,忍耐強く,信じて疑うことをなさらなかったMosby社の編集者Jo Salway,Linda Duncan,そしてGeorge Sterickerの各氏に感謝します.
このプロジェクトに対して,私たちのすべてを捧げて打ち込ませてくれた,寛容なEnid,Karen,そして淑子に感謝します.
そして最後に,私たちは,われわれの学生諸君に感謝します.学生諸君は永年にわたる多くの質問と,最近では私たちの依頼により本書を熟読することをつうじて,最新補綴学の学習と実践とに関わるわれわれ全員に,この分野につねに存在するさまざまの課題について気づかせ,この専門分野についての理解を,よりいっそう深いものとしてくれたといえる.
Stephen F.Rosenstiel Martin F.Land 藤本順平
訳者 序
1973年(昭和48年)8月より1975年6月までの約2年間,私はインディアナ大学においてクラウンブリッジ科ならびにパーシャルデンチャー科大学院で学ぶ機会を得ました.ローランド・ダイケマ主任教授,ネッド・ヴァン・ロッケル大学院指導教官の下で,クラウンブリッジ・パーシャルデンチャーについての,客観性に基づく理論と徹底した臨床技術の訓練,さらには臨床研究(マスター論文)の指導を受けましたことは,私の歯科医師としての基礎を築いて頂いたという点で,感謝してもしきれないものがあります.
インディアナ大学大学院修了後ただちに,開設されて日が浅かったフロリダ大学咬合 ・クラウンブリッジ科に幸運にも助教授として赴任することができました('75年6月).当時,フロリダ大学咬合・クラウンブリッジ科には,咬合の権威であるハリー・ランディーン教授,TMD特に疼痛についての権威で, サ在も活躍されておられるパーカー・メイハン教授,および下顎運動の研究で多くの業績をあげられたチャールズ・ギブス先生等がおられ,咬合に関する研究における世界的中心でありました.インディアナ大学大学院におけるクラウンブリッジの徹底した理論と臨床教育,つづいてフロリダ大学における咬合の理論と臨床の学習,さらには研究への参画と,私にとりましては願ってもないタイミングでの学習体験を得ることができました.さらに教育主任としての体験が加わり,5年余りの間に与えて頂きましたこれらの先生方による指導と,励ましと,啓発とに深い感謝の意を表したいと思います.
フロリダ大学着任後しばらくして,まだ経験の浅い私が教室のアクティングチェアマンを任されることになり,十分な覚悟と準備もないままに,とにかく責務の一部でも果たすことができればという思いで引き受けることに致しました.この体験をとおして最も困難かつ重要なテーマは,卒前クラウンブリッジ臨床教育の充実でした.米国歯科大学における卒前臨床教育では,広く学外より有能な臨床家を集め,指導教官数の確保と,クリニックフロアにおける臨床教育の充実を図る方法がとられます.しかしながら,この方法の弱点として各教官の教育背景の違い,各指導者間の能力差などの問題があり,学生教育にあたって一定の基準が作りにくく教育内容に一貫性が失われるとともに,各教官間での意見統一が難しいということがあげられ,その問題解決のためには,同じ教育的背景を有する指導者でチーム作りをするのが最も効率的であろうと考えるようになりました.インディアナ大学大学院で1年後輩にあたる英国からの留学生ステファン・ローゼンスティール,2年後輩にあたるオランダからの留学生マーティン・ランドの両先生にフロリダ大学への赴任を要請し,快諾を得た結果,インディアナ大学大学院卒の教育チームが結成されたわけです.外国出身者ばかりの教官によって,インディアナ大学流の徹底した基礎的臨床教育が一段と強化されたわけで,当時の学生諸君からはずいぶんと恐れられたようでした.以来,フロリダ大学における学生教育は充実し,一定の教育成果が得られましたことが,私の1978年度Professor of the year(フロリダ大学最優秀臨床教授賞)受賞のきっかけになったように思います.
さらに教育経験を積むなかで,私たちの考え方に基づくテキストを作ろうという意欲が湧きました.その後,ローゼンスティール先生はロンドン大学に,ランド先生はロヨラ大学に,私は日本に帰国することになりましたが,同門の出身で大学院修了後の一時期フロリダ大学で共に卒前教育に携わったという共通の基盤に立つことにより,また,その後ロバート・バイマ先生をはじめとした多くの先生方のご助力を得て,1988年に『Contemporary Fixed Prosthodontics』第1版がMosby社より発刊されました.つづいて1995年には,その後の新しい発展分野を加え,さらに内容充実を図って第 版が出版され,現在に至っております.内容的には4編より構成され,1.治療計画および術前の準備,2.クラウンブリッジの臨床術式・パートI,3.技工物の作製,4.臨床術式・パートIIより成っております.詳細につきましては,原著者序文を参照して頂きたいと思います.
執筆にあたり,歯科臨床のなかで最も技術的要求度の高い歯冠補綴学において,“いかに基礎科学と臨床とを結びつけるか”という点に特に配慮がなされました.最近,わが国におきましても科学的信頼度の高いデータに基づいた医療(Evidence Based Medicine)の必要性が叫ばれておりますが,これは真に当然のことといわねばなりません.臨床歯冠補綴学におきましては,科学に裏付けされた治療法の選択とともに,一方で確かな技術力に支えられた治療の組み立てが是非とも必要であります.
本書はこのような見地から,歯冠補綴学の基礎から臨床,さらには最先端分野にまで及ぶクオリティーの高い総合的歯冠補綴学のための定本ともいうべき内容となっております.また,研究者にとりましては,現在最先端と考えられているテーマについての学問的科学的背景,将来の研究の方向などについての示唆が得られるかもしれません.各章とも充実した論文レビューに基づくとともに,臨床術式の説明にあたりましては,実際の臨床例を豊富に用いることによって,より理解しやすくなるよう配慮がなされております.
本書は1988年に第1版が英語で出版されて以来,スペイン語,イタリア語,トルコ語および韓国語に翻訳されて世界的に紹介されるとともに,クラウンブリッジの教科書として,現在米国歯科大学においてはむろんのこと,世界で最も広く用いられております.このことは,私どものクラウンブリッジに関する考え方が広く受け入れられていることの証明であり,著者の一人として,たいへん喜ばしいことであります.今後とも本書が高いレベルの歯冠補綴学の実践または教育,研究を志す人々にとりまして,少しでもお役に立つことができれば幸いです.
本書の日本語翻訳に関しましては,以前より,他の2名の共著者ならびに藤本研修会をつうじて知りあうことのできました,歯科臨床についての価値観を同じくする友人の方々からの再三の要望を受けつつも,実行できないままになっておりました.1996年ついに私の怠慢さにしびれを切らした藤本研修会OBの有志の方々が,多忙な臨床の傍ら翻訳作業を開始され,これを契機に一気に日本語版出版が具体化することとなりました.翻訳にご協力頂きました先生方ならびに率先して全体の進行プランニングと,種々の作業を遂行してくださいました山本健一,岡野昌治,菅野英也,千ケア乙文の各先生方に深い謝意を表したいと思います.さらに伊藤由紀(旧姓有野)先生には,ご自身の語学留学を挟んでの多忙な時期に,日本語訳について多大のご協力を頂きました.これらの先生方の献身的な労なくしては,日本語版の発刊はありえませんでした.協力して頂きました先生方のご氏名を文末に掲げまして,厚く御礼申し上げたいと存じます.また,翻訳にあたり,本来ならば藤本研修会OBの先生方に広くお願い致すべきところを,翻訳決定当時に受講中の先生方を中心にお願いする結果となりましたことを,一言お断り申し上げます.
さらに,本書発刊にあたってご尽力頂だいた医歯薬出版株式会社および編集部の諸氏に深く感謝いたします.
1999年(平成11年)1月 共著者・訳者 藤本順平
“このプロジェクトが完了する頃には,書き進むにつれて,はじめに予定した内容のものよりも徐々に充実し,当初のアウトラインには含まれていなかった分野にも力点のおかれたテキストとなっていることであろう……”
1982年の第1回目のミーティング以来,まさにそのとおりのことが起こったといえる.本書は元々,歯学教育のカリキュラムの 間を埋めるという意図のもとに始められたのであるが,結果的には歯学生,歯学教育に携わる人々のみならず,広く臨床家,さらには研究者も含め,高いクォリティーの総合的な歯冠補綴学に共通の関心をもつ人々のためのテキストに,成長したといえる.
歯冠補綴学は,主として技術を中心とした学科から,基礎科学に裏付けられた技術の専門分野へと革命的な変化を遂げている.さらに,総合的な治療計画作成にさいして,他の専門分野との相互的な関連について術者が十分に理解しておくことは,予定した治療の成功に対する自信をもつうえで必ず必要である.歯科臨床のなかでも最も困難な歯冠補綴学の分野において,より高いレベルを目指す学生と歯科医師に対し,臨床技術と科学に基づく知識とを統合する機会が提供されるべきである.その結果,臨床歯科医学の技術面に関する,生物学的な意義についての理解が得られるわけである.同様に,研究者は現在最先端であると考えられている事柄の根拠を知らなければならない.それによって,この分野の継続的発展のために,より意義のある貢献が可能となるのである.
本書は,四つの部分で構成されている.つまり,第I編 治療計画および術前の準備,第II編 臨床術式:パートI,第III編 技工物の作製,第IV編 臨床術式:パートIIである.テキスト全体をとおして,関連のある基礎科学的情報を組み入れることに誠実な努力がなされており,そのような情報と臨床法との関連が述べられている.
第I編では,現病歴聴取,診査,診断,予後および治療計画の作成に関して詳細に述べる.長期にわたる治療の成功のために重要な役割を果たすと考えられる咬合,歯周治療,歯冠補綴治療のための前処置としてのマウスプレパレーションについてそれぞれ各章で論ずる.これにより,臨床的適用を強調する価値が減ずるのではなく,読者に適切な情報が提供されることを希望する.
第II編では,治療初期の臨床術式について述べる.歯冠形成に関する詳細な基本的理論の考察の後に,各種歯の形成法について個別に章を設けて解説する.歯内療法を行った歯の補綴,軟組織への配慮,印象法,およびさまざまな暫間補綴物の作製法も,それぞれ章別に述べている.
第III編は13章より成り,すべての技工操作と治療に関連する考察が述べられている.陶材焼付鋳造冠のコーピングデザインや金属の選択に関する章には,補綴物作製の段階で決定を下すさいに重要な情報が含まれるため,ワックスパターンに関する章の直後に置いた.同様に,可撤性部分床義歯の維持装置に関する設計基準の章を個別に設け,埋没と鋳造に関する章の前に置いた.また,陶材焼付鋳造冠やオールセラミック(全部陶材)修復物の作製上の技工に関する章の前に,色彩学とシェードの選択について論じている.レジン接着性橋義歯や審美的な前装冠についてはポンティック作製の原理についての記述の後に述べている.見すごされがちであるが,歯科サイドとのコミュニケーションは非常に重要である.これについては独立した章として記述した.
第IV編は,技工の段階が完了した後の臨床の手順に主眼を置いている.最初の試適の段階から形態修正,ステイニングによる個性の表現,艶焼きなどに関して詳細に解説した後,合着材とセメンテーションについて述べる.補綴治療完了後のフォローアップについては,最終章で十分紙面をさいて解説した.
また,できるかぎり臨床写真とともに図を用いて,要点の解説を行っている.可能なかぎり,作製手順は最初から最後まで写真で示すようにした.包括的治療のニーズにこたえる“マスタープラン”に,各治療ステップをなぜ,どのように組み込んでいくのかを理解し,その価値を認識するうえで本書が貢献できることを期待する.
謝 辞:
惜しむことなくご自身の症例,または臨床上遭遇した症例の写真を提供してくださった多くの優秀な歯科医師の方々に感謝します.
私たちの厳しい批評家であり,本書の作成,編集にあたり膨大な時間と労力を傾注され,そしてなによりも本書の内容から偏見と狭量さを取り除いてくださ チたCastleberry先生,Ferencz先生,そしてSeibly先生に感謝します.
第14章(プロビジョナルレストレーション),第4章(歯周組織に対する配慮)をそれぞれ執筆してくださったGegauff先生およびBaima先生に感謝します.Gegauff先生は,Srodulskiさんの挿絵の多くの下絵を描かれました.また歯質,歯髄,歯周組織に対する配慮に力点を置いた,歯冠形成の最新の概念を象徴する,表紙の挿絵も下書きをして頂きました.
Laub先生,Reisbick先生,そしてSandrik先生の,歯冠補綴学および材料学の両面にわたる深い知識により,本文中に多くの材料学的な要素を取り入れることができました.
本文中の多くの写真から素晴らしい技術力が明らかである,マスターセラミストの青木利道氏,桧田健幸氏,松本宏之氏,そして深澤利彦氏に感謝します.
私たちを教育してくださった英国,オランダ,日本,インディアナの各大学,および多くの専門知識を提供してくださったフロリダ大学の同僚たちに感謝します.
多くの援助と,支持をしてくださったオハイオ州立大学,ロンドン・キングスカレッジ,そしてロヨラ大学の医局員とスタッフの人々に感謝します.また,特に第11章と第26章のイラストを担当された,バイオメディカルイラストレーターのSandra L.Celloさんに感謝します.
多くのイラストのなかで,その芸術的感覚を熱意をもって発揮されたKrys Srodulskiさんに感謝します.そして私たちの度重なる写真への要望に,辛抱強く応じてくださったJim Cockerill氏に感謝します.
C.V.Mosby社の編集者の方々,特にGeorge Stericker氏と,Darlene Warfel氏の職業的意識と,このプロジェクトの期間中,絶え間なく激励されたことに対して感謝します.また,はかり知れないほどの援助をくださったDonna Sokolowskiさん,そしてMelba Steubeさんに感謝します.
最後に,この本の著者たちよりも,より多くの時間と労力をこの本に捧げてくれたEnid,Karen,そして淑子に感謝します.Enidの原稿での手助け,そしてKarenのイラストの編集がなくては,このプロジェクトは完遂しなかったことでしょう.
私たちは,本書が現代の歯科補綴学の教育および臨床に貢献し,またその精緻さゆえに,われわれが高く評価するとともに尊重するところの,この専門分野の絶え間ない発展に寄与することを期待する.とりわけ歯冠補綴学をマスターするために努力を惜しまない人々の,挑戦と期待とに答えうるものであることを切望するものである.
Stephen F.Rosenstiel Martin F.Land 藤本順平
第2版 序
“教科書の第2版は,往々にして著者らが初版を執筆する際に目指した内容となるものである“1988年に,“Contemporary Fixed Prosthodontics”の初版が出版されたとき,われわれの仕事はまだ始まったばかりであることにほとんど気づいていなかった.内容はおおむね好評であったものの,固定性補綴学の発展のみならず歯科医療の提供や歯学教育の変化と照らし合わせると,刷新しなければならないことは明らかであった.この第2版には,さまざまな理由のために初版には含まれなかった多くの考え方と概念を盛り込んだ.本書は,初版と同様に大きく四つの部分に分けることができる.治療計画と術前の準備,臨床術式:パートI,技工物の作製,臨床術式:パートIIの四つである.また,本文で論ずる手順,術式に関連する基礎科学についても,読者に示すよう可能なかぎりの方法をとった.
有難いことに,多くの同僚,学生,および歯学教育,歯科臨床,歯科産業に携わる友人たちから熱心な支持を頂いた.心から感謝したい.私たちが受けとった多くの提案や建設的批判に応えるとともに,臨床的な原則および技術を,関連する基礎科学と統合することを目指す包括的なテキストの完全性を維持しながらも,教育カリキュラムに求められる多様なニーズを満たすという微妙なバランスをとることに誠実な努力を払った.多くの要望に応えて,一つの術式に対して可能なかぎり複数の術式を図示し,器材も幅広く紹介しつつ,歯学教育においてよく用いられる物については,特に重点を置いた.
歯学部の再編により,多くの“修復学講座”が誕生している.その結果,以前は別のコースとして保存学の講座で教えられていた治療法(インレー,アンレーなど)が,補綴学の臨床実習前の講義で教えられるようになった.したがって,今回このような修復学的な内容を追加した.歯内療法後の歯の修復に関する章では,既製品のポストシステムについての新しい情報を多く紹介した.また,消毒に関する規則の変更,学生教育カリキュラム上のインプラント教育の重要性の増大,オールセラミック修復物の新しい作製技術の出現などのため,これらの内容についても新しく含む必要があった.したがって,インプラント補綴に関する新しい章が追加された.インプラントはわれわれの専門分野および一般開業の歯科医師において,この10年で最も急速に発展をつづけている分野であろう.同様な意味で,唇側ベニア修復の分野もさまざまな作製法を含んだものに大きくその範囲を広げ,また同様に,オールセラミック修復の章にインレーの解説を加えた.初版でのポンティックに関する二つの章は一つに統合し,最新の技術について焦点をあてた内容となっている.さらに初版での図説も修正,変更され,考え方や原則をより明確にするために80もの新しい図説を追加した.さらに,臨床および技工操作の写真も本書全体をとおして増やした.
この第2版を実現させてくださった多くの人々への感謝の言葉:
ふたたび第2版でも多くの人々が,考え方や原則を明確にするために,無条件にユニークな臨床写真を提供してくださった.可能なかぎり,本書のなかで教職員,臨床家,学生,その他多くの提供者の氏名を明記した.私たちの不注意でお名前がもれてしまった方が万一あれば,深くお詫び申し上げたい.
謝 辞:
第4章(歯周組織に対する配慮),第12章(インプラント支持の固定性補綴物),第14章(プロビジョナルレストレーション)の各章を執筆されたEdwin McGlumphy先生,Anthony Gegauff先生,およびRobert Baima先生のご尽力に感謝します.
第14章(プロビジョナルレストレーション),第18章(ポンティックの設計),第24章(レジン接着性固定性橋義歯)の各章を担当されたRobert Rada先生,Marco Padilla先生,そしてWilliam Johnston先生に感謝します.
材料科学の部分の改訂,刷新をされたLeon Laub先生,M.H.Reisbick先生,James L.Sandirk先生に感謝します.
第2版出版にあたり,援助,助言を頂いたオハイオ州立大学歯学部の医局員,大学院生の方々に感謝します.
テクニックや操作を図解するにあたり,快く手伝ってくださったロヨラ大学の医局員,そして大学院生に感謝します.
“あと数枚写真をお願いします”という,私たちの要望に快く応じられたJim Cockerill氏に感謝します.
初版のSrodulskiさんによる素晴らしいイラストと,手法 ・質ともによくマッチする新しいイラスト作製のための,たゆまない努力をされたSandra Cello・Langさん,およびSue Cottrillさんに感謝します.
著者の一人にとって多くの環境の変化が訪れた時期に,心温まる援助をしてくださった南イリノイ大学歯学部の先生方と,スタッフの方々に感謝します.
私たちの,終わりのない使命をやり遂げるための能力について,忍耐強く,信じて疑うことをなさらなかったMosby社の編集者Jo Salway,Linda Duncan,そしてGeorge Sterickerの各氏に感謝します.
このプロジェクトに対して,私たちのすべてを捧げて打ち込ませてくれた,寛容なEnid,Karen,そして淑子に感謝します.
そして最後に,私たちは,われわれの学生諸君に感謝します.学生諸君は永年にわたる多くの質問と,最近では私たちの依頼により本書を熟読することをつうじて,最新補綴学の学習と実践とに関わるわれわれ全員に,この分野につねに存在するさまざまの課題について気づかせ,この専門分野についての理解を,よりいっそう深いものとしてくれたといえる.
Stephen F.Rosenstiel Martin F.Land 藤本順平
訳者 序
1973年(昭和48年)8月より1975年6月までの約2年間,私はインディアナ大学においてクラウンブリッジ科ならびにパーシャルデンチャー科大学院で学ぶ機会を得ました.ローランド・ダイケマ主任教授,ネッド・ヴァン・ロッケル大学院指導教官の下で,クラウンブリッジ・パーシャルデンチャーについての,客観性に基づく理論と徹底した臨床技術の訓練,さらには臨床研究(マスター論文)の指導を受けましたことは,私の歯科医師としての基礎を築いて頂いたという点で,感謝してもしきれないものがあります.
インディアナ大学大学院修了後ただちに,開設されて日が浅かったフロリダ大学咬合 ・クラウンブリッジ科に幸運にも助教授として赴任することができました('75年6月).当時,フロリダ大学咬合・クラウンブリッジ科には,咬合の権威であるハリー・ランディーン教授,TMD特に疼痛についての権威で, サ在も活躍されておられるパーカー・メイハン教授,および下顎運動の研究で多くの業績をあげられたチャールズ・ギブス先生等がおられ,咬合に関する研究における世界的中心でありました.インディアナ大学大学院におけるクラウンブリッジの徹底した理論と臨床教育,つづいてフロリダ大学における咬合の理論と臨床の学習,さらには研究への参画と,私にとりましては願ってもないタイミングでの学習体験を得ることができました.さらに教育主任としての体験が加わり,5年余りの間に与えて頂きましたこれらの先生方による指導と,励ましと,啓発とに深い感謝の意を表したいと思います.
フロリダ大学着任後しばらくして,まだ経験の浅い私が教室のアクティングチェアマンを任されることになり,十分な覚悟と準備もないままに,とにかく責務の一部でも果たすことができればという思いで引き受けることに致しました.この体験をとおして最も困難かつ重要なテーマは,卒前クラウンブリッジ臨床教育の充実でした.米国歯科大学における卒前臨床教育では,広く学外より有能な臨床家を集め,指導教官数の確保と,クリニックフロアにおける臨床教育の充実を図る方法がとられます.しかしながら,この方法の弱点として各教官の教育背景の違い,各指導者間の能力差などの問題があり,学生教育にあたって一定の基準が作りにくく教育内容に一貫性が失われるとともに,各教官間での意見統一が難しいということがあげられ,その問題解決のためには,同じ教育的背景を有する指導者でチーム作りをするのが最も効率的であろうと考えるようになりました.インディアナ大学大学院で1年後輩にあたる英国からの留学生ステファン・ローゼンスティール,2年後輩にあたるオランダからの留学生マーティン・ランドの両先生にフロリダ大学への赴任を要請し,快諾を得た結果,インディアナ大学大学院卒の教育チームが結成されたわけです.外国出身者ばかりの教官によって,インディアナ大学流の徹底した基礎的臨床教育が一段と強化されたわけで,当時の学生諸君からはずいぶんと恐れられたようでした.以来,フロリダ大学における学生教育は充実し,一定の教育成果が得られましたことが,私の1978年度Professor of the year(フロリダ大学最優秀臨床教授賞)受賞のきっかけになったように思います.
さらに教育経験を積むなかで,私たちの考え方に基づくテキストを作ろうという意欲が湧きました.その後,ローゼンスティール先生はロンドン大学に,ランド先生はロヨラ大学に,私は日本に帰国することになりましたが,同門の出身で大学院修了後の一時期フロリダ大学で共に卒前教育に携わったという共通の基盤に立つことにより,また,その後ロバート・バイマ先生をはじめとした多くの先生方のご助力を得て,1988年に『Contemporary Fixed Prosthodontics』第1版がMosby社より発刊されました.つづいて1995年には,その後の新しい発展分野を加え,さらに内容充実を図って第 版が出版され,現在に至っております.内容的には4編より構成され,1.治療計画および術前の準備,2.クラウンブリッジの臨床術式・パートI,3.技工物の作製,4.臨床術式・パートIIより成っております.詳細につきましては,原著者序文を参照して頂きたいと思います.
執筆にあたり,歯科臨床のなかで最も技術的要求度の高い歯冠補綴学において,“いかに基礎科学と臨床とを結びつけるか”という点に特に配慮がなされました.最近,わが国におきましても科学的信頼度の高いデータに基づいた医療(Evidence Based Medicine)の必要性が叫ばれておりますが,これは真に当然のことといわねばなりません.臨床歯冠補綴学におきましては,科学に裏付けされた治療法の選択とともに,一方で確かな技術力に支えられた治療の組み立てが是非とも必要であります.
本書はこのような見地から,歯冠補綴学の基礎から臨床,さらには最先端分野にまで及ぶクオリティーの高い総合的歯冠補綴学のための定本ともいうべき内容となっております.また,研究者にとりましては,現在最先端と考えられているテーマについての学問的科学的背景,将来の研究の方向などについての示唆が得られるかもしれません.各章とも充実した論文レビューに基づくとともに,臨床術式の説明にあたりましては,実際の臨床例を豊富に用いることによって,より理解しやすくなるよう配慮がなされております.
本書は1988年に第1版が英語で出版されて以来,スペイン語,イタリア語,トルコ語および韓国語に翻訳されて世界的に紹介されるとともに,クラウンブリッジの教科書として,現在米国歯科大学においてはむろんのこと,世界で最も広く用いられております.このことは,私どものクラウンブリッジに関する考え方が広く受け入れられていることの証明であり,著者の一人として,たいへん喜ばしいことであります.今後とも本書が高いレベルの歯冠補綴学の実践または教育,研究を志す人々にとりまして,少しでもお役に立つことができれば幸いです.
本書の日本語翻訳に関しましては,以前より,他の2名の共著者ならびに藤本研修会をつうじて知りあうことのできました,歯科臨床についての価値観を同じくする友人の方々からの再三の要望を受けつつも,実行できないままになっておりました.1996年ついに私の怠慢さにしびれを切らした藤本研修会OBの有志の方々が,多忙な臨床の傍ら翻訳作業を開始され,これを契機に一気に日本語版出版が具体化することとなりました.翻訳にご協力頂きました先生方ならびに率先して全体の進行プランニングと,種々の作業を遂行してくださいました山本健一,岡野昌治,菅野英也,千ケア乙文の各先生方に深い謝意を表したいと思います.さらに伊藤由紀(旧姓有野)先生には,ご自身の語学留学を挟んでの多忙な時期に,日本語訳について多大のご協力を頂きました.これらの先生方の献身的な労なくしては,日本語版の発刊はありえませんでした.協力して頂きました先生方のご氏名を文末に掲げまして,厚く御礼申し上げたいと存じます.また,翻訳にあたり,本来ならば藤本研修会OBの先生方に広くお願い致すべきところを,翻訳決定当時に受講中の先生方を中心にお願いする結果となりましたことを,一言お断り申し上げます.
さらに,本書発刊にあたってご尽力頂だいた医歯薬出版株式会社および編集部の諸氏に深く感謝いたします.
1999年(平成11年)1月 共著者・訳者 藤本順平
訳者序 vii
第1版序 xi
第2版序 xiii
和文索引……665
欧文索引……672
第I編 治療計画および術前の準備
第1章 病歴・診査・診断・予後……3
1 病歴……3
1 主訴……3
2 個人的情報……6
3 医科病歴……6
4 歯科病歴……7
2 診査……8
1 全身的診査……9
2 口腔外診査……9
3 口腔内診査……11
4 X線診査……16
5 歯髄の生活診断……18
3 咬合器に装着した診断用模型……18
1 診断用模型のための印象採得……18
2 咬合器の選択……21
3 フェイスボウ……23
4 中心位記録……27
5 診断用模型の咬合器装着……33
6 咬合器の後方制御装置……34
7 アンテリアガイダンス……38
8 診断用模型の変更修正……41
4 診断と予後……43
1 鑑別診断……43
2 予後……43
5 まとめ……43
第2章 治療計画の作成……45
1 患者のニーズの把握……45
1 現存する病態の改善……45
2 将来の疾患の予防……45
3 機能の回復……45
4 外観の改善……46
2 利用できる材料と術式……46
1 可塑性材料……46
2 金属鋳造冠……46
3 陶材焼付鋳造冠……47
4 レジン前装冠……47
5 全部陶材冠……48
6 固定性橋義歯……48
7 インプラント支持の補綴物……49
8 可撤性部分床義歯……49
9 全部床義歯……49
3 歯牙欠損の治療……51
1 抜歯の決定……51
2 補綴を行わなかった場合の抜歯の結果……51
4 支台歯の選択……51
1 単独欠損歯の補綴……52
1)カンチレバー式固定性橋義歯……52
2)支台歯の評価……53
3)歯内療法が行われた支台歯……53
4)未修復の支台歯……53
5)近心傾斜している第二大臼歯……54
2 複数欠損歯の補綴……55
1)支台歯への過剰な荷重……55
2)複数の前歯の補綴……59
3 固定性橋義歯または可撤性部分床義歯の適応症……60
5 治療の順序……60
1 症状の改善……60
2 悪化していく症状の安定化……61
3 最終的な治療……62
4 術後管理(フォローアップ)……64
6 まとめ……64
第3章 咬合の原則……66
1 解剖……66
1 顎関節……66
2 靭帯……66
3 筋系……66
4 歯列……68
2 下顎運動……69
1 基準平面……70
2 限界運動……71
3 機能的運動……73
4 異常機能運動……74
3 咬合研究の歴史……75
1 両側性平衡咬合……76
2 グループファンクション……76
3 ミューチュアリープロテクテッドオクルージョン……76
4 患者の適応能力……78
1 低い閾値……78
2 高い閾値……78
5 病的咬合……78
1 徴候と症状……78
2 治療……80
1)オクルーザルスプリント療法……80
2)装置の作製……80
3 術後管理……84
6 まとめ……84
第4章 歯周組織に対する配慮……86
1 解剖……86
1 歯肉……86
2 歯周組織……87
3 歯牙歯肉移行部……87
2 歯周組織の疾患……87
1 病因……88
2 病理学的機序……88
3 診査 ・診断 ・治療計画……90
1 初期治療……90
2 初期治療の再評価……94
3 外科的治療……94
1)軟組織の処置……94
2)硬組織の処置……95
3)根分岐部病変の治療……98
4 外科的治療の再評価……104
5 組織誘導再生法(GTR)(硬組織および軟組織に対する処置)104
6 メンテナンス……106
7 予後……107
4 まとめ……107
第5章 口腔内の前準備……109
1 口腔外科的処置……109
1 軟組織の処置……109
2 硬組織の処置……110
3 顎矯正外科……111
4 インプラント支持の固定性補綴物……112
2 修復歯の二次齲蝕……112
3 支台築造……113
選択の基準……113
4 歯内療法……120
1 評価……120
2 治療……121
5 最終的な歯周治療……121
1 粘膜修正療法……121
2 遊離自家歯肉移植……121
3 側方移動有茎弁移植(歯肉弁側方移動術)……122
4 歯冠側移動有茎弁移植……122
5 歯冠長延長術……122
6 外科的歯冠長延長術……124
7 矯正治療と歯周治療を組み合わせた挺出……125
6 矯正治療……125
1 評価……125
2 治療……127
7 最終的な咬合治療……128
1 診断のための咬合調整……129
2 咬合調整の実際……129
8 まとめ……132
第II編 臨床術式:パート……1
第6章 歯冠形成の原則……135
1 生物学的条件……136
1 歯冠形成時の損傷の予防……136
1)隣在歯……136
2)軟組織……136
3)歯髄……136
4)歯髄損傷の原因……137
2 歯質の保存……139
3 将来の口腔の健康に影響を与える事柄……141
1)軸面の削除……141
2)マージンの設定……141
3)マージンの適合……142
4)マージン形態……144
5)咬合に対する配慮……149
6)歯牙破折の予防……149
2 機械的条件……150
1 維持形態……150
1)脱離力の大きさ……150
2)歯冠形成の形態……150
3)修復物適合面の粗造度……153
4)セメント合着されるものの材料……154
5)合着材の種類……154
6)合着材の被膜厚さ……154
2 抵抗形態……154
1)脱離力の大きさと方向……155
2)歯冠形成の外形……155
3)合着材の物理的特性……155
3 変形……157
1)合金の選択……158
2)適切な歯質削除……158
3)マージンの設計……159
3 審美的条件……159
1 部分被覆冠……159
1)隣接面マージン……159
2)唇側マージン……160
2 陶材焼付鋳造冠……161
1)唇面の歯質削除……161
2)切端の削除……161
3)隣接面形成……161
4)唇側マージンの設定……162
4 歯冠形成の計画と評価……162
1 診断のための歯冠形成……162
2 患者と術者の位置……164
5 まとめ……164
第7章 全部鋳造冠の形成……167
1 長所……167
2 短所……168
3 適応症……168
4 禁忌症……168
5 基準……169
特別な配慮……169
1)機能(中心)咬頭ベベル……169
2)非機能(非中心)咬頭ベベル……169
3)シャンファーの幅……169
6 形成……170
7 まとめ……176
第8章 陶材焼付鋳造冠の形成……178
1 適応症……178
2 禁忌症……179
3 長所……179
4 短所……179
5 形成……179
第9章 部分被覆冠,インレー,アンレーの形成……191
1 部分被覆冠……191
1 適応症……191
2 禁忌症……191
3 長所……192
4 短所……192
5 形成……192
6 臼歯の部分被覆冠の形成……193
1)上顎小臼歯の3/4冠……193
2)上顎大臼歯の3/4(4/5)冠……197
3)上顎大臼歯の7/8冠……199
4)下顎小臼歯の変法3/4
(4/5)冠……199
7 前歯の部分被覆冠の形成……201
上顎犬歯の3/4冠……201
8 ピンレッジの形成……206
1)適応症……207
2)禁忌症……209
3)上顎中切歯のピンレッジ……209
2 インレーとアンレー214
1 適応症……214
2 禁忌症……214
3 長所……214
4 短所……214
5 形成……215
6 II級インレーの形成……215
1)咬合分析……215
2)外形……215
3)齲蝕歯質の除去……216
4)軸面-歯肉側グルーブとベベルの付与……216
7 MODアンレーの形成……217
1)外形……217
2)齲蝕歯質の除去……218
3)咬合面削除……218
4)マージンの付与……218
第10章 全部陶材修復の形成……224
1 オールセラミッククラウン……224
1 長所……224
2 短所……224
3 適応症……225
4 禁忌症……225
5 形成……226
2 セラミックインレーとアンレー228
1 適応症……228
2 禁忌症……228
3 長所……228
4 短所……228
5 形成……229
3 ポーセレンラミネートベニア……230
1 長所と適応症……230
2 形成……231
第11章 根管処置歯の修復治療……236
1 治療計画……236
1 前歯に対する考察……237
2 臼歯に対する考察……238
2 ポストの形成……239
1 歯質の保存……239
2 維持形態……240
3 抵抗形態……242
1)応力配分……242
2)回転防止策……244
3 術式……244
1 根管充填材の除去……244
2 根管の形成……247
1)既製のポストに対して……254
2)鋳造ポストに対して……254
3 歯冠部歯質の形成……254
4 ポストの作製……255
1)既製ポスト……255
2)鋳造ポスト……255
5 コアの作製……257
1)可塑性充填材……257
2)鋳造コア……258
6 暫間修復物……260
7 埋没と鋳造……260
8 試適……260
9 セメント合着……261
10 ポストの除去……261
4 まとめ……263
第12章 インプラント支持の固定性補綴物……266
1 インプラントの種類……266
1 ブレード型インプラント……267
2 歯根型インプラント……268
2 インプラントの治療計画……268
1 臨床評価……268
2 X線的評価……269
3 診断用模型……269
4 プロービング……270
3 インプラント位置決定の原則……271
1 解剖学的制約……271
1)上顎前歯部……271
2)上顎臼歯部……272
3)下顎前歯部……272
4)下顎臼歯部……273
2 補綴的配慮……273
1)インプラントの埋入位置……273
2)インプラントと修復物の大きさ……273
3)単独歯のインプラント……275
4 外科用ステント……275
5 インプラント外科……275
1 インプラント一次手術……275
1)骨への到達……276
2)インプラント埋入……277
3)術後評価……277
2 インプラント二次手術インプラントを露出させる……277
6 インプラント修復……278
1 臨床用インプラントコンポーネント……278
1)インプラント体……278
2)シーリングスクリュー……278
3)ヒーリングキャップ……278
4)アバットメント……280
5)印象用ポスト……283
6)技工用アナログ……285
7)ワクシングスリーブ……286
8)補綴物の維持スクリュー……287
2 インプラント修復の選択肢……287
1)後方遊離端欠損のインプラント修復……287
2)スパンの長い欠損の修復……288
3)単独歯のインプラント修復……289
4)無歯顎症例の固定性修復……291
3 セメント維持型のインプラントクラウンとスクリュー維持型のインプラントクラウン……293
7 インプラントの長期的成功に影響を与える生体力学的因子……295
1 咬合……295
2 インプラントと天然歯の連結……296
3 インプラントとフレームワークの適合……297
4 緩衝要素……298
8 メンテナンス……298
9 偶発症……298
1 骨吸収……298
2 補綴の失敗……299
10 まとめ……299
第13章 印象採得と歯周組織の管理……301
1 必要条件……301
1 歯周組織の健康……301
2 唾液のコントロール……302
3 歯肉圧排……303
1)圧排糸……303
2)エレクトロサージェリー……306
2 理工学 c…307
弾性印象材……307
1)可逆性ハイドロコロイド……307
2)ポリサルファイドラバー……308
3)縮重合型シリコーンラバー……308
4)ポリエーテルラバー……309
5)付加型シリコーンラバー……309
3 各個トレーの作製……311
4 印象採得……315
1 弾性印象材……315
1)ヘビーボディ材とライトボディ材のコンビネーション法……315
2)シングルミックス法……317
3)自動練和法……317
2 可逆性ハイドロコロイド……318
3 特別に考慮するべき事柄……320
1)ピン維持の修復物……320
2)ポストコア……321
4 消毒……321
5 評価……322
5 まとめ……322
第14章 プロビジョナルレストレーション……324
1 必要条件……324
1 生物学的条件……324
2 機械的条件……326
3 審美的条件……327
2 材料と作製法……328
1 外面の鋳型(ESF)……328
1)各個に作られるもの(カスタムメード)……328
2)既製品……330
2 組織面の鋳型(TSF)……332
3 プロビジョナルレストレーションに用いられる材料……334
3 理工学(材料学)335
1 遊離基重合……336
2 モノマーに関連する特性……337
4 術式……337
1 間接法で個別に作製する(カスタムメード)プロビジョナル固定性橋義歯……339
2 間接-直接法で作製するカスタムメードのプロビジョナル固定性橋義歯……342
3 各個に作製するプロビジョナル単独冠……346
4 ラミネートベニア……347
5 既製ESFを用いたプロビジョナル……347
6 ポリカーボネート冠……347
7 アルミニウム冠……350
8 ポストコアのプロビジョナルレストレーション……352
9 セメント仮着……354
10 撤去,再装着,修理……356
11 審美性の向上……356
1)色調……356
2)半透明感……357
3)表面性状……358
5 まとめ……358
第III編 技工物の作製◆
第15章 作業模型およびダイ……363
1 具備すべき条件……363
2 材料学……364
1 石膏……364
2 レジン……365
3 電気メッキされたダイ……365
3 選択基準……366
1 種々のダイ法……366
1)可撤式ダイ法……366
2)非可撤式作業模型と各個ダイ(副歯型法)……367
3)その他のダイ法……368
2 作業模型-ダイ法の選択……369
4 方法……370
5 作業模型の咬合器装着……378
1 作業模型と診断用模型……379
2 咬合の再構築……379
3 調和のとれた咬合……381
4 咬合器装着の確認……382
6 まとめ……384
第16章 ワックスパターン……385
1 前準備……385
1 欠陥の修正……386
2 適切なセメントスペースの確保……386
1)セメントスペースの増加法……386
2)セメントスペースの減少法……387
3)ダイスペーサー……387
3 マージンの印記……387
2 材料学……387
3 術式……389
1 臼歯……391
2 前歯……404
3 ワックスのカットバック……405
4 連結子のワックスアップ……405
4 ステップの要約……407
5 まとめ……407
第17章 陶材焼付鋳造冠のためのフレームワークの設計と金属の選択……409
1 具備すべき条件……409
1 解剖学的カントゥアでのワックスアップ……410
2 咬合の分析……411
2 カットバック……413
1)カットバックの設計……413
2)パターンのカットバックのための溝入れ(トラフィング;troughing)……414
3)仕上げ……415
4)連結子の設計……416
5)ポンティック……416
6)評価……417
3 金属の選択……417
1 機械的 ・物理的特性の歯科的な意味合い……417
2 利用可能な合金……420
4 ステップの要約……425
5 まとめ……425
第18章 ポンティックの設計……426
1 具備すべき条件……426
1 ポンティックのスペース……426
2 歯槽堤の形態……427
2 生物学的条件……428
1 歯槽堤との接触状態……428
2 歯垢(プラーク)……428
1)ポンティックの基底面……428
2)ポンティックと歯槽堤の関係……431
3)ポンティックの材料……432
3 咬合力……432
3 機械的条件……433
ポンティックに使用される材料……433
1)既製の陶材ポンティック……433
2)メタルセラミックのポンティック……433
3)レジン前装ポンティック……434
4 審美的条件……435
1 視覚……435
2 ポンティックの外観……437
1)正常な骨吸収……437
2)著しい骨吸収……437
3)近遠心的幅径の異常……439
5 ポンティックの作製……439
1 市販されている材料……439
2 メタルセラミック製のポンティック……440
1)解剖学的カントゥアのワックスアップ……440
2)カットバック……441
3)鋳造体の調整……442
4)陶材の築盛……443
6 レジン前装ポンティック……445
7 メタルポンティック……446
8 まとめ……446
第19章 可撤性部分床義歯の維持装置……448
1 治療計画……448
成功の条件……452
1)設計……452
2)維持……454
3)拮抗作用……454
2 歯冠形成……454
1 着脱方向……454
2 レスト座……456
3 軸面形態……456
3 印象採得……457
咬合採得……457
4 ワックスパターンの作製……457
1 サベイライン……457
2 ガイドプレーン……459
3 咬合面レスト座……459
5 厳密な仕上げ工程……459
ミリング……460
6 試適とセメント合着……460
7 既存のRPDに適合する鋳造冠の作製……461
8 アタッチメント……461
1 歯冠外アタッチメント……462
2 歯冠内アタッチメント……462
1)既製タイプのアタッチメント……462
2)自家製タイプのアタッチメント……465
3 バー,スタッド,磁石……465
9 まとめ……469
第20章 埋没と鋳造……470
1 必要条件……470
1 スプルー……470
2 円錐台……472
3 鋳造リングと緩衝材……472
4 スプルー植立法……473
2 材料科学……474
1 石膏系埋没材……474
2 リン酸塩系埋没材……475
3 材料の選択……476
1 鋳造合金の選択……476
2 埋没材の選択……479
4 埋没……479
1)ブラシテクニック……480
2)真空埋没法……481
5 ワックスの焼却……481
6 鋳造……484
1 鋳造機……484
2 鋳造法……485
1)鋳造体の掘り出し……487
2)評価……487
3)鋳造欠陥について……488
7 ステップの要約……491
8 まとめ……491
第21章 色彩学とシェードの選択……492
1 光と色……492
1 光とは何か……492
光の質……492
2 色とは何か……493
1)マンセル(Munsell)表色法……493
2)CIELAB表色法……495
3 色測定器……496
4 色の知覚……496
1)目……496
2)色順応……496
3)色認識の錯誤……496
2 シェードの選択……497
1 一般原則……497
2 市販のシェードガイド……498
1)色相の選択……498
2)彩度の選択……498
3)明度の選択……499
3 広範囲シェードガイド……499
4 カスタムシェードガイド……499
シェード分布図……500
3 まとめ……500
第22章 陶材焼付鋳造冠……501
1 歴史的背景……501
2 概論……501
3 メタル調製……502
1 形態……502
2 埋没材の除去……503
3 酸化膜の除去……503
4 メタル仕上げ……503
1)厚み……504
2)仕上げ……504
3)洗浄……505
4)酸化処理……505
4 材料の科学……506
1 陶材の製造……506
2 ポーセレンテクニック……507
3 陶材の種類……508
1)オペークポーセレン……508
2)ボディポーセレン……509
3)インサイザルポーセレン……509
4 陶材と合金の結合……509
5 結合に影響する因子……510
6 陶材と合金の相性……512
5 選択の基準……512
1 オペークポーセレン……512
2 ボディおよびインサイザルポーセレン……512
6 作製……513
1 ポーセレンの築盛……513
2 内部ステイン……519
3 カントゥアの付与……520
4 艶焼きと表面のステイン……521
7 カラーレスクラウン……522
1 利点と欠点……523
2 適応と禁忌……523
3 作製法……523
1)白金箔マトリックス法……523
2)直接築盛(シアノアクリレートレジン)法……525
3)ポーセレンワックス法……525
4 利点と欠点……529
8 トラブル解決法……529
1 ひび割れ……529
2 気泡……530
3 満足のゆかない外観……530
9 ステップの要約……530
10 まとめ……530
第23章 全部陶材修復物の作製……532
1 歴史的背景……532
2 強化陶材……532
3 陶材修復物の強化……534
1 イオン交換……534
2 焼戻し……535
3 応力腐蝕の防止……536
4 作製法……536
5 白金箔マトリックス……536
6 全部陶材冠……536
1 ダイの作製……536
2 白金箔マトリックスの作製……536
3 アルミナスコアの築盛……538
4 ボディポーセレンとインサイザルポーセレンの築盛……540
5 形態修正と箔の除去……541
6 試適,ステイニング,グレージング……542
7 唇側ポーセレンベニア……543
8 耐火性ダイ……544
9 アルミナ鋳込成形のクラウンと固定性橋義歯……546
10 ホットプレスセラミック……546
11 キャスタブルセラミック修復物……549
12 CAD-CAMを利用した陶材修復物……551
13 金属箔を使用したセラミッククラウン……552
14 全部陶材の固定性橋義歯……552
15 レジン接着性全部陶材修復物……553
修復物のエッチングとシラン処理……553
16 まとめ……553
第24章 レジン接着性固定性橋義歯……555
1 利点……555
2 欠点……556
3 適応症……556
4 禁忌症……557
5 作製……557
1 支台歯形成……558
2 前歯部の形成とフレームワークの設計……558
3 臼歯部の形成とフレームワークの設計……560
4 レジンと金属との接着……562
6 レジン接着剤(ボンディング剤)565
7 リコール,経過観察,失敗……566
8 ステップの要約……568
9 まとめ……568
第25章 固定性橋義歯の連結子……570
1 設計……570
方法……570
1)半固定性連結子……572
2)ループ連結子……572
2 材料科学……572
1 ロウ……572
2 ロウ付け用フラックスとアンチフラックス(抗融剤)……575
3 ロウ付け用埋没材……575
3 方法の選択……576
1 前ロウ付け……576
2 後ロウ付け……576
1)オーブンロウ付け……577
2)ブローパイプを用いたロウ付け……577
3 精度……578
1)ロウ付けのための咬合面インデックス……578
2)即時重合レジンを用いたロウ付け用インデックス……580
3)ワックス除去と予備加熱……580
4)ブローパイプを用いたロウ付け(低熱)……582
5)ブローパイプを用いたロウ付け(高熱)……582
6)オーブンロウ付け……583
7)赤外線ロウ付け……583
8)レーザー溶接……583
4 ステップの要約……585
5 まとめ……585
第26章 鋳造修復物の仕上げ……588
1 目的と手順……588
1 区域1マージン内面……588
2 区域2内面……589
3 区域3スプルー……590
4 区域4隣接面接触点……591
5 区域5咬合面……592
6 区域6軸壁……593
7 区域7マージン外面……595
2 ステップの要約……596
第27章 技工サイドとのコミュニケーション……598
1 歯科医師の責務……599
1 感染予防……599
2 歯冠形成……599
3 形成マージン……600
4 咬合器マウント……600
5 技工依頼書……600
2 適切な確認……605
3 まとめ……605
第IV編 臨床術式:パート……2
第28章 試適,ステイニング,グレージング……609
1 試適……609
1 プロビジョナルレストレーションと合着材……609
2 隣接面コンタクト……609
1)強すぎるコンタクト……610
2)コンタクトの不足……610
3 マージンの完全性……612
4 安定性……613
5 咬合……614
6 陶材修復物……618
2 ステイニングとグレージング……621
表面ステイニング……622
1)シェードの修正……623
2)キャラクタリゼーション……624
3)特殊な錯視効果……625
3 まとめ……625
第29章 合着材とセメンテーション……627
1 暫間セメンテーション……627
2 永久セメンテーション……627
1 従来の鋳造修復……627
2 歯科用セメント……627
3 合着材の選択……629
4 セメント合着時の修復物と歯牙表面の調製……630
3 セラミックベニヤおよびインレーのセメンテーション……634
1 レジン接着剤の選択……634
2 修復物の接着……636
4 ステップの要約……638
5 まとめ……638
第30章 術後管理……641
1 セメンテーション後の診察……641
2 定期的リコール……642
1 既往歴と一般検査……642
2 口腔衛生と食事……642
3 齲蝕……643
4 歯周病……644
5 咬合機能障害……644
6 歯髄と根尖歯周組織の健康……645
3 緊急治療……646
1 疼痛……646
2 支台冠の脱離……646
3 連結子の破折……648
4 ポーセレンベニアの破折……648
4 再治療……649
1 計画された再治療……651
2 自己管理不良……652
5 症例供覧……652
症例I 単純な鋳造修復物……652
症例II 単独鋳造修復物……654
症例III 単純な固定性橋義歯……655
症例IV 部分被覆装置……655
症例V ピンレッジ固定装置……656
症例VI 固定性および可撤性補綴物によるフルマウスリハビリテーション……657
症例VII 広範囲にわたる固定性補綴物……658
症例VIII 広範囲にわたる固定性および可撤性補綴物……660
症例IX 極度に咬耗した歯のリハビリテーション……661
症例X 術後の口腔変化への対応……662
6 まとめ……663
第1版序 xi
第2版序 xiii
和文索引……665
欧文索引……672
第I編 治療計画および術前の準備
第1章 病歴・診査・診断・予後……3
1 病歴……3
1 主訴……3
2 個人的情報……6
3 医科病歴……6
4 歯科病歴……7
2 診査……8
1 全身的診査……9
2 口腔外診査……9
3 口腔内診査……11
4 X線診査……16
5 歯髄の生活診断……18
3 咬合器に装着した診断用模型……18
1 診断用模型のための印象採得……18
2 咬合器の選択……21
3 フェイスボウ……23
4 中心位記録……27
5 診断用模型の咬合器装着……33
6 咬合器の後方制御装置……34
7 アンテリアガイダンス……38
8 診断用模型の変更修正……41
4 診断と予後……43
1 鑑別診断……43
2 予後……43
5 まとめ……43
第2章 治療計画の作成……45
1 患者のニーズの把握……45
1 現存する病態の改善……45
2 将来の疾患の予防……45
3 機能の回復……45
4 外観の改善……46
2 利用できる材料と術式……46
1 可塑性材料……46
2 金属鋳造冠……46
3 陶材焼付鋳造冠……47
4 レジン前装冠……47
5 全部陶材冠……48
6 固定性橋義歯……48
7 インプラント支持の補綴物……49
8 可撤性部分床義歯……49
9 全部床義歯……49
3 歯牙欠損の治療……51
1 抜歯の決定……51
2 補綴を行わなかった場合の抜歯の結果……51
4 支台歯の選択……51
1 単独欠損歯の補綴……52
1)カンチレバー式固定性橋義歯……52
2)支台歯の評価……53
3)歯内療法が行われた支台歯……53
4)未修復の支台歯……53
5)近心傾斜している第二大臼歯……54
2 複数欠損歯の補綴……55
1)支台歯への過剰な荷重……55
2)複数の前歯の補綴……59
3 固定性橋義歯または可撤性部分床義歯の適応症……60
5 治療の順序……60
1 症状の改善……60
2 悪化していく症状の安定化……61
3 最終的な治療……62
4 術後管理(フォローアップ)……64
6 まとめ……64
第3章 咬合の原則……66
1 解剖……66
1 顎関節……66
2 靭帯……66
3 筋系……66
4 歯列……68
2 下顎運動……69
1 基準平面……70
2 限界運動……71
3 機能的運動……73
4 異常機能運動……74
3 咬合研究の歴史……75
1 両側性平衡咬合……76
2 グループファンクション……76
3 ミューチュアリープロテクテッドオクルージョン……76
4 患者の適応能力……78
1 低い閾値……78
2 高い閾値……78
5 病的咬合……78
1 徴候と症状……78
2 治療……80
1)オクルーザルスプリント療法……80
2)装置の作製……80
3 術後管理……84
6 まとめ……84
第4章 歯周組織に対する配慮……86
1 解剖……86
1 歯肉……86
2 歯周組織……87
3 歯牙歯肉移行部……87
2 歯周組織の疾患……87
1 病因……88
2 病理学的機序……88
3 診査 ・診断 ・治療計画……90
1 初期治療……90
2 初期治療の再評価……94
3 外科的治療……94
1)軟組織の処置……94
2)硬組織の処置……95
3)根分岐部病変の治療……98
4 外科的治療の再評価……104
5 組織誘導再生法(GTR)(硬組織および軟組織に対する処置)104
6 メンテナンス……106
7 予後……107
4 まとめ……107
第5章 口腔内の前準備……109
1 口腔外科的処置……109
1 軟組織の処置……109
2 硬組織の処置……110
3 顎矯正外科……111
4 インプラント支持の固定性補綴物……112
2 修復歯の二次齲蝕……112
3 支台築造……113
選択の基準……113
4 歯内療法……120
1 評価……120
2 治療……121
5 最終的な歯周治療……121
1 粘膜修正療法……121
2 遊離自家歯肉移植……121
3 側方移動有茎弁移植(歯肉弁側方移動術)……122
4 歯冠側移動有茎弁移植……122
5 歯冠長延長術……122
6 外科的歯冠長延長術……124
7 矯正治療と歯周治療を組み合わせた挺出……125
6 矯正治療……125
1 評価……125
2 治療……127
7 最終的な咬合治療……128
1 診断のための咬合調整……129
2 咬合調整の実際……129
8 まとめ……132
第II編 臨床術式:パート……1
第6章 歯冠形成の原則……135
1 生物学的条件……136
1 歯冠形成時の損傷の予防……136
1)隣在歯……136
2)軟組織……136
3)歯髄……136
4)歯髄損傷の原因……137
2 歯質の保存……139
3 将来の口腔の健康に影響を与える事柄……141
1)軸面の削除……141
2)マージンの設定……141
3)マージンの適合……142
4)マージン形態……144
5)咬合に対する配慮……149
6)歯牙破折の予防……149
2 機械的条件……150
1 維持形態……150
1)脱離力の大きさ……150
2)歯冠形成の形態……150
3)修復物適合面の粗造度……153
4)セメント合着されるものの材料……154
5)合着材の種類……154
6)合着材の被膜厚さ……154
2 抵抗形態……154
1)脱離力の大きさと方向……155
2)歯冠形成の外形……155
3)合着材の物理的特性……155
3 変形……157
1)合金の選択……158
2)適切な歯質削除……158
3)マージンの設計……159
3 審美的条件……159
1 部分被覆冠……159
1)隣接面マージン……159
2)唇側マージン……160
2 陶材焼付鋳造冠……161
1)唇面の歯質削除……161
2)切端の削除……161
3)隣接面形成……161
4)唇側マージンの設定……162
4 歯冠形成の計画と評価……162
1 診断のための歯冠形成……162
2 患者と術者の位置……164
5 まとめ……164
第7章 全部鋳造冠の形成……167
1 長所……167
2 短所……168
3 適応症……168
4 禁忌症……168
5 基準……169
特別な配慮……169
1)機能(中心)咬頭ベベル……169
2)非機能(非中心)咬頭ベベル……169
3)シャンファーの幅……169
6 形成……170
7 まとめ……176
第8章 陶材焼付鋳造冠の形成……178
1 適応症……178
2 禁忌症……179
3 長所……179
4 短所……179
5 形成……179
第9章 部分被覆冠,インレー,アンレーの形成……191
1 部分被覆冠……191
1 適応症……191
2 禁忌症……191
3 長所……192
4 短所……192
5 形成……192
6 臼歯の部分被覆冠の形成……193
1)上顎小臼歯の3/4冠……193
2)上顎大臼歯の3/4(4/5)冠……197
3)上顎大臼歯の7/8冠……199
4)下顎小臼歯の変法3/4
(4/5)冠……199
7 前歯の部分被覆冠の形成……201
上顎犬歯の3/4冠……201
8 ピンレッジの形成……206
1)適応症……207
2)禁忌症……209
3)上顎中切歯のピンレッジ……209
2 インレーとアンレー214
1 適応症……214
2 禁忌症……214
3 長所……214
4 短所……214
5 形成……215
6 II級インレーの形成……215
1)咬合分析……215
2)外形……215
3)齲蝕歯質の除去……216
4)軸面-歯肉側グルーブとベベルの付与……216
7 MODアンレーの形成……217
1)外形……217
2)齲蝕歯質の除去……218
3)咬合面削除……218
4)マージンの付与……218
第10章 全部陶材修復の形成……224
1 オールセラミッククラウン……224
1 長所……224
2 短所……224
3 適応症……225
4 禁忌症……225
5 形成……226
2 セラミックインレーとアンレー228
1 適応症……228
2 禁忌症……228
3 長所……228
4 短所……228
5 形成……229
3 ポーセレンラミネートベニア……230
1 長所と適応症……230
2 形成……231
第11章 根管処置歯の修復治療……236
1 治療計画……236
1 前歯に対する考察……237
2 臼歯に対する考察……238
2 ポストの形成……239
1 歯質の保存……239
2 維持形態……240
3 抵抗形態……242
1)応力配分……242
2)回転防止策……244
3 術式……244
1 根管充填材の除去……244
2 根管の形成……247
1)既製のポストに対して……254
2)鋳造ポストに対して……254
3 歯冠部歯質の形成……254
4 ポストの作製……255
1)既製ポスト……255
2)鋳造ポスト……255
5 コアの作製……257
1)可塑性充填材……257
2)鋳造コア……258
6 暫間修復物……260
7 埋没と鋳造……260
8 試適……260
9 セメント合着……261
10 ポストの除去……261
4 まとめ……263
第12章 インプラント支持の固定性補綴物……266
1 インプラントの種類……266
1 ブレード型インプラント……267
2 歯根型インプラント……268
2 インプラントの治療計画……268
1 臨床評価……268
2 X線的評価……269
3 診断用模型……269
4 プロービング……270
3 インプラント位置決定の原則……271
1 解剖学的制約……271
1)上顎前歯部……271
2)上顎臼歯部……272
3)下顎前歯部……272
4)下顎臼歯部……273
2 補綴的配慮……273
1)インプラントの埋入位置……273
2)インプラントと修復物の大きさ……273
3)単独歯のインプラント……275
4 外科用ステント……275
5 インプラント外科……275
1 インプラント一次手術……275
1)骨への到達……276
2)インプラント埋入……277
3)術後評価……277
2 インプラント二次手術インプラントを露出させる……277
6 インプラント修復……278
1 臨床用インプラントコンポーネント……278
1)インプラント体……278
2)シーリングスクリュー……278
3)ヒーリングキャップ……278
4)アバットメント……280
5)印象用ポスト……283
6)技工用アナログ……285
7)ワクシングスリーブ……286
8)補綴物の維持スクリュー……287
2 インプラント修復の選択肢……287
1)後方遊離端欠損のインプラント修復……287
2)スパンの長い欠損の修復……288
3)単独歯のインプラント修復……289
4)無歯顎症例の固定性修復……291
3 セメント維持型のインプラントクラウンとスクリュー維持型のインプラントクラウン……293
7 インプラントの長期的成功に影響を与える生体力学的因子……295
1 咬合……295
2 インプラントと天然歯の連結……296
3 インプラントとフレームワークの適合……297
4 緩衝要素……298
8 メンテナンス……298
9 偶発症……298
1 骨吸収……298
2 補綴の失敗……299
10 まとめ……299
第13章 印象採得と歯周組織の管理……301
1 必要条件……301
1 歯周組織の健康……301
2 唾液のコントロール……302
3 歯肉圧排……303
1)圧排糸……303
2)エレクトロサージェリー……306
2 理工学 c…307
弾性印象材……307
1)可逆性ハイドロコロイド……307
2)ポリサルファイドラバー……308
3)縮重合型シリコーンラバー……308
4)ポリエーテルラバー……309
5)付加型シリコーンラバー……309
3 各個トレーの作製……311
4 印象採得……315
1 弾性印象材……315
1)ヘビーボディ材とライトボディ材のコンビネーション法……315
2)シングルミックス法……317
3)自動練和法……317
2 可逆性ハイドロコロイド……318
3 特別に考慮するべき事柄……320
1)ピン維持の修復物……320
2)ポストコア……321
4 消毒……321
5 評価……322
5 まとめ……322
第14章 プロビジョナルレストレーション……324
1 必要条件……324
1 生物学的条件……324
2 機械的条件……326
3 審美的条件……327
2 材料と作製法……328
1 外面の鋳型(ESF)……328
1)各個に作られるもの(カスタムメード)……328
2)既製品……330
2 組織面の鋳型(TSF)……332
3 プロビジョナルレストレーションに用いられる材料……334
3 理工学(材料学)335
1 遊離基重合……336
2 モノマーに関連する特性……337
4 術式……337
1 間接法で個別に作製する(カスタムメード)プロビジョナル固定性橋義歯……339
2 間接-直接法で作製するカスタムメードのプロビジョナル固定性橋義歯……342
3 各個に作製するプロビジョナル単独冠……346
4 ラミネートベニア……347
5 既製ESFを用いたプロビジョナル……347
6 ポリカーボネート冠……347
7 アルミニウム冠……350
8 ポストコアのプロビジョナルレストレーション……352
9 セメント仮着……354
10 撤去,再装着,修理……356
11 審美性の向上……356
1)色調……356
2)半透明感……357
3)表面性状……358
5 まとめ……358
第III編 技工物の作製◆
第15章 作業模型およびダイ……363
1 具備すべき条件……363
2 材料学……364
1 石膏……364
2 レジン……365
3 電気メッキされたダイ……365
3 選択基準……366
1 種々のダイ法……366
1)可撤式ダイ法……366
2)非可撤式作業模型と各個ダイ(副歯型法)……367
3)その他のダイ法……368
2 作業模型-ダイ法の選択……369
4 方法……370
5 作業模型の咬合器装着……378
1 作業模型と診断用模型……379
2 咬合の再構築……379
3 調和のとれた咬合……381
4 咬合器装着の確認……382
6 まとめ……384
第16章 ワックスパターン……385
1 前準備……385
1 欠陥の修正……386
2 適切なセメントスペースの確保……386
1)セメントスペースの増加法……386
2)セメントスペースの減少法……387
3)ダイスペーサー……387
3 マージンの印記……387
2 材料学……387
3 術式……389
1 臼歯……391
2 前歯……404
3 ワックスのカットバック……405
4 連結子のワックスアップ……405
4 ステップの要約……407
5 まとめ……407
第17章 陶材焼付鋳造冠のためのフレームワークの設計と金属の選択……409
1 具備すべき条件……409
1 解剖学的カントゥアでのワックスアップ……410
2 咬合の分析……411
2 カットバック……413
1)カットバックの設計……413
2)パターンのカットバックのための溝入れ(トラフィング;troughing)……414
3)仕上げ……415
4)連結子の設計……416
5)ポンティック……416
6)評価……417
3 金属の選択……417
1 機械的 ・物理的特性の歯科的な意味合い……417
2 利用可能な合金……420
4 ステップの要約……425
5 まとめ……425
第18章 ポンティックの設計……426
1 具備すべき条件……426
1 ポンティックのスペース……426
2 歯槽堤の形態……427
2 生物学的条件……428
1 歯槽堤との接触状態……428
2 歯垢(プラーク)……428
1)ポンティックの基底面……428
2)ポンティックと歯槽堤の関係……431
3)ポンティックの材料……432
3 咬合力……432
3 機械的条件……433
ポンティックに使用される材料……433
1)既製の陶材ポンティック……433
2)メタルセラミックのポンティック……433
3)レジン前装ポンティック……434
4 審美的条件……435
1 視覚……435
2 ポンティックの外観……437
1)正常な骨吸収……437
2)著しい骨吸収……437
3)近遠心的幅径の異常……439
5 ポンティックの作製……439
1 市販されている材料……439
2 メタルセラミック製のポンティック……440
1)解剖学的カントゥアのワックスアップ……440
2)カットバック……441
3)鋳造体の調整……442
4)陶材の築盛……443
6 レジン前装ポンティック……445
7 メタルポンティック……446
8 まとめ……446
第19章 可撤性部分床義歯の維持装置……448
1 治療計画……448
成功の条件……452
1)設計……452
2)維持……454
3)拮抗作用……454
2 歯冠形成……454
1 着脱方向……454
2 レスト座……456
3 軸面形態……456
3 印象採得……457
咬合採得……457
4 ワックスパターンの作製……457
1 サベイライン……457
2 ガイドプレーン……459
3 咬合面レスト座……459
5 厳密な仕上げ工程……459
ミリング……460
6 試適とセメント合着……460
7 既存のRPDに適合する鋳造冠の作製……461
8 アタッチメント……461
1 歯冠外アタッチメント……462
2 歯冠内アタッチメント……462
1)既製タイプのアタッチメント……462
2)自家製タイプのアタッチメント……465
3 バー,スタッド,磁石……465
9 まとめ……469
第20章 埋没と鋳造……470
1 必要条件……470
1 スプルー……470
2 円錐台……472
3 鋳造リングと緩衝材……472
4 スプルー植立法……473
2 材料科学……474
1 石膏系埋没材……474
2 リン酸塩系埋没材……475
3 材料の選択……476
1 鋳造合金の選択……476
2 埋没材の選択……479
4 埋没……479
1)ブラシテクニック……480
2)真空埋没法……481
5 ワックスの焼却……481
6 鋳造……484
1 鋳造機……484
2 鋳造法……485
1)鋳造体の掘り出し……487
2)評価……487
3)鋳造欠陥について……488
7 ステップの要約……491
8 まとめ……491
第21章 色彩学とシェードの選択……492
1 光と色……492
1 光とは何か……492
光の質……492
2 色とは何か……493
1)マンセル(Munsell)表色法……493
2)CIELAB表色法……495
3 色測定器……496
4 色の知覚……496
1)目……496
2)色順応……496
3)色認識の錯誤……496
2 シェードの選択……497
1 一般原則……497
2 市販のシェードガイド……498
1)色相の選択……498
2)彩度の選択……498
3)明度の選択……499
3 広範囲シェードガイド……499
4 カスタムシェードガイド……499
シェード分布図……500
3 まとめ……500
第22章 陶材焼付鋳造冠……501
1 歴史的背景……501
2 概論……501
3 メタル調製……502
1 形態……502
2 埋没材の除去……503
3 酸化膜の除去……503
4 メタル仕上げ……503
1)厚み……504
2)仕上げ……504
3)洗浄……505
4)酸化処理……505
4 材料の科学……506
1 陶材の製造……506
2 ポーセレンテクニック……507
3 陶材の種類……508
1)オペークポーセレン……508
2)ボディポーセレン……509
3)インサイザルポーセレン……509
4 陶材と合金の結合……509
5 結合に影響する因子……510
6 陶材と合金の相性……512
5 選択の基準……512
1 オペークポーセレン……512
2 ボディおよびインサイザルポーセレン……512
6 作製……513
1 ポーセレンの築盛……513
2 内部ステイン……519
3 カントゥアの付与……520
4 艶焼きと表面のステイン……521
7 カラーレスクラウン……522
1 利点と欠点……523
2 適応と禁忌……523
3 作製法……523
1)白金箔マトリックス法……523
2)直接築盛(シアノアクリレートレジン)法……525
3)ポーセレンワックス法……525
4 利点と欠点……529
8 トラブル解決法……529
1 ひび割れ……529
2 気泡……530
3 満足のゆかない外観……530
9 ステップの要約……530
10 まとめ……530
第23章 全部陶材修復物の作製……532
1 歴史的背景……532
2 強化陶材……532
3 陶材修復物の強化……534
1 イオン交換……534
2 焼戻し……535
3 応力腐蝕の防止……536
4 作製法……536
5 白金箔マトリックス……536
6 全部陶材冠……536
1 ダイの作製……536
2 白金箔マトリックスの作製……536
3 アルミナスコアの築盛……538
4 ボディポーセレンとインサイザルポーセレンの築盛……540
5 形態修正と箔の除去……541
6 試適,ステイニング,グレージング……542
7 唇側ポーセレンベニア……543
8 耐火性ダイ……544
9 アルミナ鋳込成形のクラウンと固定性橋義歯……546
10 ホットプレスセラミック……546
11 キャスタブルセラミック修復物……549
12 CAD-CAMを利用した陶材修復物……551
13 金属箔を使用したセラミッククラウン……552
14 全部陶材の固定性橋義歯……552
15 レジン接着性全部陶材修復物……553
修復物のエッチングとシラン処理……553
16 まとめ……553
第24章 レジン接着性固定性橋義歯……555
1 利点……555
2 欠点……556
3 適応症……556
4 禁忌症……557
5 作製……557
1 支台歯形成……558
2 前歯部の形成とフレームワークの設計……558
3 臼歯部の形成とフレームワークの設計……560
4 レジンと金属との接着……562
6 レジン接着剤(ボンディング剤)565
7 リコール,経過観察,失敗……566
8 ステップの要約……568
9 まとめ……568
第25章 固定性橋義歯の連結子……570
1 設計……570
方法……570
1)半固定性連結子……572
2)ループ連結子……572
2 材料科学……572
1 ロウ……572
2 ロウ付け用フラックスとアンチフラックス(抗融剤)……575
3 ロウ付け用埋没材……575
3 方法の選択……576
1 前ロウ付け……576
2 後ロウ付け……576
1)オーブンロウ付け……577
2)ブローパイプを用いたロウ付け……577
3 精度……578
1)ロウ付けのための咬合面インデックス……578
2)即時重合レジンを用いたロウ付け用インデックス……580
3)ワックス除去と予備加熱……580
4)ブローパイプを用いたロウ付け(低熱)……582
5)ブローパイプを用いたロウ付け(高熱)……582
6)オーブンロウ付け……583
7)赤外線ロウ付け……583
8)レーザー溶接……583
4 ステップの要約……585
5 まとめ……585
第26章 鋳造修復物の仕上げ……588
1 目的と手順……588
1 区域1マージン内面……588
2 区域2内面……589
3 区域3スプルー……590
4 区域4隣接面接触点……591
5 区域5咬合面……592
6 区域6軸壁……593
7 区域7マージン外面……595
2 ステップの要約……596
第27章 技工サイドとのコミュニケーション……598
1 歯科医師の責務……599
1 感染予防……599
2 歯冠形成……599
3 形成マージン……600
4 咬合器マウント……600
5 技工依頼書……600
2 適切な確認……605
3 まとめ……605
第IV編 臨床術式:パート……2
第28章 試適,ステイニング,グレージング……609
1 試適……609
1 プロビジョナルレストレーションと合着材……609
2 隣接面コンタクト……609
1)強すぎるコンタクト……610
2)コンタクトの不足……610
3 マージンの完全性……612
4 安定性……613
5 咬合……614
6 陶材修復物……618
2 ステイニングとグレージング……621
表面ステイニング……622
1)シェードの修正……623
2)キャラクタリゼーション……624
3)特殊な錯視効果……625
3 まとめ……625
第29章 合着材とセメンテーション……627
1 暫間セメンテーション……627
2 永久セメンテーション……627
1 従来の鋳造修復……627
2 歯科用セメント……627
3 合着材の選択……629
4 セメント合着時の修復物と歯牙表面の調製……630
3 セラミックベニヤおよびインレーのセメンテーション……634
1 レジン接着剤の選択……634
2 修復物の接着……636
4 ステップの要約……638
5 まとめ……638
第30章 術後管理……641
1 セメンテーション後の診察……641
2 定期的リコール……642
1 既往歴と一般検査……642
2 口腔衛生と食事……642
3 齲蝕……643
4 歯周病……644
5 咬合機能障害……644
6 歯髄と根尖歯周組織の健康……645
3 緊急治療……646
1 疼痛……646
2 支台冠の脱離……646
3 連結子の破折……648
4 ポーセレンベニアの破折……648
4 再治療……649
1 計画された再治療……651
2 自己管理不良……652
5 症例供覧……652
症例I 単純な鋳造修復物……652
症例II 単独鋳造修復物……654
症例III 単純な固定性橋義歯……655
症例IV 部分被覆装置……655
症例V ピンレッジ固定装置……656
症例VI 固定性および可撤性補綴物によるフルマウスリハビリテーション……657
症例VII 広範囲にわたる固定性補綴物……658
症例VIII 広範囲にわたる固定性および可撤性補綴物……660
症例IX 極度に咬耗した歯のリハビリテーション……661
症例X 術後の口腔変化への対応……662
6 まとめ……663