やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

訳者のことば

 現代の口蓋裂言語病理の臨床と研究を牽引し,推進してきた米国の代表的知識人であるペンシルベニア大学のMcWilliams教授,アイオワ大学のMorris教授およびアリゾナ大学のShelton教授による著者“CLEFT PALATE SPEECH”の日本語版をご紹介できますことを誠に光栄に思います.
 口蓋裂の治療は,言語を形づくる口腔環境を手術的に整備し,顎発育障害を改善し,最終的に正常言語が獲得されることを目的にしています.したがって,その治療には医学・歯学ならびに言語病理学の知識や技術が,一貫した総合治療体制の中に組み込まれ,各分野の専門家相互の理解と協力で達成されていくものです.
 本書は23章から構成されていますが,口蓋裂の問題の本質,手術と言語改善,歯科学および耳鼻科学と言語,発達心理学的アプローチ,鼻咽腔閉鎖機構に関する分析・評価と改善の在り方,言語障害の本質と音声ならびに共鳴に関する問題,構音の分析・評価などに重点がおかれています.口蓋裂言語障害の診断と治療方法が詳細に記述されており,理論と実践との試行錯誤に適切な指針を与えるものであります.
 本書は言語病理学を専攻する者が手にする唯一の“口蓋裂言語病理”に関する専門的テキストでありますが,その特徴は,これまで行われてきた口蓋裂言語障害に関する研究成果を網羅し,明らかになった事実が論理的に構成され記述されていることです.したがって,口蓋裂言語障害の臨床に従事する者,障害の分析・評価に携わる者,言語の生理学的ならびに音響工学分野での研究者にとって,極めて貴重なデータベースとなるものと確信します.
 訳者の一人である和田は第1〜10章および第13〜15,20,23章を担当し,舘村は第11〜12章,第16〜19章,第21,22章を担当しました.著者の意図や文献的事実をできるだけ正確に表現できるように努めましたが,ご批判を戴くとすればひとえに訳者の力不足によるものです.
 翻訳に際しましては,旧知の間柄とはいえ深い理解と支援を賜りました著者に謹んで謝意を申し上げます.翻訳に専念できるよう種々の配慮を戴きました福田登美子,米田真弓,佐藤耕一,原久永氏に心からお礼申し上げます.また,医歯薬出版株式会社の皆様には快いご協力を賜り深謝いたします.
 1995年2月 和田 健

序文

 本書は5年前に初めて企画されました.Hugh MorrisがRalph SheltonとBetty Jane McWilliamsに,SpriesterbachとSherman(1968)により著された“Cleft Palate and Communication”を改訂することを提案したのです.言語障害に携わっている言語病理師や各分野の専門家に対する口蓋裂テキストに望まれることは何かについて,私たちはずっと考えてきました.いく度も会合をもち,電話や手紙の交換をしながら私たちは他の頭部顔面奇形を含む広い基盤に立った新しい教科書を著すことを決めたのです.その過程で,私たちは意見の相違をなくし,全てが受け入れられるように企画を推進してまいりました.最終的にその概念は企画通りに進められ,私たちに課された当初の任務は,それぞれに分担されることになりました.Hugh Morrisは初めの3つの章を担当し,Betty Jane McWilliamsは発達に関する節と言語,音声の章を担当し,Ralph Sheltonは鼻咽腔閉鎖機能と構音の臨床に関する章を担当しました.
 原稿は繰り返し互いに検討して書き改めました.予定より膨らんだり割愛した部分もあり,内容によっては別の章に組み込みました.膨大な編集作業が行われ,図表も作成して組み合わされました.Betty Janeがそうした資料を準備し,出版社との調整を行いました.私たちの長年にわたる貴重な友情がなければ,それぞれ遠く離れた三人の著者によって,このように一貫した考え方のもとで本章を著すことはできなかったのではないかと思います.私たちは本書の全てに意見の一致を見たのではなく,私たちの意見の不一致部分は,指摘しておくように努めました.私たちは言語病理学のこの分野を著すことを誇りとし,読者が新しい知識を醸成し,これ以上によりよい手段を開発していかれることを期待しています.1984年の先端分野では,口蓋裂やその他頭部顔面奇形患者の言語障害改善に英知が求められています.
 本書を著すにあたって,私たちが苦闘していることに耳を傾け,激励し,挫折しないよう関連施設,友人,家族などから支援を戴きましたことを感謝いたします.
 Brian Deckerは企画の当初から加わり,私たちを叱咤激励し,協力者および調整者として尽力されました.рスちはこの支援に深謝し,特にMark K.Maudsleyを編集担当者にされたことを感謝します.言語学者で英語学の造詣の深い同女史は,素晴らしい協力者でありました.
 University of Pittsuburgh,Cleft Palate Centerの皆様には特に感謝申し上げます.原稿の校閲や助言を賜わり,適切な図表資料を呈示され,賢明なご指摘を戴きました.Helen Baum,Ellen Cohn,ph.D.,Michelle Ferketic,M.S.,William S.Garret,M.D.,Kenneth Graver,M.D.,Dennis Hurwitz,M.D.,Linda Jardini,M.S.,Jack Matthews,Ph.D.,Ross Musgrave,M.D.,Robert Mundell,Ph.D.,Jack Paradise,M.D.,Sylvan Stool,M.D.,and Linda Vallino,M.S.等々の皆様のご協力を戴きました.
 Iowa Universityでは,Mary HardinやJanet Beckwithらのご協力を戴きました.私たちはその努力に感謝します.
 特に,Jeanne K.Smith,M.A.とD.R.Van Demark,Ph.D.に深謝いたします,こうした人達の臨床的協力によって,Hugh Morrisは本企画に専念することができました.
 University of Arizona,The Speech and Hearing Sciences Departmentでは多面的なご協力を賜わり,特に原稿の校閲と企画遂行に多大のご支援を戴きました.私たちは,Daniel R.Boone,Ph.D.,Richard F.Curlee,Ph.D.,Thomas J.Hixon,Ph.D.,William R.Hodgson,Ph.D.,Rebecca McCauley,Ph.D.,and Paul H.Skinner,Ph.D.の方々に謝意を表します.University of Aberta,Faculty of Rehabilitation MedicineのAnne H.B.Putnam,Ph.D.,Frank B.Wilson,Ph.D.らには,特にRalph Sheltonの休暇年度にEdmontonで共に過ごし,多大なご協力を賜わりました.
 Hospital for Sick Children,TorontoのMary Anne Witzel,Ph.D.には図表の使用にご理解を戴き,The Cleft Palate Journalの編集責任者であったR.Bruce Ross,D.D.S.には,過去20年以上にわたって刊行されてきた同雑誌中の図表の使用にご理解を戴き,感謝申し上げます.
 John Coulterは医学的図解を効果的かつ迅速に作成され有難く存じます.私たちは本書のために有益な原図解を作成されたことを特に感謝いたします.
 最後に,頭部顔面奇形の研究基金を担当しているNational Institute for Healthの片腕である,National Institute for Dental Research(N.I.D.R.)の絶大なるご支援に感謝いたします.私たちの研究のみならず,本書で検討された研究のほとんどはN.I.D.R.が唇裂および口蓋裂とこれに関連する障害の重要性に留意し20年以上にわたって支援したことなくしてはできなかったものです.私たちはN.I.D.R.で賢明な指揮をとってこられたRichard Christensen,D.D.S.,M.S.D.,Ph.D.に特別の賛辞を申し上げます.現在,Univresity of Michigan,School of Dentistryの学長になられた同氏に,重ねて敬意を表します.
 Betty Jane McWilliams,Ph.D. Hughlett Morris,Ph.D. Ralph Shelton,Ph.D. February,1984
訳者のことば/V
序文/VI

第I部  問題の本質/1

第1章 唇裂・口蓋裂とこれに関連する障害/1
 1・1 裂型……1
   1.唇裂/1
   2.口蓋裂/3
   3.顔面裂/3
   4.粘膜下口蓋裂/3
 1・2 裂の重症度……4
   1.その他の裂奇形に関連した形態異常/4
   2.先天性口蓋咽頭不全(CPI)/6
 1・3 分類……10
 1・4 発現頻度……11
   1.資料の出所/12
   2.人種間での差異/12
   3.発生頻度の変化/12
   4.性における差異/13
   5.裂型における差異/13
   6.他の先天奇形/13
 1・5 胎生学……15
   1.第3週から9週までの特徴的な変化/15
   2.発生に関する神経堤理論/16
   3.一次口蓋の発生/16
   4.二次口蓋の発生/20
   5.顔面裂/21
   6.発生を障害する要因/22
 1・6 病因論……23
   1.遺伝的要因/24
   2.催奇形環境因子/25
   3.多因子遺伝/26
   4.病因に関する説明/26
   5.要約/27
第2章 裂奇形を合併した先天奇形症候群/31
 2・1 用語……31
 2・2 頻度……31
 2・3 病因論……32
   1.染色体異常/32
   2.遺伝子異常/32
 2・4 関連する諸問題……33
   1.言語障害/33
   2.精神発達/34
   3.心理社会的要因/34
 2・5 治療……35
 2・6 裂奇形を合併する症候群……35
   1.Robin SequenceとStickler症候群/35
   2.Apert症候群(尖頭合指症)/37
   3.Crouzon症候群(頭部顔面異形成症)/38
   4.Treacher Collins症候群(下顎顔面異形成症,Franceschetti-Zwahlen-Klein症候群)/40
   5.Hemifacial Microsomia(顔面半側異形成症)/42
   6.Shprintzen症候群(Velo-Cardio-Facial症候群)/43
 2・7 要約……44

第II部  治療の在り方/47

第3章 治療の在り方/47
 3・1 専門的治療……47
   1.総合的治療体制/47
   2.治療チームの構成/47
   3.チーム治療の利点/48
   4.治療チームの統轄/48
   5.治療チームの機能/48
   6.異種治療の必要性について/50
   7.家族への説明/50
   8.文化的背景の相違/50
   9.地域社会の人々の役割/50
 3・2 口蓋裂治療チームの言語病理師……51
 3・3 別の状況下にある言語病理師……51
 3・4 言語治療の在り方……52
 3・5 治療の費用……53
 3・6 関係する機関……54
 3・7 要約……54

第III部  医学的および歯科学的管理/57

第4章 外科的管理/57
 4・1 唇裂手術……57
   1.唇裂手術の目的/57
   2.手術の時期/57
   3.手術方法/58
   4.手術後の管理/61
   5.手術に伴う合併症/61
   6.口唇-鼻部の二次的手術/61
 4・2 口蓋裂手術……62
   1.口蓋裂閉鎖手術の目的/62
   2.手術年齢/62
   3.手術方法/65
   4.手術後の管理/68
   5.Mortality Rate(死亡率)/69
   6.Oronasal Fistula(口蓋残遺孔)/69
   7.手術結果の評価/70
 4・3 鼻咽腔閉鎖不全に対する口蓋の二次的手術……72
   1.咽頭弁移植術/72
   2.手術年齢/74
   3.術後合併症/75
   4.手術結果の評価/75
   5.手術の不全/75
   6.咽頭弁の一次(初回)と二次的移植手術/76
   7.咽頭形成術/77
 4・4 口蓋残遺孔の閉鎖……78
 4・5 頭部顔面,上顎顔面手術……78
   1.Craniofacial Team(頭部顔面治療チーム)/78
   2.手術方法/80
   3.手術の結果/85
第5章 歯科における諸問題/91
 5・1 歯科的問題……91
 5・2 早期歯科治療……91
 5・3 不正咬合と歯科矯正治療……91
   1.一般的考察/92
   2.診断と治療/93
 5・4 唇裂口蓋裂患者に対する歯科矯正治療……98
 5・5 上顎・顔面の組織的欠損……99
 5・6 不正咬合と言語産出……99
 5・7 不正咬合と口腔機能……100
   1.指吸い(拇指吸啜癖)/101
   2.舌弄出癖/101
 5・8 言語病理師の役割……102
 5・9 歯科補綴医……102
   1.歯科的修復/102
   2.発音補正装置(スピーチエイド)/102
   3.軟口蓋挙上装置(パラタルリフト装置)/104
 5・10 要約……105
第6章 耳科的,聴覚的障害/107
 6・1 正常な中耳……107
 6・2 中耳炎……107
   1.口蓋裂に合併する中耳炎/109
   2.乳児での研究/110
   3.口蓋裂児における中耳炎の原因/110
 6・3 難聴の程度……112
 6・4 口蓋咽頭奇形に合併する聴力損失……113
 6・5 中耳炎と難聴の影響……113
 6・6 中耳炎の合併症……114
 6・7 聴覚的評価……114
   1.Tympanometry(チンパノメトリー)/115
   2.聴性行動反応検査/115
   3.聴力検査の頻度/116
 6・8 中耳炎の医学的・外科的治療……116
第7章 扁桃とアデノイド/121
 7・1 アデノイド……121
   1.アデノイド萎縮/121
   2.アデノイドの摘出/123
 7・2 扁桃……125

第IV部  心理・社会的発達/129

第8章 小児/129
 8・1 乳児期における諸問題……129
   1.診断/129
   2.裂奇形の告知/129
   3.哺乳/130
 8・2 有裂児の初期発達……132
 8・3 知能……133
 8・4 社会性……137
    就学/138
 8・5 人格……141
   1.人像の描画/141
   2.その他の描画検査/142
   3.意味差弁別法/142
   4.人格の尺度/144
   5.投影法/145
   6.行動の観察と報告/146
 8・6 方法論に関する問題……150
 8・7 要約……150
第9章 成人/155
 9・1 教育……155
 9・2 結婚……157
 9・3 顔貌……158
 9・4 職業……159
 9・5 社会的統合……160
 9・6 要約……161
第10章 両親/163
 10・1 裂奇形の衝撃……163
 10・2 親の態度に影響を及ぼす要因……164
   1.形態異常の程度/164
   2.裂奇形との適応/165
   3.親の年齢/166
   4.親に対する裂奇形の告知の仕方/166
 10・3 両親の心配……166
 10・4 親の性格……167
 10・5 患児の育て方……168
 10・6 要約……169

第V部  鼻咽腔閉鎖機能/171

第11章 分析機器による鼻咽腔閉鎖機能の評価/171
 11・1 放射線……171
 11・2 放射線学的方法の一般的背景……171
 11・3 頭部X線規格写真分析法……172
 11・4 X線映画とビデオ……172
   1.X線映画・ビデオ使用時の問題/175
   2.放射線学的方法での計測/176
 11・5 断層撮影……178
 11・6 X線マイクロビーム……179
 11・7 超音波……179
 11・8 内視鏡……182
 11・9 空気力学的検査……187
   1.最小断面部における鼻咽腔開放部面積の計測/187
   2.空気力学的手法による鼻咽腔閉鎖機能の分類と計測に影響する要素/190
   3.空気力学的計測に関する注意/192
   4.他の空気力学的検査法/193
   5.鼻腔断面積と口呼吸の計測/193
 11・10 光量計測装置……194
 11・11 ナゾメータ……196
 11・12 アクセレロメータ……198
 11・13 スペクトログラフ……198
 11・14 筋電図……198
 11・15 エレクトロパラトグラフィー……199
 11・16 各検査装置の測定値の相互関係……199
   1.放射線学的方法と空気力学的方法/199
   2.X線と内視鏡/200
   3.放射線学的方法と光検知法/200
   4.光検知法と内視鏡/200
   5.空気力学的検査とTONAR/201
   6.光検知装置とナゾメータ/201
 11・17 考察と要約……202
第12章 鼻咽腔閉鎖機構の本態/207
 12・1 鼻咽腔閉鎖機構の解剖……207
   1.軟口蓋と咽頭の筋肉/207
   2.咽頭側壁の運動と軟口蓋隆起の形成に関与する筋群/209
 12・2 鼻咽腔の運動神経支配……212
 12・3 鼻咽腔閉鎖機能……213
   1.軟口蓋機能についての理論/213
   2.軟口蓋/214
   3.軟口蓋の伸展/217
   4.咽頭壁の運動/218
   5.軟口蓋と咽頭壁の運動の同期性/221
   6.鼻咽腔(筒状部分)の開放/223
 12・4 鼻咽腔閉鎖のパターン……225
 12・5 他の鼻咽腔運動現象……226
   1.Passavant隆起/226
   2.発声時の鼻咽腔閉鎖強度/231
   3.鼻咽腔現象のタイミング/231
 12・6 鼻咽腔閉鎖機能の性差……232
    年齢と鼻咽腔閉鎖機能/233
 12・7 鼻咽腔閉鎖機能の空気力学……233
   1.発声時の鼻咽腔面積と口腔内圧/233
   2.開口度,口腔内圧,構音/235
   3.鼻腔抵抗/236
   4.鼻腔気流/237
   5.呼気量/238
 12・8 境界域にある鼻咽腔閉鎖機能……239
 12・9 鼻咽腔閉鎖弁と舌の形……241
 12・10 非言語活動……242
 12・11 咽頭弁に関連した閉鎖……244
 12・12 要約……245

第VI部  コミュニケーションの障害/249

第13章 言語の障害/249
 13・1 言語性と動作性IQ間の差異……249
 13・2 口頭言語行動の研究……250
 13・3 言語行動と聴力に関する研究……253
 13・4 非裂児に関する最近の研究……253
   1.言語行動と聴力に関する研究/253
   2.口蓋裂児の耳疾患と言語発達の相互作用/255
 13・5 言語に基づく学習障害……256
 13・6 先端学術の現状と今後の研究……257
第14章 発声と共鳴の障害/261
 14・1 声の産生……261
 14・2 専門用語……262
 14・3 発声……262
   1.非裂者における発声障害の発現率/262
   2.口蓋裂者における発声障害の発現率/262
   3.鼻咽腔閉鎖不全に関連する発声障害/263
   4.小声症候群/265
   5.単調(無力性の声)/265
   6.しめつけ声(努力性の声)/265
   7.口蓋裂者の発声の研究/265
   8.要約/268
 14・4 共鳴……269
   1.共鳴の障害/269
   2.開鼻声/269
   3.鼻腔共鳴の減少/279
   4.要約/280
第15章 構音,音韻論,明瞭度/283
 15・1 口蓋裂に伴う構音障害……286
   1.構音障害の出現/287
   2.異常構音のパターン/287
   3.構音の浮動性/295
   4.構音と鼻咽腔閉鎖/298
   5.発達上の傾向/301
 15・2 代償構音のパターンとその対策……304
   1.音韻パターン/308
   2.考察/309
 15・3 異常構音を誘発する病因学的影響……309
   1.成熟と学習/310
   2.行動および認知学習/311
   3.考察/314
 15・4 明瞭度……314
   1.明瞭度の検査/314
   2.口蓋裂における明瞭度の特徴/315

第VII部  コミュニケーション障害の診断/321

第16章 言語障害の診断/321
 16・1 環境因子……321
 16・2 社会心理学的発達……321
 16・3 聴覚の評価……322
 16・4 発達評価……322
 16・5 言語評価……323
   1.受容言語/324
   2.表出言語/325
第17章 発声障害と共鳴異常についての診断/327
 17・1 発声障害……327
    発声の評価/327
 17・2 共鳴障害……330
    共鳴の評価/330
 17・3 機器による音声と共鳴の資料……334
 17・4 音声や共鳴に関する診断情報の総括と解釈……335
第18章 構音障害と音声障害の評価/337
 18・1 構音検査……337
   1.構音検査/338
   2.口蓋裂患者に対する特別な構音検査/339
   3.反応の評価法/340
   4.検者間信頼性とその臨床的意義/342
   5.有効性/344
 18・2 構音パターンの解明……345
    音韻生成過程の分析/347
 18・3 音声評価……349
 18・4 予後……349
   1.集団としての傾向/349
   2.刺激性/350
 18・5 評価結果の利用……352
 18・6 要約……353
第19章 鼻咽腔閉鎖不全症の診断/357
 19・1 音声産出のための鼻咽腔閉鎖機構の評価……358
   1.音声産出機構の口腔内所見/358
   2.選別的評価のための機器/360
   3.確定診断用機器/361
   4.資料の解釈/367
 19・2 考察……370

第VIII部  コミュニケーション障害の治療/373

第20章 言語障害の治療/373
 20・1 言語指導のあり方……373
 20・2 乳児や就学前幼児の指導……374
    健常時体験の応用/377
 20・3 言語と発達障害が重度である子供の管理……380
   1.乳児プログラム/380
   2.A学前幼児/380
   3.教育について/381
 20・4 特殊プログラムと言語病理師……381
 20・5 要約……381
第21章 音声障害と共鳴障害の訓練/383
 21・1 音声の治療……383
   1.基本的な方針/383
   2.声帯結節の治療/384
   3.過緊張性音声の間接的訓練法/384
   4.過緊張性音声の直接的治療/386
   5.soft-voice syndromeのための直接的訓練法/387
   6.吸気声の質/388
   7.音声障害についての要約/389
 21・2 共鳴障害のための言語指導……389
   1.開鼻声/389
   2.閉鼻声とCul-de-Sac共鳴/395
 21・3 音声障害の治療についての結論……395
第22章 構音と音韻障害の治療/397
 22・1 臨床訓練の再検討……397
 22・2 構音訓練の効果……401
 22・3 構音訓練に対する考え方と理論……405
   1.行動学的概念/405
   2.認知学習/406
   3.音韻訓練/407
   4.感覚-運動情報処理/410
 22・4 構音-音韻訓練の実践……411
   1.就学前児/412
   2.学童/415
   3.年長者/416
   4.鼻咽腔閉鎖不全患者に対する構音訓練/416
   5.訓練に対する反応の評価/418
 22・5 要約……419
第23章 鼻咽腔閉鎖不全症の治療/423
 23・1 筋訓練法……424
   1.臨床的見解/424
   2.研究による知見/425
 23・2 構音訓練……427
 23・3 発音補正装置(スピーチエイド)を用いた訓練法……428
 23・4 感覚フィードバック……432
 23・5 鼻咽腔閉鎖運動の指導……432
   1.健常児への教育/432
   2.鼻咽腔閉鎖機能異常を有する患者への指導/433
 23・6 鼻咽腔閉鎖機能の改善傾向……436
 23・7 考察……438
 23・8 要約……440

索引……443