第2版の序
2002年に本書初版が発行されて以来,20年が経過した.本書は歯学分野を中心とした執筆者によるコミュニケーション・行動科学の成書として初めて刊行されたものであり,これまで学生教育等に活用されながら増刷を繰り返してきた.しかし,この間,保健医療分野におけるコミュニケーション・行動科学は,ヘルス・ヒューマニティーズ,プロフェッショナリズムおよび健康寿命延伸を目指した行動変容のための健康教育・保健指導の充実等の観点からその重要性がますます高まるとともに,新たな知見と情報が蓄積されてきている.保健医療政策の中でも,行動経済学の理論に基づくナッジ,あるいは相互のコミュニケーションに基づく多職種連携等,本書籍に係る内容が広く用いられるようになってきた.また,医学教育において行動科学はそのカリキュラムに明示し実践しなければならない分野とされ,歯学教育においても医療コミュニケーションおよび医療面接は歯科医師のコア・コンピテンシーとして位置づけられ,歯科大学における講義・実習で教育されるとともに歯科衛生士教育においてもその重要性が増してきている.
初版発刊以来この20年間で,社会環境の変化と科学的知見が蓄積されたことによって,保健医療におけるコミュニケーション・行動科学の何が変わり,そして変わらないのか?この間の急速に進んだグローバル社会の中で,たとえば
○わが国はもとより世界的に進む高齢化に対する包括的ケアと,誰もが健康でいられるための保健医療介護サービスを受けることができるユニバーサルヘルスカバレッジ(Universal Heath Coverage;UHC)という目標が共有され,一人ひとりの,そして社会のヘルシーエイジングと「誰一人取り残されない社会」に向けたグローバルな連帯
○健康格差をもたらす社会的決定要因という考え方の普及と,個人を対象とした生活習慣改善(行動変容)の限界を認識し,格差を是正していくためのヘルスプロモーションの新たなアプローチの提案
○感染性疾患と非感染性疾患(non-communicable diseases;NCDs),そして新興感染症の脅威という健康課題の中で,NCDsの予防(生活習慣病の予防)という世界共通の健康目標の設定
○情報・コミュニケーション技術(ICT)の発展と情報のデジタル化によって,個人が即座に情報を検索し確認できるデバイスを手に入れ,しかもみずからの,そして社会の健康状態をデジタル情報で確認できるようになってきた.その一方,専門家と市民・患者との間の情報格差,社会的な格差と分断が広がる中で不確かな情報が拡散するというインフォデミックへの対応と情報リテラシーの向上という課題の再認識
○1948年のWHOの健康の定義をより改善していこうとする潮流.たとえば,2011年にフーバー(Huber,M.)らは,健康を「適応してセルフマネジメントをする力」としてみることを提案した.健康を「状態」とするのではなく,それが個人や社会で変化させられるものであり,レジリエンスという「力」としてとらえ直した提案
○2020年から世界を襲ったCOVID-19パンデミックが人の移動と他者との交流の機会を制限し,その結果オンラインコミュニケーションが急速に普及した一方での,人と会い,ともに食事をし,仲間と集うという対面でのコミュニケーションの貴重さと重要性に対する世界共通の気づき
などがもたらされた.そしてこれらのドラスティックともいえる変化の中にあっても,保健医療の分野における人と人とのコミュニケーション,行動変容および健康な生活を支援する行動科学の重要性は変わらず,むしろ増してきていると考えられる.
このような背景から,第2版では行動科学・コミュニケーション理論および実践法の学術的進展と歯学教育における講義・実習の現況を踏まえて,内容の追加および充実をはかることとした.初版執筆者の中には,残念ながら逝去された先生方や定年退職されている方もおられるので,できるだけ初版を執筆された先生には継続でのご執筆を依頼するとともに,新たな先生に依頼し執筆陣の円滑な交代をはかることとした.また,初版では口腔衛生学分野の執筆者が主であったが,今改訂では医療コミュニケーション・医療面接の講義・実習を担当している先生方にも参画いただき,時代に即した内容を目指した.読者対象は,歯学部生,歯科衛生士学生を含む医療系学生,大学院生・若手の研究者,臨床医・行政関係者等実践家となっている.
初版編者である高江洲義矩先生は今回監修の立場となり,初版時に高江洲先生とともに編集作業に携わった深井穫博が編者として改訂版の制作にあたった.
本第2版が,新たな時代の中で,人々の健康に寄与する情報源と道標となることを祈念するとともに,本改訂に不備があれば,それは各執筆者ではなく編者の責任であることをお伝えしたい.最後に,本改訂にあたり粘り強く編集作業にあった医歯薬出版川村幸裕氏と各執筆者に感謝申し上げます.
2022年1月23日
COVID-19パンデミックの中で
深井穫博
序
「コミュニケーション」と「行動科学」を一冊にまとめる企画には,やや無理があるのではないかという危惧と,むしろこの二つの領域を一冊にまとめることに意義があるという考え方があった.つまり,この分野を現時点のサイエンスの領域で端的に二分するとすれば,コミュニケーションにおける「認知科学(cognitive science)」と行動科学における「病者行動(sickness behavior)・保健行動(health behavior)」に焦点を当てることになる.
それにしても20世紀後半から,保健医療福祉や教育の分野において,わが国では外来語で代表される用語が氾濫してきている.おそらく日本語の持つ本来の語意では通用しがたいという理由であろう.ここで使われている「コミュニケーション」がそうであり,「ケア」,「プライマリ・ヘルス・ケア」しかり,数多くの外来語が定着してくる傾向にあるが,外来語であるためにそのことを軽視するか,あるいは逆に特殊にみることがあることも否めない事実である.
いま医療では,“コミュニケーション(聞き手と送り手の交流)”が極めて重要になってきている.従来から医師やその他の医療従事者から患者やその家族への「話し方」が,いかに大事なことかと言われてきたが,しかし現在の医療の場の状況は従来とは著しく異なってきている.そのことは,社会の中で情報というものが急速に発達してきたことにもよるし,そのことから社会そのものが成熟していく過程で現れてきた現象でもある.
医療におけるコミュニケーションで大事なことは,“見えるもの“ではなく,“見えないもの”へ耳を傾けることである.外傷などで明らかに見えるものへの対応もあるが,むしろ見えないものに対しての訴えが多い.たとえば,「痛い」という患者の訴えは,本人にしかわからない.“見えないもの”であるその痛みにもいろいろあって,医師やその他の医療人は,その「痛み」をほんとうに理解できるかという根本的なことがある.しかも,その背景の一つには詐病(仮病)としての痛みの訴えもあり得る.医療と医療以外のケアとの基本的な相違は,診断による患者のケアであることである.その診断に関わる要素の一つにコミュニケーションの重要さがある.
わが国の医療系の教育機関で,「コミュニケーション」と「行動科学」を従来からコア・カリキュラムに取り入れて実施しているところはきわめて少ないであろう.しかしながら,現在では欧米の多くの医療系大学でcommunicationとbehavioral scienceはコア・カリキュラムに取り入れられてきている.このテキストは,新入生から高学年までの学生を対象として編集してある.教育用語ではvertical integrated curriculumと称しているが,すなわち同じ教科を学年が進むにつれて理解を深めて習得するように編纂されているものである.
このような時代に,テキストとしての本書を企画し,「コミュニケーション」と「行動科学」を医療系から出版することには,切実さもあるが,いささかの勇気のいることでもあった.さいわい,今回の企画に同意し執筆を引き受けてくださった著者らは,ここ10年ほど開拓してきた分野を主体にまとめることができたようである.おそらく,このようなテキストはあまり年限をおかずに改訂を重ねてテキストとして定まっていくものであろう.また,時代の変化が激しいこの社会にあっては,そのような出版の義務が課されることは当然なことであると言える.
ところで,冒頭に「コミュニケーション」を「認知科学」と置き換え,それに対応する行動科学の「病者行動・保健行動」をとりあげたが,それにはそれなりの歴史的な意義が考えられることによる.まず,20世紀前半までは,医療にも関連する領域の「意識」と「無意識」が心理学から医療へとかなりシフトしてきている.もちろんフロイトの精神分析の流れもあるが,教育心理学に基づく「発達段階」と「発達課題」が人間の発達に伴う認知(cognition)の解明へと展開されてきたことにもよる.最近の脳科学の発達は,さらに認知の局在の追求と修復治療の可能性を究明している.そのような背景から,かつてErikson,E.H.の提唱した「生涯発達」は,まさに現在の高齢化していく社会でのQOL(生命・生活の質)を示唆したものであると言える.そして,その中核にある「保健行動」は身体的精神的健康と個別的または社会的生きがいを求めて,なお研究が続けられている.「行動の欠陥・異常」は,認知の不明,意識のあいまいさ,生きがいの消退に繋がることが考えられる.一方,「認知の欠如」は,コミュニケーションの欠如そのものでもある.この分野は21世紀の最大の課題である.
ありふれた日常語のコミュニケーションにしても,医療福祉の場においてそれがいかに重要であるかということは,その場面に遭遇した当事者でなければわからないものであろう.私たちは,「保健」,「医療」,「福祉」と日頃よく口にしているが,その中にあって患者の立場,家族の立場,人々の立場で適切に接してきているだろうか.その適切さの経験はどこで身につけていくのだろうか.医療系の教育の場にあっては,従来の医療技術は診断と治療および療養の手技であり,投薬の正確さであり,機器の操作性で占められていたが,いま「コミュニケーション技法」を加える必要が切実となってきている.
このテキストをまとめるに当たって,各章を分担された執筆者はひな型のない教科であるので苦心されたようであるが,現時点でかなり密度の濃い内容で適切にまとめてあるので,この分野の教科書または参考書として世に出すことに編者としては意を強くしている.それにもまして,何よりも記しておくべきことは医歯薬出版編集部の牧野和彦氏の根気強い編集作業に負うところが大きいことと,米川征英氏の寛大な配慮に心から感謝申し上げる.
2002年3月
編者 高江洲義矩
2002年に本書初版が発行されて以来,20年が経過した.本書は歯学分野を中心とした執筆者によるコミュニケーション・行動科学の成書として初めて刊行されたものであり,これまで学生教育等に活用されながら増刷を繰り返してきた.しかし,この間,保健医療分野におけるコミュニケーション・行動科学は,ヘルス・ヒューマニティーズ,プロフェッショナリズムおよび健康寿命延伸を目指した行動変容のための健康教育・保健指導の充実等の観点からその重要性がますます高まるとともに,新たな知見と情報が蓄積されてきている.保健医療政策の中でも,行動経済学の理論に基づくナッジ,あるいは相互のコミュニケーションに基づく多職種連携等,本書籍に係る内容が広く用いられるようになってきた.また,医学教育において行動科学はそのカリキュラムに明示し実践しなければならない分野とされ,歯学教育においても医療コミュニケーションおよび医療面接は歯科医師のコア・コンピテンシーとして位置づけられ,歯科大学における講義・実習で教育されるとともに歯科衛生士教育においてもその重要性が増してきている.
初版発刊以来この20年間で,社会環境の変化と科学的知見が蓄積されたことによって,保健医療におけるコミュニケーション・行動科学の何が変わり,そして変わらないのか?この間の急速に進んだグローバル社会の中で,たとえば
○わが国はもとより世界的に進む高齢化に対する包括的ケアと,誰もが健康でいられるための保健医療介護サービスを受けることができるユニバーサルヘルスカバレッジ(Universal Heath Coverage;UHC)という目標が共有され,一人ひとりの,そして社会のヘルシーエイジングと「誰一人取り残されない社会」に向けたグローバルな連帯
○健康格差をもたらす社会的決定要因という考え方の普及と,個人を対象とした生活習慣改善(行動変容)の限界を認識し,格差を是正していくためのヘルスプロモーションの新たなアプローチの提案
○感染性疾患と非感染性疾患(non-communicable diseases;NCDs),そして新興感染症の脅威という健康課題の中で,NCDsの予防(生活習慣病の予防)という世界共通の健康目標の設定
○情報・コミュニケーション技術(ICT)の発展と情報のデジタル化によって,個人が即座に情報を検索し確認できるデバイスを手に入れ,しかもみずからの,そして社会の健康状態をデジタル情報で確認できるようになってきた.その一方,専門家と市民・患者との間の情報格差,社会的な格差と分断が広がる中で不確かな情報が拡散するというインフォデミックへの対応と情報リテラシーの向上という課題の再認識
○1948年のWHOの健康の定義をより改善していこうとする潮流.たとえば,2011年にフーバー(Huber,M.)らは,健康を「適応してセルフマネジメントをする力」としてみることを提案した.健康を「状態」とするのではなく,それが個人や社会で変化させられるものであり,レジリエンスという「力」としてとらえ直した提案
○2020年から世界を襲ったCOVID-19パンデミックが人の移動と他者との交流の機会を制限し,その結果オンラインコミュニケーションが急速に普及した一方での,人と会い,ともに食事をし,仲間と集うという対面でのコミュニケーションの貴重さと重要性に対する世界共通の気づき
などがもたらされた.そしてこれらのドラスティックともいえる変化の中にあっても,保健医療の分野における人と人とのコミュニケーション,行動変容および健康な生活を支援する行動科学の重要性は変わらず,むしろ増してきていると考えられる.
このような背景から,第2版では行動科学・コミュニケーション理論および実践法の学術的進展と歯学教育における講義・実習の現況を踏まえて,内容の追加および充実をはかることとした.初版執筆者の中には,残念ながら逝去された先生方や定年退職されている方もおられるので,できるだけ初版を執筆された先生には継続でのご執筆を依頼するとともに,新たな先生に依頼し執筆陣の円滑な交代をはかることとした.また,初版では口腔衛生学分野の執筆者が主であったが,今改訂では医療コミュニケーション・医療面接の講義・実習を担当している先生方にも参画いただき,時代に即した内容を目指した.読者対象は,歯学部生,歯科衛生士学生を含む医療系学生,大学院生・若手の研究者,臨床医・行政関係者等実践家となっている.
初版編者である高江洲義矩先生は今回監修の立場となり,初版時に高江洲先生とともに編集作業に携わった深井穫博が編者として改訂版の制作にあたった.
本第2版が,新たな時代の中で,人々の健康に寄与する情報源と道標となることを祈念するとともに,本改訂に不備があれば,それは各執筆者ではなく編者の責任であることをお伝えしたい.最後に,本改訂にあたり粘り強く編集作業にあった医歯薬出版川村幸裕氏と各執筆者に感謝申し上げます.
2022年1月23日
COVID-19パンデミックの中で
深井穫博
序
「コミュニケーション」と「行動科学」を一冊にまとめる企画には,やや無理があるのではないかという危惧と,むしろこの二つの領域を一冊にまとめることに意義があるという考え方があった.つまり,この分野を現時点のサイエンスの領域で端的に二分するとすれば,コミュニケーションにおける「認知科学(cognitive science)」と行動科学における「病者行動(sickness behavior)・保健行動(health behavior)」に焦点を当てることになる.
それにしても20世紀後半から,保健医療福祉や教育の分野において,わが国では外来語で代表される用語が氾濫してきている.おそらく日本語の持つ本来の語意では通用しがたいという理由であろう.ここで使われている「コミュニケーション」がそうであり,「ケア」,「プライマリ・ヘルス・ケア」しかり,数多くの外来語が定着してくる傾向にあるが,外来語であるためにそのことを軽視するか,あるいは逆に特殊にみることがあることも否めない事実である.
いま医療では,“コミュニケーション(聞き手と送り手の交流)”が極めて重要になってきている.従来から医師やその他の医療従事者から患者やその家族への「話し方」が,いかに大事なことかと言われてきたが,しかし現在の医療の場の状況は従来とは著しく異なってきている.そのことは,社会の中で情報というものが急速に発達してきたことにもよるし,そのことから社会そのものが成熟していく過程で現れてきた現象でもある.
医療におけるコミュニケーションで大事なことは,“見えるもの“ではなく,“見えないもの”へ耳を傾けることである.外傷などで明らかに見えるものへの対応もあるが,むしろ見えないものに対しての訴えが多い.たとえば,「痛い」という患者の訴えは,本人にしかわからない.“見えないもの”であるその痛みにもいろいろあって,医師やその他の医療人は,その「痛み」をほんとうに理解できるかという根本的なことがある.しかも,その背景の一つには詐病(仮病)としての痛みの訴えもあり得る.医療と医療以外のケアとの基本的な相違は,診断による患者のケアであることである.その診断に関わる要素の一つにコミュニケーションの重要さがある.
わが国の医療系の教育機関で,「コミュニケーション」と「行動科学」を従来からコア・カリキュラムに取り入れて実施しているところはきわめて少ないであろう.しかしながら,現在では欧米の多くの医療系大学でcommunicationとbehavioral scienceはコア・カリキュラムに取り入れられてきている.このテキストは,新入生から高学年までの学生を対象として編集してある.教育用語ではvertical integrated curriculumと称しているが,すなわち同じ教科を学年が進むにつれて理解を深めて習得するように編纂されているものである.
このような時代に,テキストとしての本書を企画し,「コミュニケーション」と「行動科学」を医療系から出版することには,切実さもあるが,いささかの勇気のいることでもあった.さいわい,今回の企画に同意し執筆を引き受けてくださった著者らは,ここ10年ほど開拓してきた分野を主体にまとめることができたようである.おそらく,このようなテキストはあまり年限をおかずに改訂を重ねてテキストとして定まっていくものであろう.また,時代の変化が激しいこの社会にあっては,そのような出版の義務が課されることは当然なことであると言える.
ところで,冒頭に「コミュニケーション」を「認知科学」と置き換え,それに対応する行動科学の「病者行動・保健行動」をとりあげたが,それにはそれなりの歴史的な意義が考えられることによる.まず,20世紀前半までは,医療にも関連する領域の「意識」と「無意識」が心理学から医療へとかなりシフトしてきている.もちろんフロイトの精神分析の流れもあるが,教育心理学に基づく「発達段階」と「発達課題」が人間の発達に伴う認知(cognition)の解明へと展開されてきたことにもよる.最近の脳科学の発達は,さらに認知の局在の追求と修復治療の可能性を究明している.そのような背景から,かつてErikson,E.H.の提唱した「生涯発達」は,まさに現在の高齢化していく社会でのQOL(生命・生活の質)を示唆したものであると言える.そして,その中核にある「保健行動」は身体的精神的健康と個別的または社会的生きがいを求めて,なお研究が続けられている.「行動の欠陥・異常」は,認知の不明,意識のあいまいさ,生きがいの消退に繋がることが考えられる.一方,「認知の欠如」は,コミュニケーションの欠如そのものでもある.この分野は21世紀の最大の課題である.
ありふれた日常語のコミュニケーションにしても,医療福祉の場においてそれがいかに重要であるかということは,その場面に遭遇した当事者でなければわからないものであろう.私たちは,「保健」,「医療」,「福祉」と日頃よく口にしているが,その中にあって患者の立場,家族の立場,人々の立場で適切に接してきているだろうか.その適切さの経験はどこで身につけていくのだろうか.医療系の教育の場にあっては,従来の医療技術は診断と治療および療養の手技であり,投薬の正確さであり,機器の操作性で占められていたが,いま「コミュニケーション技法」を加える必要が切実となってきている.
このテキストをまとめるに当たって,各章を分担された執筆者はひな型のない教科であるので苦心されたようであるが,現時点でかなり密度の濃い内容で適切にまとめてあるので,この分野の教科書または参考書として世に出すことに編者としては意を強くしている.それにもまして,何よりも記しておくべきことは医歯薬出版編集部の牧野和彦氏の根気強い編集作業に負うところが大きいことと,米川征英氏の寛大な配慮に心から感謝申し上げる.
2002年3月
編者 高江洲義矩
Part 1 コミュニケーション
第1章 保健医療におけるコミュニケーション(高江洲義矩・深井穫博)
I コミュニケーションの欠如とそのリスクの発生
II 医療におけるコミュニケーションをいかに学ぶか
第2章 コミュニケーションにおける情報(深井穫博)
I 情報の交流様式
1.コミュニケーションにおける情報
2.コミュニケーションの成立要件
3.情報障害(information barriers)と情報の倫理性
II 保健情報と医療情報
1.保健情報
2.医療情報
3.保健医療情報のデジタル化とPHR(パーソナルヘルスレコード)
III まとめ
第3章 健康情報・ヘルスリテラシーの理論と実際(渡邉正樹・三好知美)
I 健康情報の実際と課題
1.健康情報の情報源とその利用
2.デジタル・デバイド
3.インフォデミック
II 健康情報に関わる諸理論
1.認知的不協和理論
2.防護動機理論
3.普及理論
4.リスク・コミュニケーションとそれに関わる理論
III 健康情報とヘルスリテラシー
1.ヘルスリテラシーの意義
2.さまざまなヘルスリテラシー
IV まとめ
第4章 口腔健康情報の役割(神原正樹)
I 口腔健康情報の現況
1.歯と口腔の健康情報の歴史的な変遷―「口腔衛生思想の普及」から「口腔健康情報」へ
2.健康情報と健康行動
3.現在の主な口腔健康情報
II 口腔健康情報の具備条件
III 口腔健康情報の役割
1.健康情報の役割
2.誰のための口腔健康情報か
IV 口腔健康情報の発信・伝達・受容
1.口腔健康情報の発信
2.口腔健康情報の伝達
3.口腔健康情報の受容
V まとめ
第5章 コミュニケーションの手段と倫理
I 個人間コミュニケーション(埴岡 隆・谷口奈央)
1.コミュニケーション技法の活用
2.コミュニケーション技法(言語・非言語)
3.コミュニケーション技法の倫理
II ICT/オンラインコミュニケーション(嶋ア義浩)
1.オンラインコミュニケーションの種類
2.保健・医療におけるオンラインコミュニケーション
3.オンライン診療
4.遠隔画像診断・遠隔病理診断
5.オンライン健康相談・保健指導
6.プライバシー保護とリスク管理
7.まとめ
III マス・コミュニケーション(福田雅臣)
1.はじめに
2.マス・コミュニケーションの特徴
3.情報の伝達様式
4.情報源とその信頼性
5.情報と社会
6.まとめ
第6章 医療現場のコミュニケーション
I 患者とのコミュニケーションと医療面接(伊藤孝訓)
1.患者─医療者関係
2.問診から医療面接へ
3.医療面接の流れ
II 保健指導と行動変容(伊藤孝訓)
1.歯科と生活習慣病
2.日常生活の健康行動
3.行動変容を促すコミュニケーションスキル
4.医療面接の学習コンテンツ
III 歯学教育機関におけるコミュニケーション教育(木尾哲朗)
1.はじめに
2.系統的コミュニケーション教育の開始前
3.コミュニケーション教育の展開
4.コミュニケーション学修
第7章 施設・地域保健医療のコミュニケーション
I 障害者とのコミュニケーション(遠藤眞美)
1.障害者とのコミュニケーションの必要性
2.障害者とは
3.障害特性に合わせたコミュニケーション
II 要介護者(在宅医療)とのコミュニケーション(遠藤眞美)
1.要介護者とは
2.在宅医療のニーズと普及
3.要介護者に対するコミュニケーションの必要性
4.在宅医療におけるコミュニケーションの注意点
5.認知症の要介護高齢者へのコミュニケーション
III 政策決定者とのコミュニケーション(アドボカシー)(小川祐司)
1.はじめに
2.アドボカシー活動
3.アドボカシーの推進
4.アドボカシー組織
5.アカデミア・シンクタンク
6.パブリック・リレーションの構築
第8章 コミュニケーション技法と評価
I ロールプレーイング(俣木志朗)
1.ロールプレーイングとは
2.特徴と効果
3.ロールプレーイングの実施
4.ロールプレーイング実施上の留意点
5.フィードバックの留意点
II 模擬患者(俣木志朗)
1.背景
2.模擬患者と標準模擬患者
3.わが国の模擬患者による教育
4.模擬患者の特性
5.模擬患者実習の特徴
6.標準模擬患者とその役割
III カウンセリング技法/聴く技術(相澤文恵)
1.カウンセリングの基本
2.カウンセラーの基本的な3つの態度
3.傾聴する態度
4.共感的理解のために
IV コーチング(相澤文恵)
1.コーチングとは
2.コーチングとカウンセリング
3.コーチングのスキル
4.コーチングのプロセス
5.保健指導とコーチング
V 意思決定の共有と意思決定支援ツール(深井穫博)
1.患者―医療者関係と意思決定
2.共有意思決定と患者の参加
3.意思決定支援のためのディシジョンエイド
4.まとめ
VI リスク・コミュニケーション(吉野浩一)
1.保健医療におけるリスク・コミュニケーション
2.リスク・コミュニケーションの種類,分類
3.リスク・コミュニケーションの実践
4.リスク・コミュニケーションの事例
5.口腔保健のリスク・コミュニケーションの事例
VII 交流分析(深井穫博)
1.「交流分析」が生まれた背景
2.交流分析とは
3.交流分析の基礎理論
4.交流分析の日常臨床への応用
5.まとめ
VIII 会話分析・表情分析(深井穫博)
1.会話分析
2.表情分析
3.まとめ
IX フォーカスグループインタビュー(川口陽子)
1.フォーカスグループインタビューとはなにか
2.フォーカスグループインタビュー発達の歴史
3.フォーカスグループインタビューの実際
4.フォーカスグループインタビューの特徴
X ナッジ(行動経済学の理論)(福田英輝)
1.ナッジとは
2.歯科保健医療分野におけるナッジの活用
3.ナッジの活用例
4.ナッジ活用の際の注意点
5.ナッジの限界
Part 2 行動科学
第9章 どうして行動科学が必要となったか(深井穫博・高江洲義矩)
I 行動科学とは
1.行動科学の誕生
2.先駆的研究
3.行動主義心理学の役割
4.認知心理学・認知科学が注目される理由
II 行動科学と認知科学
1.認知科学の成立
2.認知と行動
III 健康行動から予防行動へ
1.健康行動の意義
2.ライフスタイルと健康
3.健康行動学の研究展開
4.口腔健康行動とは
5.病者の行動
6.行動科学に基づく健康教育・保健指導の原則
IV まとめ
第10章 人の一生の行動
I 行動と社会的決定要因(環境)(相田 潤)
1.健康の社会的決定要因
2.健康の社会的決定要因と行動
3.定期歯科受診を例に,社会的決定要因の影響を考える
4.まとめ
II ライフサイクルと行動(岩本優子・内藤真理子)
1.ライフサイクル論と生涯発達的視点
2.発達段階と行動
3.まとめ
III 行動と性,エイジング(古田美智子)
1.健康行動の性差
2.加齢と健康行動
3.まとめ
IV 合理的行動と非合理的行動(行動経済学)(福田英輝)
1.行動経済学
2.合理的行動と非合理的行動
3.意思決定に関わるバイアス
4.歯科口腔保健分野における行動経済学の可能性
5.まとめ
第11章 健康行動の理論・モデル
I 個人レベル(古田美智子)
1.健康信念モデル
2.合理的行動理論・計画的行動理論・統合的行動モデル
3.トランスセオレティカルモデル
4.まとめ
II 個人間レベル(内藤真理子)
1.個人間レベルの理論・モデルの歴史
2.社会的認知理論
3.ストレスと健康生成論
4.社会関係と健康
5.まとめ
III 集団・コミュニティレベル(野村義明・山本祐子・岡田彩子)
1.はじめに
2.PRECEDE-PROCEEDモデル
3.イノベーション普及モデル
4.ポリシーストリーム(policy stream)
5.RE-AIM
6.その他のモデル
7.まとめ
第12章 ヘルスプロモーションと健康教育(有川量崇・田口千恵子)
I 健康科学とヘルスケア
1.健康とは
2.健康増進のための科学
3.キュアからケアへ
II 健康教育
1.健康教育の定義
2.健康教育の実際
III ヘルスプロモーション
1.オタワ憲章・バンコク憲章による定義
2.種々のヘルスプロモーションモデル
3.ヘルスプロモーション事例
IV まとめ
第13章 口腔健康行動(葭原明弘・宮ア秀夫)
I はじめに
II 口腔健康関連の行動モデル
III 健康行動を構成する要素の関連性
IV 口腔健康行動と口腔健康教育
V 地域ベースの口腔健康行動
1.学校歯科保健における齲蝕予防プログラム
2.職域における行動変容プログラム
VI まとめ
第14章 受診・受療行動(安藤雄一)
I はじめに
II 受診・受療行動の実態
1.健診(検診)への受診行動
2.医療機関への受療行動
III 受診・受療行動の決定要因
1.決定要因の概観
2.主な決定要因
第15章 患者と保健医療者の行動(杉原直樹)
I 病者役割行動
II 患者―医療者関係
III 保健医療者の行動
1.プロフェッショナリズム
2.インフォームド・コンセント
3.研究倫理
文献
索引
第1章 保健医療におけるコミュニケーション(高江洲義矩・深井穫博)
I コミュニケーションの欠如とそのリスクの発生
II 医療におけるコミュニケーションをいかに学ぶか
第2章 コミュニケーションにおける情報(深井穫博)
I 情報の交流様式
1.コミュニケーションにおける情報
2.コミュニケーションの成立要件
3.情報障害(information barriers)と情報の倫理性
II 保健情報と医療情報
1.保健情報
2.医療情報
3.保健医療情報のデジタル化とPHR(パーソナルヘルスレコード)
III まとめ
第3章 健康情報・ヘルスリテラシーの理論と実際(渡邉正樹・三好知美)
I 健康情報の実際と課題
1.健康情報の情報源とその利用
2.デジタル・デバイド
3.インフォデミック
II 健康情報に関わる諸理論
1.認知的不協和理論
2.防護動機理論
3.普及理論
4.リスク・コミュニケーションとそれに関わる理論
III 健康情報とヘルスリテラシー
1.ヘルスリテラシーの意義
2.さまざまなヘルスリテラシー
IV まとめ
第4章 口腔健康情報の役割(神原正樹)
I 口腔健康情報の現況
1.歯と口腔の健康情報の歴史的な変遷―「口腔衛生思想の普及」から「口腔健康情報」へ
2.健康情報と健康行動
3.現在の主な口腔健康情報
II 口腔健康情報の具備条件
III 口腔健康情報の役割
1.健康情報の役割
2.誰のための口腔健康情報か
IV 口腔健康情報の発信・伝達・受容
1.口腔健康情報の発信
2.口腔健康情報の伝達
3.口腔健康情報の受容
V まとめ
第5章 コミュニケーションの手段と倫理
I 個人間コミュニケーション(埴岡 隆・谷口奈央)
1.コミュニケーション技法の活用
2.コミュニケーション技法(言語・非言語)
3.コミュニケーション技法の倫理
II ICT/オンラインコミュニケーション(嶋ア義浩)
1.オンラインコミュニケーションの種類
2.保健・医療におけるオンラインコミュニケーション
3.オンライン診療
4.遠隔画像診断・遠隔病理診断
5.オンライン健康相談・保健指導
6.プライバシー保護とリスク管理
7.まとめ
III マス・コミュニケーション(福田雅臣)
1.はじめに
2.マス・コミュニケーションの特徴
3.情報の伝達様式
4.情報源とその信頼性
5.情報と社会
6.まとめ
第6章 医療現場のコミュニケーション
I 患者とのコミュニケーションと医療面接(伊藤孝訓)
1.患者─医療者関係
2.問診から医療面接へ
3.医療面接の流れ
II 保健指導と行動変容(伊藤孝訓)
1.歯科と生活習慣病
2.日常生活の健康行動
3.行動変容を促すコミュニケーションスキル
4.医療面接の学習コンテンツ
III 歯学教育機関におけるコミュニケーション教育(木尾哲朗)
1.はじめに
2.系統的コミュニケーション教育の開始前
3.コミュニケーション教育の展開
4.コミュニケーション学修
第7章 施設・地域保健医療のコミュニケーション
I 障害者とのコミュニケーション(遠藤眞美)
1.障害者とのコミュニケーションの必要性
2.障害者とは
3.障害特性に合わせたコミュニケーション
II 要介護者(在宅医療)とのコミュニケーション(遠藤眞美)
1.要介護者とは
2.在宅医療のニーズと普及
3.要介護者に対するコミュニケーションの必要性
4.在宅医療におけるコミュニケーションの注意点
5.認知症の要介護高齢者へのコミュニケーション
III 政策決定者とのコミュニケーション(アドボカシー)(小川祐司)
1.はじめに
2.アドボカシー活動
3.アドボカシーの推進
4.アドボカシー組織
5.アカデミア・シンクタンク
6.パブリック・リレーションの構築
第8章 コミュニケーション技法と評価
I ロールプレーイング(俣木志朗)
1.ロールプレーイングとは
2.特徴と効果
3.ロールプレーイングの実施
4.ロールプレーイング実施上の留意点
5.フィードバックの留意点
II 模擬患者(俣木志朗)
1.背景
2.模擬患者と標準模擬患者
3.わが国の模擬患者による教育
4.模擬患者の特性
5.模擬患者実習の特徴
6.標準模擬患者とその役割
III カウンセリング技法/聴く技術(相澤文恵)
1.カウンセリングの基本
2.カウンセラーの基本的な3つの態度
3.傾聴する態度
4.共感的理解のために
IV コーチング(相澤文恵)
1.コーチングとは
2.コーチングとカウンセリング
3.コーチングのスキル
4.コーチングのプロセス
5.保健指導とコーチング
V 意思決定の共有と意思決定支援ツール(深井穫博)
1.患者―医療者関係と意思決定
2.共有意思決定と患者の参加
3.意思決定支援のためのディシジョンエイド
4.まとめ
VI リスク・コミュニケーション(吉野浩一)
1.保健医療におけるリスク・コミュニケーション
2.リスク・コミュニケーションの種類,分類
3.リスク・コミュニケーションの実践
4.リスク・コミュニケーションの事例
5.口腔保健のリスク・コミュニケーションの事例
VII 交流分析(深井穫博)
1.「交流分析」が生まれた背景
2.交流分析とは
3.交流分析の基礎理論
4.交流分析の日常臨床への応用
5.まとめ
VIII 会話分析・表情分析(深井穫博)
1.会話分析
2.表情分析
3.まとめ
IX フォーカスグループインタビュー(川口陽子)
1.フォーカスグループインタビューとはなにか
2.フォーカスグループインタビュー発達の歴史
3.フォーカスグループインタビューの実際
4.フォーカスグループインタビューの特徴
X ナッジ(行動経済学の理論)(福田英輝)
1.ナッジとは
2.歯科保健医療分野におけるナッジの活用
3.ナッジの活用例
4.ナッジ活用の際の注意点
5.ナッジの限界
Part 2 行動科学
第9章 どうして行動科学が必要となったか(深井穫博・高江洲義矩)
I 行動科学とは
1.行動科学の誕生
2.先駆的研究
3.行動主義心理学の役割
4.認知心理学・認知科学が注目される理由
II 行動科学と認知科学
1.認知科学の成立
2.認知と行動
III 健康行動から予防行動へ
1.健康行動の意義
2.ライフスタイルと健康
3.健康行動学の研究展開
4.口腔健康行動とは
5.病者の行動
6.行動科学に基づく健康教育・保健指導の原則
IV まとめ
第10章 人の一生の行動
I 行動と社会的決定要因(環境)(相田 潤)
1.健康の社会的決定要因
2.健康の社会的決定要因と行動
3.定期歯科受診を例に,社会的決定要因の影響を考える
4.まとめ
II ライフサイクルと行動(岩本優子・内藤真理子)
1.ライフサイクル論と生涯発達的視点
2.発達段階と行動
3.まとめ
III 行動と性,エイジング(古田美智子)
1.健康行動の性差
2.加齢と健康行動
3.まとめ
IV 合理的行動と非合理的行動(行動経済学)(福田英輝)
1.行動経済学
2.合理的行動と非合理的行動
3.意思決定に関わるバイアス
4.歯科口腔保健分野における行動経済学の可能性
5.まとめ
第11章 健康行動の理論・モデル
I 個人レベル(古田美智子)
1.健康信念モデル
2.合理的行動理論・計画的行動理論・統合的行動モデル
3.トランスセオレティカルモデル
4.まとめ
II 個人間レベル(内藤真理子)
1.個人間レベルの理論・モデルの歴史
2.社会的認知理論
3.ストレスと健康生成論
4.社会関係と健康
5.まとめ
III 集団・コミュニティレベル(野村義明・山本祐子・岡田彩子)
1.はじめに
2.PRECEDE-PROCEEDモデル
3.イノベーション普及モデル
4.ポリシーストリーム(policy stream)
5.RE-AIM
6.その他のモデル
7.まとめ
第12章 ヘルスプロモーションと健康教育(有川量崇・田口千恵子)
I 健康科学とヘルスケア
1.健康とは
2.健康増進のための科学
3.キュアからケアへ
II 健康教育
1.健康教育の定義
2.健康教育の実際
III ヘルスプロモーション
1.オタワ憲章・バンコク憲章による定義
2.種々のヘルスプロモーションモデル
3.ヘルスプロモーション事例
IV まとめ
第13章 口腔健康行動(葭原明弘・宮ア秀夫)
I はじめに
II 口腔健康関連の行動モデル
III 健康行動を構成する要素の関連性
IV 口腔健康行動と口腔健康教育
V 地域ベースの口腔健康行動
1.学校歯科保健における齲蝕予防プログラム
2.職域における行動変容プログラム
VI まとめ
第14章 受診・受療行動(安藤雄一)
I はじめに
II 受診・受療行動の実態
1.健診(検診)への受診行動
2.医療機関への受療行動
III 受診・受療行動の決定要因
1.決定要因の概観
2.主な決定要因
第15章 患者と保健医療者の行動(杉原直樹)
I 病者役割行動
II 患者―医療者関係
III 保健医療者の行動
1.プロフェッショナリズム
2.インフォームド・コンセント
3.研究倫理
文献
索引














