やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

監訳者の序文
 冒頭から私ごとで恐縮であるが,整形外科疾患のリハビリテーションにかかわる機会が比較的多かったので,臨床に役立つ知識・情報を少しでも得ようと,この分野の海外のテキストや文献にも極力触れるようにしてきた.しかし,そのような私が,翻訳という形で1冊の整形外科的理学療法のテキストを紹介する機会に恵まれるなどとは夢にも思っていなかった.いま,分厚い翻訳原稿を前に,力を貸してくれた仲間たちのことや費やした日々を振り返ると感慨深いものがある.しかし同時に,どのような仕事の結果もそうであるように,それが自分の手から離れ,“独り立ち”していくのを見送ることにどこか不安な気持ちがあるのも否定できない.
 “整形外科的理学療法-基礎と実践-“は,その原著名である“Fundamental Orthopedic Management for the Physical Therapist Assistant second edition”から明確に分かるように,米国のphysical therapist assistant(PTA)という職種の学生,指導者および臨床家のために執著されたテキストである.本書の具体的な内容については,原著者のGary A.Shankmanによる本書の第1版および第2版の緒言に詳細かつ的確に述べられているので,翻訳に携った者の立場からは,まずPTAについて若干説明をし,次に,なぜ本書を本邦の理学療法士(PT)に紹介したいと考えたのかについて述べたいと思う.
 PTAについては,現在,手元に十分な情報があるわけではなく,インターネットなどから得た職業に関する簡素な資料に頼るしかない.それらによれば,PTAは,PTを助け,患者の可動性の改善,痛みの軽減,身体的機能障害の改善や予防を目的とした治療を提供する.その治療はPTの管理指導の下で実施され,松葉杖など自助具の使用法やエクササイズの指導,さまざまな物理療法の施行などである.PTAがライセンス化している州では,臨床的な仕事やある程度の検査・評価を施行することもできる.PTAはPTのいわば補佐役として位置づけられているようである.以上からは,本邦でいえば,臨床経験年数がまだ浅く,上司や先輩の指導の下で仕事をしているPTがイメージできる.
 さらに付け加えると,PTAになるためには,米国の多くの州では,法律的に,少なくとも短大卒業以上の学歴を取得する必要がある.米国理学療法協会が公認した所定のプログラムをおよそ2年間で終了すると最終的に短大卒の資格を得る.プログラムの内容は,学科と実習に分かれており,卒業後の職場は,本書で対象としている整形外科の分野に限らず,さまざまなクリニック,病院,施設であるという.卒後教育を受けるPTAも多く,それを義務づけている州もある.そういえば,私が数年前,米国のある運動療法の講習会に参加した際,受講者にはPTもPTAも含まれており,「私はPTAだ」と堂々と自己紹介している場面が非常に印象的であった.さらに検索を進めれば,もっと詳細な情報を得ることも可能かもしれないが,以上がPTAの大雑把な紹介である.
 さて,本書を翻訳した当面の目的はPTAという職種を紹介することではない.たまたま本書の存在を知ったときに,本邦のPTの臨床現場に有益な情報をもたらす特長を備えていると確信したからである.その主な理由を以下に述べる.
 (1)本書には,第2章を中心として,臨床現場で留意すべき観察事項の解説とともに,筋骨格系障害のリハビリテーションにおけるPTAの役割,PTAとPTのあるべき連携について詳細に記載されている.その内容からは,われわれ現場の臨床家に必要と思われることが随所に見いだされる.とくに,現場で患者指導や観察を続けながら,治療的介入の際に,続行,修正,中止の判断をPTに相談しながら決定していくことが強調されており,2章以降にもしばしば繰り返されている.原著者がPTとPTAとの連携について述べている内容は,われわれの現場の指導的PT(上司,先輩など)と若手PT(あるいは部下)に置き換えたり,処方を出した医師とPTに置き換えたりしても違和感がない.また,一部の病院やクリニックで活躍しているトレーナーという職種との連携にも該当するかもしれない.原著者の意図の拡大解釈かもしれないが,われわれにとって本書においても本章の内容は大きな意味をもつと思う.
 (2)第II部の内容は,細胞学や分子生物学の専門家にとっては初歩的知識だろうが,(私も含めて)多くの読者にとっては手ごわいが新鮮ではないかと思う.本邦の運動療法のテキストには,ここまで詳細に外傷の治癒過程に立ち入った記載を見かけることは少ない.第II部に目を通すにつれて,「こういった知識が不十分なまま臨床をしてきた」という悔恨の念とともに,「こういった知識を現場に生かすことが専門職として大切なのではないか」と強く感じた.この気持ちは今回の翻訳企画の原動力であり続けた.本書の根幹部分は,確かに第VI部(第18〜24章)であると思うし,本書を手にした臨床家や学生の多くがまず参照するに違いない.しかし,原著者も第2版の緒言で,筋骨格系組織の治癒の性質についての理解の重要性について述べているが,臨床現場で真の意味で応用が利くようになるためには,まさにこういった知識・理解が必要なのだと思う.第VI部を読めばわかるが,常に基礎として第II部の内容が意識されている.
 (3)本書に設けられたユニークな章である第14章(薬理学)および第17章(生体力学)は,(私も含めて)文系出身のPTにとって,理学療法の臨床との関連性という観点から学び直す絶好の機会を与えてくれるものと思う.翻訳陣に物理系および化学系出身者がいたことはラッキーであった.
 以上のような理由で,本書の各章に目を通すにつれて本書を翻訳・紹介したいという思いは強くなり,幸い医歯薬出版社の理解と協力を得て2006年の秋から翻訳がスタートする運びとなった.本書の翻訳陣は,大半が当院PTスタッフもしくは近隣病院のPTである.臨床経験3〜10年前後のメンバーであり,日々,目の前の患者さんと向き合う一方で,英文とパソコンにも立ち向かうのはたいへんであったと思う.また,勉強会・講習会等でともに学んだというこちらの勝手な理由からではあったが,翻訳を快く引き受けてくれた九州の両氏にも感謝する.非力ながら監訳を担当したが,手際の悪い校正によって医歯薬出版の方々には多大なご苦労をおかけしたに違いない.それにもかかわらず,迅速な対応や粘り強く原稿を待ってもらったことに,この場を借りして感謝の意を表す.
 本書は米国のPTA教育を目的としたものだが,その内容のほとんどはPTが理解・習得しておく必要のある知識である.しかし,本書は,原著者自身も述べているように包括的なテキストではなく,運動学,解剖学,検査・治療テクニックなどについてはそれぞれの専門書で補強する必要があるだろう.また,本書のなかには,若干説明不足の箇所や訂正が必要と思われる記載がなかったわけではない.そのような部分には,翻訳者や監訳者が可能な範囲で訳注を付けた.冒頭部分で,本書の“独り立ち”に触れたが,実際には到底,独立できるものではないと思う.読者のご指導,ご意見を受けてより良いものに育てていきたいと考えている.本書が,PTを初め整形外科的理学療法にかかわるすべての方々にとって,そして患者さんにとってなんらかの役に立てば監訳者としてこのうえない喜びである.
 2008年8月
 監訳者 鈴木 勝

第1版への序文
 かつては,整形外科疾患患者の(リハビリテーションの)マネジメントに関する職務や活動は,理学療法士(PT)の視野の範囲内で単独に行われてきた.physical therapist assistant(PTA)は,患者に機能的状態を評価する過程にはほとんど貢献していなかったし,ほとんど修正の余地なく常にPTの方針に従うことが期待されていた.伝統的に,PTが患者治療のほとんどに責任をもつとされ,PTAに対してはほんのわずかな課題が委任されていたにすぎない.かつて,PTAは患者の適切な整形外科的マネジメントのための過程にまったく興味をもつ必要がなかった.そのような問題は,PTが独断的に処理していたからである.しかしながら,現在PTAに対して要求されているのは,(従来とは)異なった業務遂行様式であり,期待の状況も変化している.
 整形外科的マネジメントの最新の体制は,伝統的なシステムからより新しい管理されたケアシステムに進化してきた.PTは,いまも患者治療をまとめる責任をもっているが,できるだけ多くの臨床的マネジメントの任務をPTAに委任している.整形外科的マネジメントに対して現代の実社会が期待するのは,“評価と代理”というPTとPTAの実践によるモデルである.たしかに,この新しいモデルはPTAの目指す実践の領域を拡大したが,整形外科的障害をもった患者のマネジメントにおいて,さらに多くの臨床的責任が(PTAに)要求されている.そのような新たな責任には知識が必要であり,それが本書の目的である.
 Fundamental Orthopedic Management for the Physical Therapist Assistantは,この新しい“評価と代理”という臨床的理学療法ケアのモデルにおいて,PTAに期待される整形外科的知識を統合した最初のテキストである.著者であるPTAのGray A.Shankmanは,整形外科的マネジメントの領域の豊富な経験と権限をもち,本書では明確かつ包括的に重要な知識を提示している.PTAはたしかに現代の整形外科的健康ケアにおける臨床的役割を期待されており,(もし限度を超えない範囲で)そのような状況に遭遇したならば,本書に記載された知識は統率力をもった有用なものとなるだろう.
 Kent E.Timm,PhD,PT,SCS,OCS,ATC,FACSM
 St Luke's Healthcare Association
 Saginaw,Michigan

第2版への序文
 Fundamental Orthopedic Management for the Physical Therapist Assistantの第2版は,physical therapist assistant(PTA)のために卓越した1つの基準を確立した.(著者の)Gray A.Shankmanは,教育と執筆への情熱をもち,PTAが整形外科的問題に対してうまく治療するために必要な知識について理解している.本書は,学生が整形外科的知識や技術を確立したり,臨床を実践するPTAが知識や技術を拡大したりするための礎(いしずえ)となるものである.付録だけでも,クリニックにおいて基礎事項として日常的に用いる豊富な情報源を含んでいる.
 このテキストの第1版と第2版の出版の間に,理学療法の専門性についてちょっとした変動があった.この変動は,米国理学療法協会(American Physical Therapy Association:APTA)の正式文書である“理学療法士のための実践ガイド(Guide to Physical Therapist Practice)“のなかに見いだされた.われわれ専門家の多くは,このガイドの影響をあまり高く評価してこなかったが,Gray Shankmanはこの“理学療法士のための実践ガイド”を第2版のなかに組み込んだのだ.彼は,PTAに対する実践の範囲内で,検査(examination)と評価(evaluationおよびassessment)の一般的な要素を明確にする場合に,PTAを支援するために努めてこのガイドを使用している.PTAが,身体評価に対する方法にこのガイドの用語を応用することについて,Gray Shankmanは,理学療法の治療を成功させるためには,理学療法士とPTAは同じ用語を用いて会話をすることが不可欠であることを認めている.
 整形外科的薬理学が含まれたので本書はさらに有用になった.基本的な薬理学の考え方を理解することは,安全で効果的な理学療法介入を提供するために重要である.物理療法,結合組織,神経血管系の治癒および生体力学に関する章も追加され,Gray Shankmanは,すべてのクリニックの参考書の棚に置くべき明瞭簡潔なテキストを執筆してくれた.
 Lola Sicard Rosenbaum.PT,MHS,OCS
 Cantrell Center for Physical Therapy and Sports Medicine
 Warner Robins,Georgia

第1版 緒言
 理学療法の分野では“整形外科が大きな専門領域を占めてきており”1,physical therapist assistant(PTA)は,筋骨格系障害患者の治療に対して重要な役割を担うことが求められてきている.整形外科の基本概念や適用される原則を知ることがPTAには不可欠であり,そのためには,リハビリテーションチームによる責任あるかつ適切な患者へのケアマネジメントと矛盾がないように項目をチェックするための情報源が必要である.これまでPTAの学生や臨床現場で働くPTAのための専門的なテキストはほとんどなかった.しかし,本書は,PTAの教育において長期にわたり欠如していたものを埋めてくれるものであり,主要な情報源となり,補足的な入門書となり,また価値のある参考書となることであろう.
 理学療法士(PT)やPTAの教育において用いられる現在の一般的な整形外科の教科書は,総括的で,客観的評価の手順,診断の特異性,損傷の病態生理学,解剖学,バイオメカニクスに関係した治療計画の立案に焦点が当てられている.本書では一貫して,基本的な科学的原則よりむしろ,1PTAが行う内容や範囲に関係する理学療法の臨床的応用やケアに主眼をおいている1,2,4,5.
 加えて本書では,患者が共通して経験する一般的な病態には(患者によって)相違があるということを,学生や臨床家に示そうと努めている.正確かつ個別的な治療計画を立案するために用いられる初期評価や再評価の手順同様,軟部組織や骨における治癒の時間的制約,障害の重症度,骨などの固定法の相互関係を常に明確にしようとしている.そうすると,理学療法を進めていくうえで必然的に伴ってくるのは,組織の治癒メカニズムと患者個人の許容性(または非許容性)を考慮したうえで,個々の基準依拠型リハビリテーションプログラム(criterion-based rehabilitation programs)を導入することである6.明確に規定された治療プロトコルを特異的に提示するだけでは,それぞれの患者のケアを適切に立案する際に,PTが考慮する多様で複雑な変化はPTAには理解しにくい.そのようなわけで,本書では特異的なプロトコルは省略している.同じ損傷や疾患をどのようにマネジメントしていくかについては意見が対立しているが,プロトコルそのものよりも,特異的なプロトコルの目的を明示することこそが必要である.
 リハビリテーション部門または外来クリニックに精通した人たちは,同じ病態にもかかわらず多種多様なプロトコルがあることを知っており,それらは医師やPTのトレーニングや実践的経験が反映されたものである.これらの意見の相違を最小限にするために私が焦点を当てることにしたのは,多くの複雑な要素によって筋骨格系の障害・手術または疾患に続く患者のケアが決定される,という事実をPTAが理解する手助けをすることである.PTAにとって最も重要なことは,治療に対する各患者固有の反応に最初に気づき,PTと相談した後,理学療法計画の治療手順の修正,追加,または中止をする能力をもつことである.
 これを達成するために,本書では,すべての患者のケアに対して,チームワークの概念をもって読者に積極的に関わってもらうよう努めている.チームワークは,しばしば乱用される用語であり,十分に適用されている概念とはいえないが,患者ケアに好結果をもたらすためには必要不可欠である.各章において,患者ケアに関わるすべてのチームメンバーの相互連携を強調するために,PTA,PT,患者,その他の関係者間の,迅速で開かれた,正確で目的に適ったコミュニケーションの必要性が明示されている.すべてを鑑みて,PTAは,効果的で責任ある患者の管理,筋骨格系組織の治癒に影響するメカニズムの理解,他のリハビリテーションメンバーとのコミュニケーションといった要素すべてが,個々の治療計画を立案するのに重要な役割を担っていることに気づいてほしい.治療を進めていくうえでの原理原則の確認や臨床的な分析に存分に活用できるよう,指導者,学生,そして臨床家に本書を捧げる.
 本書は18章から構成されており,各章は,より複雑で実践的応用を含むように構成されている.第1章“治療における患者管理と観察”では,PTAが実践する範囲に欠かせない概念を紹介している.患者のケアには責任分担があり,PTAはその責任を積極的に担わなければならない.第2〜5章では,柔軟性,筋力,持久性,バランスと協調といった基本概念の説明と,整形外科分野の理学療法にこれらの基本的な科学的原理がどのように適用されているのかの特異的な関係について述べている.
 治癒に影響する諸々の事象や因子の重大さ,および最終的に理学療法の流れについて正しく認識することは,PTAにとって臨床的に重要なため,第6〜9章までは筋骨格組織の損傷と修復に関する概念を紹介している.動き,筋力および機能の回復に対して,外傷,疾患,手術,固定がどのように関係しているかが一貫して強調されている.第11章は四肢のモビライゼーションの基礎について概説している.適切に特異的な関節モビライゼーションテクニックを用いると,疼痛の軽減や関節運動の増加に極めて効果的であり,臨床的な実践場面において,PTがPTAに依頼して,患者の調整や四肢の関節のテクニックを選択的に実施させる可能性もある.臨床指導者や学生,実際の現場に立つ臨床家は,治療の特異的なゴールを確実にするために,本章に述べてある基本原理を効果的に利用するとよい.
 本書の根幹ともいえる部分が第12〜18章である.これらの章では,足部と足関節,膝関節,股関節,脊柱と骨盤,肩関節,肘関節および手関節と手について順番に述べている.各章では,読者に,各部位の一般的な軟部組織損傷や骨折・疾患を紹介している.特異的な外傷の手術例は含まれているが,それらは,疼痛や腫脹の軽減,動作や筋力の増大,バランスや固有受容器の強化,さらに最終的な目標である機能の再獲得のために用いられるリハビリテーション治療の選択肢として捉えられている.
 本書で述べていることについて議論するのは重要であるが,ここで述べていないことを明確にすることも同じくらい重要である.本書では,PTAに適当と思われる範囲の筋骨格系の問題に関係した必須かつ実践的な情報を載せているが,解剖,生理,運動学を十分に網羅しているとはいえないし,また筋骨格系障害のすべてを包括的にまとめているわけでもない.したがって学生や臨床家は,本書全体を勉強する前に,これらの重要な内容を徹底的に学び復習することが不可欠である1-5.すでにこれらを獲得しており(または獲得しつつある),これらの基礎的な領域に精通している人々は,本書で述べられた基本的な整形外科的身体原則の応用に関する着眼点は,さらなる情報や気づき,知識の探求というものに対しての敬意を伴っていることを発見するだろう.本書は実践的なPTAの経験,教育および臨床的見地を用いてPTAのために書かれた唯一のテキストであり,PTAの教育課程でよい教科書が見つからないという問題を解決する本であると指導者や読者が判断してくれることを切に願う.
 Gary A.Shankman
 推薦図書

第2版 緒言
 Fundamental Orthopedic Management for the Physical Therapist Assistantの第2版は(全編が)18章から24章に拡大された.
 第I部では,2つの新しい重要な章が追加されており,それらは効率的かつ効果的な理学療法介入の鍵となる要素である.追加された最初の章である“身体評価におけるphysical therapist assistantの役割“には,“理学療法士のための実践ガイド”に一致する用語が組み込まれている.この章には,physical therapist assistant(PTA)の実践の範囲内で,検査(examination)および評価(evaluationとassessment)の一般的な要素を明確にしようとしている.
 さらにこの章では,身体評価に対するシステムレビューとシステムアプローチの実践的パターンと技術を提供する.データ収集,記録,ケア計画に修正における鍵となる要素が提示される.他のテキストでも身体的検査や評価に関する概念が述べられたり示唆されたりしているかもしれないが,一般的に,これらにはPTAの臨床実践や期待に応えるような中心的テーマ,すなわち重要かつ実践的かつ合目的的な情報が欠けている.
 第I部に追加されたもう1つの新しい章は,“一般的な筋骨格系障害の治療に用いられる物理療法”である.さまざまな物理療法の治療的応用は,PTAのあらゆる臨床的場面における核となる知識の1つである.基本的な温熱療法や電気治療に関与する生理学や物理学,それぞれの学問の理論とエビデンスに沿ったものである.さまざまな筋骨格系障害を治療する際に適切な物理療法を選択することは,それらの反応の特徴や臨床的適応に従う必要があるが,基礎科学と臨床利用のギャップに橋渡しをするという意義も加えて,この章の鍵となる特徴である.
 第I部のなかには,柔軟性,筋力,持久力,バランスと協調性に関する章も残されている.しかしながら,第1版に対する意見に応えて,若者の筋力トレーニングの項目が追加され,その小区分として,生理学的適応,損傷のリスク,および関連のある臨床的応用が含まれた.
 第II部には,“結合組織の構成と機能”と題する新しい章が追加された.ここでは,外傷に対する一般的な細胞の反応が提示されている.細胞の構造,修復および再生について紹介するだけではなく,細胞のシグナル分子,サイトカインや成長因子,およびそれらの炎症,凝固,線維増殖,再造形および組織の成熟へのかかわりについても紹介する.
 第II部のもう1つの新しい章は,“神経血管系の治癒と血栓塞栓症”である.骨と軟部組織の間のきわめて複雑で精巧な相互関係は,神経血管系の解剖,末梢神経組織への血液供給,神経の機械的性質,血管組織の構造と組成,血栓塞栓性疾患の徴候,症状および病態生理学などに関する議論がなくては理解できないであろう.
 靱帯の治癒,骨の治癒,軟骨の治癒および筋と腱の治癒に関する章には,アップデートされた重要で意義のある内容が盛り込まれた.第II部は,あらゆる学生,教育者および実践的臨床家にとってきわめて重要であると私は信じている.そのために,骨と軟骨組織の損傷と修復の基礎科学を統一して,基準依拠型リハビリテーションプログラムに沿うことと,治癒の時間的制約に沿った特異的治療介入の適用とを結合するように努めた.“プロトコル”の技術面の伝達に焦点を当てたテキストもあるが,私は筋骨格系組織の治癒の性質を理解することが,理学療法サービスの伝達を最も強化すると確信している.そのためには,外傷,修復,治癒およびリハビリテーションの間の入り組んだ複雑な関係に対して幅広い意識をもつことが必要である.
 たぶん伝統的なテキストからは外れているが,新しい章として(短く大雑把ではあるが)重要な薬理学を紹介する章を追加した.この“整形外科領域での薬理学のコンセプト”の章では,学生や臨床家のために薬物動態,抗生物質,感染,整形外科的インプラントへのバクテリアの付着,コルチコステロイドおよび非ステロイド性抗炎症薬などに対する一般的な用語や考え方が紹介されている.
 この章のなかで議論されている2つのトピックスは感染と抗炎症薬に関することである.整形外科的感染や炎症状態に対して使用されるさまざまな薬剤について,臨床的に重要視し意識を高めることは,どんなに強調してもしすぎることはない.私は,学生,教育者および臨床現場のPTAが,治療薬が整形外科領域で担う役割について焦点を見失わないようにすることが大切であると感じている.急性痛や慢性痛のマネジメントおよび感染コントロールの出発点は,適切で賢明な薬の使い方に基づいたものでなければならない.
 痛みと炎症のコントロールのための物理療法に関する物理学や生理学を理解するのと同様に,(薬についても)用語や定義を正しく理解し,整形外科的感染や炎症に対する薬に関するさまざまな初歩的な考え方に触れることも重要である.この章は,整形外科的薬剤の包括的レビューを目的として企画されたわけではなく,どのように薬が処方されるのか,どのように異なった抗感染薬が特異的な器官に対してその作用を発揮するのか,どのように有機体はインプラントに接着するのか,そして,どのように,なぜ,痛みや炎症をコントロールするためにステロイドは非ステロイド性抗炎症薬と対比して使用されるのか,といった問題に対する意識を高めることを意図している.ここで再度強調するが,こういった情報を提示するのは,学生の意識を高めるだけではなく,もっと重要なのは,学生が基礎科学を応用してさまざまな理学療法的介入を提供できるようになるためである.
 新しい章である,“運動の生体力学的基礎“は,学生が整形外科の基礎科学の複雑さを知ることを十分に強調するために追加された.この章は,学生,教育者および臨床家のために人間の運動の基本的原則を提供している.章の初めにも述べてあるが,それ以前の基礎科学に関連する章の後に,生体力学(の章)が組まれている.それによって,(このテキストの根幹である)さまざまな整形外科的な問題に対する治療的介入への応用に関する各章(訳注:本書の第VI部[第18〜24章]を示す)の“お膳立て”をしている.
 この第2版の各章には,多肢選択問題,短答式問題,正誤問題,記述式問題が含まれ,さらに,臨床的応用問題において,ケーススタディの作成に発展させたり,ロールプレイ活動を取り入れたり,本書の根幹である治療的介入を適用させたりする.
 復習問題を作成する際に用いた企画方法は,それ自体が,探索,自立思考を導くと同時に,臨床的応用問題を通じて学生同士の協力による相互作用が育成され,基本原則の包括化が推進される.
 付録は,一般的な薬剤のリスト,臨床検査で用いられることの多い参考値の範囲,手がかりとしての臨床検査数値,エクササイズ科学の測定装置と用語および一般的な骨折の名称を追加している.
 本書は,Evolveウェブサイトを追加利用するとさらに補強される.そのなかには,ヒトの遺体を用いたユニークな断面像のスライドや本書に掲載された参考図の電子画像が集められている.さらに,指導者や学生が見つけることができる理学療法関連の一般的なウェブサイトには非常に役に立つものが多いだろう.Evolveウェブサイトは,定期的にアップデートされているツールであり,指導者,学生および臨床家にとって,本書の重要な付録として提供されている.最新の整形外科的科学の情報,ケーススタディおよび治療的応用法についても少しずつ追加されている.
 本書は,整形外科医学に関連するあらゆる学問の複雑な関係について,学生がもっと正しく認識できるようになるために役立つだろう.この第2版は包括的なテキストではないことは確かであるが,学生や臨床家の整形外科的理学療法に対する理解の視野を広げ,強く支援するに違いないと確信している.
 Gary A.Shankman
 訳者一覧
 監訳者の序文(鈴木 勝)
 執筆者
 第1版への序文(Kent E.Timm)
 第2版への序文(Lola Sicard Rosenbaum)
 第1版緒言(Gary A.Shankman)
 第2版緒言(Gary A.Shankman)
 謝辞(Gary A.Shankman)
第I部 整形外科的マネジメントの基本的考え方
 第1章 治療における患者管理と観察
  治療中の患者管理
   患者管理の構成要素
   リハビリテーションチームによる患者管理
   基本的な患者管理技術
  治療中の修正
  セラピスト特有な考え方の理解
   補足
   復習問題
 第2章 身体評価におけるphysical therapist assistantの役割
  米国理学療法協会のガイド文書
   理学療法士のための実践ガイド
   臨床実践の手段
   PTA教育の標準的モデル
  炎症
   炎症とは何か?
  炎症に対する一般的な禁忌と注意事項
   急性と慢性
  発熱
   熱と感染の抑制
   熱と運動
   熱とリンパ節
  発赤と皮膚色の変化
  浮腫
  痛み
   “赤旗”疼痛症候群
   間欠的跛行
   関連痛
   内臓痛
   トリガーポイント
   痛み:最終的に注意すべきこと
  バイタルサイン
   脈拍(心拍数)
   呼吸
   血圧
   パルスオキシメトリー
   バイタルサインと運動
  疲労
  筋骨格系構造体の評価
   エンドフィール
   収縮性組織
   筋力検査
   ストレッチングと触診
   柔軟性
   使いすぎ(オーバーユース)
  骨
  関節と靱帯
   副運動
   離開と圧迫
   靱帯の正常
   歩行
   バランス
  記録
  結論
   復習問題
 第3章 一般的な筋骨格系障害の治療に用いられる物理療法
  温熱療法
   ホットパック
   パラフィン
   超音波
   ジアテルミー
   寒冷療法
   交代浴
   電気刺激
   イオントフォレーシス
  記録
  結論
   補足
   復習問題
 第4章 柔軟性
  柔軟性
  結合組織の特性
  実践的応用
   スタティックストレッチング
   バリスティックストレッチング
   固有受容性神経筋促通法
  軟部組織の拘縮に対するストレッチング
  柔軟性の測定
   補足
   復習問題
 第5章 筋力
  一般的な筋生物学
  筋線維の種類
  筋収縮の種類
  筋力と仕事率の定義
  筋力測定
  筋収縮の比較
  エクササイズに対する筋の反応
  遅発性筋痛
  筋の収縮速度
  臨床に関連したエクササイズプログラム
   プライオメトリック
  閉鎖性運動連鎖エクササイズ
  筋力トレーニングプログラムのピリオダイゼーション
  高齢者の筋力トレーニング
  若者の筋力トレーニング
   生理学的適応
   損傷のリスク
   関連のある臨床的応用
  筋力トレーニングに使用される治療エクササイズ用品
   補足
   復習問題
 第6章 持久力
  有酸素運動に伴う生理学的適応性変化
  有酸素運動の評価と処方
  有酸素トレーニングの方法論
  有酸素運動を実施するうえでの整形外科疾患における注意点
  筋疲労と筋持久力
  持久力トレーニングと筋力トレーニングの併用
   補足
   復習問題
 第7章 バランスと協調性
  整形外科疾患のリハビリテーション
  バランスと協調性の定義
   機械的受容器機構
   バランスと協調性テスト
   整形外科疾患に対する機能的バランストレーニング
   整形外科疾患に対する特異的なバランストレーニング方法
   上肢のための固有受容器トレーニング
   補足
   復習問題
第II部 組織の治癒に関する総括
 第8章 結合組織の構成と機能
  組織治癒に関するレビュー
   凝固
   炎症
   線維増殖
   再造形と組織の成熟
  外傷の修復に関与する一般的な細胞
   細胞構造
   プロテオグリカンと糖蛋白
  炎症と修復の役割を担う細胞
   多形核白血球
   単核食細胞
   線維芽細胞
   プロテオグリカン,トロンボキナーゼおよびロイコトリエン
   サイトカイン
  一般的な細胞損傷と修復
  一般的な修復・再生過程
   補足
   復習問題
 第9章 靱帯の治癒
  靱帯の解剖学
  機械的性質
  損傷と修復
   非観血的修復と観血的修復
   修復か非修復か
   固定(不動化)の影響
   エクササイズ
  可動性再獲得とエクササイズの効果
   持続的他動運動
   実践的考察
   補足
   復習問題
 第10章 骨の治癒
  構造と機能
  骨の細胞
  骨のタイプ
  肉眼的な骨構造
  骨構造
  骨の再造形
  骨の血管供給
  骨折の分類
   骨粗鬆症
  骨治癒の要素
  骨の損傷と修復
  骨折修復の段階
  骨癒合の過程
  骨組織に対する固定の影響
  合併症
  骨折の固定:その生物学と生体力学
  外固定と骨折の修復
  骨固定器具
  骨治癒に影響する因子
  骨修復の活性化
  骨治癒期間中のリハビリテーション技術の臨床的適応
   補足
   復習問題
 第11章 軟骨の治癒
  関節軟骨
   構成
   機能
   固定と治癒に対する反応
   外傷
   治癒と修復
   軟骨修復を促進する技術と臨床応用
   関節軟骨病変に対する他のマネジメント
   グリコサミン,コンドロイチン硫酸塩の口腔投与
  半月板(線維弾性軟骨)
   構成
   機能
   損傷
   治癒
   半月板損傷後のリハビリテーション技術の臨床的応用
   補足
   復習問題
 第12章 筋と腱の治癒
  筋
   定義
   損傷と治癒
   抵抗運動に対する筋の適応
   抵抗運動に対する神経の適応
   固定の影響
   回復中および固定の骨格筋に対するリハビリテーション技術の臨床応用
  腱
   解剖
   損傷に対する反応
   運動と固定の影響
   腱の治癒中におけるリハビリテーション技術の臨床応用
   補足
   復習問題
 第13章 神経血管系の治癒と血栓塞栓症
  末梢神経損傷
   血管供給
   神経の機械的性質
   神経損傷の原因と分類
   圧迫性および牽引性神経障害
   末梢神経の修復方法
   末梢神経損傷後の回復
   末梢神経の機能的回復の評価
  血管損傷
   構造と組成
   損傷に対する血管の反応
   損傷のメカニズム
   血管損傷の徴候と症状
   診断的研究
   血管修復の方法
  血栓塞栓症
   血栓塞栓症の病態生理学
   フィルヒョー(Virchow)の3徴候
   危険因子
   深部静脈血栓症の徴候と症状
   診断的研究
   肺閉塞
   血栓塞栓症の薬物療法
   補足
   復習問題
第III部 整形外科領域の一般的薬剤
 第14章 整形外科領域での薬理学のコンセプト
  薬理学:定義
  薬剤の分類
  抗生物質
   ペニシリン系抗生物質
   セファロスポリン系抗生物質
   アミノ配糖体系抗生物質
   テトラサイクリン系抗生物質
   マクロライドとリンコサミド系抗生物質
   ニューキノロン系抗菌薬(フルオロキノロン)
   その他の抗生物質
  整形外科領域での感染
   手術前の予防
   骨折
   整形外科的インプラントに対する細菌感染
   重度の開放性骨折
   人工関節全置換術での感染
  コルチコステロイド(コルチコイド)
   関節内と関節周囲へのコルチコステロイド注射
  非ステロイド性抗炎症薬
   非ステロイド性抗炎症薬の副作用
  選択的阻害:シクロオキシゲナーゼ(COX-1とCOX-2)
  炎症
  慢性の炎症反応
   補足
   復習問題
第IV部 歩行と関節モビライゼーション
 第15章 歩行の基本
  基本的な歩行用語,定義,概念
   追加要素
  2つの歩行相
  歩行の偏位
  歩行パターンの教育
  荷重
  補助具を用いた段差昇降
  補助具の選択
   補足
   復習問題
 第16章 関節モビライゼーションの 考え方
  モビライゼーションの基本的概念
  凹凸の法則
  モビライゼーションのグレード
  関節のエンドフィール
  関節包パターンと非関節包パターン
  モビライゼーションの適応と禁忌
  関節モビライゼーションの臨床的適用
   補足
   復習問題
第V部 運動の生体力学的基礎
 第17章 運動の生体力学的基礎
  関連用語
  生体力学の概念
  運動学
  動力学
   力
   てこ
   ニュートンの運動の法則
   力のタイプ
  機械的負荷
  エネルギー
  平衡
   補足
   復習問題
第VI部 整形外科疾患のマネジメント
 第18章 足関節,足部,趾の マネジメント
  足関節の靱帯損傷
   外側靱帯損傷(足関節内反捻挫)
   臨床評価
   三角靱帯捻挫(内側靱帯)
  陳旧性足関節靱帯不安定性
   機械的不安定性
   機能的不安定性
  腓骨筋腱亜脱臼
   治療
   リハビリテーション
  アキレス腱炎
   リハビリテーション
  アキレス腱断裂
   治療とリハビリテーション
  コンパートメント症候群
   治療とリハビリテーション
  足関節の骨折
  脛骨下端圧迫骨折(ピロン骨折)
  踵骨骨折
  距骨骨折
  足部と足関節の疲労骨折
  脛骨内側ストレス症候群
  足底筋膜炎(踵骨棘症候群)
   治療
  アーチの変形(扁平足と凹足)
  モートン神経腫(足底趾間神経腫)
   治療
  外反母趾
  趾の変形(ハンマー趾,マレット趾,鉤爪趾)
   治療とリハビリテーション
  足関節,足部,趾の一般的なモビライゼーションテクニック
   足関節モビライゼーション
   中足間関節モビライゼーション
   中足趾節関節モビライゼーション
   補足
   復習問題
 第19章 膝関節のマネジメント
  靱帯損傷
   膝前十字靱帯損傷
   膝後十字靱帯損傷
   MCL損傷
  半月板損傷
   損傷のメカニズム
   臨床的検査
   マネジメント
   半月板部分切除術後のリハビリテーション
   半月板修復(縫合)術後のリハビリテーション
  膝蓋大腿関節の病的状態
   外側膝蓋骨圧迫と膝蓋骨軌道異常
  骨折
   膝蓋骨骨折
   大腿骨顆上骨折
   近位脛骨骨折(脛骨高原骨折)
  膝関節再建
   膝関節置換術
  高位脛骨骨切り術
  膝の一般的なモビライゼーションテクニック
   膝蓋大腿関節のモビライゼーション
   脛骨大腿関節のモビライゼーション
   補足
   復習問題
 第20章 股関節と骨盤のマネジメント
  股関節の骨折
   股関節骨折後のリハビリテーション
  大腿骨近位骨切り術
   大腿骨大転子部近位骨切り術後のリハビリテーション
  股関節の半関節形成術
  人工的な股関節部品の固定
  人工股関節全置換術
   THR後のリハビリテーション
  ペルテス病
  股関節の軟部組織損傷(滑液包炎,筋挫傷,挫傷)
  骨盤と寛骨臼の骨折
  股関節の一般的なモビライゼーションテクニック
   長軸方向への牽引
   股関節の側方への牽引
   前方や後方へのモビライゼーション
   股関節の下方滑り
   補足
   復習問題
 第21章 腰椎,胸椎,頸椎のマネジメント
  腰椎
   基礎力学
   リフティング動作の基礎力学
   背筋力の定量化
   筋損傷
   靱帯損傷
   腰椎椎間板障害
   腰椎椎間板ヘルニアの侵襲的治療
   脊柱管狭窄(症)
   脊椎分離症と脊椎すべり症
   腰椎骨折
   腰部機能障害の予防と教育:腰痛学校モデル
   人間工学と機能的能力評価
  胸椎
   胸部の筋損傷
   胸椎椎間板障害
   脊柱後彎(症)
   脊柱側彎(症)
  頸椎
   急性期の捻挫と損傷
   頸椎椎間板損傷
   頸椎症
   胸郭出口症候群
  腰椎,胸椎,頸椎のモビライゼーション
   補足
   復習問題
 第22章 肩関節のマネジメント
  肩峰下回旋腱板インピンジメント
   一次性または二次性の回旋腱板インピンジメントのリハビリテーション
   インピンジメントと回旋腱板損傷の外科的マネジメント
  肩甲上腕関節の不安定性と脱臼
   保存的マネジメント
   手術後の管理とリハビリテーション
  癒着性関節包炎
  肩鎖関節の捻挫と脱臼
  肩甲骨骨折
  鎖骨骨折
  上腕骨近位端骨折
   人工肩関節置換術
  肩関節のモビライゼーション
   肩甲胸郭関節のモビライゼーション
   肩甲上腕関節のモビライゼーション
   補足
   復習問題
 第23章 肘関節のマネジメント
  外側上顆炎
  内側上顆炎
  内側の過剰な外反ストレス
  上腕骨遠位端骨折(上腕骨顆上骨折)
  “T字型“または“Y字型”顆間骨折
  橈骨頭骨折
  肘頭骨折
   脱臼骨折
  肘関節のモビライゼーション
   補足
   復習問題
 第24章 手関節と手のマネジメント
  手根管症候群
  ドゥ・ケルヴァン病
  手関節靱帯損傷
  橈骨・尺骨遠位端骨折
   橈骨
   尺骨
  舟状骨骨折
  skier's thumb
  中手骨骨折
  デュピュイトラン拘縮
  マレット・フィンガー
  ボタン穴変形
  屈筋腱損傷
  反射性交感神経性ジストロフィー
  手関節と手指関節のモビライゼーション
   手関節のモビライゼーション
   手指関節のモビライゼーション
   補足
   復習問題

 復習問題の解答
  付録A 整形外科で一般的に使用される薬剤
  付録B 一般的検査の参考標準値
  付録C 手がかりとしての実験値
  付録D エクササイズやスポーツパフォーマンスの運動量記述のための測定値の単位と用語(IOC医療委員会の出版物諮問分科会)
  付録E 人名などを由来とする骨折の名称
  付録F 身体の主要な運動と運動が起きる関節に作用する筋群

 用語解説
 日本語索引
 外国語索引