改訂にあたって
21世紀を迎え，高齢人口の増加と生活習慣病の問題が深刻な社会問題としてあげられ解決策の検討が急がれている．その対策の基本は，運動，休養，栄養を調和させて，生活習慣を改善していくことである．栄養の指導を業とする栄養士は，情報化社会に対応して専門分野に関連する最新のデータを活用した指導が求められる．
本書は1997年10月に刊行したが，時代を先取りし地域性を考慮したテキストとして評価を得，多くの先生方に教科書としてご使用いただいている．今回は第六次栄養所要量の改定に伴い，新しい考え方に基づく資料を示し，栄養所要量の算出などについて簡潔にわかりやすく記述した．図表についても最新の資料を基に加除訂正を加え，時代のニーズに応えられるよう改正を行った．ここに改訂版として刊行するにあたり，内容のいっそうの充実のため，ご支援ご指導をいただければ幸せである．
2000年2月 執筆者一同
まえがき
わが国においては，高齢化・国際化・情報化の時代を迎え，健康問題が国民の大きな関心事となり，健康・医療・福祉において栄養士はトータルヘルスのコーディネーターとして幅広い高度な栄養指導が望まれる．このように健康教育の一環として栄養教育の重要性が問われるなかで，21世紀は栄養士・管理栄養士をコアとして，健康政策を発展させる時代であり，アクティブヘルス，QOL（Quality of Life）の時代である．
特に地域保健対策の総合的推進，強化が企てられているなかでのケアコーディネーションにおける栄養士の役割を考えると，食生活を中心とする生活習慣全体の栄養指導ができる能力が必要となる．
また，栄養指導の担当者は理論的思考の展開に基づいた計画の立案，実行，評価の実践が要求される．
以上のような視点から，栄養指導論は栄養士の専門性，栄養指導の実践に直接結びつく知識・技術を総合的に網羅した内容の教科であり，栄養士教育科目の中核として位置づけられている．
本書はこの趣旨に沿って，21世紀の諸問題と併せて，地域性を考慮し，テンポの早い社会情勢の変動や，食環境の変化に柔軟に対応できる栄養士教育を目指して新たな視点で執筆し， 管理栄養士国家試験のガイドラインを視野に入れながら編集を試みた．
本書の構成は「総論」・「方法論」・「各論」からなり，「総論」では指導論の概論，社会構造の変化を的確に把握し，社会のニーズに見合った栄養指導を述べ，「方法論」において指導の一般的原則である情報収集，問題点の発見，指導，評価の各構成と栄養指導に必要な基礎知識を解説した．「各論］ではこれらの理論に基づいてライフステージ，ライフスタイルからみた指導の特性，要点について詳しく記述している．
栄養士・管理栄養士を目指す学生にとって有益な教科書としてはもちろん，日常の栄養指導に尽力している多くの人々が，研究や実践活動を行う場合の参考書としてご利用いただければと念願している．
執筆にあたり，多くの先輩諸氏の著書および研究論文を参考文献として引用させていただいたことをここに厚く御礼申しあげる．
最後に，本書刊行にあたり，医歯薬出版株式会社のご熱意とご協力に心から感謝する．
1997年8月吉日 執筆者一同
21世紀を迎え，高齢人口の増加と生活習慣病の問題が深刻な社会問題としてあげられ解決策の検討が急がれている．その対策の基本は，運動，休養，栄養を調和させて，生活習慣を改善していくことである．栄養の指導を業とする栄養士は，情報化社会に対応して専門分野に関連する最新のデータを活用した指導が求められる．
本書は1997年10月に刊行したが，時代を先取りし地域性を考慮したテキストとして評価を得，多くの先生方に教科書としてご使用いただいている．今回は第六次栄養所要量の改定に伴い，新しい考え方に基づく資料を示し，栄養所要量の算出などについて簡潔にわかりやすく記述した．図表についても最新の資料を基に加除訂正を加え，時代のニーズに応えられるよう改正を行った．ここに改訂版として刊行するにあたり，内容のいっそうの充実のため，ご支援ご指導をいただければ幸せである．
2000年2月 執筆者一同
まえがき
わが国においては，高齢化・国際化・情報化の時代を迎え，健康問題が国民の大きな関心事となり，健康・医療・福祉において栄養士はトータルヘルスのコーディネーターとして幅広い高度な栄養指導が望まれる．このように健康教育の一環として栄養教育の重要性が問われるなかで，21世紀は栄養士・管理栄養士をコアとして，健康政策を発展させる時代であり，アクティブヘルス，QOL（Quality of Life）の時代である．
特に地域保健対策の総合的推進，強化が企てられているなかでのケアコーディネーションにおける栄養士の役割を考えると，食生活を中心とする生活習慣全体の栄養指導ができる能力が必要となる．
また，栄養指導の担当者は理論的思考の展開に基づいた計画の立案，実行，評価の実践が要求される．
以上のような視点から，栄養指導論は栄養士の専門性，栄養指導の実践に直接結びつく知識・技術を総合的に網羅した内容の教科であり，栄養士教育科目の中核として位置づけられている．
本書はこの趣旨に沿って，21世紀の諸問題と併せて，地域性を考慮し，テンポの早い社会情勢の変動や，食環境の変化に柔軟に対応できる栄養士教育を目指して新たな視点で執筆し， 管理栄養士国家試験のガイドラインを視野に入れながら編集を試みた．
本書の構成は「総論」・「方法論」・「各論」からなり，「総論」では指導論の概論，社会構造の変化を的確に把握し，社会のニーズに見合った栄養指導を述べ，「方法論」において指導の一般的原則である情報収集，問題点の発見，指導，評価の各構成と栄養指導に必要な基礎知識を解説した．「各論］ではこれらの理論に基づいてライフステージ，ライフスタイルからみた指導の特性，要点について詳しく記述している．
栄養士・管理栄養士を目指す学生にとって有益な教科書としてはもちろん，日常の栄養指導に尽力している多くの人々が，研究や実践活動を行う場合の参考書としてご利用いただければと念願している．
執筆にあたり，多くの先輩諸氏の著書および研究論文を参考文献として引用させていただいたことをここに厚く御礼申しあげる．
最後に，本書刊行にあたり，医歯薬出版株式会社のご熱意とご協力に心から感謝する．
1997年8月吉日 執筆者一同
改訂にあたって……III
まえがき……IV
参考文献……192
資料・付表…197
総論
1．栄養指導とは 永野・春木…2
1―栄養指導の意義…2
2―栄養指導の目的…2
3―栄養指導の重要性…3
1）健康増進としての栄養指導…3
2）臨床栄養としての指導…3
4―栄養指導と健康教育…4
1）知識の供与…4
2）態度の変容…4
3）食行動の変容…4
2．栄養指導と栄養士 斉藤・石崎…6
1―栄養士・管理栄養士の定義…6
2―栄養士・管理栄養士の養成制度…6
1）栄養士養成制度…6
2）諸外国の養成制度…7
3―栄養指導関係法規…7
1）栄養士法…7
2）栄養改善法…7
4―栄養士・管理栄養士活動の現状と展開…9
1）保健所…9
2）市町村…9
3）学校…10
4）病院…10
5）事業所…10
6）福祉施設…11
7）これからの活動…11
5―災害時の栄養士の活動…12
1）災害用備蓄品…12
2）栄養士間の情報網について…14
3）栄養士としての活動…14
4）今後の課題…17
3．栄養指導の歴史 樋口・妹尾…18
1―第二次世界大戦前の栄養指導…18
2―第二次世界大戦後の栄養指導…18
1）食料不足の時代…18
2）食生活近代化の時代…19
3）飽食見直しの時代…19
3―高齢化時代の栄養指導…19
4．食生活の現状 池田・志垣…20
1―食生活の現状と問題点…20
1）「エネルギー・各種栄養素」および「食品」の摂り方の現状と問題点…20
2）食べ方の現状および問題点…26
2―食生活に関与する因子…32
1）地理的因子…32
2）経済的因子…33
3）社会的因子…34
3―食生活と疾病…35
1）食生活の変化と疾病構造…35
2）食生活と疾病とのかかわり…39
5．21世紀における栄養指導 永野・春木…42
1―社会構造の変化と栄養指導…42
1）高齢社会と栄養指導の課題…42
2）情報化社会と栄養指導の課題…42
3）国際化社会と栄養指導の課題…43
4）少子化社会と栄養指導の課題…45
5）環境問題と栄養指導の課題…46
6）ライフスタイルと栄養指導の課題…47
7）ライフステージ別栄養指導から個別栄養指導への課題…47
2―健康教育としての栄養教育…48
1）ヘルスプロモーションとは…48
2）栄養表示制度の導入…48
3）アクティブ80ヘルスプラン…48
4）健康教育とは…49
3―栄養指導のシステム…51
1）地域保健法…51
2）各領域での栄養指導とネットワーク…51
3）ネットワークの機能…52
4）栄養指導のシステム…53
方法論
1．栄養指導の基礎知識 樋口・妹尾…56
1―食品成分表…56
1）日本の食品成分表のあゆみ…56
2）四訂日本食品標準成分表…56
3）五訂日本食品標準成分表…57
2―食品群…58
1）3色食品群…59
2）4つの食品群…59
3）6つの基礎食品…59
3―栄養所要量-食事摂取量…59
1）定義…59
2）日本人の性別，年齢区分別エネルギー所要量…60
3）エネルギー所要量算定…60
4）各栄養素の所要量…62
4―食品構成…63
5―栄養比率…63
6―健康づくりのための指針…64
2．栄養指導の方法と技術 向井…68
1―栄養指導の一般原則…68
1）情報収集…68
2）問題点の発見…69
3）指導の実施…70
4）評価…70
2―情報収集と栄養状態の評価 堀…71
1）調査方法と判定…71
2）統計処理 橘…85
3）コンピュータの活用…91
4）新しい情報の収集…91
3―栄養指導の方法 澤田・矢和多…96
1）指導計画…96
2）指導の実際…96
3）指導の技法…102
各論
1．ライフステージ別栄養指導 南・浅野・山本…112
1―妊娠・授乳期…112
1）妊娠・授乳期の特性…112
2）妊娠・授乳期の栄養…112
3）問題点と栄養指導の要点…113
2―乳幼児期…116
1）乳幼児期の特性…116
2）乳幼児期の栄養…117
3）問題点と h養指導の要点…121
3―成長期…129
1）学童期・青少年期の特性…129
2）学童期・青少年期の栄養…130
3）問題点と栄養指導の要点…131
4―成人期…134
1）成人期の特性…134
2）成人期の栄養…135
3）生活習慣病検診の必要性…136
4）問題点と指導の要点…138
5―老年期…146
1）老年期の特性…146
2）老年期の栄養…148
3）問題点と栄養指導の要点…149
2．ライフスタイル別栄養指導 岸部・小西・坂田…157
1―ライフスタイル多様化の背景…157
2―家族形態別による栄養指導…158
1）出産・育児期の核家族…158
2）実年期の核家族…159
3）老年期の夫婦…160
4）三世代家族…162
5）若年単身者…163
6）実年期の単身赴任者…163
7）一人暮らしの高齢者…164
8）母子（あるいは父子）の家族…164
9）障害者または障害者を介護する家族…165
3―ライフスタイル別による栄養指導…166
1）有職主婦…166
2）長距離トラックの運転手…167
3）塾通いと子ども…168
4―競技選手の栄養指導…170
1）競技選手の栄養の特性…170
2）栄養指導上の問題点と対策…175
3．集団給食における栄養指導 河南・坂本…178
1―病院給食における栄養指導…178
1）病院給食の特徴…178
2）問題点と栄養指導の要点…180
2―学校給食における栄養指導…181
1）学校給食の特徴…181
2）問題点と栄養指導の要点…184
3―児童福祉施設における栄養指導…186
1）児童福祉施設の特徴…186
2）問題点と栄養指導の要点…186
4―老人福祉施設における栄養指導…188
1）老人福祉施設の特徴…189
2）問題点と栄養指導の要点…189
5―事業所等の集団給食における栄養指導…189
1）事業所等の集団給食の特徴…190
2）問題点と栄養指導の要点…190
まえがき……IV
参考文献……192
資料・付表…197
総論
1．栄養指導とは 永野・春木…2
1―栄養指導の意義…2
2―栄養指導の目的…2
3―栄養指導の重要性…3
1）健康増進としての栄養指導…3
2）臨床栄養としての指導…3
4―栄養指導と健康教育…4
1）知識の供与…4
2）態度の変容…4
3）食行動の変容…4
2．栄養指導と栄養士 斉藤・石崎…6
1―栄養士・管理栄養士の定義…6
2―栄養士・管理栄養士の養成制度…6
1）栄養士養成制度…6
2）諸外国の養成制度…7
3―栄養指導関係法規…7
1）栄養士法…7
2）栄養改善法…7
4―栄養士・管理栄養士活動の現状と展開…9
1）保健所…9
2）市町村…9
3）学校…10
4）病院…10
5）事業所…10
6）福祉施設…11
7）これからの活動…11
5―災害時の栄養士の活動…12
1）災害用備蓄品…12
2）栄養士間の情報網について…14
3）栄養士としての活動…14
4）今後の課題…17
3．栄養指導の歴史 樋口・妹尾…18
1―第二次世界大戦前の栄養指導…18
2―第二次世界大戦後の栄養指導…18
1）食料不足の時代…18
2）食生活近代化の時代…19
3）飽食見直しの時代…19
3―高齢化時代の栄養指導…19
4．食生活の現状 池田・志垣…20
1―食生活の現状と問題点…20
1）「エネルギー・各種栄養素」および「食品」の摂り方の現状と問題点…20
2）食べ方の現状および問題点…26
2―食生活に関与する因子…32
1）地理的因子…32
2）経済的因子…33
3）社会的因子…34
3―食生活と疾病…35
1）食生活の変化と疾病構造…35
2）食生活と疾病とのかかわり…39
5．21世紀における栄養指導 永野・春木…42
1―社会構造の変化と栄養指導…42
1）高齢社会と栄養指導の課題…42
2）情報化社会と栄養指導の課題…42
3）国際化社会と栄養指導の課題…43
4）少子化社会と栄養指導の課題…45
5）環境問題と栄養指導の課題…46
6）ライフスタイルと栄養指導の課題…47
7）ライフステージ別栄養指導から個別栄養指導への課題…47
2―健康教育としての栄養教育…48
1）ヘルスプロモーションとは…48
2）栄養表示制度の導入…48
3）アクティブ80ヘルスプラン…48
4）健康教育とは…49
3―栄養指導のシステム…51
1）地域保健法…51
2）各領域での栄養指導とネットワーク…51
3）ネットワークの機能…52
4）栄養指導のシステム…53
方法論
1．栄養指導の基礎知識 樋口・妹尾…56
1―食品成分表…56
1）日本の食品成分表のあゆみ…56
2）四訂日本食品標準成分表…56
3）五訂日本食品標準成分表…57
2―食品群…58
1）3色食品群…59
2）4つの食品群…59
3）6つの基礎食品…59
3―栄養所要量-食事摂取量…59
1）定義…59
2）日本人の性別，年齢区分別エネルギー所要量…60
3）エネルギー所要量算定…60
4）各栄養素の所要量…62
4―食品構成…63
5―栄養比率…63
6―健康づくりのための指針…64
2．栄養指導の方法と技術 向井…68
1―栄養指導の一般原則…68
1）情報収集…68
2）問題点の発見…69
3）指導の実施…70
4）評価…70
2―情報収集と栄養状態の評価 堀…71
1）調査方法と判定…71
2）統計処理 橘…85
3）コンピュータの活用…91
4）新しい情報の収集…91
3―栄養指導の方法 澤田・矢和多…96
1）指導計画…96
2）指導の実際…96
3）指導の技法…102
各論
1．ライフステージ別栄養指導 南・浅野・山本…112
1―妊娠・授乳期…112
1）妊娠・授乳期の特性…112
2）妊娠・授乳期の栄養…112
3）問題点と栄養指導の要点…113
2―乳幼児期…116
1）乳幼児期の特性…116
2）乳幼児期の栄養…117
3）問題点と h養指導の要点…121
3―成長期…129
1）学童期・青少年期の特性…129
2）学童期・青少年期の栄養…130
3）問題点と栄養指導の要点…131
4―成人期…134
1）成人期の特性…134
2）成人期の栄養…135
3）生活習慣病検診の必要性…136
4）問題点と指導の要点…138
5―老年期…146
1）老年期の特性…146
2）老年期の栄養…148
3）問題点と栄養指導の要点…149
2．ライフスタイル別栄養指導 岸部・小西・坂田…157
1―ライフスタイル多様化の背景…157
2―家族形態別による栄養指導…158
1）出産・育児期の核家族…158
2）実年期の核家族…159
3）老年期の夫婦…160
4）三世代家族…162
5）若年単身者…163
6）実年期の単身赴任者…163
7）一人暮らしの高齢者…164
8）母子（あるいは父子）の家族…164
9）障害者または障害者を介護する家族…165
3―ライフスタイル別による栄養指導…166
1）有職主婦…166
2）長距離トラックの運転手…167
3）塾通いと子ども…168
4―競技選手の栄養指導…170
1）競技選手の栄養の特性…170
2）栄養指導上の問題点と対策…175
3．集団給食における栄養指導 河南・坂本…178
1―病院給食における栄養指導…178
1）病院給食の特徴…178
2）問題点と栄養指導の要点…180
2―学校給食における栄養指導…181
1）学校給食の特徴…181
2）問題点と栄養指導の要点…184
3―児童福祉施設における栄養指導…186
1）児童福祉施設の特徴…186
2）問題点と栄養指導の要点…186
4―老人福祉施設における栄養指導…188
1）老人福祉施設の特徴…189
2）問題点と栄養指導の要点…189
5―事業所等の集団給食における栄養指導…189
1）事業所等の集団給食の特徴…190
2）問題点と栄養指導の要点…190