監訳者の序文
日本語版AIMS出版にあたって
私とAIMS:Alberta Infant Motor Scaleとの出会いは,大学院の研究テーマを探しているとき,偶然,目に留まった論文にAIMSが使用されていたことがきっかけであった.AIMSがどのような検査法なのかが気になり本書を取り寄せると,ハードカバーで製本され,かわいい乳幼児の写真とイラスト(そのかわいらしいイラストは,一枚一枚が検査の項目である)が豊富に掲載されたもので大変興味をもったことを覚えている.読み進めるにつけAIMSは,従来の心理学などから開発された検査法と違い,医師と理学療法士によってつくられた検査法であり,乳幼児の運動発達を評価する検査法がないためにマイルストーンなどに頼るしかなかった人たちの臨床的欲求に,必ず応えてくれるに違いないと確信した.
本書の最大の特徴は,AIMSのガイドラインであることがまず挙げられる.検査に必要な説明は第4章〜第8章にガイドラインと各小検査が記載されているので,それらの章を読むだけでも実施することが可能である.もうひとつの特徴は,第1章に記載されている「神経成熟理論」と「システム論」の2つの運動発達理論の考察である.これらはAIMSの理論的基礎となっている.さらに,第5章〜第8章にある「姿勢」,「体重負荷」,「抗重力運動」を重視した項目の解説である.これらを理解することは運動発達を学習することにもつながり,読者には本書が運動発達の姿勢・運動をわかりやすく説明してくれる運動発達学の入門書としての役割もまた果たしうることをご理解いただけるに違いない.
AIMSの特徴は,(1)検査方法が観察のみによるものであり採点方法は容易である.(2)評価時間は20〜30分であり,子どもの状況がよければ10分程度で評価可能である.(3)開発者が言うように小児をあまり知らない検者でも評価可能である.$結果をパーセンタイルで表すことで対象児の保護者(とくに障害受容していない保護者など)にも比較的受け入れられやすい.%スコアシートに記載されているイラストの項目は具体的な指針となる.以上の理由からAIMSは優れた運動発達の検査法であり,われわれの臨床業務を支援してくれるものと確信する.
AIMSは海外で,正常分娩児と逆子の運動発達調査,原始反射と早期運動発達の関連性の調査等で使用され,北米を中心としてブラジル,オランダ,台湾など多くの国々から報告されている.わが国において,訳者らは検者内信頼性・検者間信頼性の調査,新版K式発達検査を用いた併存的妥当性の調査,日本人乳幼児を対象としたパーセンタイルランクの偏りの有無の調査等を実施している.いずれも良好な結果を示したが,きわめて限られたなかでの研究であり,積み残した問題があり,さらなる調査が必要である.今後,本書を用いた多くの研究報告を期待する.そして,本書が小児に携わる医療従事者の検査法のひとつになり,あるいは「運動発達学」のテキストとして活用されて,小児リハビリテーションの発展のひとつにつながることを願ってやまない.
監訳にあたり,語句の統一を図りできるだけ日本語としての読みやすさをこころがけたが,なじみの少ない用語でも著者の意図するところを尊重し,あえて直訳のままにした用語もある.なお,誤訳や不適切な語句があれば広くご教示いただければ幸いである.最後に,本書出版に労をいとわず尽力くださった医歯薬出版の編集部担当者および関係者の方々に深甚なる謝意を表す.
平成22年1月
監訳者代表 上杉雅之
序文
人間の子どもは創造物のなかで最も偉大な奇跡である.どの子どもも多くのとらえがたい秘密をもち,個性的であり,ユニークな存在であり,この地球上で二つとない存在である.
Alva Myrdal,Alva Myrdal,A Daughter's Memoirの中のSissela Bokによる引用
Radcliffe Biography Series,1991(p.129)
Sissela Bokが彼女の非凡な母親,ノーベル賞受賞者Alva Myrdalの伝記の中で強調したように,親子の関係は絶えず変化している.役割や期待,欲求は年齢や時代が変わっても発展し続けている.乳幼児が子どもになり,子どもが大人になり,大人が親になり,親が子どもになる.確かなものはなく,変化しないものもなく,予測のつくものは何もない.このようなことは一般的に乳幼児の発達,とりわけ運動発達の場合でも同じである.乳幼児の素晴らしさを最高に表現し,賞賛するためには,運動発達過程で世界を探検し発見している乳幼児を観察することである.表出される運動スキルは,その乳幼児が発達し,個性的になり,独創的な存在になっていることについて明らかな証拠を示している.乳幼児が個性的になるために,重力に抗して運動し,直立位に姿勢を保つという運動スキルは発達し成熟する.運動は明らかになるのに,予測できる様式が広がるにつれて,子どもはどのように運動し発展するのかという点で,まさに同じ乳幼児は二人といないことの確信をもたらす.
生後2年間で運動スキルの明らかになった証拠は,乳幼児の発達に驚きの念をもたらす.この期間に,乳幼児の運動機能は爆発的に増加するが,その数があまりに多いため,表出するすべての変化を理解することは困難である.初期の運動発達の変化の速さは,乳幼児の運動スキル評価に関与する医療従事者に特別な課題を与える.乳幼児の運動スキル評価のどれもが,ダイナミックなプロセスを静的に評価しなければならない事実によって制限される.運動スキルの発達は流動的であり,現象は変化し,無数の変数が相互作用するために多くの異なる様相を表す.乳幼児の動機,環境,日時,見知らぬ人の存在のように異なった要因は,乳幼児がどのように運動するかに影響を与えるだろう.この観点からみると,あらゆる運動スキルの評価は,ただ乳幼児の運動の熟練度を評価しているのみである.
乳幼児2,900人以上の運動を観察することによって,乳幼児の運動についてわれわれの知っていることはわずかであることを確信した.われわれは運動発達の多くの面を理解できないままでいる.運動発達は直線状か繰り返しているのか,あるいは正常な運動能力の発達に盛衰があるのか? 初期の運動の遅れは未来の運動の欠如を予告するのか? あるいは乳幼児が随意的に「遅れを取り戻す」ことができるのか? なぜ幾人かの乳幼児は手や膝で這わないのか?初期歩行に欠くことのできないものは何か?
これらの答えの出ない疑問にもかかわらず,われわれは乳幼児の運動について「知っていること」は,乳幼児の動きを「観察する」ことよりも重要ではないと確信した.むしろ逆に,乳幼児は彼らが「とらえがたい秘密」と,運動についてわれわれに教える彼らの能力はいかなる方法よりもわれわれに驚きを与え続けた.
われわれは師たちに感謝する.生徒のようにわれわれは役割が反対になることを再三発見する.乳幼児はわれわれに教えてくれる.親のようになって彼らの能力はわれわれに運動の秘密について教えてくれる.彼らの運動性,彼らの適応性,彼らの創造性から学び,師たちへの畏怖をもってわれわれは幼子になる.
われわれはこの仕事に貢献してくれ,ともに親切に経験を分かち合ってくれたすべての乳幼児たちに感謝する.何よりもまして,彼らは,彼らが手がかりを与えてくれること,彼らが独自の力や能力を表出することを可能にすること,そして環境により求められる運動を発見し,実行する彼らの能力を賞賛することをわれわれに教えてくれた.
Martha C.Piper ,Ph.D
Johanna Darrah,M.Sc.,P.T.
謝辞
Alberta Infant Motor Scale(AIMS)の開発は多くの方々と組織の援助と貢献によるものである.
われわれはカナダのオタワにあるNational Health Research and Development Program(NHRDP)やアルバータ州エドモントンにあるthe Children's Health Foundation of Northern Alberta,そしてオンタリオ州のトロントにあるthe Hospital for Sick Children Foundationにより経済的支援を受けた.これら組織の後援なしではAlberta Infant Motor Scaleは開発されなかった.
Drs.Lynn RedfernとTom MaguireはAIMSの心理測定学的特性の発展に貴重な支援と援助をくれた.
われわれはDrs.Tom PatonとJoe Wattがエドモントン地域の乳幼児の評価を行えるよう援助してくれたことに謝意を表す.
Dr.Paul Byrneはいつも計画のすべての面で批評的に評価してくれ,チームを支援してくれ,勇気づけてくれた.
Cathy McLagganは評価項目のオリジナルなデッサンを描いてくれた.彼女の絵はこの本の中には記されていないが,われわれが「ぴったりした」デッサンを得ることに奮闘している間,われわれは彼女の才能と忍耐に感謝する.
Ed Rodgersは彼のコンピュータの専門的知識によりAIMSの開発やこの本の準備に終始貢献してくれた.
多くの専門家たちは乳幼児の運動発達の知識をわれわれとともに共有してくれた.AIMSにおける最初の作成や項目の選択に参加してくれたセラピストたちはアルバータ州のエドモントンにあるthe Glenrose Rehabilitation HospitalのBarbara Ashton,Faith Harckham,Elaine McInnes,Aline McMillan,Helen Riewe,Lynda Schmidtそしてアルバータ州のカルガリーにあるthe Calgary Children's HospitalのPenny Bourne,Mei Fong,Ann Gallagher,Ruth Goodchild,Nan Hawes-Bernbaum,Mary McNeil,Marg Nelson,Diane Ramalho,Lorna Ruttanが含まれる.カナダ理学療法士協会の小児部門のメンバーは項目の郵送調査に参加してくれた.それらのデータはわれわれに項目の選択や順序性を指導してくれた.小児専門の理学療法・作業療法の専門委員であるLois Bly,Suzann Campbell,Lyn Chandler,Linda Fetters,Sara ForysythやSusan Hardyは,AIMSのさらなる修正のために最初の項目を論評してくれ,貴重な示唆を与えてくれた.
乳幼児の評価に参加したセラピストはPam Acheson,Doreen Bartlett,Jean Fan,Faith Harckham,Jean McIlrath,Diana Nothof,Helen Riewe,Lynda Schmidt,Hilary Sprouleである.これら女性の幾人かはいかなる天候下でもアルバータ州中を遠く旅して乳幼児の評価をしてくれ,われわれはとりわけ彼女たちの熱意と不屈の精神に感謝する.
AIMSの基準となるデータ収集は多くの人たちや部門の主要な共同課題であった.アルバータ健康局,とくに人口動態統計部門は計画の参加にふさわしいアルバータ中の乳幼児を確認する計画に不可欠であった.
Athabasca,Minburn-Vermilion,Big Country,Southeastern,Alberta West Central,Barons-Eureka-Warner,Edmonton,Red Deer,Jasperそしてノースイースタン保健部署にいる看護師や助手スタッフは乳幼児の召集の手伝い,セラピストの訪問を構成してくれた.
われわれの予約秘書のMerle Martinは電話での乳幼児の予約スケジュール調整に多くの時間を費やしてくれた.
調整役のAnnette Kujdaは最後の5年にわたるわれわれのすべてを記録してくれた.彼女の提案,AIMSの開発への献身,管理能力なしではわれわれは計画や本書を完成させることはできなかった.
最後にわれわれはAIMS計画に参加してくれた乳幼児たちやその親たちに感謝の意を表したい.2,900人以上の乳幼児はAIMSの開発や標準化のために評価された.われわれは彼らの家族が約束を守ってくれ,セラピストが乳幼児の運動発達を観察することを許可してくれたことに感謝する.加えてわれわれは本書のために乳幼児の写真を撮らせてくれた親たちに感謝する.彼らすべては喜びを与えてくれた.そしてわれわれは幸運にも多くの乳幼児たちの運動発達を少しの間垣間見る機会を得たことに幸せを感じる.
Martha C.Piper ,Ph.D
Johanna Darrah,M.Sc.,P.T.
日本語版AIMS出版にあたって
私とAIMS:Alberta Infant Motor Scaleとの出会いは,大学院の研究テーマを探しているとき,偶然,目に留まった論文にAIMSが使用されていたことがきっかけであった.AIMSがどのような検査法なのかが気になり本書を取り寄せると,ハードカバーで製本され,かわいい乳幼児の写真とイラスト(そのかわいらしいイラストは,一枚一枚が検査の項目である)が豊富に掲載されたもので大変興味をもったことを覚えている.読み進めるにつけAIMSは,従来の心理学などから開発された検査法と違い,医師と理学療法士によってつくられた検査法であり,乳幼児の運動発達を評価する検査法がないためにマイルストーンなどに頼るしかなかった人たちの臨床的欲求に,必ず応えてくれるに違いないと確信した.
本書の最大の特徴は,AIMSのガイドラインであることがまず挙げられる.検査に必要な説明は第4章〜第8章にガイドラインと各小検査が記載されているので,それらの章を読むだけでも実施することが可能である.もうひとつの特徴は,第1章に記載されている「神経成熟理論」と「システム論」の2つの運動発達理論の考察である.これらはAIMSの理論的基礎となっている.さらに,第5章〜第8章にある「姿勢」,「体重負荷」,「抗重力運動」を重視した項目の解説である.これらを理解することは運動発達を学習することにもつながり,読者には本書が運動発達の姿勢・運動をわかりやすく説明してくれる運動発達学の入門書としての役割もまた果たしうることをご理解いただけるに違いない.
AIMSの特徴は,(1)検査方法が観察のみによるものであり採点方法は容易である.(2)評価時間は20〜30分であり,子どもの状況がよければ10分程度で評価可能である.(3)開発者が言うように小児をあまり知らない検者でも評価可能である.$結果をパーセンタイルで表すことで対象児の保護者(とくに障害受容していない保護者など)にも比較的受け入れられやすい.%スコアシートに記載されているイラストの項目は具体的な指針となる.以上の理由からAIMSは優れた運動発達の検査法であり,われわれの臨床業務を支援してくれるものと確信する.
AIMSは海外で,正常分娩児と逆子の運動発達調査,原始反射と早期運動発達の関連性の調査等で使用され,北米を中心としてブラジル,オランダ,台湾など多くの国々から報告されている.わが国において,訳者らは検者内信頼性・検者間信頼性の調査,新版K式発達検査を用いた併存的妥当性の調査,日本人乳幼児を対象としたパーセンタイルランクの偏りの有無の調査等を実施している.いずれも良好な結果を示したが,きわめて限られたなかでの研究であり,積み残した問題があり,さらなる調査が必要である.今後,本書を用いた多くの研究報告を期待する.そして,本書が小児に携わる医療従事者の検査法のひとつになり,あるいは「運動発達学」のテキストとして活用されて,小児リハビリテーションの発展のひとつにつながることを願ってやまない.
監訳にあたり,語句の統一を図りできるだけ日本語としての読みやすさをこころがけたが,なじみの少ない用語でも著者の意図するところを尊重し,あえて直訳のままにした用語もある.なお,誤訳や不適切な語句があれば広くご教示いただければ幸いである.最後に,本書出版に労をいとわず尽力くださった医歯薬出版の編集部担当者および関係者の方々に深甚なる謝意を表す.
平成22年1月
監訳者代表 上杉雅之
序文
人間の子どもは創造物のなかで最も偉大な奇跡である.どの子どもも多くのとらえがたい秘密をもち,個性的であり,ユニークな存在であり,この地球上で二つとない存在である.
Alva Myrdal,Alva Myrdal,A Daughter's Memoirの中のSissela Bokによる引用
Radcliffe Biography Series,1991(p.129)
Sissela Bokが彼女の非凡な母親,ノーベル賞受賞者Alva Myrdalの伝記の中で強調したように,親子の関係は絶えず変化している.役割や期待,欲求は年齢や時代が変わっても発展し続けている.乳幼児が子どもになり,子どもが大人になり,大人が親になり,親が子どもになる.確かなものはなく,変化しないものもなく,予測のつくものは何もない.このようなことは一般的に乳幼児の発達,とりわけ運動発達の場合でも同じである.乳幼児の素晴らしさを最高に表現し,賞賛するためには,運動発達過程で世界を探検し発見している乳幼児を観察することである.表出される運動スキルは,その乳幼児が発達し,個性的になり,独創的な存在になっていることについて明らかな証拠を示している.乳幼児が個性的になるために,重力に抗して運動し,直立位に姿勢を保つという運動スキルは発達し成熟する.運動は明らかになるのに,予測できる様式が広がるにつれて,子どもはどのように運動し発展するのかという点で,まさに同じ乳幼児は二人といないことの確信をもたらす.
生後2年間で運動スキルの明らかになった証拠は,乳幼児の発達に驚きの念をもたらす.この期間に,乳幼児の運動機能は爆発的に増加するが,その数があまりに多いため,表出するすべての変化を理解することは困難である.初期の運動発達の変化の速さは,乳幼児の運動スキル評価に関与する医療従事者に特別な課題を与える.乳幼児の運動スキル評価のどれもが,ダイナミックなプロセスを静的に評価しなければならない事実によって制限される.運動スキルの発達は流動的であり,現象は変化し,無数の変数が相互作用するために多くの異なる様相を表す.乳幼児の動機,環境,日時,見知らぬ人の存在のように異なった要因は,乳幼児がどのように運動するかに影響を与えるだろう.この観点からみると,あらゆる運動スキルの評価は,ただ乳幼児の運動の熟練度を評価しているのみである.
乳幼児2,900人以上の運動を観察することによって,乳幼児の運動についてわれわれの知っていることはわずかであることを確信した.われわれは運動発達の多くの面を理解できないままでいる.運動発達は直線状か繰り返しているのか,あるいは正常な運動能力の発達に盛衰があるのか? 初期の運動の遅れは未来の運動の欠如を予告するのか? あるいは乳幼児が随意的に「遅れを取り戻す」ことができるのか? なぜ幾人かの乳幼児は手や膝で這わないのか?初期歩行に欠くことのできないものは何か?
これらの答えの出ない疑問にもかかわらず,われわれは乳幼児の運動について「知っていること」は,乳幼児の動きを「観察する」ことよりも重要ではないと確信した.むしろ逆に,乳幼児は彼らが「とらえがたい秘密」と,運動についてわれわれに教える彼らの能力はいかなる方法よりもわれわれに驚きを与え続けた.
われわれは師たちに感謝する.生徒のようにわれわれは役割が反対になることを再三発見する.乳幼児はわれわれに教えてくれる.親のようになって彼らの能力はわれわれに運動の秘密について教えてくれる.彼らの運動性,彼らの適応性,彼らの創造性から学び,師たちへの畏怖をもってわれわれは幼子になる.
われわれはこの仕事に貢献してくれ,ともに親切に経験を分かち合ってくれたすべての乳幼児たちに感謝する.何よりもまして,彼らは,彼らが手がかりを与えてくれること,彼らが独自の力や能力を表出することを可能にすること,そして環境により求められる運動を発見し,実行する彼らの能力を賞賛することをわれわれに教えてくれた.
Martha C.Piper ,Ph.D
Johanna Darrah,M.Sc.,P.T.
謝辞
Alberta Infant Motor Scale(AIMS)の開発は多くの方々と組織の援助と貢献によるものである.
われわれはカナダのオタワにあるNational Health Research and Development Program(NHRDP)やアルバータ州エドモントンにあるthe Children's Health Foundation of Northern Alberta,そしてオンタリオ州のトロントにあるthe Hospital for Sick Children Foundationにより経済的支援を受けた.これら組織の後援なしではAlberta Infant Motor Scaleは開発されなかった.
Drs.Lynn RedfernとTom MaguireはAIMSの心理測定学的特性の発展に貴重な支援と援助をくれた.
われわれはDrs.Tom PatonとJoe Wattがエドモントン地域の乳幼児の評価を行えるよう援助してくれたことに謝意を表す.
Dr.Paul Byrneはいつも計画のすべての面で批評的に評価してくれ,チームを支援してくれ,勇気づけてくれた.
Cathy McLagganは評価項目のオリジナルなデッサンを描いてくれた.彼女の絵はこの本の中には記されていないが,われわれが「ぴったりした」デッサンを得ることに奮闘している間,われわれは彼女の才能と忍耐に感謝する.
Ed Rodgersは彼のコンピュータの専門的知識によりAIMSの開発やこの本の準備に終始貢献してくれた.
多くの専門家たちは乳幼児の運動発達の知識をわれわれとともに共有してくれた.AIMSにおける最初の作成や項目の選択に参加してくれたセラピストたちはアルバータ州のエドモントンにあるthe Glenrose Rehabilitation HospitalのBarbara Ashton,Faith Harckham,Elaine McInnes,Aline McMillan,Helen Riewe,Lynda Schmidtそしてアルバータ州のカルガリーにあるthe Calgary Children's HospitalのPenny Bourne,Mei Fong,Ann Gallagher,Ruth Goodchild,Nan Hawes-Bernbaum,Mary McNeil,Marg Nelson,Diane Ramalho,Lorna Ruttanが含まれる.カナダ理学療法士協会の小児部門のメンバーは項目の郵送調査に参加してくれた.それらのデータはわれわれに項目の選択や順序性を指導してくれた.小児専門の理学療法・作業療法の専門委員であるLois Bly,Suzann Campbell,Lyn Chandler,Linda Fetters,Sara ForysythやSusan Hardyは,AIMSのさらなる修正のために最初の項目を論評してくれ,貴重な示唆を与えてくれた.
乳幼児の評価に参加したセラピストはPam Acheson,Doreen Bartlett,Jean Fan,Faith Harckham,Jean McIlrath,Diana Nothof,Helen Riewe,Lynda Schmidt,Hilary Sprouleである.これら女性の幾人かはいかなる天候下でもアルバータ州中を遠く旅して乳幼児の評価をしてくれ,われわれはとりわけ彼女たちの熱意と不屈の精神に感謝する.
AIMSの基準となるデータ収集は多くの人たちや部門の主要な共同課題であった.アルバータ健康局,とくに人口動態統計部門は計画の参加にふさわしいアルバータ中の乳幼児を確認する計画に不可欠であった.
Athabasca,Minburn-Vermilion,Big Country,Southeastern,Alberta West Central,Barons-Eureka-Warner,Edmonton,Red Deer,Jasperそしてノースイースタン保健部署にいる看護師や助手スタッフは乳幼児の召集の手伝い,セラピストの訪問を構成してくれた.
われわれの予約秘書のMerle Martinは電話での乳幼児の予約スケジュール調整に多くの時間を費やしてくれた.
調整役のAnnette Kujdaは最後の5年にわたるわれわれのすべてを記録してくれた.彼女の提案,AIMSの開発への献身,管理能力なしではわれわれは計画や本書を完成させることはできなかった.
最後にわれわれはAIMS計画に参加してくれた乳幼児たちやその親たちに感謝の意を表したい.2,900人以上の乳幼児はAIMSの開発や標準化のために評価された.われわれは彼らの家族が約束を守ってくれ,セラピストが乳幼児の運動発達を観察することを許可してくれたことに感謝する.加えてわれわれは本書のために乳幼児の写真を撮らせてくれた親たちに感謝する.彼らすべては喜びを与えてくれた.そしてわれわれは幸運にも多くの乳幼児たちの運動発達を少しの間垣間見る機会を得たことに幸せを感じる.
Martha C.Piper ,Ph.D
Johanna Darrah,M.Sc.,P.T.
第1章 運動発達理論……1
神経成熟理論……3
神経成熟理論から生じた問題……6
運動発達のシステム論……7
治療のための理論……11
結論……12
第2章 発達途上にある乳幼児の運動評価……15
乳幼児と子ども・成人の運動評価の比較……16
背景……17
評価ツール……18
第3章 AIMS(発達途上にある乳幼児のための運動評価ツール)の構成……25
背景……27
AIMSの構成……30
腹臥位……32
体軸回旋のない寝返り……32
上肢支持による座位……33
体軸回旋のない伝い歩き……34
第4章 ガイドライン……36
対象児の月齢とタイプ……37
観察的アプローチ……38
第5章 腹臥位の小検査……50
腹臥位(1)……52
腹臥位(2)……54
上肢の突っ張りによる腹臥位……56
前腕支持(1)……58
腹臥位の活動……60
前腕支持(2)……62
上肢の伸展支持……64
体軸回旋のない背臥位への寝返り……66
スイミング……68
前腕支持からのリーチ……70
ピボット……72
体軸回旋のある背臥位への寝返り……74
四つ這い(1)……76
肘支持した側臥位……78
這い這い……80
座位あるいは半座位への四つ這い……82
四つ這い移動(1)……84
上肢伸展支持のリーチ……86
四つ這い(2)……88
修正された四つ這い……90
四つ這い移動(2)……92
第6章 背臥位の小検査……94
背臥位(1)……96
背臥位(2)……98
背臥位(3)……100
背臥位(4)……102
手を膝へ……104
体幹伸展……106
手を足へ……108
体軸回旋のない寝返り……110
体軸回旋のある寝返り……112
第7章 座位の小検査……114
介助された座位……116
上肢の突っ張りによる座位……118
引き起こし……120
持続性に欠ける座位……122
上肢支持による座位……124
上肢の支持なしでは持続しない座位……126
体重移動が可能だが持続しない座位……128
上肢の支持なし座位(1)……130
体軸回旋を伴うリーチ可能な座位……132
座位から腹臥位へ……134
四つ這いへの座位……136
上肢の支持なし座位(2)……138
第8章 立位の小検査……140
介助立位(1)……142
介助立位(2)……144
介助立位(3)……146
支持あるつかまり立ち……148
つかまり立ち……150
体軸回旋のあるつかまり立ち……152
体軸回旋のない伝い歩き……154
半膝立ち……156
立位からしゃがむ……158
体軸回旋のある伝い歩き……160
独立立位……162
初期歩行……164
しゃがんだ状態から立位へ……166
たか這いから立位へ……168
独歩……170
しゃがんで保持……172
第9章 AIMSの臨床用途……174
鑑別……175
評価……177
計画……178
結論……179
第10章 AIMSの心理測定特性……181
対象とデザイン……182
AIMSの尺度特性……183
評点システム……185
信頼性……186
併存的妥当性……189
結論……190
第11章 アルバータ乳幼児運動発達検査法の集団基準……192
標準サンプル……193
素点と成績(パーセンタイル)……197
標準データ利用―妥当性研究……199
結論……201
補足……202
別表I パーセンタイルランク―AIMSスコア……202
別表II 月齢グループによるパーセンタイル……203
別表III 標準データ……204
別表IV パーセンタイルランク……204
付録スコアシート……205
アルバータ乳幼児運動発達検査法記録表……205
パーセンタイルランク―AIMSスコア……210
索引……211
神経成熟理論……3
神経成熟理論から生じた問題……6
運動発達のシステム論……7
治療のための理論……11
結論……12
第2章 発達途上にある乳幼児の運動評価……15
乳幼児と子ども・成人の運動評価の比較……16
背景……17
評価ツール……18
第3章 AIMS(発達途上にある乳幼児のための運動評価ツール)の構成……25
背景……27
AIMSの構成……30
腹臥位……32
体軸回旋のない寝返り……32
上肢支持による座位……33
体軸回旋のない伝い歩き……34
第4章 ガイドライン……36
対象児の月齢とタイプ……37
観察的アプローチ……38
第5章 腹臥位の小検査……50
腹臥位(1)……52
腹臥位(2)……54
上肢の突っ張りによる腹臥位……56
前腕支持(1)……58
腹臥位の活動……60
前腕支持(2)……62
上肢の伸展支持……64
体軸回旋のない背臥位への寝返り……66
スイミング……68
前腕支持からのリーチ……70
ピボット……72
体軸回旋のある背臥位への寝返り……74
四つ這い(1)……76
肘支持した側臥位……78
這い這い……80
座位あるいは半座位への四つ這い……82
四つ這い移動(1)……84
上肢伸展支持のリーチ……86
四つ這い(2)……88
修正された四つ這い……90
四つ這い移動(2)……92
第6章 背臥位の小検査……94
背臥位(1)……96
背臥位(2)……98
背臥位(3)……100
背臥位(4)……102
手を膝へ……104
体幹伸展……106
手を足へ……108
体軸回旋のない寝返り……110
体軸回旋のある寝返り……112
第7章 座位の小検査……114
介助された座位……116
上肢の突っ張りによる座位……118
引き起こし……120
持続性に欠ける座位……122
上肢支持による座位……124
上肢の支持なしでは持続しない座位……126
体重移動が可能だが持続しない座位……128
上肢の支持なし座位(1)……130
体軸回旋を伴うリーチ可能な座位……132
座位から腹臥位へ……134
四つ這いへの座位……136
上肢の支持なし座位(2)……138
第8章 立位の小検査……140
介助立位(1)……142
介助立位(2)……144
介助立位(3)……146
支持あるつかまり立ち……148
つかまり立ち……150
体軸回旋のあるつかまり立ち……152
体軸回旋のない伝い歩き……154
半膝立ち……156
立位からしゃがむ……158
体軸回旋のある伝い歩き……160
独立立位……162
初期歩行……164
しゃがんだ状態から立位へ……166
たか這いから立位へ……168
独歩……170
しゃがんで保持……172
第9章 AIMSの臨床用途……174
鑑別……175
評価……177
計画……178
結論……179
第10章 AIMSの心理測定特性……181
対象とデザイン……182
AIMSの尺度特性……183
評点システム……185
信頼性……186
併存的妥当性……189
結論……190
第11章 アルバータ乳幼児運動発達検査法の集団基準……192
標準サンプル……193
素点と成績(パーセンタイル)……197
標準データ利用―妥当性研究……199
結論……201
補足……202
別表I パーセンタイルランク―AIMSスコア……202
別表II 月齢グループによるパーセンタイル……203
別表III 標準データ……204
別表IV パーセンタイルランク……204
付録スコアシート……205
アルバータ乳幼児運動発達検査法記録表……205
パーセンタイルランク―AIMSスコア……210
索引……211