序文
本書の母体となる『日本食品事典』が1968 年に刊行されてから半世紀近くが経ち,その後『新編 日本食品事典』の刊行を経て,2003 年の『日本食品大事典』刊行からもすでに14 年が経とうとしている.
この間,食を取り巻く環境も大きく変わり,とりわけわが国の人口構成比率の激変は,食にも少なからぬ影響を及ぼした.高齢化率は26.7%(2015 年国勢調査)に達し,有史以来の超高齢社会に突入している.『日本食品事典』発行時に近い1970 年の高齢化率(7.1%)と比べてみると,この間の移り変わりに改めて驚かされる.また,世帯構成も大きく変わり1 世帯当たりの人員は減少を続け,一人の食事“ 個食・孤食“ という言葉も生まれた.さらに,ファストフード,コンビニエンスストア,冷凍食品の出現・台頭・進化により,我々の食卓は大きく様変わりし,もはや“ 平均的な日本の食卓” という概念すら薄れつつある.
その一方で,年を追うごとに日本の食文化が世界に広まり,2013 年には,「和食;日本の伝統的な食文化について」がユネスコ無形文化遺産に登録された.これを好機として,我々は今一度,わが国の食文化について考えてみる時期に来ているのではないだろうか.
今日,様々なメディアによって食に関する情報が溢れているが,身近な食品一つとっても,改めて「その食品とは?」と問われると,「確かなことは…?」ということが多いのではないだろうか.そのため本書では専門家や専門家を目指す学生は無論,一般の読者にとっても使いやすい事典になるよう,以下の点に配慮して編集した.
1. 前版にあたる『日本食品大事典』ではCD-ROMに収載していた写真を本文中に組み入れ,全ページカラーの見てもわかる事典とした.
2. 事典項目の配列は,従来の食品群別配列から五十音配列とし,より使いやすくした.また,巻末には食品群別索引をつけ,読者の便宜を図った.
3. 多くの新規食品項目を加え,さらに昨年末,文部科学省より公表された「日本食品標準成分表2015 年版(七訂)追補2016 年」の追加項目も収載している.
4. 項目中には「日本食品標準成分表2015 年版(七訂)」の食品番号を収載し,食品成分表の解説書としても活用できるものとした.
5. 電子書籍版を付属させることで,より身近に引ける事典とした.
本書が食に携わる専門家・学生・医療従事者・教育者の方々をはじめ,食に関心を持つ幅広い読者の方々に役立てていただければ,望外の幸いである.
終わりに,これまでの事典にご執筆・ご協力いただいた多くの先生方,貴重な写真データをご提供くださった方々,ならびに医歯薬出版編集部諸氏に厚く御礼を申し上げる.
平成29 年1 月
平 宏和
田島 眞
安井明美
本書の母体となる『日本食品事典』が1968 年に刊行されてから半世紀近くが経ち,その後『新編 日本食品事典』の刊行を経て,2003 年の『日本食品大事典』刊行からもすでに14 年が経とうとしている.
この間,食を取り巻く環境も大きく変わり,とりわけわが国の人口構成比率の激変は,食にも少なからぬ影響を及ぼした.高齢化率は26.7%(2015 年国勢調査)に達し,有史以来の超高齢社会に突入している.『日本食品事典』発行時に近い1970 年の高齢化率(7.1%)と比べてみると,この間の移り変わりに改めて驚かされる.また,世帯構成も大きく変わり1 世帯当たりの人員は減少を続け,一人の食事“ 個食・孤食“ という言葉も生まれた.さらに,ファストフード,コンビニエンスストア,冷凍食品の出現・台頭・進化により,我々の食卓は大きく様変わりし,もはや“ 平均的な日本の食卓” という概念すら薄れつつある.
その一方で,年を追うごとに日本の食文化が世界に広まり,2013 年には,「和食;日本の伝統的な食文化について」がユネスコ無形文化遺産に登録された.これを好機として,我々は今一度,わが国の食文化について考えてみる時期に来ているのではないだろうか.
今日,様々なメディアによって食に関する情報が溢れているが,身近な食品一つとっても,改めて「その食品とは?」と問われると,「確かなことは…?」ということが多いのではないだろうか.そのため本書では専門家や専門家を目指す学生は無論,一般の読者にとっても使いやすい事典になるよう,以下の点に配慮して編集した.
1. 前版にあたる『日本食品大事典』ではCD-ROMに収載していた写真を本文中に組み入れ,全ページカラーの見てもわかる事典とした.
2. 事典項目の配列は,従来の食品群別配列から五十音配列とし,より使いやすくした.また,巻末には食品群別索引をつけ,読者の便宜を図った.
3. 多くの新規食品項目を加え,さらに昨年末,文部科学省より公表された「日本食品標準成分表2015 年版(七訂)追補2016 年」の追加項目も収載している.
4. 項目中には「日本食品標準成分表2015 年版(七訂)」の食品番号を収載し,食品成分表の解説書としても活用できるものとした.
5. 電子書籍版を付属させることで,より身近に引ける事典とした.
本書が食に携わる専門家・学生・医療従事者・教育者の方々をはじめ,食に関心を持つ幅広い読者の方々に役立てていただければ,望外の幸いである.
終わりに,これまでの事典にご執筆・ご協力いただいた多くの先生方,貴重な写真データをご提供くださった方々,ならびに医歯薬出版編集部諸氏に厚く御礼を申し上げる.
平成29 年1 月
平 宏和
田島 眞
安井明美