はじめに
生活習慣病が国民の健康問題の大きな課題である現代,管理栄養士に求められる知識はますます高度化しています.
管理栄養士は医療,福祉,保健施設や学校,企業などにおいて,責任のある仕事を任されることが多いと思われます.施設内の人々の健康状態を把握し,異常があった場合にその原因をいち早く判断するために,人体に関する総合的な知識が要求されることでしょう.
また医療現場においては,管理栄養士が医師や看護師などとチームを組み,患者一人ひとりを中心とした治療に取り組む制度が普及してきています.この“チーム医療”の場で建設的な意見交換を行うためには,管理栄養士にも人体の構造と機能について基本的な知識を習得していることが必要とされるのです.
そこで2002年に改正された新ガイドラインの「人体の構造と機能および疾病の成り立ち」を「人体の構造と生理機能」,「疾病の成因・病態・診断・治療」,「栄養成分の構造と代謝」の3領域に分け,本書ではガイドラインの人体の構造と機能に関する全ての重要かつ基本的な知識を1冊にまとめています.
細かい工夫も数多くありますが,基本的には図を用いて解りやすく説明することを第一目的として作成しています.管理栄養士国家試験では本書の1〜3章からの出題が多いと予想されますので,この領域に特には重点をおいています.一方,従来の教科書で記述の少なかった解剖学領域に関しても,コ・メディカルとしての基本的な知識が身につくように努めました.
現代は多くの面で変化が激しく,新しい食品,サプリメントや薬品を目にする機会が増えつつあります.新しい物の価値や危険性を認識するためにも,人体の構造と機能についての知識を身につけた上で,生涯を通じて勉強を続けていく姿勢が大切であると感じます.本書は試験が終わった後も手元に置き,必要に応じて読み返したくなるような教科書であって欲しいと願っています.
最後に,本書は故佐藤昭夫教授が編集した「人体の構造と機能(医歯薬出版株式会社)」から多くの図および文章を引用させていただいております.ここに改めて,心からの感謝の意を表します.同書の著者である人間総合科学大学 佐藤優子教授と,人間総合科学大学 鈴木はる江教授からは暖かい助言と貴重なコメントをいただき,深く感謝申しあげます.また,本書の執筆にあたり長期間に渡って多大な協力をいただいた医歯薬出版株式会社の皆様に,ここで厚くお礼申し上げます.
2007年11月 編集者および執筆者一同
生活習慣病が国民の健康問題の大きな課題である現代,管理栄養士に求められる知識はますます高度化しています.
管理栄養士は医療,福祉,保健施設や学校,企業などにおいて,責任のある仕事を任されることが多いと思われます.施設内の人々の健康状態を把握し,異常があった場合にその原因をいち早く判断するために,人体に関する総合的な知識が要求されることでしょう.
また医療現場においては,管理栄養士が医師や看護師などとチームを組み,患者一人ひとりを中心とした治療に取り組む制度が普及してきています.この“チーム医療”の場で建設的な意見交換を行うためには,管理栄養士にも人体の構造と機能について基本的な知識を習得していることが必要とされるのです.
そこで2002年に改正された新ガイドラインの「人体の構造と機能および疾病の成り立ち」を「人体の構造と生理機能」,「疾病の成因・病態・診断・治療」,「栄養成分の構造と代謝」の3領域に分け,本書ではガイドラインの人体の構造と機能に関する全ての重要かつ基本的な知識を1冊にまとめています.
細かい工夫も数多くありますが,基本的には図を用いて解りやすく説明することを第一目的として作成しています.管理栄養士国家試験では本書の1〜3章からの出題が多いと予想されますので,この領域に特には重点をおいています.一方,従来の教科書で記述の少なかった解剖学領域に関しても,コ・メディカルとしての基本的な知識が身につくように努めました.
現代は多くの面で変化が激しく,新しい食品,サプリメントや薬品を目にする機会が増えつつあります.新しい物の価値や危険性を認識するためにも,人体の構造と機能についての知識を身につけた上で,生涯を通じて勉強を続けていく姿勢が大切であると感じます.本書は試験が終わった後も手元に置き,必要に応じて読み返したくなるような教科書であって欲しいと願っています.
最後に,本書は故佐藤昭夫教授が編集した「人体の構造と機能(医歯薬出版株式会社)」から多くの図および文章を引用させていただいております.ここに改めて,心からの感謝の意を表します.同書の著者である人間総合科学大学 佐藤優子教授と,人間総合科学大学 鈴木はる江教授からは暖かい助言と貴重なコメントをいただき,深く感謝申しあげます.また,本書の執筆にあたり長期間に渡って多大な協力をいただいた医歯薬出版株式会社の皆様に,ここで厚くお礼申し上げます.
2007年11月 編集者および執筆者一同
はじめに
1―人体の構造と機能
A 人体の構成
1.人体の階層性―細胞,組織,器官,器官系
2.細胞
3.核と染色体
4.遺伝と遺伝子
5.細胞小器官
6.生体膜
7.組織
B 生体成分
1.人体の構成元素
2.人体の化学組成
C 生化学的方法の概論
1.生体分子の分離・精製方法
2.生体成分の構造決定方法
2―個体の調節機構と恒常性
A 情報伝達の機序
1.情報伝達の種類と機能
2.受容体による情報伝達
3.細胞内シグナル伝達
B 恒常性
1.恒常性とフィードバック機構
2.体液・電解質バランス
3.酸塩基平衡
4.体温の恒常性と調節
5.生体機能や体内環境のリズム性変化
3―消化器系
A 消化器系の構造と機能
1.消化器系とは
2.消化管の肉眼構造と機能
3.消化管の組織構造
4.消化管の運動
5.消化管における消化
6.小腸における吸収
7.大腸による糞便形成と排便の仕組み
8.消化管ホルモンと消化液分泌の調節
9.口腔における咀嚼と消化
10.咽頭と嚥下運動
11.肝臓と胆管の構造と機能
12.胆嚢,胆管および膵臓
13.腹腔内循環と門脈圧亢進症
14.腹膜
4―循環器系
A 心臓血管系の構造と機能
1.心臓血管系の概要
2.心臓の構造と機能
3.血管の構造と機能
4.血圧調節の機序
5.体循環系の血管
B リンパ系
1.リンパの生成とリンパ管の構造
2.リンパ系器官
5―腎・尿路系
A 尿の生成と排泄
1.泌尿器系とは
2.腎臓の構造と機能
3.尿路の構造と機能
B 体液とその調節
1.体液の量・組成・酸塩基平衡と浸透圧
2.水・電解質の調節機構
3.腎に作用するホルモン・血管作動性物質
6―内分泌系
A ホルモンの一般特性
1.ホルモンの分類・構造・作用機序
2.ホルモン分泌の調節機構
B 内分泌器官と分泌ホルモン
1.視床下部・下垂体とホルモン
2.甲状腺とホルモン
3.カルシウム代謝調節ホルモン
4.副腎皮質とホルモン
5.副腎髄質とホルモン
6.膵島とホルモン
7.性腺と性ホルモン
8.レプチンとその他のホルモン
7―神経・精神系
A 神経系の一般特性
1.神経系の働きと分類
2.神経細胞とグリア細胞
3.活動電位と軸索における興奮の伝導
4.シナプスと興奮の伝達
5.反射
6.脳血流と脳脊髄液
B 中枢神経系
1.中枢神経系の構造
2.脊髄の構造と機能
3.脳幹の構造と機能
4.間脳の構造と機能
5.小脳の構造と機能
6.大脳半球の構造と機能
C 末梢神経系
1.脊髄神経
2.脳神経
D 体性神経系
1.運動系(運動神経)
2.感覚系または知覚系(感覚神経または知神経)
E 自律神経系
1.自律神経系の一般特性
2.交感神経系の特徴
3.副交感神経系の特徴
8―感覚器系と皮膚
A 刺激に対する感覚受容
1.感覚とその種類
2.感覚の特徴
B 特殊感覚
1.味覚と嗅覚
2.視覚
3.聴覚と平衡覚
C 体性感覚と皮膚
1.皮膚の構造と機能
2.体性感覚
3.内臓感覚
9―呼吸器系
A 呼吸器系の構造と機能
1.呼吸器系とは
2.気道の構造と機能
3.肺の構造と機能
4.胸郭と呼吸運動
5.血液による酸素と二酸化炭素運搬の仕組み
6.肺機能の測定
7.呼吸の調節
10―血液と造血器
A 血液・造血器の構造と機能
1.血液の成分と機能
2.骨髄,造血幹細胞,各血球の分化・成熟
3.血漿と血漿蛋白質
4.赤血球とヘモグロビン
5.白血球と免疫
6.血小板,止血機能,凝固・線溶系
7.血液型
11―運動器(筋骨格)系
A 運動器(筋骨格)系の構造と機能
1.運動器系とは
2.骨の構造と機能
3.軟骨・関節と靭帯の構造と機能
4.骨格筋の構造と機能
B 全身の骨と筋
1.頭部の骨と筋
2.体幹の骨と筋
3.上肢・上肢帯の骨と筋
4.下肢・下肢帯の骨と筋
12―生殖器系
A 生殖器系の構造と機能
1.生殖器とその発育過程
2.男性生殖器の形態と機能
3.女性生殖器の形態と機能
4.性周期と排卵の機序
5.性ホルモンとその調節
6.受精・妊娠・分娩
参考および引用図書
索引
1―人体の構造と機能
A 人体の構成
1.人体の階層性―細胞,組織,器官,器官系
2.細胞
3.核と染色体
4.遺伝と遺伝子
5.細胞小器官
6.生体膜
7.組織
B 生体成分
1.人体の構成元素
2.人体の化学組成
C 生化学的方法の概論
1.生体分子の分離・精製方法
2.生体成分の構造決定方法
2―個体の調節機構と恒常性
A 情報伝達の機序
1.情報伝達の種類と機能
2.受容体による情報伝達
3.細胞内シグナル伝達
B 恒常性
1.恒常性とフィードバック機構
2.体液・電解質バランス
3.酸塩基平衡
4.体温の恒常性と調節
5.生体機能や体内環境のリズム性変化
3―消化器系
A 消化器系の構造と機能
1.消化器系とは
2.消化管の肉眼構造と機能
3.消化管の組織構造
4.消化管の運動
5.消化管における消化
6.小腸における吸収
7.大腸による糞便形成と排便の仕組み
8.消化管ホルモンと消化液分泌の調節
9.口腔における咀嚼と消化
10.咽頭と嚥下運動
11.肝臓と胆管の構造と機能
12.胆嚢,胆管および膵臓
13.腹腔内循環と門脈圧亢進症
14.腹膜
4―循環器系
A 心臓血管系の構造と機能
1.心臓血管系の概要
2.心臓の構造と機能
3.血管の構造と機能
4.血圧調節の機序
5.体循環系の血管
B リンパ系
1.リンパの生成とリンパ管の構造
2.リンパ系器官
5―腎・尿路系
A 尿の生成と排泄
1.泌尿器系とは
2.腎臓の構造と機能
3.尿路の構造と機能
B 体液とその調節
1.体液の量・組成・酸塩基平衡と浸透圧
2.水・電解質の調節機構
3.腎に作用するホルモン・血管作動性物質
6―内分泌系
A ホルモンの一般特性
1.ホルモンの分類・構造・作用機序
2.ホルモン分泌の調節機構
B 内分泌器官と分泌ホルモン
1.視床下部・下垂体とホルモン
2.甲状腺とホルモン
3.カルシウム代謝調節ホルモン
4.副腎皮質とホルモン
5.副腎髄質とホルモン
6.膵島とホルモン
7.性腺と性ホルモン
8.レプチンとその他のホルモン
7―神経・精神系
A 神経系の一般特性
1.神経系の働きと分類
2.神経細胞とグリア細胞
3.活動電位と軸索における興奮の伝導
4.シナプスと興奮の伝達
5.反射
6.脳血流と脳脊髄液
B 中枢神経系
1.中枢神経系の構造
2.脊髄の構造と機能
3.脳幹の構造と機能
4.間脳の構造と機能
5.小脳の構造と機能
6.大脳半球の構造と機能
C 末梢神経系
1.脊髄神経
2.脳神経
D 体性神経系
1.運動系(運動神経)
2.感覚系または知覚系(感覚神経または知神経)
E 自律神経系
1.自律神経系の一般特性
2.交感神経系の特徴
3.副交感神経系の特徴
8―感覚器系と皮膚
A 刺激に対する感覚受容
1.感覚とその種類
2.感覚の特徴
B 特殊感覚
1.味覚と嗅覚
2.視覚
3.聴覚と平衡覚
C 体性感覚と皮膚
1.皮膚の構造と機能
2.体性感覚
3.内臓感覚
9―呼吸器系
A 呼吸器系の構造と機能
1.呼吸器系とは
2.気道の構造と機能
3.肺の構造と機能
4.胸郭と呼吸運動
5.血液による酸素と二酸化炭素運搬の仕組み
6.肺機能の測定
7.呼吸の調節
10―血液と造血器
A 血液・造血器の構造と機能
1.血液の成分と機能
2.骨髄,造血幹細胞,各血球の分化・成熟
3.血漿と血漿蛋白質
4.赤血球とヘモグロビン
5.白血球と免疫
6.血小板,止血機能,凝固・線溶系
7.血液型
11―運動器(筋骨格)系
A 運動器(筋骨格)系の構造と機能
1.運動器系とは
2.骨の構造と機能
3.軟骨・関節と靭帯の構造と機能
4.骨格筋の構造と機能
B 全身の骨と筋
1.頭部の骨と筋
2.体幹の骨と筋
3.上肢・上肢帯の骨と筋
4.下肢・下肢帯の骨と筋
12―生殖器系
A 生殖器系の構造と機能
1.生殖器とその発育過程
2.男性生殖器の形態と機能
3.女性生殖器の形態と機能
4.性周期と排卵の機序
5.性ホルモンとその調節
6.受精・妊娠・分娩
参考および引用図書
索引