序文
ドライマウス(口腔乾燥症)に罹患していると考えられる潜在患者数は,欧米で報告された疫学調査から算出すると日本国内で約800万人から3,000万人と推定されているが,本症の認知度は低く,自覚症状があっても受診されていない,あるいはどの診療科を受診すべきか知られていないのが現状である.さらに診断法や対処法も普及しておらず,その受け皿となる医療機関も限られており,本症の理解や診療のガイドラインが求められている.
ドライマウスの診断と治療にあたっては,従来の歯科的対応はもちろんのこと,口腔粘膜疾患を念頭におき,口腔乾燥症状の背景にある多様な病態を的確にとらえることが不可欠であり,本症による全身への影響も考慮する必要がある.最も深刻な口腔の異常乾燥感を訴える原因疾患として,臓器特異的自己免疫疾患であるシェーグレン症候群がある.この疾患を発症する患者の大半が中高年の女性であり,推定患者数約50万人といわれている.これらの患者はドライアイを併発し,なかには関節リウマチにより日常生活が著しく障害されていることも容易に推察される.そのため本書では,このシェーグレン症候群についても詳細に記載することとした.
ドライマウスは,このほかにもさまざまな病態が複合して発症する場合が少なくない.糖尿病でも唾液の分泌量の低下をみる場合が多く,ドライマウスに起因する歯周病が血糖値のコントロールにさらに影響を与えるとの報告もあり,本症の口腔内の管理はその治療上も重要な意味をもつ.加えて,中高年では更年期障害がその複合的な病因の一つとなる.
加齢により咀嚼力などの筋力が低下すれば,唾液量も低下し口渇感を訴える場合もあることから,単に加齢により乾燥するという判断は安易であり,断定して患者に伝えることは適切とはいいがたい.特に,高齢者は高血圧症などの疾病の治療薬により発症することが多い.服薬大国といわれる日本では,医療者だけの問題ではなく,受療者自身が薬に依存するという意識をまだまだ根強くもっていることの現れでもある.副作用として口渇を訴える薬は,降圧薬,抗ヒスタミン薬のほか,抗うつ薬や睡眠導入薬,尿失禁治療薬などがあげられる.これらは,高齢者で服薬の可能性が高いといえ,生活習慣病や糖尿病,泌尿器疾患などへの罹患など複数の要因が加わってドライマウスを呈することが極めて多いと推測できる.しかしながら,ドライマウスは高齢者特有の病態ではなく,現代病といわれるストレスもこの原因となる.
近年,ストレスの低年齢化が問題となっている.受験や塾通い,日々のおけいこなどにより10代でも多くのストレスをかかえているとの調査報告も見受けられる.ファーストフードなどの浸透による食生活習慣の変化もその要因としてあげられ,治療にあたっては,口腔乾燥症状に対する対症療法のみならず,食事指導,運動指導といった生活への指導,さらに心療内科的な対応も必要となる.
ドライマウスへの罹患は,口腔内不快感や口臭だけでなく,摂食・嚥下機能の低下,誤嚥性肺炎,上部消化管障害の原因となることも明らかである.特に,高齢者では肺炎の感染率が高く,免疫力低下を伴うため重篤化し死に至るリスクが高まるため,唾液量減少への対処は重要な意味をもつ.摂食・嚥下機能は生命維持の根幹をなすものであり,機能低下は身体機能に多大なる影響を与えることはいうまでもない.さらに,口腔内の不快感に不安をもつことで精神的に不安定になるなど精神神経的な影響も見逃すことはできない.
このようにドライマウスは,多くの原因によって発症し,それぞれが複合的に重複している場合が多いだけでなく,ドライマウスの発症が二次的な病態を引き起こす誘因になりえるのである.
そのため,本書では原因となる病態・疾患はもちろんのこと,診断に必要な検査方法,鑑別方法,さらにドライマウスが与える多くの影響についても解説し,日々の診療に役立てるよう代表的な症例についても紹介することとした.本症の診断・治療は,各施設で独自の手法により行われているのが現状であり,その対応も多様である.本書によりドライマウスに関する正しい理解を深め,診断法,対処法の実践に活用し,治療体系の新たな進展を得ることができれば幸いである.
2007年4月斎藤一郎
ドライマウス(口腔乾燥症)に罹患していると考えられる潜在患者数は,欧米で報告された疫学調査から算出すると日本国内で約800万人から3,000万人と推定されているが,本症の認知度は低く,自覚症状があっても受診されていない,あるいはどの診療科を受診すべきか知られていないのが現状である.さらに診断法や対処法も普及しておらず,その受け皿となる医療機関も限られており,本症の理解や診療のガイドラインが求められている.
ドライマウスの診断と治療にあたっては,従来の歯科的対応はもちろんのこと,口腔粘膜疾患を念頭におき,口腔乾燥症状の背景にある多様な病態を的確にとらえることが不可欠であり,本症による全身への影響も考慮する必要がある.最も深刻な口腔の異常乾燥感を訴える原因疾患として,臓器特異的自己免疫疾患であるシェーグレン症候群がある.この疾患を発症する患者の大半が中高年の女性であり,推定患者数約50万人といわれている.これらの患者はドライアイを併発し,なかには関節リウマチにより日常生活が著しく障害されていることも容易に推察される.そのため本書では,このシェーグレン症候群についても詳細に記載することとした.
ドライマウスは,このほかにもさまざまな病態が複合して発症する場合が少なくない.糖尿病でも唾液の分泌量の低下をみる場合が多く,ドライマウスに起因する歯周病が血糖値のコントロールにさらに影響を与えるとの報告もあり,本症の口腔内の管理はその治療上も重要な意味をもつ.加えて,中高年では更年期障害がその複合的な病因の一つとなる.
加齢により咀嚼力などの筋力が低下すれば,唾液量も低下し口渇感を訴える場合もあることから,単に加齢により乾燥するという判断は安易であり,断定して患者に伝えることは適切とはいいがたい.特に,高齢者は高血圧症などの疾病の治療薬により発症することが多い.服薬大国といわれる日本では,医療者だけの問題ではなく,受療者自身が薬に依存するという意識をまだまだ根強くもっていることの現れでもある.副作用として口渇を訴える薬は,降圧薬,抗ヒスタミン薬のほか,抗うつ薬や睡眠導入薬,尿失禁治療薬などがあげられる.これらは,高齢者で服薬の可能性が高いといえ,生活習慣病や糖尿病,泌尿器疾患などへの罹患など複数の要因が加わってドライマウスを呈することが極めて多いと推測できる.しかしながら,ドライマウスは高齢者特有の病態ではなく,現代病といわれるストレスもこの原因となる.
近年,ストレスの低年齢化が問題となっている.受験や塾通い,日々のおけいこなどにより10代でも多くのストレスをかかえているとの調査報告も見受けられる.ファーストフードなどの浸透による食生活習慣の変化もその要因としてあげられ,治療にあたっては,口腔乾燥症状に対する対症療法のみならず,食事指導,運動指導といった生活への指導,さらに心療内科的な対応も必要となる.
ドライマウスへの罹患は,口腔内不快感や口臭だけでなく,摂食・嚥下機能の低下,誤嚥性肺炎,上部消化管障害の原因となることも明らかである.特に,高齢者では肺炎の感染率が高く,免疫力低下を伴うため重篤化し死に至るリスクが高まるため,唾液量減少への対処は重要な意味をもつ.摂食・嚥下機能は生命維持の根幹をなすものであり,機能低下は身体機能に多大なる影響を与えることはいうまでもない.さらに,口腔内の不快感に不安をもつことで精神的に不安定になるなど精神神経的な影響も見逃すことはできない.
このようにドライマウスは,多くの原因によって発症し,それぞれが複合的に重複している場合が多いだけでなく,ドライマウスの発症が二次的な病態を引き起こす誘因になりえるのである.
そのため,本書では原因となる病態・疾患はもちろんのこと,診断に必要な検査方法,鑑別方法,さらにドライマウスが与える多くの影響についても解説し,日々の診療に役立てるよう代表的な症例についても紹介することとした.本症の診断・治療は,各施設で独自の手法により行われているのが現状であり,その対応も多様である.本書によりドライマウスに関する正しい理解を深め,診断法,対処法の実践に活用し,治療体系の新たな進展を得ることができれば幸いである.
2007年4月斎藤一郎
基礎編
1章 ドライマウスの原因とその診断
I.唾液分泌低下と口渇のメカニズム(稲永清敏)
1─唾液腺の構造
2─唾液分泌を変化させるさまざまな因子と唾液分泌低下
3─口渇感発生のメカニズム
II.シェーグレン症候群とドライマウス(中村誠司)
1─シェーグレン症候群とは
2─発症頻度と年齢,性別
3─原因と発症機序
4─症状
5─シェーグレン症候群の診断
III.損傷に起因するドライマウス(高橋 哲,友寄泰樹)
1─放射線療法による唾液分泌低下
2─手術,外傷による唾液分泌低下
3─唾液腺疾患による唾液分泌低下
IV.脳血管障害とドライマウス(永長周一郎,松山文樹)
1─脳血管障害はドライマウスを惹起するのか
2─脳血管障害におけるドライマウスの課題
V.全身疾患に起因するドライマウス(山根源之,岡崎雄一郎)
1─糖尿病
2─腎疾患と人工透析
3─貧血
4─高血圧症
5─脱水,尿崩症
6─加齢
VI.HIV,HTLV─I,GVHDとドライマウス(佐々木匡理)
1─HIVとHTLV─I
2─GVHD
VII.薬剤性唾液分泌低下(佐藤田鶴子)
1─唾液分泌に影響する薬剤について
2─口渇の原因となる薬剤性の副作用
3─薬剤性唾液分泌低下の診断法
VIII.開口とドライマウス(山本 健)
1─「口腔粘膜の乾燥」こそドライマウス
2─開口とドライマウス
3─夜間口腔乾燥
4─口呼吸の影響
5─口渇感への対処
2章 ドライマウスの診断に必要な検査
I.ドライマウスの診断の要点(中川洋一)
1─ドライマウスの原因とドライマウスの合併症
2─ドライマウスの原因を明らかにするための診断手順
3─ドライマウスの原因の診断の注意点
4─ドライマウスの合併症の診断
5─ドライマウス診断のための診療時間
II.メディカルインタビュー(山近重生)
1─メディカルインタビューとは
2─ドライマウス診療におけるメディカルインタビュー
3─問診票(予診票)
4─ドライマウス患者への問診の進め方
III.ドライマウスの口腔内所見(現症)(山近重生)
1─舌
2─口唇および口角
3─口蓋および頬粘膜
4─顎下腺および耳下腺
IV.抑うつと更年期障害の評価(山近重生)
1─心理テスト
2─簡略更年期指数SMI
V.唾液検査(西村 敏)
1─唾液分泌量
2─唾液分泌検査
3─唾液緩衝能
VI.唾液分泌検査の新しい試み(柿木保明)
1─臨床診断基準
2─唾液湿潤度検査紙による検査
3─口腔水分計による検査
4─ワッテ法
5─曳糸性測定器による検査
VII.画像検査(倉林 亨,大林尚人)
1─唾液腺シンチグラフィー
2─唾液腺造影法
3─CT検査
4─MRI検査
5─超音波検査
臨床編
1章 ドライマウスの治療
I.ドライマウス治療の考え方(篠原正徳)
II.ドライマウス治療の実際─原因療法(篠原正徳)
1─原因疾患への対応
2─医科との連携
3─薬物療法
4─カウンセリング
III.シェーグレン症候群への対応(中村誠司)
1─ドライマウスに対する治療法
2─最新の研究成果ならびに治療の将来展望
IV.ドライマウス治療の実際─対症療法
1─薬物療法(唾液分泌刺激薬)(岩渕博史)
2─人工唾液と口内保湿剤(角田博之,永井哲夫)
3─保湿装置(武田智道)
4─ドライマウスの漢方治療(秋葉哲生)
5─口腔筋機能療法によるドライマウスの対処(武田全代)
V.口腔ケア(角 保徳)
1─口腔の症状・状態に応じた口腔ケア
2─症状・状態に応じた食事援助
VI.ドライマウスと再生医療(美島健二)
1─唾液腺の基本構造
2─再生医療の対象となる唾液腺の器質的変化
3─唾液腺組織における再生機構
4─幹細胞を用いた唾液腺再生
2章 ドライマウスに関連する疾患と病態ならびに対処法
I.唾液の役割(松尾龍二)
1─唾液の生理作用
2─唾液の分泌動態と生理作用
II.ドライマウスと口臭(八重垣 健)
1─口臭の原因物質と生成機序
2─唾液分泌と口臭
3─口臭症の分類と治療指針
4─ドライマウスによる口臭症の診断と治療
III.ドライマウスと味覚障害(五十嵐敦子,野村修一)
1─味覚障害
2─味覚障害の検査法
3─味覚障害の診断と治療
IV.ドライマウスと嚥下障害(高橋浩二)
1─唾液分泌と食塊形成
2─ドライマウスと嚥下障害との関連
3─ドライマウス患者の嚥下造影検査所見
4─ドライマウスによって嚥下障害が生じる理由
5─ドライマウスに伴う嚥下障害の対処法
V.ドライマウスとカンジダ症(中川洋一)
1─口腔カンジダ症とは
2─口腔カンジダ症の診断
3─ドライマウスに関連するカンジダ症
4─口腔カンジダ症の治療
VI.ドライマウスと齲蝕(前田伸子,大島朋子,中川洋一)
1─齲蝕発症を未然に防ぐ唾液の作用
2─ドライマウスになると何が起こるか
VII.ドライマウスと精神科的・心療内科的疾患(豊福 明)
1─ドライマウス外来で遭遇する精神科的・心療内科的疾患
2─精神科的・心療内科的疾患患者への対処法
3─舌痛症
3章 ドライマウスのケーススタディ(黒澤俊夫)
〔症例1〕シェーグレン症候群(1)
〔症例2〕シェーグレン症候群(2)
〔症例3〕気管支喘息などがリスク因子となったドライマウス
〔症例4〕糖尿病などがリスク因子となったドライマウス
〔症例5〕服用薬剤(降圧薬)が関与したドライマウス
〔症例6〕服用薬剤と心理的因子が関与したドライマウス
〔症例7〕舌痛症とドライマウス
〔症例8〕上顎癌放射線治療後のドライマウス
「ドライマウスうるおい連携」について
4章 患者も含めたコミュニケーションのネットワーク(新藤朝子)
執筆者一覧
1章 ドライマウスの原因とその診断
I.唾液分泌低下と口渇のメカニズム(稲永清敏)
1─唾液腺の構造
2─唾液分泌を変化させるさまざまな因子と唾液分泌低下
3─口渇感発生のメカニズム
II.シェーグレン症候群とドライマウス(中村誠司)
1─シェーグレン症候群とは
2─発症頻度と年齢,性別
3─原因と発症機序
4─症状
5─シェーグレン症候群の診断
III.損傷に起因するドライマウス(高橋 哲,友寄泰樹)
1─放射線療法による唾液分泌低下
2─手術,外傷による唾液分泌低下
3─唾液腺疾患による唾液分泌低下
IV.脳血管障害とドライマウス(永長周一郎,松山文樹)
1─脳血管障害はドライマウスを惹起するのか
2─脳血管障害におけるドライマウスの課題
V.全身疾患に起因するドライマウス(山根源之,岡崎雄一郎)
1─糖尿病
2─腎疾患と人工透析
3─貧血
4─高血圧症
5─脱水,尿崩症
6─加齢
VI.HIV,HTLV─I,GVHDとドライマウス(佐々木匡理)
1─HIVとHTLV─I
2─GVHD
VII.薬剤性唾液分泌低下(佐藤田鶴子)
1─唾液分泌に影響する薬剤について
2─口渇の原因となる薬剤性の副作用
3─薬剤性唾液分泌低下の診断法
VIII.開口とドライマウス(山本 健)
1─「口腔粘膜の乾燥」こそドライマウス
2─開口とドライマウス
3─夜間口腔乾燥
4─口呼吸の影響
5─口渇感への対処
2章 ドライマウスの診断に必要な検査
I.ドライマウスの診断の要点(中川洋一)
1─ドライマウスの原因とドライマウスの合併症
2─ドライマウスの原因を明らかにするための診断手順
3─ドライマウスの原因の診断の注意点
4─ドライマウスの合併症の診断
5─ドライマウス診断のための診療時間
II.メディカルインタビュー(山近重生)
1─メディカルインタビューとは
2─ドライマウス診療におけるメディカルインタビュー
3─問診票(予診票)
4─ドライマウス患者への問診の進め方
III.ドライマウスの口腔内所見(現症)(山近重生)
1─舌
2─口唇および口角
3─口蓋および頬粘膜
4─顎下腺および耳下腺
IV.抑うつと更年期障害の評価(山近重生)
1─心理テスト
2─簡略更年期指数SMI
V.唾液検査(西村 敏)
1─唾液分泌量
2─唾液分泌検査
3─唾液緩衝能
VI.唾液分泌検査の新しい試み(柿木保明)
1─臨床診断基準
2─唾液湿潤度検査紙による検査
3─口腔水分計による検査
4─ワッテ法
5─曳糸性測定器による検査
VII.画像検査(倉林 亨,大林尚人)
1─唾液腺シンチグラフィー
2─唾液腺造影法
3─CT検査
4─MRI検査
5─超音波検査
臨床編
1章 ドライマウスの治療
I.ドライマウス治療の考え方(篠原正徳)
II.ドライマウス治療の実際─原因療法(篠原正徳)
1─原因疾患への対応
2─医科との連携
3─薬物療法
4─カウンセリング
III.シェーグレン症候群への対応(中村誠司)
1─ドライマウスに対する治療法
2─最新の研究成果ならびに治療の将来展望
IV.ドライマウス治療の実際─対症療法
1─薬物療法(唾液分泌刺激薬)(岩渕博史)
2─人工唾液と口内保湿剤(角田博之,永井哲夫)
3─保湿装置(武田智道)
4─ドライマウスの漢方治療(秋葉哲生)
5─口腔筋機能療法によるドライマウスの対処(武田全代)
V.口腔ケア(角 保徳)
1─口腔の症状・状態に応じた口腔ケア
2─症状・状態に応じた食事援助
VI.ドライマウスと再生医療(美島健二)
1─唾液腺の基本構造
2─再生医療の対象となる唾液腺の器質的変化
3─唾液腺組織における再生機構
4─幹細胞を用いた唾液腺再生
2章 ドライマウスに関連する疾患と病態ならびに対処法
I.唾液の役割(松尾龍二)
1─唾液の生理作用
2─唾液の分泌動態と生理作用
II.ドライマウスと口臭(八重垣 健)
1─口臭の原因物質と生成機序
2─唾液分泌と口臭
3─口臭症の分類と治療指針
4─ドライマウスによる口臭症の診断と治療
III.ドライマウスと味覚障害(五十嵐敦子,野村修一)
1─味覚障害
2─味覚障害の検査法
3─味覚障害の診断と治療
IV.ドライマウスと嚥下障害(高橋浩二)
1─唾液分泌と食塊形成
2─ドライマウスと嚥下障害との関連
3─ドライマウス患者の嚥下造影検査所見
4─ドライマウスによって嚥下障害が生じる理由
5─ドライマウスに伴う嚥下障害の対処法
V.ドライマウスとカンジダ症(中川洋一)
1─口腔カンジダ症とは
2─口腔カンジダ症の診断
3─ドライマウスに関連するカンジダ症
4─口腔カンジダ症の治療
VI.ドライマウスと齲蝕(前田伸子,大島朋子,中川洋一)
1─齲蝕発症を未然に防ぐ唾液の作用
2─ドライマウスになると何が起こるか
VII.ドライマウスと精神科的・心療内科的疾患(豊福 明)
1─ドライマウス外来で遭遇する精神科的・心療内科的疾患
2─精神科的・心療内科的疾患患者への対処法
3─舌痛症
3章 ドライマウスのケーススタディ(黒澤俊夫)
〔症例1〕シェーグレン症候群(1)
〔症例2〕シェーグレン症候群(2)
〔症例3〕気管支喘息などがリスク因子となったドライマウス
〔症例4〕糖尿病などがリスク因子となったドライマウス
〔症例5〕服用薬剤(降圧薬)が関与したドライマウス
〔症例6〕服用薬剤と心理的因子が関与したドライマウス
〔症例7〕舌痛症とドライマウス
〔症例8〕上顎癌放射線治療後のドライマウス
「ドライマウスうるおい連携」について
4章 患者も含めたコミュニケーションのネットワーク(新藤朝子)
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