序文
歯科臨床で治療と予防の2つをクリアー・カットにすることはむずかしい.むし歯を発見して治療するときでも,そのむし歯を治すという意味では“治療“だが,放置すれば歯髄を失うことになるので歯の喪失の危険があり,それを事前にストップをかけるという意味では,むし歯を治すことは同時に歯の喪失を“予防”する手段とも考えられる.インレーの予防拡大という言葉が,歯科における“治療と予防”の両義性をそれとなく表現している.
従来は,治療することがそのまま予防になるものと考えられ,余分な疑問を抱かなかった.しかし,近年,歯科材料の発達もあり,治療のための侵襲も大小いろいろなオプションが選択できるようになると,過度な治療による侵襲が,長い目で見ると予防の枠をも侵しているのではないかと思われることも多くなった.どの方法を選べば治療と予防が上手く両立してくれるかが,新たな問題として浮かび上がってきた.できるかできないかはスキルの一つのものさしだが,なにをやるべきか,やらないかという選択力もまた大切なスキルだと言えるだろう.
このシリーズは,お気づきかもしれないが,技術的なスキルアップを目ざすと同時に,治療と予防が渾沌としている歯科臨床のなかで,予防的な視点で歯科のスキルを総点検してみようというねらいがある.第1巻の「歯をまもる」,第2巻の「歯列をまもる」,そしてこの第3巻は「歯と口の機能を回復する」で「まもる」が中心的な話題になっているのは,治療や修復のなかに,どのような姿で予防が存在するのかをあぶり出そうと考えたからだ.もう少し積極的に言えば,予防的な治療とはなにかを確認したいという目論見でもある.
歯の疾患はスパンの長い継続性の慢性疾患であり,連続した病態だから,このシリーズもできれば1巻から3巻まで通して読んでいただきたい.特に若い歯科医師にはこの第3巻をある意味で歯科疾患の終末像の位置づけとして捉えてほしいし,多数歯欠損にしないためにどのような診断と治療とメインテナンスが必要なのかを,第2巻の「歯列をまもる」から読み取ってほしい,また欠損歯列にしないためにはどのような注意や技術が必要なのかを,第1巻の「歯をまもる」から読み取ってもらいたい.
この流れは,欠損歯列の視点からは,一次予防から二次予防そして三次予防という流れになっている.第1巻は欠損歯列という病態にしない発病の予防,つまり一次予防,第2巻は欠損歯列の早期発見・早期治療の二次予防,そして第3巻はそのものずばり三次予防の機能回復である.
治療と予防が交錯していると言ったが,この2つが決定的に違うのは,治療の目的は過去から現在までの病態をリセットすること,予防の目標はあくまでも将来への備えであり,未来形であることだ.過去の異常を常態に戻すという目標設定に迷いや疑いはないが,長く続く将来への展望となると,何時までにどの程度の,という達成のための段階的な目標設定がほしくなる.第1巻は歯の喪失予防を,第2巻はクラウン・ブリッジの範囲で進行を食い止め,義歯装着の手前で喪失拡大を食い止める,を目標値として提示している.そうした目標は目に見えるのでわかりやすい.1 巻や2巻で扱うレベルは,歯をまもれば自然に機能はまもれるし,歯列をまもれば機能もまもれるという暗黙の了解がある段階で,そこでは歯の存在と機能は特に競合はしない.しかしその両者に齟齬がある場合はどう考えるか,第3巻の“機能を回復する”では,歯をまもること,機能をまもることの微妙な異差や優劣が現実のものとなり,問題になってくる.そして,その問題意識で1巻や2巻をもう一度読み返してみると,長い継続した慢性疾患ではなにを意識すべきなのかが見えてくるはずである.
2003年8月5日
宮地建夫,中尾勝彦,榎本一彦,高島昭博
歯科臨床で治療と予防の2つをクリアー・カットにすることはむずかしい.むし歯を発見して治療するときでも,そのむし歯を治すという意味では“治療“だが,放置すれば歯髄を失うことになるので歯の喪失の危険があり,それを事前にストップをかけるという意味では,むし歯を治すことは同時に歯の喪失を“予防”する手段とも考えられる.インレーの予防拡大という言葉が,歯科における“治療と予防”の両義性をそれとなく表現している.
従来は,治療することがそのまま予防になるものと考えられ,余分な疑問を抱かなかった.しかし,近年,歯科材料の発達もあり,治療のための侵襲も大小いろいろなオプションが選択できるようになると,過度な治療による侵襲が,長い目で見ると予防の枠をも侵しているのではないかと思われることも多くなった.どの方法を選べば治療と予防が上手く両立してくれるかが,新たな問題として浮かび上がってきた.できるかできないかはスキルの一つのものさしだが,なにをやるべきか,やらないかという選択力もまた大切なスキルだと言えるだろう.
このシリーズは,お気づきかもしれないが,技術的なスキルアップを目ざすと同時に,治療と予防が渾沌としている歯科臨床のなかで,予防的な視点で歯科のスキルを総点検してみようというねらいがある.第1巻の「歯をまもる」,第2巻の「歯列をまもる」,そしてこの第3巻は「歯と口の機能を回復する」で「まもる」が中心的な話題になっているのは,治療や修復のなかに,どのような姿で予防が存在するのかをあぶり出そうと考えたからだ.もう少し積極的に言えば,予防的な治療とはなにかを確認したいという目論見でもある.
歯の疾患はスパンの長い継続性の慢性疾患であり,連続した病態だから,このシリーズもできれば1巻から3巻まで通して読んでいただきたい.特に若い歯科医師にはこの第3巻をある意味で歯科疾患の終末像の位置づけとして捉えてほしいし,多数歯欠損にしないためにどのような診断と治療とメインテナンスが必要なのかを,第2巻の「歯列をまもる」から読み取ってほしい,また欠損歯列にしないためにはどのような注意や技術が必要なのかを,第1巻の「歯をまもる」から読み取ってもらいたい.
この流れは,欠損歯列の視点からは,一次予防から二次予防そして三次予防という流れになっている.第1巻は欠損歯列という病態にしない発病の予防,つまり一次予防,第2巻は欠損歯列の早期発見・早期治療の二次予防,そして第3巻はそのものずばり三次予防の機能回復である.
治療と予防が交錯していると言ったが,この2つが決定的に違うのは,治療の目的は過去から現在までの病態をリセットすること,予防の目標はあくまでも将来への備えであり,未来形であることだ.過去の異常を常態に戻すという目標設定に迷いや疑いはないが,長く続く将来への展望となると,何時までにどの程度の,という達成のための段階的な目標設定がほしくなる.第1巻は歯の喪失予防を,第2巻はクラウン・ブリッジの範囲で進行を食い止め,義歯装着の手前で喪失拡大を食い止める,を目標値として提示している.そうした目標は目に見えるのでわかりやすい.1 巻や2巻で扱うレベルは,歯をまもれば自然に機能はまもれるし,歯列をまもれば機能もまもれるという暗黙の了解がある段階で,そこでは歯の存在と機能は特に競合はしない.しかしその両者に齟齬がある場合はどう考えるか,第3巻の“機能を回復する”では,歯をまもること,機能をまもることの微妙な異差や優劣が現実のものとなり,問題になってくる.そして,その問題意識で1巻や2巻をもう一度読み返してみると,長い継続した慢性疾患ではなにを意識すべきなのかが見えてくるはずである.
2003年8月5日
宮地建夫,中尾勝彦,榎本一彦,高島昭博
SDP 3 歯と口の機能を回復する Contents
1章 多数歯欠損症例の問題点
1 多数歯欠損の範囲
1.多数歯の多数とは何歯か
2.欠損歯列の分類
3.歯数と分類
4.喪失歯数と機能低下
5.欠損形態と欠損歯数
6.欠損歯列の病態
7.欠損歯列のリスクと終末像
8.エンド・ポイントの語源
9.欠損歯列とエンド・ポイント
10.欠損歯列の難症例
11.欠損歯列のクラス分け
12.多数歯欠損の範囲
13.私のイメージする枠組
(宮地建夫)
2 多数歯欠損症例における主訴をどのように受け止めるか
1.多数歯欠損という捉え方
2.「主訴」とは何か?
3.患者さんの表現
4.「主訴」の解釈
5.いろいろな主訴のシュミレーション
6.主訴の問題点
(鈴木 尚)
3 欠損歯列における既往歴と現病歴とをどう読むのか,どう患者へ伝えるか
1.現症の把握
2.経過を知る 既往の問診
3.経過を知る 現症の説明
4.患者さんへの説明 病状の理解
5.治療経過の予測 満足度
(鈴木 尚)
2章 多数歯欠損症例のとらえ方・診断
1 欠損歯列をどのように読むか
1.欠損歯列の疾病構造
2.欠損歯列の機能評価
3.リスク評価
4.難易度の評価
(宮地建夫)
2 多数歯欠損症例における診断項目とチェック・ポイント
1.口腔内の状態
(井上 宏)
3 歯周疾患を伴う多数歯欠損歯列の診断ポイント
1.歯周疾患を伴う多数歯欠損歯列の特徴とその診査
2.残存歯の歯周組織診査
3.リスク・ファクター
4.残存歯の数と配置,顎堤の吸収
症例
(千葉英史)
4 多数歯欠損に潜む力の問題
1.なぜ多数歯欠損に陥ったか?
2.咬合力そのものの問題
(仲村裕之)
5 欠損歯列および義歯の分類について
1.欠損部の位置および分類
2.咬合支持の有無による分類
3.部分床義歯の分類
(山下秀一郎,五十嵐順正)
1stPresentation
10歯前後の欠損症例への対応
宮地建夫<司会>
榎本一彦/大村祐進/熊谷真一/倉嶋敏明/高島昭博/中尾勝彦/野嶋昌彦/藤関雅嗣
3章 多数歯欠損症例の治療目標
1 多数歯欠損症例の治療目標
はじめに
1.多数歯欠損症例の治療目標
2.治療目標立案のための多数歯欠損症例の捉え方,総合的診断
3.総合的診断を下すための診査項目
4.治療目標の立案と治療方針の決定
おわりに
(水谷 紘)
2 欠損歯列の予後予測
1.欠損歯列の予後予測にあたって
2.欠損歯列における予後予測
(山本英之)
3 欠損歯列の診査からどのように治療方針をくみたてるか
はじめに
1.多数歯欠損症例の診断のキー・ポイント
2.症例呈示
3.本症例での診断のキー・ポイント(症例 1)
4.本症例での診断のキー・ポイント(症例 2)
おわりに
(椎貝達夫)
4章 多数歯欠損症例の治療をどう進めるか
1 多数歯欠損への対応の実際
はじめに
1.治療の進め方
おわりに
(木村英生)
2 具体的な治療の進め方と注意点
はじめに
1.多数歯欠損症例とは
2.少なくなった残存歯の治療上の注意点
3.症例の概要
おわりに
(榊 恭範)
3 歯周疾患を伴った欠損歯列の症例検討
はじめに
1.歯周疾患を伴った欠損歯列のタイプ別け
2.歯周疾患の進行過程
3.歯周疾患を伴った欠損歯列の特徴
4.歯周疾患を伴う欠損歯列の治療
5.歯周疾患を伴う欠損歯列の補綴設計
6.歯周疾患を伴った欠損歯列の症例検討
おわりに
(高島昭博)
2nd Presentation
14歯前後の欠損症例への対応
宮地建夫<司会>
榎本一彦/大村祐進/熊谷真一/倉嶋敏明/高島昭博/中尾勝彦/野嶋昌彦/藤関雅嗣
5章 再評価時の診断
1 多くの問題を抱えた欠損歯列症例をどのように評価するか
はじめに
1.欠損型の生成―特徴的な欠損型
2.欠損補綴の本態からみた欠損型
3.前処置の実行
4.咬合の所与条件:接触点はわかるが,力は?
(五十嵐順正)
2 欠損症例の評価 ・再評価
症例 1 治療義歯装着中の再評価により義歯の最終設計が変更になった症例
1.欠損歯列の欠損様式の評価
2.欠損歯列の再評価時の診断とは,いつ何を行うのか
(岡部良博)
症例 2 遊離端欠損に隣接する支台歯にかかるストレス・コントロールのむずかしさを考えさせられた症例
1.欠損歯列の欠損様式の評価
2.欠損歯列の再評価時の診断とは,いつ何を行うのか
(谷田部優)
症例 3 3 回の再評価を繰り返し,最終補綴物装着に至った症例
1.欠損歯列の欠損様式の評価
2.欠損歯列の再評価時の診断とは,いつ何を行うのか
(山下秀一郎)
症例 4 治療用義歯で顎位の安定化をはかった症例
1.症例の概略
2.治療方針の概略
3.欠損様式の評価
4.欠損歯列の再評価時の診断とは,いつ何を行うのか
(屋嘉智彦)
症例 5 長期にわたって補綴処置を継続している症例
はじめに
症例
(加藤光雄)
6章 欠損補綴の技術的問題
1 咬合採得の問題点と注意点
1.咬合採得
2.いろいろな下顎位/159(野嶋昌彦)
2 欠損補綴の咬合の再構成
1.人工歯排列
2.人工歯の選択
3.人工歯排列の実際
(法花堂 治)
3 欠損症例の補綴物製作・技術的問題
1.支台歯側の前処置
2.パーシャル・デンチャーの製作ステップ
(法花堂 治)
7章 インプラントによる欠損形態の回復
1 インプラントはどのようなステージにどのような目的で使用するか
1.インプラントの応用に対する考えと現状
2.当歯科医院における症例
おわりに
(藤関雅嗣)
2 インプラントのための診査・診断,埋入時の注意点
1.治療計画上注意すべき点
2.インプラント埋入時に注意すべき点
おわりに
(西堀雅一)
3rd Presentation 少数歯残存症例への対応
宮地建夫<司会>
榎本一彦/大村祐進/熊谷真一/倉嶋敏明/高島昭博/中尾勝彦/野嶋昌彦/藤関雅嗣
8章 無歯顎移行への判断
1 多数歯欠損症例から少数歯残存症例の経過報告
1.少数歯残存症例の評価項目
2.治療経過とその評価法(判断)
(森本達也)
2 暫間的な治療・処置に対する患者の期待と術者の思惑
1.「暫間補綴物」という言葉の復権?
2.暫間処置を長期に選択する選択肢も
3.口腔機能全体の継続的メインテナンスを
(斎藤純一)
9章 無歯顎への取り組みと総義歯の製作
1 無歯顎症例の治療目標
1.主訴の解決
2.義歯作製の目標
3.総義歯と患者
4.ワンランク上の治療目標
(阿部二郎)
2 多数歯欠損症例を総義歯にどう移行するかその考え方
はじめに
1.それぞれの症例をどうとらえるか
2.患者を困らせないために
おわりに
(武田英雄)
3 多数歯欠損症例を総義歯にどう移行するかその実際
はじめに
1.パーシャル・デンチャーから総義歯へ移行する際の利点
2.パーシャル・デンチャーから総義歯へ移行する問題点
おわりに
(小倉一也)
4 総義歯症例の経過観察とメインテナンス
1.具合の悪い総義歯をどこで見るのか
2.機能的な問題をどう解決するか
3.総義歯における咬合不調和のチェック・ポイント
4.リマウント
5.義歯作りと技工作業
(榎本一彦)
5 旧義歯の利用と利用できない不正義歯との診断
はじめに
1.旧義歯を治療義歯として使用する意義
2.旧義歯の利用と利用できない不正義歯との診断
3.術式
おわりに
(中村順三)
6 無歯顎を見る目―難症例に手をつける限界
1.歯科医院の実力
2.難症例患者の心理
3.難症例の見極め
4.症例
おわりに
(阿部二郎)
10章 多数歯欠損症例の経過観察とメインテナンス
すれ違い咬合症例の 25 年間の記録
はじめに
1.定期検診の効果
2.進化する患者,共感する患者
3.義歯設計の考え
4.初診時そして設計,そして病歴
5.25 年間の病歴
6.歯冠破損,冠脱離・歯根破折
7.歯冠外アタッチメント義歯からコーヌス義歯へ
8.リライニング・新義歯について
9.プラークコントロールと歯周疾患
10.歯内療法について
11.記録とメインテナンス
おわりに
(中尾勝彦)
1章 多数歯欠損症例の問題点
1 多数歯欠損の範囲
1.多数歯の多数とは何歯か
2.欠損歯列の分類
3.歯数と分類
4.喪失歯数と機能低下
5.欠損形態と欠損歯数
6.欠損歯列の病態
7.欠損歯列のリスクと終末像
8.エンド・ポイントの語源
9.欠損歯列とエンド・ポイント
10.欠損歯列の難症例
11.欠損歯列のクラス分け
12.多数歯欠損の範囲
13.私のイメージする枠組
(宮地建夫)
2 多数歯欠損症例における主訴をどのように受け止めるか
1.多数歯欠損という捉え方
2.「主訴」とは何か?
3.患者さんの表現
4.「主訴」の解釈
5.いろいろな主訴のシュミレーション
6.主訴の問題点
(鈴木 尚)
3 欠損歯列における既往歴と現病歴とをどう読むのか,どう患者へ伝えるか
1.現症の把握
2.経過を知る 既往の問診
3.経過を知る 現症の説明
4.患者さんへの説明 病状の理解
5.治療経過の予測 満足度
(鈴木 尚)
2章 多数歯欠損症例のとらえ方・診断
1 欠損歯列をどのように読むか
1.欠損歯列の疾病構造
2.欠損歯列の機能評価
3.リスク評価
4.難易度の評価
(宮地建夫)
2 多数歯欠損症例における診断項目とチェック・ポイント
1.口腔内の状態
(井上 宏)
3 歯周疾患を伴う多数歯欠損歯列の診断ポイント
1.歯周疾患を伴う多数歯欠損歯列の特徴とその診査
2.残存歯の歯周組織診査
3.リスク・ファクター
4.残存歯の数と配置,顎堤の吸収
症例
(千葉英史)
4 多数歯欠損に潜む力の問題
1.なぜ多数歯欠損に陥ったか?
2.咬合力そのものの問題
(仲村裕之)
5 欠損歯列および義歯の分類について
1.欠損部の位置および分類
2.咬合支持の有無による分類
3.部分床義歯の分類
(山下秀一郎,五十嵐順正)
1stPresentation
10歯前後の欠損症例への対応
宮地建夫<司会>
榎本一彦/大村祐進/熊谷真一/倉嶋敏明/高島昭博/中尾勝彦/野嶋昌彦/藤関雅嗣
3章 多数歯欠損症例の治療目標
1 多数歯欠損症例の治療目標
はじめに
1.多数歯欠損症例の治療目標
2.治療目標立案のための多数歯欠損症例の捉え方,総合的診断
3.総合的診断を下すための診査項目
4.治療目標の立案と治療方針の決定
おわりに
(水谷 紘)
2 欠損歯列の予後予測
1.欠損歯列の予後予測にあたって
2.欠損歯列における予後予測
(山本英之)
3 欠損歯列の診査からどのように治療方針をくみたてるか
はじめに
1.多数歯欠損症例の診断のキー・ポイント
2.症例呈示
3.本症例での診断のキー・ポイント(症例 1)
4.本症例での診断のキー・ポイント(症例 2)
おわりに
(椎貝達夫)
4章 多数歯欠損症例の治療をどう進めるか
1 多数歯欠損への対応の実際
はじめに
1.治療の進め方
おわりに
(木村英生)
2 具体的な治療の進め方と注意点
はじめに
1.多数歯欠損症例とは
2.少なくなった残存歯の治療上の注意点
3.症例の概要
おわりに
(榊 恭範)
3 歯周疾患を伴った欠損歯列の症例検討
はじめに
1.歯周疾患を伴った欠損歯列のタイプ別け
2.歯周疾患の進行過程
3.歯周疾患を伴った欠損歯列の特徴
4.歯周疾患を伴う欠損歯列の治療
5.歯周疾患を伴う欠損歯列の補綴設計
6.歯周疾患を伴った欠損歯列の症例検討
おわりに
(高島昭博)
2nd Presentation
14歯前後の欠損症例への対応
宮地建夫<司会>
榎本一彦/大村祐進/熊谷真一/倉嶋敏明/高島昭博/中尾勝彦/野嶋昌彦/藤関雅嗣
5章 再評価時の診断
1 多くの問題を抱えた欠損歯列症例をどのように評価するか
はじめに
1.欠損型の生成―特徴的な欠損型
2.欠損補綴の本態からみた欠損型
3.前処置の実行
4.咬合の所与条件:接触点はわかるが,力は?
(五十嵐順正)
2 欠損症例の評価 ・再評価
症例 1 治療義歯装着中の再評価により義歯の最終設計が変更になった症例
1.欠損歯列の欠損様式の評価
2.欠損歯列の再評価時の診断とは,いつ何を行うのか
(岡部良博)
症例 2 遊離端欠損に隣接する支台歯にかかるストレス・コントロールのむずかしさを考えさせられた症例
1.欠損歯列の欠損様式の評価
2.欠損歯列の再評価時の診断とは,いつ何を行うのか
(谷田部優)
症例 3 3 回の再評価を繰り返し,最終補綴物装着に至った症例
1.欠損歯列の欠損様式の評価
2.欠損歯列の再評価時の診断とは,いつ何を行うのか
(山下秀一郎)
症例 4 治療用義歯で顎位の安定化をはかった症例
1.症例の概略
2.治療方針の概略
3.欠損様式の評価
4.欠損歯列の再評価時の診断とは,いつ何を行うのか
(屋嘉智彦)
症例 5 長期にわたって補綴処置を継続している症例
はじめに
症例
(加藤光雄)
6章 欠損補綴の技術的問題
1 咬合採得の問題点と注意点
1.咬合採得
2.いろいろな下顎位/159(野嶋昌彦)
2 欠損補綴の咬合の再構成
1.人工歯排列
2.人工歯の選択
3.人工歯排列の実際
(法花堂 治)
3 欠損症例の補綴物製作・技術的問題
1.支台歯側の前処置
2.パーシャル・デンチャーの製作ステップ
(法花堂 治)
7章 インプラントによる欠損形態の回復
1 インプラントはどのようなステージにどのような目的で使用するか
1.インプラントの応用に対する考えと現状
2.当歯科医院における症例
おわりに
(藤関雅嗣)
2 インプラントのための診査・診断,埋入時の注意点
1.治療計画上注意すべき点
2.インプラント埋入時に注意すべき点
おわりに
(西堀雅一)
3rd Presentation 少数歯残存症例への対応
宮地建夫<司会>
榎本一彦/大村祐進/熊谷真一/倉嶋敏明/高島昭博/中尾勝彦/野嶋昌彦/藤関雅嗣
8章 無歯顎移行への判断
1 多数歯欠損症例から少数歯残存症例の経過報告
1.少数歯残存症例の評価項目
2.治療経過とその評価法(判断)
(森本達也)
2 暫間的な治療・処置に対する患者の期待と術者の思惑
1.「暫間補綴物」という言葉の復権?
2.暫間処置を長期に選択する選択肢も
3.口腔機能全体の継続的メインテナンスを
(斎藤純一)
9章 無歯顎への取り組みと総義歯の製作
1 無歯顎症例の治療目標
1.主訴の解決
2.義歯作製の目標
3.総義歯と患者
4.ワンランク上の治療目標
(阿部二郎)
2 多数歯欠損症例を総義歯にどう移行するかその考え方
はじめに
1.それぞれの症例をどうとらえるか
2.患者を困らせないために
おわりに
(武田英雄)
3 多数歯欠損症例を総義歯にどう移行するかその実際
はじめに
1.パーシャル・デンチャーから総義歯へ移行する際の利点
2.パーシャル・デンチャーから総義歯へ移行する問題点
おわりに
(小倉一也)
4 総義歯症例の経過観察とメインテナンス
1.具合の悪い総義歯をどこで見るのか
2.機能的な問題をどう解決するか
3.総義歯における咬合不調和のチェック・ポイント
4.リマウント
5.義歯作りと技工作業
(榎本一彦)
5 旧義歯の利用と利用できない不正義歯との診断
はじめに
1.旧義歯を治療義歯として使用する意義
2.旧義歯の利用と利用できない不正義歯との診断
3.術式
おわりに
(中村順三)
6 無歯顎を見る目―難症例に手をつける限界
1.歯科医院の実力
2.難症例患者の心理
3.難症例の見極め
4.症例
おわりに
(阿部二郎)
10章 多数歯欠損症例の経過観察とメインテナンス
すれ違い咬合症例の 25 年間の記録
はじめに
1.定期検診の効果
2.進化する患者,共感する患者
3.義歯設計の考え
4.初診時そして設計,そして病歴
5.25 年間の病歴
6.歯冠破損,冠脱離・歯根破折
7.歯冠外アタッチメント義歯からコーヌス義歯へ
8.リライニング・新義歯について
9.プラークコントロールと歯周疾患
10.歯内療法について
11.記録とメインテナンス
おわりに
(中尾勝彦)