序文
21世紀を間近に社会が大きく変貌しつつある中で,大学教育もそれに合わせてか改革が進められている.その改革は各大学の独自性を尊重した新しい教育体系を求め,特色ある個性的な内容にする努力が行われている.
歯学教育もその中にあって昨年(1994年)歯科医学教授要綱が改正され,学問の進展に即応し,時代の要請に対応した新しい専門分野を加えての修正が行われた.しかし,その内容は広範囲に亘るために最少限の項目とし,指針として提示されている.この歯学教育,とくに臨床教育において特色ある独自性をどこまで実施するか,実施しているかは大きな問題であり,卒前教育における実地修練に対する比重も重要な問題としてとらえなければならない.
このアドバンスシリーズはそれらの現状を踏まえて,卒前教育において学んだ基本的な診療事項を理解したうえで,卒直後・卒後研修における有用なテキストとなることを意図して作られたものである.
さて,本書は欠損歯列症例,無歯顎症例への対応を診療過程を追って示すことにした.
この領域における診断と治療に際しては,歯科医学的に必ずしも統一されてはいない多くの問題とむずかしさを抱えている.欠損歯列の症例に対しては,たとえば,残存歯についての診断,負担(支持)様式の問題,また維持(支持)装置の選択など,そして無歯顎の症例に対しては,基本の下顎位,与えるべき咬合様式,また人工歯排列の問題等々である.基本的にはそれぞれの症例や患者との関係において最適な臨床対応を模索していくことがわれわれに課されているわけであるが,本書は,こうした問題点について望ましい臨床指針が得られるよう,実際の臨床例も含めて幅広い視野からの記述をこころがけた.
I章は診査・診断について配慮すべき基本的事項とその理論的背景について,II・III章は診断に基づいての旧義歯の処置と治療義歯について,IV章は口腔内所見に対応しての印象術式とその適用について,V章は種々な症例に対する顎間関係の記録方法,咬合器の選定について,VI章は審美の回復よりみた前歯部の排列と義歯床形態,色調の問題,義歯の維持・安定と機能を確保するための臼歯排列法について,VII章は忘れがちな発音機能が関与する事項とその利用法について,VIII章は義歯床用材料のうち,光重合レジン,接着性レジンの利用について,IX・X章は良好な経過を得るための義歯の調整と術後管理の重点事項について,XI章は診査・診断,また顎間関係の記録などに活用されるME機器の利用,とI章よりXI章までは診療のステップを追って考え方と術式を示した.この中にはいくつかの対応が示されているので,症例に応じて各章の中よりの組み合わせにより効果的な診療を行うことになる.
そこで,XII・XIII・XIVの3つの章は症例を提示して,種々な条件への総合的な対応について“まとめ”として示し,有効に役立てていただくことを考えた.
卒前臨床教育では,患者に直接対応して診療する機会は少なくなりつつあるようであり,症例の検討も机上となり,実際の技術的訓練の積み重ねがない.そのため,患者の診査時より戸惑うことになり,理論と実際とが平行したものにならない.臨床は繰り返しの習練により技術的な向上が得られ,同時に理論が同列に思考することができ,有効な診療を組み立てられることになる.
臨床は,卒前教育での基礎的事項を理解,認識し,基本的技術を身につけ,その上に成り立つ応用編である.
本書には,多くの情報が述べられているので,その選択は読者諸賢に委ねることであるが,本書の編集意図をご理解いただくとともに,より有効な書にしたいために,忌憚のないご意見,ご批判をいただければ幸いである.
本書編・にあたり,心よくご執筆くださいました各先生に敬意を表すとともに,企画・出版にあたり,ご理解,ご協力をいただいた医歯薬出版株式会社の関係各位に深甚なる感謝の意を表します.
1995年9月
編者一同
21世紀を間近に社会が大きく変貌しつつある中で,大学教育もそれに合わせてか改革が進められている.その改革は各大学の独自性を尊重した新しい教育体系を求め,特色ある個性的な内容にする努力が行われている.
歯学教育もその中にあって昨年(1994年)歯科医学教授要綱が改正され,学問の進展に即応し,時代の要請に対応した新しい専門分野を加えての修正が行われた.しかし,その内容は広範囲に亘るために最少限の項目とし,指針として提示されている.この歯学教育,とくに臨床教育において特色ある独自性をどこまで実施するか,実施しているかは大きな問題であり,卒前教育における実地修練に対する比重も重要な問題としてとらえなければならない.
このアドバンスシリーズはそれらの現状を踏まえて,卒前教育において学んだ基本的な診療事項を理解したうえで,卒直後・卒後研修における有用なテキストとなることを意図して作られたものである.
さて,本書は欠損歯列症例,無歯顎症例への対応を診療過程を追って示すことにした.
この領域における診断と治療に際しては,歯科医学的に必ずしも統一されてはいない多くの問題とむずかしさを抱えている.欠損歯列の症例に対しては,たとえば,残存歯についての診断,負担(支持)様式の問題,また維持(支持)装置の選択など,そして無歯顎の症例に対しては,基本の下顎位,与えるべき咬合様式,また人工歯排列の問題等々である.基本的にはそれぞれの症例や患者との関係において最適な臨床対応を模索していくことがわれわれに課されているわけであるが,本書は,こうした問題点について望ましい臨床指針が得られるよう,実際の臨床例も含めて幅広い視野からの記述をこころがけた.
I章は診査・診断について配慮すべき基本的事項とその理論的背景について,II・III章は診断に基づいての旧義歯の処置と治療義歯について,IV章は口腔内所見に対応しての印象術式とその適用について,V章は種々な症例に対する顎間関係の記録方法,咬合器の選定について,VI章は審美の回復よりみた前歯部の排列と義歯床形態,色調の問題,義歯の維持・安定と機能を確保するための臼歯排列法について,VII章は忘れがちな発音機能が関与する事項とその利用法について,VIII章は義歯床用材料のうち,光重合レジン,接着性レジンの利用について,IX・X章は良好な経過を得るための義歯の調整と術後管理の重点事項について,XI章は診査・診断,また顎間関係の記録などに活用されるME機器の利用,とI章よりXI章までは診療のステップを追って考え方と術式を示した.この中にはいくつかの対応が示されているので,症例に応じて各章の中よりの組み合わせにより効果的な診療を行うことになる.
そこで,XII・XIII・XIVの3つの章は症例を提示して,種々な条件への総合的な対応について“まとめ”として示し,有効に役立てていただくことを考えた.
卒前臨床教育では,患者に直接対応して診療する機会は少なくなりつつあるようであり,症例の検討も机上となり,実際の技術的訓練の積み重ねがない.そのため,患者の診査時より戸惑うことになり,理論と実際とが平行したものにならない.臨床は繰り返しの習練により技術的な向上が得られ,同時に理論が同列に思考することができ,有効な診療を組み立てられることになる.
臨床は,卒前教育での基礎的事項を理解,認識し,基本的技術を身につけ,その上に成り立つ応用編である.
本書には,多くの情報が述べられているので,その選択は読者諸賢に委ねることであるが,本書の編集意図をご理解いただくとともに,より有効な書にしたいために,忌憚のないご意見,ご批判をいただければ幸いである.
本書編・にあたり,心よくご執筆くださいました各先生に敬意を表すとともに,企画・出版にあたり,ご理解,ご協力をいただいた医歯薬出版株式会社の関係各位に深甚なる感謝の意を表します.
1995年9月
編者一同
I 欠損歯列・無歯顎の診査・診断……1
1 各診査結果がその後の治療に持つ意義……1
2 診査と設計・前処置との関係……6
有床義歯における審査項目と前処置との間にはどのような関係があるのか……6
全身的既往歴に関して……8
全部床義歯の製作時に考慮すべき前処置とその診査方法……8
部分床義歯の製作時に考慮すべき前処置とその診査方法……9
3 支台歯の歯周状態と保存,利用の可能性……12
歯周疾患と補綴処置……12
圧負担能力の診断における基本的事項……13
支台歯の連結・固定(Splinting)……14
歯冠・歯根長比の改善……15
4 粘膜の被圧変位性と義歯の関係……18
歯槽堤および歯槽堤粘膜……18
歯槽堤周囲の可動組織の運動特性……18
歯槽堤粘膜の被圧変位性……20
II 旧義歯への対応……23
1 読み方,改造法(床縁,咬合)……23
患者の訴えを聞く……23
義歯を装着した状態の口腔内を診る……23
症例1……24
症例2……24
症例3……25
症例4……25
症例5……26
旧義歯改造法……26
2 リライニング……29
その時期と決め手……29
リライニングの前処置……30
リライニング法……32
3 旧義歯を用いた印象……35
旧義歯を印象および咬合採得に用いる利点……35
症例……35
III 治療義歯……41
治療義歯の考え方の基本……41
顎関節症……41
症例1……41
抜歯境界領域の残存歯……42
症例2……42
義歯性の口腔粘膜疾患……43
症例3……43
症例4……44
IV 印象法の選択……47
1 オルタードキャスト法の改良……47
オルタードキャスト法が考案された理由は?……47
残存歯と顎堤粘膜に対する考察
残存歯と顎堤粘膜は圧を加えると,その変位量はどのようになるのか?……48
オルタードキャスト法の代表的なものとその時代の流れは?……48
豊永式オルタードキャスト法についての術式は?……48
レギュラーと,インジェクション2種類の印象材を2回に分けて用いることについての見解……51
2 咬座印象法……52
咬座印象法とは……52
咬座印象の前準備……52
咬座印象採得……54
咬座印象の応用について……56
3 フレンジテクニック……57
床基底面および床辺縁部の機能的形成……57
デンチャースペース形成の前準備……57
デンチャースペースの機能的形成……58
石膏コアの作製と人工歯排列……59
床研磨面の機能的形成……60
4 マイオモニターを応用する印象について……62
マイオモニターの原理と機構……62
マイオモニターの臨床応用……62
総義歯の機能印象採得……63
軟口蓋部への義歯床延長法の考え方……65
V 顎間関係の記録……69
1 遊離端義歯の場合……69
顎間関係の記録……69
遊離端義歯症例における顎間関係の記録の特徴……69
遊離端義歯症例における顎間関係の記録に関する注意点……69
臨床例……73
症例1……73
症例2……74
2 咬合診断義歯の活用……76
すれ違い咬合になると起きやすい変化……76
咬合位の決定……77
咬合採得操作の問題点……78
咬合診断義歯……79
3 総義歯(全部床義歯)……81
下顎運動からみた無歯顎者と有歯顎者の違い……81
無歯顎者における顎間関係の記録の目的……81
上下的位置関係……81
水平的位置関係……83
ゴシックアーチ描記はなぜ効果的か……83
4 ゴシックアーチから何をみるか……86
ゴシックアーチ描記法による中心位記録の精度……86
ゴシックアーチ描記法による下顎運動(路)の再現性……87
技工操作における注意点……88
描記操作における注意点……88
5 咬合器の選び方……91
補綴物の咬合の精度について……91
咬合器での咬合調整と咬合器の選択……92
半調節性咬合器の顎位再現度(表現能)について……93
顆路調整にともなう誤差の介入について……94
半調節性咬合器の選択にあたってのその他の問題点……96
VI 人工歯の排列と削合……99
1 審美的排列法,個性的排列法……99
顎堤に対する前歯部の排列位置……99
顔形と前歯の歯冠形態,ならびに歯列弓形態と人工歯排列……101
SPA要素と人工歯排列……102
審美的,個性的排列に際して注意すべきこと……103
個々の人工歯の位置,傾斜の影響……105
形態修正による影響……107
2 有床義歯におけるPolished SurfaceのDenture Coloring Technicによる審美的回復……109
Gingival UnitとDenture Coloring Technic……109
Esthetic Dentureの臨床……110
3 キーゾーン法による人工臼歯の排列……114
蝋義歯試適の盲点……114
転覆テストの重要性……114
台形とその物理……115
キーゾーン……115
4 リンガライズド・オクルージョン……120
Payne, Gerber, そしてPoundの提唱する咬合接触様式……120
リンガライズド・オクルージョンに求められている条件……121
リンガライズド・オクルージョンの構成法……125
リンガライズド・オクルージョンの展望……126
5 無咬頭人工歯(0■臼歯)の排列……128
無咬頭人工歯の応用に対する考え方……128
無咬頭人工歯の排列……129
無咬頭人工歯の応用上の留意点……132
6 交叉咬合排列……135
交叉咬合排列の適応……135
交叉咬合排列法……136
交叉咬合排列の問題点……137
VII 義歯と発音……141
発音機能での口腔の役割と義歯による発音障害……141
歯科治療過程で患者の発音機能を利用する方法……141
補綴処置による発音の改善……146
VIII 義歯用材料……149
1 光重合レジンの利用法……149
光重合レジン……149
光重合型床用レジンの使用例……149
光重合型直接裏装材の使用例……151
レジン表面滑沢硬化材について……157
2 接着性レジンの有床義歯への応用……159
有床義歯への接着性レジンの応用……159
鋳造床義歯への応用……159
圧印床義歯への応用……160
レジン床義歯への応用……161
レジン床の補強方法と効果……162
3 Hydro・Cast Programによる総義歯製作
―新型水圧加熱精密重合器の開発とその重合精度について―……165
Hydro・Cast Programの概要……165
T・C Packing Jigの開発と粘膜調整法……166
咬合調整法……168
動的機能印象の完了時の状態……168
ボクシング法……169
作業模型から最終義歯の製作……169
水圧加熱精密重合器(重合くん)の開発……170
“重合くん”の重合精度に関する比較実験……174
IX 義歯調整のポイント……179
義歯調整の目的……179
局部床義歯の調整……179
総義歯患者の不満と調整をするところ……187
局部床義歯・総義歯のメインテナンス……194
X 義歯と管理……199
デンチャープラークとはどのようなものか……199
患者に対する動機づけをどのようにしたらよいか……199
義歯の清掃方法の実際……201
取り外した義歯の保管はどのようにしたらよいか……202
どのような症例に特に注意をはらえばよいか……202
XI ME機器の効果的な利用法……207
ME機器とは……207
有床義歯の立場から……209
XII 難症例とその解決法……215
1 支台装置(テレスコープ)を中心に……215
難症例とはどのように考えるか?……215
テレスコープ支台装置を難症例へ適応させる理由……215
テレスコープ支台装置の特徴……216
テレスコープ支台装置の使用について……216
2 支台装置(アタッチメント)を中心に……220
骨吸収についての歯周病科の考え方……220
老後対策歯科(骨吸収防止)と歯根温存対策……220
歯根温存対策の実際……222
3 歯周疾患を伴う欠損歯列の補綴……224
支台歯の動揺……224
支台歯と咬合性外傷……224
症例……224
4 外科処置により解決した症例……230
症例……230
5 審美性を中心に……234
症例1……234
症例2……235
症例3……237
6 すれ違い咬合で歯槽骨吸収の著しい症例……239
症例……239
7 生体学的考慮……243
リジッドサポートのとらえ方……243
症例1……244
症例2……245
症例3……246
8 顎関節に対する考慮(1)……249
症例……249
9 顎関節に対する考慮(2)……253
症例……253
XIII 欠損歯列への対応……257
1 ブリッジかパーシャルデンチャーかの判断……257
歯牙欠損に対する補綴法……257
ブリッジ,パーシャルデンチャー,それぞれの長所,短所……258
選択の分岐点……259
ブリッジ適応の限界……259
2 遊離端欠損を補綴すべきか延長ブリッジか
パーシャルデンチャーかの適応基準(両側性か片側性か)……264
遊離端欠損をパーシャルデンチャーによって処置した場合……264
遊離端欠損を延長ブリッジによって処置した場合……264
第二大臼歯1歯欠損の症例……264
大臼歯2歯欠損の症例……265
さらに大きな遊離端欠損の症例……267
3 骨内インプラントの概念と適応基準……268
骨内インプラントの分類……268
骨内インプラントの禁忌(適応)……275
術者可撤性上部構造の必要性……278
骨内インプラントの適応基準……278
4 すれ違い咬合への対処……280
すれ違い咬合の分類と特徴……280
すれ違い咬合の処置方針……280
5 コーヌス・テレスコープの概要……285
リジッド・サポートについて……285
コーヌス・テレスコープについて……285
6 オーバーデンチャー……289
特徴……289
診査・診断ならびに適応症……289
義歯構成法……290
その他……292
XIV 無歯顎症例への対応……293
1 難症例総義歯とは……293
客観的な難易差とは……293
難易に係わる因子……295
口腔内の計測法……295
総義歯補綴難易度判定グラフ……297
2 難症例の場合……298
顎堤の形態に問題のある場合……298
咬合関係,咬合高径に問題がある場合……299
義歯の経験等で問題のある場合……299
患者の心理状態に問題のある場合……300
テンタティブデンチャーの活用……300
複製義歯の応用……301
3 顎堤の吸収が著しい場合……302
症例1……302
症例2……303
症例3……304
症例4……304
4 咬合採得が困難な症例……306
症例1……306
症例2……307
症例3……307
症例4……308
症例5……308
5 軟質レジンの適応基準……310
適応基準……310
索引……315
1 各診査結果がその後の治療に持つ意義……1
2 診査と設計・前処置との関係……6
有床義歯における審査項目と前処置との間にはどのような関係があるのか……6
全身的既往歴に関して……8
全部床義歯の製作時に考慮すべき前処置とその診査方法……8
部分床義歯の製作時に考慮すべき前処置とその診査方法……9
3 支台歯の歯周状態と保存,利用の可能性……12
歯周疾患と補綴処置……12
圧負担能力の診断における基本的事項……13
支台歯の連結・固定(Splinting)……14
歯冠・歯根長比の改善……15
4 粘膜の被圧変位性と義歯の関係……18
歯槽堤および歯槽堤粘膜……18
歯槽堤周囲の可動組織の運動特性……18
歯槽堤粘膜の被圧変位性……20
II 旧義歯への対応……23
1 読み方,改造法(床縁,咬合)……23
患者の訴えを聞く……23
義歯を装着した状態の口腔内を診る……23
症例1……24
症例2……24
症例3……25
症例4……25
症例5……26
旧義歯改造法……26
2 リライニング……29
その時期と決め手……29
リライニングの前処置……30
リライニング法……32
3 旧義歯を用いた印象……35
旧義歯を印象および咬合採得に用いる利点……35
症例……35
III 治療義歯……41
治療義歯の考え方の基本……41
顎関節症……41
症例1……41
抜歯境界領域の残存歯……42
症例2……42
義歯性の口腔粘膜疾患……43
症例3……43
症例4……44
IV 印象法の選択……47
1 オルタードキャスト法の改良……47
オルタードキャスト法が考案された理由は?……47
残存歯と顎堤粘膜に対する考察
残存歯と顎堤粘膜は圧を加えると,その変位量はどのようになるのか?……48
オルタードキャスト法の代表的なものとその時代の流れは?……48
豊永式オルタードキャスト法についての術式は?……48
レギュラーと,インジェクション2種類の印象材を2回に分けて用いることについての見解……51
2 咬座印象法……52
咬座印象法とは……52
咬座印象の前準備……52
咬座印象採得……54
咬座印象の応用について……56
3 フレンジテクニック……57
床基底面および床辺縁部の機能的形成……57
デンチャースペース形成の前準備……57
デンチャースペースの機能的形成……58
石膏コアの作製と人工歯排列……59
床研磨面の機能的形成……60
4 マイオモニターを応用する印象について……62
マイオモニターの原理と機構……62
マイオモニターの臨床応用……62
総義歯の機能印象採得……63
軟口蓋部への義歯床延長法の考え方……65
V 顎間関係の記録……69
1 遊離端義歯の場合……69
顎間関係の記録……69
遊離端義歯症例における顎間関係の記録の特徴……69
遊離端義歯症例における顎間関係の記録に関する注意点……69
臨床例……73
症例1……73
症例2……74
2 咬合診断義歯の活用……76
すれ違い咬合になると起きやすい変化……76
咬合位の決定……77
咬合採得操作の問題点……78
咬合診断義歯……79
3 総義歯(全部床義歯)……81
下顎運動からみた無歯顎者と有歯顎者の違い……81
無歯顎者における顎間関係の記録の目的……81
上下的位置関係……81
水平的位置関係……83
ゴシックアーチ描記はなぜ効果的か……83
4 ゴシックアーチから何をみるか……86
ゴシックアーチ描記法による中心位記録の精度……86
ゴシックアーチ描記法による下顎運動(路)の再現性……87
技工操作における注意点……88
描記操作における注意点……88
5 咬合器の選び方……91
補綴物の咬合の精度について……91
咬合器での咬合調整と咬合器の選択……92
半調節性咬合器の顎位再現度(表現能)について……93
顆路調整にともなう誤差の介入について……94
半調節性咬合器の選択にあたってのその他の問題点……96
VI 人工歯の排列と削合……99
1 審美的排列法,個性的排列法……99
顎堤に対する前歯部の排列位置……99
顔形と前歯の歯冠形態,ならびに歯列弓形態と人工歯排列……101
SPA要素と人工歯排列……102
審美的,個性的排列に際して注意すべきこと……103
個々の人工歯の位置,傾斜の影響……105
形態修正による影響……107
2 有床義歯におけるPolished SurfaceのDenture Coloring Technicによる審美的回復……109
Gingival UnitとDenture Coloring Technic……109
Esthetic Dentureの臨床……110
3 キーゾーン法による人工臼歯の排列……114
蝋義歯試適の盲点……114
転覆テストの重要性……114
台形とその物理……115
キーゾーン……115
4 リンガライズド・オクルージョン……120
Payne, Gerber, そしてPoundの提唱する咬合接触様式……120
リンガライズド・オクルージョンに求められている条件……121
リンガライズド・オクルージョンの構成法……125
リンガライズド・オクルージョンの展望……126
5 無咬頭人工歯(0■臼歯)の排列……128
無咬頭人工歯の応用に対する考え方……128
無咬頭人工歯の排列……129
無咬頭人工歯の応用上の留意点……132
6 交叉咬合排列……135
交叉咬合排列の適応……135
交叉咬合排列法……136
交叉咬合排列の問題点……137
VII 義歯と発音……141
発音機能での口腔の役割と義歯による発音障害……141
歯科治療過程で患者の発音機能を利用する方法……141
補綴処置による発音の改善……146
VIII 義歯用材料……149
1 光重合レジンの利用法……149
光重合レジン……149
光重合型床用レジンの使用例……149
光重合型直接裏装材の使用例……151
レジン表面滑沢硬化材について……157
2 接着性レジンの有床義歯への応用……159
有床義歯への接着性レジンの応用……159
鋳造床義歯への応用……159
圧印床義歯への応用……160
レジン床義歯への応用……161
レジン床の補強方法と効果……162
3 Hydro・Cast Programによる総義歯製作
―新型水圧加熱精密重合器の開発とその重合精度について―……165
Hydro・Cast Programの概要……165
T・C Packing Jigの開発と粘膜調整法……166
咬合調整法……168
動的機能印象の完了時の状態……168
ボクシング法……169
作業模型から最終義歯の製作……169
水圧加熱精密重合器(重合くん)の開発……170
“重合くん”の重合精度に関する比較実験……174
IX 義歯調整のポイント……179
義歯調整の目的……179
局部床義歯の調整……179
総義歯患者の不満と調整をするところ……187
局部床義歯・総義歯のメインテナンス……194
X 義歯と管理……199
デンチャープラークとはどのようなものか……199
患者に対する動機づけをどのようにしたらよいか……199
義歯の清掃方法の実際……201
取り外した義歯の保管はどのようにしたらよいか……202
どのような症例に特に注意をはらえばよいか……202
XI ME機器の効果的な利用法……207
ME機器とは……207
有床義歯の立場から……209
XII 難症例とその解決法……215
1 支台装置(テレスコープ)を中心に……215
難症例とはどのように考えるか?……215
テレスコープ支台装置を難症例へ適応させる理由……215
テレスコープ支台装置の特徴……216
テレスコープ支台装置の使用について……216
2 支台装置(アタッチメント)を中心に……220
骨吸収についての歯周病科の考え方……220
老後対策歯科(骨吸収防止)と歯根温存対策……220
歯根温存対策の実際……222
3 歯周疾患を伴う欠損歯列の補綴……224
支台歯の動揺……224
支台歯と咬合性外傷……224
症例……224
4 外科処置により解決した症例……230
症例……230
5 審美性を中心に……234
症例1……234
症例2……235
症例3……237
6 すれ違い咬合で歯槽骨吸収の著しい症例……239
症例……239
7 生体学的考慮……243
リジッドサポートのとらえ方……243
症例1……244
症例2……245
症例3……246
8 顎関節に対する考慮(1)……249
症例……249
9 顎関節に対する考慮(2)……253
症例……253
XIII 欠損歯列への対応……257
1 ブリッジかパーシャルデンチャーかの判断……257
歯牙欠損に対する補綴法……257
ブリッジ,パーシャルデンチャー,それぞれの長所,短所……258
選択の分岐点……259
ブリッジ適応の限界……259
2 遊離端欠損を補綴すべきか延長ブリッジか
パーシャルデンチャーかの適応基準(両側性か片側性か)……264
遊離端欠損をパーシャルデンチャーによって処置した場合……264
遊離端欠損を延長ブリッジによって処置した場合……264
第二大臼歯1歯欠損の症例……264
大臼歯2歯欠損の症例……265
さらに大きな遊離端欠損の症例……267
3 骨内インプラントの概念と適応基準……268
骨内インプラントの分類……268
骨内インプラントの禁忌(適応)……275
術者可撤性上部構造の必要性……278
骨内インプラントの適応基準……278
4 すれ違い咬合への対処……280
すれ違い咬合の分類と特徴……280
すれ違い咬合の処置方針……280
5 コーヌス・テレスコープの概要……285
リジッド・サポートについて……285
コーヌス・テレスコープについて……285
6 オーバーデンチャー……289
特徴……289
診査・診断ならびに適応症……289
義歯構成法……290
その他……292
XIV 無歯顎症例への対応……293
1 難症例総義歯とは……293
客観的な難易差とは……293
難易に係わる因子……295
口腔内の計測法……295
総義歯補綴難易度判定グラフ……297
2 難症例の場合……298
顎堤の形態に問題のある場合……298
咬合関係,咬合高径に問題がある場合……299
義歯の経験等で問題のある場合……299
患者の心理状態に問題のある場合……300
テンタティブデンチャーの活用……300
複製義歯の応用……301
3 顎堤の吸収が著しい場合……302
症例1……302
症例2……303
症例3……304
症例4……304
4 咬合採得が困難な症例……306
症例1……306
症例2……307
症例3……307
症例4……308
症例5……308
5 軟質レジンの適応基準……310
適応基準……310
索引……315