序文 本書のねらい
医療機関等（以下本書では病院と記載）における感染予防対策は，マニュアル等の方策によるところが大きい．しかしそれを支える建築・設備の手助けがあればより経済的に効果的に感染予防対策が実施できる．例えば，手洗いは，手洗い設備の充実によって手洗いが容易にできることや，患者の感染源隔離や予防隔離に関してもその設備が不可欠である．また，本書では過剰にならない設備と最低限必要な設備を如何に組み合わせて設計するかといった問題を，具体的にわかりやすく解説する．感染予防対策を優先するとアメニティーがおろそかになるのではないかとの心配もあるが，総合的にバランスよく設計を行うと必然的に，経済性，アメニティー，環境に配慮した設計となる．本書では多くの写真やイラストを取り入れて平易な言葉でわかりやすく楽しく勉強できるように解説をしている．
本書内容は，病院新築及び増改築時における数々の情報を，設計者・施工者の立場ではなく，病院等の建設を発注する病院側のそこで働く人の立場と病院を利用する患者の立場で，忘れがちなポイントを全編にわたり記述している．決して建築の専門書ではない．本書は，病院長，事務長，建設発注当事者，感染予防対策関係者には，是非一読してから病院の建設計画に当たっていただきたい書籍である．
情報には，「インフォメーション（Information）」と「インテリジェンス（Intelligence）」がある．インフォメーションには，ガイドライン，文献，インターネット等があり，誰でも得ようと思えば簡単に得られる．しかし，インテリジェンスは研修会・ディスカッション・視察等，人を介してしか得られない具体的な情報であり，なかなか得られにくいのが現状である．本書では，読者の方ができるだけインテリジェンスが得られるよう記述している．
本書のポリシーは，EBM（Evidence Based Medicine：根拠に基づく医療）に基づいた基本的な考え方を中心に，以下の4項目に主眼を置いて作成した．
1．患者が感染から保護されていること．
2．医療従事者が感染から保護されていること．
3．経済的・合理的な対策であること．
4．環境に配慮した対策であること．
また，本書では病院建築時だけでなく，日常の感染予防対策とアメニティーを考えた病院の衛生的なデザインの基本の書としても活用して頂けると考えている．快適かつ安心・安全に配慮された環境で，より良い医療が営まれることを願ってやまない．
ICHG研究会 一同
医療機関等（以下本書では病院と記載）における感染予防対策は，マニュアル等の方策によるところが大きい．しかしそれを支える建築・設備の手助けがあればより経済的に効果的に感染予防対策が実施できる．例えば，手洗いは，手洗い設備の充実によって手洗いが容易にできることや，患者の感染源隔離や予防隔離に関してもその設備が不可欠である．また，本書では過剰にならない設備と最低限必要な設備を如何に組み合わせて設計するかといった問題を，具体的にわかりやすく解説する．感染予防対策を優先するとアメニティーがおろそかになるのではないかとの心配もあるが，総合的にバランスよく設計を行うと必然的に，経済性，アメニティー，環境に配慮した設計となる．本書では多くの写真やイラストを取り入れて平易な言葉でわかりやすく楽しく勉強できるように解説をしている．
本書内容は，病院新築及び増改築時における数々の情報を，設計者・施工者の立場ではなく，病院等の建設を発注する病院側のそこで働く人の立場と病院を利用する患者の立場で，忘れがちなポイントを全編にわたり記述している．決して建築の専門書ではない．本書は，病院長，事務長，建設発注当事者，感染予防対策関係者には，是非一読してから病院の建設計画に当たっていただきたい書籍である．
情報には，「インフォメーション（Information）」と「インテリジェンス（Intelligence）」がある．インフォメーションには，ガイドライン，文献，インターネット等があり，誰でも得ようと思えば簡単に得られる．しかし，インテリジェンスは研修会・ディスカッション・視察等，人を介してしか得られない具体的な情報であり，なかなか得られにくいのが現状である．本書では，読者の方ができるだけインテリジェンスが得られるよう記述している．
本書のポリシーは，EBM（Evidence Based Medicine：根拠に基づく医療）に基づいた基本的な考え方を中心に，以下の4項目に主眼を置いて作成した．
1．患者が感染から保護されていること．
2．医療従事者が感染から保護されていること．
3．経済的・合理的な対策であること．
4．環境に配慮した対策であること．
また，本書では病院建築時だけでなく，日常の感染予防対策とアメニティーを考えた病院の衛生的なデザインの基本の書としても活用して頂けると考えている．快適かつ安心・安全に配慮された環境で，より良い医療が営まれることを願ってやまない．
ICHG研究会 一同
序文 本書のねらい
1 患者及び医療従事者に求められる病院建築・設計
1 感染予防対策と設計
2 アメニティーと設計
3 清掃と設計
2 感染予防対策の基本的考え方
1 なぜ感染予防対策を実施するのか
2 感染を成立させる要因
3 感染リスクと対策のレベル
4 標準予防策（Universal Precautions）
5 感染経路別予防対策
6 細菌の時限爆弾を爆発させないための対策
3 設計方策における共通項目
1 空調
2 給水・排水
3 電源
4 照明・採光
5 医療ガス・バキューム・圧搾空気
6 アスペルギルス対策
4 共通方策におけるポイント
1 床・壁・天井・階段とスロープ
2 窓枠・ガラス
3 ドア・ドアノブ・手摺
4 造り付け家具類
5 ストレッチャーガード等
6 エレベーター，エスカレーター
7 階段
8 自動販売機・製氷機
9 ベンチ・椅子・テーブル
10 ゴミ箱・消火器
11 掲示板・絵画・表示案内板
12 廃棄物容器・廃棄物保管場所
13 トイレ・多機能トイレ・ベビーチェアー
14 手洗い設備と器具・器械洗浄設備
15 授乳室
16 プレイコーナー
17 シャワー室・バスルーム
18 洗濯乾燥機置場（コインランドリー）
19 クリーンベンチ・安全キャビネット
5 部署別方策におけるポイント
1 風除室
2 受付・待合室・ロビー
3 家族待合室
4 外来診察室
5 救急外来
6 感染外来（空気感染も含む）
7 検査室（検体検査室）
8 検査室（生理検査室）
9 採血室
10 血管造影室
11 放射線検査室
12 内視鏡検査室（内視鏡洗浄・消毒室，内視鏡診察室）
13 薬剤部（調剤台，カプセル・錠剤，散剤，製剤室：クリーンルーム，クリーンベンチ・安全キャビネット）
14 手術室
15 ICU・PICU
16 NICU
17 MFICU
18 造血幹細胞移植ユニット（BMTU）
19 分娩室及びLDR
20 新生児室，沐浴室
21 透析室
22 中央材料部
23 ランドリー
24 運動療法室，作業療法室，言語療法室
25 一般病室
26 病棟
27 小児病棟
28 調乳室
29 感染源隔離室
30 霊安室
31 剖検室
32 厨房
33 売店・レストラン
34 清掃用具保管室
35 緩和ケア病棟
36 歯科診療諸室
著者一覧
索引
1 患者及び医療従事者に求められる病院建築・設計
1 感染予防対策と設計
2 アメニティーと設計
3 清掃と設計
2 感染予防対策の基本的考え方
1 なぜ感染予防対策を実施するのか
2 感染を成立させる要因
3 感染リスクと対策のレベル
4 標準予防策（Universal Precautions）
5 感染経路別予防対策
6 細菌の時限爆弾を爆発させないための対策
3 設計方策における共通項目
1 空調
2 給水・排水
3 電源
4 照明・採光
5 医療ガス・バキューム・圧搾空気
6 アスペルギルス対策
4 共通方策におけるポイント
1 床・壁・天井・階段とスロープ
2 窓枠・ガラス
3 ドア・ドアノブ・手摺
4 造り付け家具類
5 ストレッチャーガード等
6 エレベーター，エスカレーター
7 階段
8 自動販売機・製氷機
9 ベンチ・椅子・テーブル
10 ゴミ箱・消火器
11 掲示板・絵画・表示案内板
12 廃棄物容器・廃棄物保管場所
13 トイレ・多機能トイレ・ベビーチェアー
14 手洗い設備と器具・器械洗浄設備
15 授乳室
16 プレイコーナー
17 シャワー室・バスルーム
18 洗濯乾燥機置場（コインランドリー）
19 クリーンベンチ・安全キャビネット
5 部署別方策におけるポイント
1 風除室
2 受付・待合室・ロビー
3 家族待合室
4 外来診察室
5 救急外来
6 感染外来（空気感染も含む）
7 検査室（検体検査室）
8 検査室（生理検査室）
9 採血室
10 血管造影室
11 放射線検査室
12 内視鏡検査室（内視鏡洗浄・消毒室，内視鏡診察室）
13 薬剤部（調剤台，カプセル・錠剤，散剤，製剤室：クリーンルーム，クリーンベンチ・安全キャビネット）
14 手術室
15 ICU・PICU
16 NICU
17 MFICU
18 造血幹細胞移植ユニット（BMTU）
19 分娩室及びLDR
20 新生児室，沐浴室
21 透析室
22 中央材料部
23 ランドリー
24 運動療法室，作業療法室，言語療法室
25 一般病室
26 病棟
27 小児病棟
28 調乳室
29 感染源隔離室
30 霊安室
31 剖検室
32 厨房
33 売店・レストラン
34 清掃用具保管室
35 緩和ケア病棟
36 歯科診療諸室
著者一覧
索引
