やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

総論
 書き下ろし
 エビデンスに基づく漢方の活用法(渡辺賢治)
  ・“病名”と“証”
  ・基礎的作用機序も考慮に入れて使用
  ・生薬レベルまで踏み込んでみる
  ・病名治療で十分な効果が得られなかった場合には漢方的見方を
  ・個々の漢方薬の特徴をよく知る
  ・エビデンスを越えた漢方の使い方
  ・新時代のエビデンス創出に向けて
  ・西洋医学の治療の進歩に応じて変化する漢方のエビデンス
 漢方医学をめぐる最近の動向(渡辺賢治)
  ・日本の9割の医師が使う漢方
  ・共通保健統計プラットフォーム
  ・作用機序の解明
  ・臨床研究
  ・本シリーズの特徴
各疾患別:最新のエビデンス
 1.上部消化管疾患の漢方治療:最新のエビデンス(川原央好・他)
  ・基礎的エビデンス
  ・ヒトでのエビデンス
  ・六君子湯に関する著者らのエビデンス
  ・六君子湯の今後の展開
 2.腸管血流からみた大建中湯の役割―アメリカ臨床治験薬TU-100になった理由(河野 透・上園保仁)
  ・眉唾物扱いからアメリカの臨床治験薬へ
  ・大建中湯は医食同源タイプのシンプルな漢方薬
  ・腸管粘膜血流の特色と疾患への関与
  ・大建中湯の成分レベルからみた腸管粘膜血流改善機序
  ・カルシトニンファミリーペプチド
  ・有効成分の同定と薬物動態
  ・トランジェントレセプターチャネル(TRPチャネル)
  ・カルシトニンファミリーペプチドとCrohn病
 3.慢性肝疾患の漢方治療:最新のエビデンス(堀江義則)
  ・脂肪肝   ・肝線維症,肝硬変
  ・慢性肝炎  ・肝細胞癌
 4.糖尿病の漢方治療:最新のエビデンス(宇野智子・佐藤祐造)
  ・糖尿病と漢方薬
  ・清心蓮子飲
  ・紫苓湯
  ・牛車腎気丸
  ・防風通聖散
 5.メタボリック症候群の漢方治療:最新のエビデンス(坂根直樹)
  ・防風通聖散の基礎的エビデンス
  ・防風通聖散のヒトでのエビデンス
 6.インフルエンザの漢方治療:最新のエビデンス(鍋島茂樹)
  ・インフルエンザ     ・基礎的研究
  ・インフルエンザと漢方  ・漢方薬の使い方
  ・臨床試験
 7.慢性閉塞性肺疾患(COPD)の漢方治療:最新のエビデンス(杉山幸比古)
  ・COPDの注目される病態  ・COPDと漢方薬
 8.関節リウマチの漢方治療:最新のエビデンス(引網宏彰)
  ・基礎的エビデンス
  ・ヒトでのエビデンス
  ・RA患者の血管内皮障害に対する桂枝茯苓丸のエビデンス
 9.アレルギー性鼻炎の漢方治療:最新のエビデンス(内藤健晴)
  ・基礎的エビデンス  ・著者らのエビデンス
  ・ヒトでのエビデンス
 10.認知症およびその周辺症状の漢方治療:最新のエビデンス―われら臨床医のこの一手,抑肝散,認知症以外も含めて(堀口 淳・他)
  ・抑肝散の基礎医学的研究の急速な進展
  ・認知症に対する抑肝散の臨床応用
  ・各種漢方薬の適応症状と抑肝散の投与実態
  ・著者らの抑肝散研究
 11.うつの漢方治療:最新のエビデンス(山田和男)
  ・漢方医学と精神科臨床
  ・“うつ(抑うつ)”とは?
  ・精神科領域における漢方治療
  ・漢方薬単独での治療
  ・向精神薬の補助薬としての漢方薬併用治療
  ・向精神薬の有害作用に対する漢方薬併用治療
 12.頭痛の漢方治療:最新のエビデンス(上野眞二・村松慎一)
  ・頭痛の漢方治療
  ・頭痛の西洋薬治療
  ・頭痛に対する漢方薬の頻用処方
  ・基礎研究のエビデンス:五苓散の利水作用とアクアポリン
  ・臨床研究のエビデンス
 13.耳鳴り・めまいの漢方治療:最新のエビデンス(齋藤 晶)
  ・耳鳴り・めまい治療の最近の進歩
  ・めまい集団リハビリテーションと補中益気湯
  ・耳管開放症と補中益気湯
  ・BPPVと苓桂朮甘湯
 14.不眠症の漢方治療:最新のエビデンス(小曽根基裕)
  ・不眠症と治療の現状
  ・漢方薬・抑肝散
  ・精神生理性不眠:周期性脳波活動・CAP法による抑肝散の薬効評価
  ・睡眠とAlzheimer病
  ・認知症の不眠およびレム睡眠行動障害に対する抑肝散の効果
  ・レストレスレッグス症候群に対する抑肝散の効果
  ・不眠に対する抑肝散の作用メカニズム
 15.月経周期異常の漢方治療:最新のエビデンス(後山尚久・向坂直哉)
  ・漢方医学における月経周期異常の考え方
  ・月経異常に対する漢方医学理論による漢方方剤の選択
  ・月経周期異常
  ・排卵性月経周期異常の漢方治療
  ・排卵障害性月経周期異常の漢方治療
  ・月経周期異常の治療におけるエビデンスの応用
 16.更年期障害の漢方治療:最新のエビデンス(松 潔)
  ・更年期障害とは
  ・更年期障害治療における漢方療法の位置づけ
  ・更年期障害治療における漢方療法のエビデンス
 17.末梢神経障害の漢方治療―臨床・基礎研究によるエビデンス(大平征宏)
  ・糖尿病性末梢神経障害    ・胸郭出口症候群
  ・抗癌剤による末梢神経障害  ・帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛(PHN)
 18.整形外科における漢方の現状と展望(吉田祐文)
  ・腰痛・膝痛の漢方治療
  ・難治性の疼痛に対する新規の西洋薬と漢方薬の位置づけ
  ・最新のエビデンス
 19.癌治療における漢方治療:最新のエビデンス(掛地吉弘・他)
  ・抗腫瘍効果
  ・免疫増強作用
  ・術前・術後の一般状態の改善
  ・化学療法および放射線療法の副作用の軽減
COLUMN グローバル化時代の漢方(執筆:渡辺賢治)
 1.伝統医学国際化の潮流
 2.ICD-11への改訂に向けての東アジア伝統医学分類作成
 3.漢方医学をめぐる国際的諸問題

 サイドメモ目次
  食道pHインピーダンス検査
  漢方薬と中医薬
  TRPチャネル
  肥満,糖尿病と肝硬変
  肝発癌性
  インスリンクランプ法
  褐色脂肪組織
  DAS28
  ACRコアセット
  オ血(おけつ)
  喉頭アレルギー
  腎虚
  アクアポリン(AQP)
  Tinnitus retraining therapy
  めまい集団リハビリテーション
  SDS,SF-8,DHI,STAI,POMS
  耳管開放症
  良性発作性頭位めまい症(BPPV)の原因と特徴
  体重減少性無月経
  多嚢胞卵巣(polycystic ovary:PCO)
  更年期障害評価の難しさ
  ポリオール経路