やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに
 歯の位置異常や歯軸の傾斜異常などの歯列不正は,歯周病の初発因子ではないが,修飾因子として重大な影響を及ぼしている場合がきわめて多く,歯周病患者の歯列不正を改善したいと思う症例に遭遇することは珍しくない.たとえば叢生や歯軸の傾斜などの歯列不正は,自浄作用の低下と清掃用具の使用を困難にしてプラークの付着を増加させ,歯周組織の炎症を増悪させる.さらに前歯の前突は,口唇閉鎖困難を生じさせ口呼吸を誘発し,前歯の唇側や上顎の口蓋側歯肉の炎症を強める.
 歯列不正は,このように炎症を増悪させる修飾因子となるほか,咬合性外傷を引き起こす原因となる.歯軸の傾斜は側方圧を誘発し,前歯の歯間離開や前突は舌の悪習癖を誘発して咬合性外傷を引き起こす.さらに歯周病が進行し支持力が低下してくると,炎症性組織(肉芽)の増殖や舌,口唇などの口腔内の力のわずかな乱れにより,歯は傾斜,挺出,側方移動など(歯の病的移動)を生じ,歯周病はますます増悪してしまう.すなわち歯周病患者は歯周病の進行とともに歯列不正が進行し,歯周組織の破壊,審美性の悪化などがさらに進んでしまう結果となる.
 このような歯周病患者の治療にあたって,歯周治療に矯正治療を組み込んで治療することにより,清掃性(炎症)と咬合性外傷を改善するとともに,審美性を改善し,歯槽骨を再生させたり,補綴治療やインプラント治療を適切に行いやすくするなど,治療効果を著しく高めることができる.
 しかし,歯周病学的な配慮をせずに矯正治療を行うと,歯周病が進行してしまって抜歯せざるをえないなど,思わぬ事態を招く危険性がある.
 そこで本書では,歯周病患者の局所矯正治療(MTM)を行う際に,歯周病患者の矯正治療の基本的考え方とテクニック,すなわち歯周病学と矯正学の理論的背景をもとに,患者の問題を把握し,歯周治療,矯正治療の両者を組み合わせた治療を学び,それを日常臨床に取り入れ実践することができるように,一つ一つのステップを豊富な症例とイラストで具体的に解説した.
 本書を執筆するにあたり,矯正治療の分野はHirschfeldらの著書を参考にしたが,学生時代の親友であり東京医科歯科大学のポストグラデュエートで約20年間一緒に講師をしていた,町家仁躬先生の影響を大きく受けている.ここに心から感謝の意を表しお礼を申し上げる.歯周病学の分野はきわめて大切であるが,紙面の都合上,細部までは十分に記することはできなかった.その部分は前著『最新歯周病学』を参考にしていただきたい.
 本書が出版できたのは,長い間いろいろな面で私を支えてくれた妻の瑞穂と家族のお蔭であり,さらには恩師の故石川純先生をはじめ,ご指導・ご協力いただいた東京医科歯科大学,北海道大学,北海道医療大学,東京お茶の水クリニックの先生方に感謝とお礼を申し上げる.また,本書の出版にご協力いただいた医歯薬出版株式会社に感謝申し上げる.
 安全で確実な歯周病患者の局所矯正治療を成功させるために,本書が日常臨床のお役に立てれば幸いである

 2007年9月1日
 加藤 熈
第I章 歯周病患者の局所矯正治療(MTM)を始める前に
 歯周病患者の矯正治療に必要な歯周病の基本知識
  歯周病の発生と進行のメカニズム
   歯肉の炎症の発生と進行  歯周炎の進行─真性ポケット形成・深化,骨吸収  歯周病を進行させる因子  歯周病のリスクファクターと歯周病が影響する全身疾患
  歯周病,外傷力(外傷性咬合),咬合性外傷
   外傷力(外傷性咬合)  咬合性外傷  炎症と咬合性外傷の合併による歯周病の急速進行
  矯正治療開始前に必要な歯周治療
  歯周治療の基本的考え方
  歯周治療の具体的要点
   歯周病の検査(歯周検査)と記録(ペリオカルテ)作成  診断,治療計画の作成,患者への説明,治療計画の修正  歯周基本治療I─炎症のコントロール  歯周基本治療II─咬合性外傷のコントロール  再評価と治療計画の修正  修正治療,再評価と再治療  メインテナンス治療
 歯周病患者の局所矯正治療(MTM)の目的と効果─なぜMTMが必要で有効か─
  歯周病と歯列不正の関係
   歯列不正は歯周病を進行させ,歯周治療を困難にする  歯周病は歯を病的移動させ歯列不正を誘発し,悪化させる  歯周治療と矯正治療の組み合わせにより治療効果が大きくなる
  歯周病患者の局所矯正治療(MTM)の目的と効果
   歯周組織の炎症の改善  歯周組織の咬合性外傷の改善  歯周病で失われた歯周組織の再生  前歯を中心に審美性の改善  歯冠修復,連結固定,補綴治療を適切に行えるようにする  悪習癖の改善と口腔機能の向上
 歯の移動の基本知識─矯正力と歯の移動のメカニズム
  矯正治療と矯正力
   矯正力─歯に加える力と歯の移動  適正な矯正力─その強さを決めるには  適正な矯正力の強さを決めるにあたって考慮すべき事項
  歯の移動と歯周組織の変化
   圧迫側の歯周組織の変化  牽引側歯周組織の変化
  矯正力の強さ,適用期間,方向,分配
   矯正力の強さと適用期間により歯の移動の様相は変化する  矯正力の強さは歯が移動するにつれ減少(変化)する  矯正力の強さと適用期間を決めるうえで原則がある  矯正力の方向と分配によって歯の移動様式(タイプ)が決まってくる
  歯の移動様式とその特徴
   傾斜移動  歯体移動  回転  挺出  圧下  トルク
  反作用力と固定源(anchorage)の重要性
  保定
 歯周病歯と正常歯の矯正治療の相違点
  歯周病歯に歯周治療を行わず矯正力を加えたときの歯周組織の変化─ネコを用いた動物実験(北海道大学における研究)
  歯周病歯と正常歯に矯正力を加えたときの歯周組織の反応と相違点
   正常歯に矯正力を加えたときの歯周組織の反応  歯肉炎の歯に矯正力を加えたときの歯周組織の反応  歯周炎の歯に矯正力を加えたときの歯周組織の反応  歯周炎の歯と正常歯に矯正力を加えたときの相違点
  歯周病歯に矯正治療を行うときの注意事項─まとめ
   歯の移動開始前の歯周病の検査と治療  固定源の確保と固定源歯,粘膜への配慮  歯周病患者に適した矯正装置と矯正力の選択  歯の移動中の管理対応  歯の移動終了後の管理
 症例1〜5
第II章 歯周病患者の局所矯正治療(MTM)の進め方─診査・診断,適応症の判定,治療計画,治療実施─
 歯周病患者の局所矯正治療(MTM)の進め方
 歯周病患者の局所矯正治療(MTM)のための診査・診断
  歯周病学的診査─歯周病の進行状態と原因の検査
   歯周病の進行状態,病態の把握  歯周病の原因,修飾因子の把握
  矯正学的診査─歯列不正と咬合の検査
   一般歯科医が行う局所矯正治療の範囲か,専門医に依頼するべきかの判定  問診,視診,および保存しておくべき検査資料  全体的な咬合状態の検査  前歯の咬合状態の検査  臼歯部の歯列不正の検査  機能的咬合,ブラキシズムの検査  悪習癖の検査
 適応症の選択,判定
  矯正治療の必要度と治療効果の評価
   歯周組織の炎症の改善─清掃性の改善に効果が高い症例  咬合性外傷の改善に効果が高い症例  歯周組織の再生─骨欠損,ポケットの改善に効果が高い症例  審美性の改善に効果が高い症例  永久固定や歯周補綴を行いやすくする効果が高い症例
  矯正治療(MTM)の難易度の評価
   患者の協力度と理解度  歯周組織の破壊の程度(歯周病の進行度)  歯の移動スペースの有無  適切な固定源の存在  歯を移動する距離の長さ  必要な移動様式とそれを可能にする矯正装置の使用  歯の移動を妨害する咬合接触,早期接触の除去が可能か
  歯の移動後の保定の難易度の評価
   歯を削らない保定法が可能か,歯を削る永久固定の範囲はどこまで必要か  歯列不正の原因(側方力,舌習癖,早期接触,ブラキシズム)の除去,軽減は可能か
 局所矯正治療(MTM)の実施
  治療目標と治療計画の立案,患者への説明と了解
  局所矯正治療開始前の歯周治療の徹底
   歯周基本治療を徹底する  再評価後に歯周外科を行い,移動歯と固定源歯のポケットを浅くする
  舌・口唇の習癖,ブラキシズムなど歯列不正の原因の改善
   舌・口唇の悪習癖の治療法  強いブラキシズム習癖の治療法
  歯の移動の実施と移動中の検査・対応
   矯正装置の選択,作製,装着  歯の移動中の検査と調整
  移動終了時の処置と保定
   歯の移動終了時の再評価と処置  歯質を削らない保定の方法  永久固定法による保定
 歯周病患者の局所矯正治療成功のキーポイント
 症例6〜8
第III章 MTMに用いる矯正装置,器具,材料と臨床応用
 MTMに用いる矯正装置の選択基準
  可撤式矯正装置を選択する基本的考え
  固定式矯正装置を選択する基本的考え
 MTMに用いる器具,材料
  MTMに用いる器具(インスツルメント)
   プライヤー類  カッター  ブラケットの装着と撤去用器具  その他の便利な器具  鑞着用バーナー(矯正用ガストーチ)
  MTMに使用する材料と特徴
   ワイヤー  ブラケット  チューブ(バッカルチューブ)  リンガルボタン  結紮線(リガチャーワイヤー)とO─リング・リガチャー  矯正力を直接発揮する材料
  可撤式矯正装置に用いる材料
 MTMに用いる可撤式矯正装置の特徴,作製法,使用法
  可撤式矯正装置の特徴(利点と欠点)
  可撤式矯正装置の適応症
   口腔全体の条件から適用したい症例  移動歯の条件から適用したい症例,適用できない症例
  ホーレータイプ床矯正装置の構造と機能および義歯の応用
   レジン床─装置の安定維持と固定源確保の役割  唇側線─矯正力の発揮と装置の維持の役割  クラスプ─装置の維持と固定源確保の役割  補助弾線(auxiliary spring)  ゴム輪とフックおよびストッパーを利用する方法  ピストンスクリュー(マイクロスクリュー)の利用:矯正力の発揮  義歯の利用
  ホーレータイプ床矯正装置の作製方法
   印象採得と作業模型の作製  作業模型上での設計と外形線の記入  唇側線の作製方法(ベンディング)  クラスプの作製  レジン床の作製  研磨,仕上げ
  スプリング(補助弾線)の応用と作製
   スプリングが矯正力を発揮するメカニズム  スプリングの性能─ワイヤーの太さと長さ,ループの組み入れ  スプリングの作製法─ワイヤーの屈曲(ベンディング)  唇側線やクラスプに鑞着して用いるスプリング,フックの作製  レジン床内に埋め込んで用いるスプリングの作製
  鑞着の技術習得─可撤式矯正装置の適用範囲を広くする
  レジン床部の作製法
  ゴム輪(エラスティック),リングレットの利用
   ゴム輪の選択  ゴム輪,リングレットの交換
 MTMに用いる固定式矯正装置とその特徴,作製法
  固定式矯正装置の長所と短所
  固定式矯正装置の種類と適応症
   セクショナルアーチ装置  マルチブラケット(フルアーチワイヤー)装置  舌側弧線装置  唇側弧線装置  交叉ゴム装置
  ブラケットとアーチワイヤーの構造と働き
   ブラケットの構造と役割  ブラケットの接着位置(ブラケットポジション)の重要性  アーチワイヤーの材質,形態と働き
  セクショナルアーチ:ブラケットとアーチワイヤーによる歯体移動
   歯体移動に用いるアーチワイヤー  歯体移動を行う
  ブラケットとアーチワイヤーによる挺出,圧下,トルク,近遠心傾斜の修正
   歯の挺出と圧下─ブラケットの装着位置(ブラケットポジション)による方法  トルク(歯根尖の唇舌方向移動)─ブラケットに角型ワイヤーを挿入する方法  歯軸の近遠心傾斜の修正─ブラケット(スロット)の向きに注意
  その他の固定式矯正装置と歯の移動
   レジン冠の応用  リンガルボタンの応用  バッカルチューブとアップライトスプリングの応用  ピストンスクリューの応用
 症例9〜11
第IV章 前歯の局所矯正治療(MTM)
 前歯フレアーアウト(唇側傾斜と歯間離開)の治療
  前歯フレアーアウトの病態,原因と進行のメカニズム
  治療方針と治療の進め方
   治療方針  治療の進め方
  検査,適応症の判定,矯正治療法の選択(治療計画立案)
   問診:歯周病と歯並びの変化について問診する(適応症の判定に重要)  歯周病検査:病変を見落とさず,必要とする歯周治療内容を決定する  矯正学的検査:前歯の傾斜と歯列全体の咬合状態,歯間空隙の程度, 固定源を調べ,歯の移動計画を作成する  歯間離開空隙(配列スペース)が過剰な症例の治療法  歯間離開空隙(歯の移動スペース)が不足している症例の治療法  隣接面エナメル質削除によるスペース作成法  固定源の検討─適切な固定源がないときの治療法  舌習癖の検査と治療
  ホーレータイプ床矯正装置と唇側線ループ調整による治療法
   前歯フレアーアウトの治療にはホーレータイプ床矯正装置が適している  床矯正装置の作製と装着時の注意点  舌側傾斜移動力と圧下力を加えるための犬歯部ループの調整  レジン床の点検と調整  近遠心移動を組み合わせることができる
  ホーレータイプ床矯正装置とゴム輪(エラスティック)を用いる治療法
   治療順序と注意点
  ブラケットとアーチワイヤー(固定式装置)を用いた治療法
   検査と適応症の選択  固定源の臼歯の補強と保護  装置の設計と治療の実際
  フレアーアウト歯の矯正治療中の管理
   矯正装置の点検と調整  移動する歯が計画どおり移動しているか調べる  移動歯の歯周組織の点検と対応  固定源歯の点検と対応  移動中に生じる早期接触の点検と対策  前歯は舌側移動するとオーバーバイトが深くなる─対策が必要
  保定とメインテナンスの方法
   ホーレータイプ床矯正装置を長期保定に利用する方法  接着性レジンを使用する方法  永久固定による保定  舌の悪習癖の改善努力の継続
 前歯の近遠心移動
  診査・診断と治療計画
   歯周病検査と歯周治療  矯正学的検査と治療方法  矯正装置の決定
  セクショナルアーチによる近遠心移動
   セクショナルアーチの設計  アーチワイヤーとブラケットの選択  ブラケットの接着と注意事項  アーチワイヤーの装着  近遠心方向の矯正力の付加  歯軸傾斜歯の歯軸修正と近遠心移動  アーチワイヤーにループを組み込む方法
  床矯正装置による近遠心移動
   適応症の選択  床矯正装置の唇側線に0.4〜0.5mm線を鑞着し近遠心移動する方法  床矯正装置のレジン床に0.4〜0.5mm線を埋め込み近遠心移動する方法  床矯正装置にフックをつけ,移動歯との間にゴム輪をかけ移動する方法
 前歯の唇側移動
  診査・診断と治療計画
   歯周組織の検査と治療  矯正学的検査と矯正装置の選択
  セクショナルアーチによる移動方法
  床矯正装置による移動方法
 切歯1〜2歯と犬歯の舌側移動
  切歯1〜2歯の舌側移動
   床矯正装置を用いる方法  セクショナルアーチを用いる方法
  犬歯の舌側移動
   床矯正装置を用いる方法  セクショナルアーチを用いる方法
 前歯の回転移動(捻転歯の治療)
  セクショナルアーチを使用する方法
  床矯正装置を使用する方法
  移動時の管理と後戻り防止
 前歯の圧下移動
  圧下力を加えると反作用力として挺出力が固定源歯に働く─対策法
  セクショナルアーチを使用する方法
  床矯正装置を使用する方法
   床矯正装置の唇側線を利用する方法  床矯正装置とゴム輪やリングレットを用いる方法
 圧下により生じる歯周ポケットの深化と垂直性骨吸収の対策
 前歯の挺出
  歯の挺出の適応症
   歯を挺出させ歯周ポケット,垂直性骨吸収を改善したい症例  歯根を挺出させ歯肉縁上に露出させたい症例
  固定式装置を用いる方法
   セクショナルアーチを用いる方法  ゴム輪,リングレットを用いる方法
  床矯正装置を用いる方法
   歯冠のある歯の挺出  歯冠のない歯(残根状態の歯)の挺出
 症例12〜20
第V章 臼歯の局所矯正治療(MTM)
 近心傾斜した大臼歯の歯軸修正(アップライト,直立)
  術前の歯周病検査と歯周治療
  アップライトスプリングを用いる治療法
  アップライトスプリングと床矯正装置を用いる方法
  セクショナルアーチでアップライトする方法
 臼歯の近遠心移動
  セクショナルアーチを用いる方法
  床矯正装置を用いる方法
   適応症  矯正力の加え方
 臼歯の頬・舌側移動─交叉咬合の改善
  上下顎両歯が傾斜転位している1〜2歯の交叉咬合の治療─交叉ゴムを使用した治療方法
  上下顎の片側の歯のみが舌側または頬側に傾斜転位している症例(対合歯はほぼ正常な歯軸)の治療
   床矯正装置(義歯も利用可)とゴム輪を用い口蓋(舌)側へ傾斜移動する方法  交叉ゴムと床矯正装置を用いて舌側傾斜している下顎臼歯を矯正する方法  床矯正装置を用い頬側へ移動する方法(義歯も利用可)  セクショナルアーチを用いる方法
  歯根分割後の歯根移動─根分岐部病変治療への応用
  歯根が「ハ」の字に開いている症例の治療
  両歯根がほぼ垂直で互いに平行な症例の治療
   セクショナルアーチを用いる方法  ピストンスクリューを用いる方法(孤立歯にも応用可能)  コイルスプリングとガイドワイヤーを用いる方法
  歯根が「逆ハ」の字に傾斜している症例
 臼歯の挺出移動
  固定式装置を用いる方法
   歯冠のある歯の挺出─セクショナルアーチを用いる方法  残根状歯根の挺出─ゴム輪,リングレットを用いる方法
  床矯正装置を用いる方法
   歯冠のある歯の挺出  残根状歯根の挺出─オーバーデンチャータイプの床装置を用いる方法
 臼歯の圧下移動
  セクショナルアーチを用いる方法
  床装置を用いる方法
 臼歯の回転移動
  セクショナルアーチを用いる方法
  床矯正装置を用いる方法
 症例21〜28

 文献/参考図書
 索引

 症例
  歯周治療に矯正治療を取り入れた最初の症例─45年前(1967年)に治療開始
  歯周病患者の前歯フレアーアウトの治療─10年経過症例
  早期接触,垂直性骨吸収が歯の病的移動を誘発した症例
  歯肉の炎症性組織は歯列不正(歯の病的移動)を誘発する─歯周治療で歯列不正が改善した症例
  重度歯周炎患者の前歯叢生の治療(セクショナルアーチ使用)症例
  歯周治療と矯正治療の組み合わせの治療効果が大きい長期症例
  医原性重度歯周炎患者に歯周治療と矯正治療を組み合わせて大きな効果が得られた8年経過症例
  前医で歯周治療せずに矯正治療を行い歯周病が進行した患者の症例
  床矯正装置を用いた前歯フレアーアウトと審美性の改善症例
  床矯正装置と固定式矯正装置を併用し矯正治療と補綴をかねた固定を行った39年経過症例
  歯周病高齢者に固定式矯正装置を用いた症例
  歯周病患者の前歯部開咬をGTR法で固定源歯治療後に矯正治療した長期症例
  上下顎前歯のフレアーアウトを床矯正装置で治療,保定した症例
  上顎に審美性のよい修復物をつくるため,下顎のフレアーアウトを改善した症例
  重度のフレアーアウトを治療しピンレッジ固定した40年前の症例
  エナメル質削除法により移動スペースをつくり回転移動した症例
  舌習癖の治療をかねた下顎前歯のフレアーアウトの治療症例
  前歯の歯軸傾斜の修正と歯間離開の閉鎖にセクショナルアーチ使用症例
  臼歯部欠損の重度フレアーアウト症例─固定源歯が弱いため義歯を床矯正装置として利用
  歯周病の治療と職業上の制約から上下顎に可撤式床矯正装置を用い成功した症例
  近心傾斜大臼歯の歯軸修正をアップライトスプリングを用いて行った症例
  近心傾斜大臼歯の歯軸修正をアーチワイヤーにループを組み込んで行った症例
  上顎臼歯の交叉咬合(歯軸傾斜)を義歯にフックを組み込んで治療した症例
  前歯フレアーアウトと小臼歯交叉咬合を伴う重度歯周炎の症例
  根分岐部病変の治療への矯正治療の応用─歯根が「ハ」の字に開いている症例
  根分岐部病変治療への矯正治療の応用─歯根がほぼ平行な症例
  上顎の根分岐部病変治療への応用─口蓋根除去後の側根の移動症例
  孤立した大臼歯の根分岐部病変治療への応用症例