『歯科衛生学シリーズ』の誕生―監修にあたって
全国歯科衛生士教育協議会が監修を行ってきた歯科衛生士養成のための教科書のタイトルを,2022年度より,従来の『最新歯科衛生士教本』から『歯科衛生学シリーズ』に変更させていただくことになりました.2022年度は新たに改訂された教科書のみですが,2023年度からはすべての教科書のタイトルを『歯科衛生学シリーズ』とさせていただきます.
その背景には,全国歯科衛生士教育協議会の2021年5月の総会で承認された「歯科衛生学の体系化」という歯科衛生士の教育および業務に関する大きな改革案の公開があります.この報告では,「口腔の健康を通して全身の健康の維持・増進をはかり,生活の質の向上に資するためのもの」を「歯科衛生」と定義し,この「歯科衛生」を理論と実践の両面から探求する学問が【歯科衛生学】であるとしました.【歯科衛生学】は基礎歯科衛生学・臨床歯科衛生学・社会歯科衛生学の3つの分野から構成されるとしています.
また,これまでの教科書は『歯科衛生士教本』というような職種名がついたものであり,これではその職業の「業務マニュアル」を彷彿させると,看護分野など医療他職種からたびたび指摘されてきた経緯があります.さらに,現行の臨床系の教科書には「○○学」といった「学」の表記がないことから,歯科衛生士の教育には学問は必要ないのではと教育機関の講師の方から提言いただいたこともありました.
「日本歯科衛生教育学会」など歯科衛生関連学会も設立され,教育年限も3年以上に引き上げられて,【歯科衛生学】の体系化も提案された今,自分自身の知識や経験が整理され,視野の広がりは臨床上の疑問を解くための指針ともなり,自分が実践してきた歯科保健・医療・福祉の正当性を検証することも可能となります.日常の身近な問題を見つけ,科学的思考によって自ら問題を解決する能力を養い,歯科衛生業務を展開していくことが,少子高齢化が続く令和の時代に求められています.
科学的な根拠に裏付けられた歯科衛生業務のあり方を新しい『歯科衛生学シリーズ』で養い,生活者の健康に寄与できる歯科衛生士として社会に羽ばたいていただきたいと願っております.
2022年2月
一般社団法人 全国歯科衛生士教育協議会理事長
眞木吉信
発刊の辞
歯科衛生士の教育が始まり70年余の経過を経た歯科衛生士の役割は,急激な高齢化や歯科医療の需要の変化とともに医科歯科連携が求められ,医科疾患の重症化予防,例えば糖尿病や誤嚥性肺炎の予防など,う蝕や歯周病といった歯科疾患予防の範囲にとどまらず,全身の健康を見据えた口腔健康管理へとその範囲が拡大しています.
日本政府は,経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」で,口腔の健康は全身の健康にもつながることから,生涯を通じた歯科健診の充実,入院患者や要介護者をはじめとする国民に対する口腔機能管理の推進,歯科口腔保健の充実や地域における医科歯科連携の構築,歯科保健医療の充実に取り組むなど,歯科関連事項を打ち出しており,2022年の現在においても継承されています.特に口腔衛生管理や口腔機能管理については,歯科口腔保健の充実,歯科医療専門職種間,医科歯科,介護・福祉関係機関との連携を推進し,歯科保健医療提供の構築と強化に取り組むことなどが明記され,徹底した予防投資や積極的な未病への介入が全身の健康につながることとして歯科衛生士の活躍が期待されています.
歯科衛生士は,多くの医療系職種のなかでも予防を専門とする唯一の職種で,口腔疾患発症後はもちろんのこと,未病である健口のうちから介入することができ,予防から治療に至るまで,継続して人の生涯に寄り添うことができます.
このような社会のニーズに対応するため歯科衛生学教育は,歯・口腔の歯科学に留まらず,保健・医療・福祉の広範囲にわたる知識を学ぶことが必要となってきました.
歯科衛生学は「口腔の健康を通して全身の健康の維持・増進をはかり,生活の質の向上に資するためのものを『歯科衛生』と定義し,この『歯科衛生』を理論と実践の両面から探求する学問が歯科衛生学である」と定義されます.そこで歯科衛生士の学問は「歯科衛生学」であると明確にするために,これまでの『歯科衛生士教本』,『新歯科衛生士教本』,『最新歯科衛生士教本』としてきた教本のタイトルを一新し,『歯科衛生学シリーズ』とすることになりました.
歯科衛生士として求められる基本的な資質・能力を備えるため『歯科衛生学シリーズ』は,プロフェッショナルとしての歯科衛生学の知識と技能を身につけ,保健・医療・福祉の協働,歯科衛生の質と安全管理,社会において貢献できる歯科衛生士,科学的研究や生涯にわたり学ぶ姿勢を修得する教科書として発刊されました.これからの新たな歯科衛生学教育のために,本書が広く活用され,歯科衛生学の発展・推進に寄与することを願っています.
本書の発刊にご執筆の労を賜った先生方はじめ,ご尽力いただいた医歯薬出版株式会社の皆様に厚く御礼申し上げ,発刊の辞といたします.
2022年2月
歯科衛生学シリーズ編集委員会
高阪利美** 眞木吉信* 合場千佳子 石川裕子 犬飼順子
片岡あい子 遠藤圭子 佐藤 聡 白鳥たかみ 末瀬一彦
戸原 玄 畠中能子 前田健康 升井一朗 水上美樹
森崎市治郎 山田小枝子 山根 瞳 吉田直美
(**編集委員長,*副編集委員長,五十音順,2024年1月現在)
執筆の序
本書,『歯科衛生学シリーズ 人体の構造と機能2 生化学・口腔生化学』は,これまでの『歯科衛生学シリーズ 人体の構造と機能2 栄養と代謝』に含まれていた「代謝」の部分を拡張・充実し,独立させた,新しい教科書である.
歯科衛生士は口腔という食物の入り口から健康を考える専門職であり,職務の1つとして栄養指導を行うことから,従来,「栄養学」は独立した科目として教育されてきた.一方,「代謝」に代表される「生化学」は,栄養学(栄養指導)を学ぶための基礎知識として,栄養学のなかで学ぶことを想定されており,「歯科衛生士国家試験出題基準」においても,独立した科目とはなっていなかった.しかし近年になり,「生化学」は栄養学を学ぶ基盤として,さらに「口腔生化学」は食を支える口腔の機能や口腔で生じる疾患を学ぶ基盤として,これまで以上に厚く学ぶ必要性が高まっている.食物として摂取した栄養素を,私たちがどのように消化・吸収し,エネルギーを獲得したり,必要な物質を合成したりするのかを理解するためには,「生化学」の知識が必要であり,口腔に特徴的な形態や機能を理解するためには「口腔生化学」の知識が不可欠である.
2010年,歯科衛生士の重要性の高まりと歯科衛生学教育の充実を目的に,全ての歯科衛生士教育課程の教育期間が2年から3年以上に拡大された.その後,約15年を経て,医療・保健・福祉における歯科衛生士の役割はますます大きくなり,歯科衛生士に求められる知識や技量はより高度化している.「生化学・口腔生化学」についても例外ではない.このような変化は,歯科衛生学教育に関わってきた幾多の先達が,歯科衛生学をより良いものとすべく不断の努力を惜しまなかった賜物でもある.
このような背景のもと,2018年および2022年には,全国歯科衛生士教育協議会により「歯科衛生学教育コア・カリキュラム」の改訂が行われ,2018年度改訂版からは,専門基礎分野として「A.人体の構造と機能 2.人体の代謝と機能」および「B.歯・口腔の構造と機能 2.口腔の代謝と機能」が明記された.前者(A.2.)の一般目標として「人体の生命現象を分子レベルの化学反応から理解するために,人体の代謝と機能に関する基本的知識を習得する」ことが掲げられ,後者(B.2.)の一般目標として「口腔における生命現象を分子レベルの化学反応から理解するために,口腔における物質の代謝と機能に関する基本的知識を習得する」ことが掲げられている.まさに,前者は「生化学」に,後者は「口腔生化学」に相当し,「生化学・口腔生化学」がコア・カリキュラムにおける独立した科目となったことを示している.
これらの状況を踏まえ,2023年10月,全国歯科衛生士教育協議会のもと,独立した科目として「生化学・口腔生化学」を学ぶための教科書を編集することが決まった.その後の複数回の編集会議を経て基本コンセプトが練られ,前出のコア・カリキュラムに則りながら,最新の知識をコンパクトに,かつ体系的に学べる教科書とすることとした.
本教科書が,歯科衛生士を志す学生諸君にとってはもちろんのこと,第一線の歯科衛生士として活躍している方々の「学びの道みちしるべ標」となることを期待したい.
末筆ながら,執筆者,編集委員,出版社担当者をはじめ,本教科書の執筆,編集等に関わった全ての皆様に,深甚より感謝申し上げ,執筆の序とする.
2024年11月
編集委員 橋信博
全国歯科衛生士教育協議会が監修を行ってきた歯科衛生士養成のための教科書のタイトルを,2022年度より,従来の『最新歯科衛生士教本』から『歯科衛生学シリーズ』に変更させていただくことになりました.2022年度は新たに改訂された教科書のみですが,2023年度からはすべての教科書のタイトルを『歯科衛生学シリーズ』とさせていただきます.
その背景には,全国歯科衛生士教育協議会の2021年5月の総会で承認された「歯科衛生学の体系化」という歯科衛生士の教育および業務に関する大きな改革案の公開があります.この報告では,「口腔の健康を通して全身の健康の維持・増進をはかり,生活の質の向上に資するためのもの」を「歯科衛生」と定義し,この「歯科衛生」を理論と実践の両面から探求する学問が【歯科衛生学】であるとしました.【歯科衛生学】は基礎歯科衛生学・臨床歯科衛生学・社会歯科衛生学の3つの分野から構成されるとしています.
また,これまでの教科書は『歯科衛生士教本』というような職種名がついたものであり,これではその職業の「業務マニュアル」を彷彿させると,看護分野など医療他職種からたびたび指摘されてきた経緯があります.さらに,現行の臨床系の教科書には「○○学」といった「学」の表記がないことから,歯科衛生士の教育には学問は必要ないのではと教育機関の講師の方から提言いただいたこともありました.
「日本歯科衛生教育学会」など歯科衛生関連学会も設立され,教育年限も3年以上に引き上げられて,【歯科衛生学】の体系化も提案された今,自分自身の知識や経験が整理され,視野の広がりは臨床上の疑問を解くための指針ともなり,自分が実践してきた歯科保健・医療・福祉の正当性を検証することも可能となります.日常の身近な問題を見つけ,科学的思考によって自ら問題を解決する能力を養い,歯科衛生業務を展開していくことが,少子高齢化が続く令和の時代に求められています.
科学的な根拠に裏付けられた歯科衛生業務のあり方を新しい『歯科衛生学シリーズ』で養い,生活者の健康に寄与できる歯科衛生士として社会に羽ばたいていただきたいと願っております.
2022年2月
一般社団法人 全国歯科衛生士教育協議会理事長
眞木吉信
発刊の辞
歯科衛生士の教育が始まり70年余の経過を経た歯科衛生士の役割は,急激な高齢化や歯科医療の需要の変化とともに医科歯科連携が求められ,医科疾患の重症化予防,例えば糖尿病や誤嚥性肺炎の予防など,う蝕や歯周病といった歯科疾患予防の範囲にとどまらず,全身の健康を見据えた口腔健康管理へとその範囲が拡大しています.
日本政府は,経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」で,口腔の健康は全身の健康にもつながることから,生涯を通じた歯科健診の充実,入院患者や要介護者をはじめとする国民に対する口腔機能管理の推進,歯科口腔保健の充実や地域における医科歯科連携の構築,歯科保健医療の充実に取り組むなど,歯科関連事項を打ち出しており,2022年の現在においても継承されています.特に口腔衛生管理や口腔機能管理については,歯科口腔保健の充実,歯科医療専門職種間,医科歯科,介護・福祉関係機関との連携を推進し,歯科保健医療提供の構築と強化に取り組むことなどが明記され,徹底した予防投資や積極的な未病への介入が全身の健康につながることとして歯科衛生士の活躍が期待されています.
歯科衛生士は,多くの医療系職種のなかでも予防を専門とする唯一の職種で,口腔疾患発症後はもちろんのこと,未病である健口のうちから介入することができ,予防から治療に至るまで,継続して人の生涯に寄り添うことができます.
このような社会のニーズに対応するため歯科衛生学教育は,歯・口腔の歯科学に留まらず,保健・医療・福祉の広範囲にわたる知識を学ぶことが必要となってきました.
歯科衛生学は「口腔の健康を通して全身の健康の維持・増進をはかり,生活の質の向上に資するためのものを『歯科衛生』と定義し,この『歯科衛生』を理論と実践の両面から探求する学問が歯科衛生学である」と定義されます.そこで歯科衛生士の学問は「歯科衛生学」であると明確にするために,これまでの『歯科衛生士教本』,『新歯科衛生士教本』,『最新歯科衛生士教本』としてきた教本のタイトルを一新し,『歯科衛生学シリーズ』とすることになりました.
歯科衛生士として求められる基本的な資質・能力を備えるため『歯科衛生学シリーズ』は,プロフェッショナルとしての歯科衛生学の知識と技能を身につけ,保健・医療・福祉の協働,歯科衛生の質と安全管理,社会において貢献できる歯科衛生士,科学的研究や生涯にわたり学ぶ姿勢を修得する教科書として発刊されました.これからの新たな歯科衛生学教育のために,本書が広く活用され,歯科衛生学の発展・推進に寄与することを願っています.
本書の発刊にご執筆の労を賜った先生方はじめ,ご尽力いただいた医歯薬出版株式会社の皆様に厚く御礼申し上げ,発刊の辞といたします.
2022年2月
歯科衛生学シリーズ編集委員会
高阪利美** 眞木吉信* 合場千佳子 石川裕子 犬飼順子
片岡あい子 遠藤圭子 佐藤 聡 白鳥たかみ 末瀬一彦
戸原 玄 畠中能子 前田健康 升井一朗 水上美樹
森崎市治郎 山田小枝子 山根 瞳 吉田直美
(**編集委員長,*副編集委員長,五十音順,2024年1月現在)
執筆の序
本書,『歯科衛生学シリーズ 人体の構造と機能2 生化学・口腔生化学』は,これまでの『歯科衛生学シリーズ 人体の構造と機能2 栄養と代謝』に含まれていた「代謝」の部分を拡張・充実し,独立させた,新しい教科書である.
歯科衛生士は口腔という食物の入り口から健康を考える専門職であり,職務の1つとして栄養指導を行うことから,従来,「栄養学」は独立した科目として教育されてきた.一方,「代謝」に代表される「生化学」は,栄養学(栄養指導)を学ぶための基礎知識として,栄養学のなかで学ぶことを想定されており,「歯科衛生士国家試験出題基準」においても,独立した科目とはなっていなかった.しかし近年になり,「生化学」は栄養学を学ぶ基盤として,さらに「口腔生化学」は食を支える口腔の機能や口腔で生じる疾患を学ぶ基盤として,これまで以上に厚く学ぶ必要性が高まっている.食物として摂取した栄養素を,私たちがどのように消化・吸収し,エネルギーを獲得したり,必要な物質を合成したりするのかを理解するためには,「生化学」の知識が必要であり,口腔に特徴的な形態や機能を理解するためには「口腔生化学」の知識が不可欠である.
2010年,歯科衛生士の重要性の高まりと歯科衛生学教育の充実を目的に,全ての歯科衛生士教育課程の教育期間が2年から3年以上に拡大された.その後,約15年を経て,医療・保健・福祉における歯科衛生士の役割はますます大きくなり,歯科衛生士に求められる知識や技量はより高度化している.「生化学・口腔生化学」についても例外ではない.このような変化は,歯科衛生学教育に関わってきた幾多の先達が,歯科衛生学をより良いものとすべく不断の努力を惜しまなかった賜物でもある.
このような背景のもと,2018年および2022年には,全国歯科衛生士教育協議会により「歯科衛生学教育コア・カリキュラム」の改訂が行われ,2018年度改訂版からは,専門基礎分野として「A.人体の構造と機能 2.人体の代謝と機能」および「B.歯・口腔の構造と機能 2.口腔の代謝と機能」が明記された.前者(A.2.)の一般目標として「人体の生命現象を分子レベルの化学反応から理解するために,人体の代謝と機能に関する基本的知識を習得する」ことが掲げられ,後者(B.2.)の一般目標として「口腔における生命現象を分子レベルの化学反応から理解するために,口腔における物質の代謝と機能に関する基本的知識を習得する」ことが掲げられている.まさに,前者は「生化学」に,後者は「口腔生化学」に相当し,「生化学・口腔生化学」がコア・カリキュラムにおける独立した科目となったことを示している.
これらの状況を踏まえ,2023年10月,全国歯科衛生士教育協議会のもと,独立した科目として「生化学・口腔生化学」を学ぶための教科書を編集することが決まった.その後の複数回の編集会議を経て基本コンセプトが練られ,前出のコア・カリキュラムに則りながら,最新の知識をコンパクトに,かつ体系的に学べる教科書とすることとした.
本教科書が,歯科衛生士を志す学生諸君にとってはもちろんのこと,第一線の歯科衛生士として活躍している方々の「学びの道みちしるべ標」となることを期待したい.
末筆ながら,執筆者,編集委員,出版社担当者をはじめ,本教科書の執筆,編集等に関わった全ての皆様に,深甚より感謝申し上げ,執筆の序とする.
2024年11月
編集委員 橋信博
序章 生化学・口腔生化学と歯科衛生士
(1)-生化学・口腔生化学とは
(2)-歯科衛生士が生化学・口腔生化学を学ぶ意義
(3)-本書での学び方と他科目との関連
I編 人体の代謝と機能
1章 人体の構成要素
(1)-細胞の役割
1.細胞の大きさと構造
1)細胞膜
2)細胞小器官
2.情報伝達
3.細胞の分化・増殖
Coffee break iPS細胞の未来
(2)-人体における水
1.人体中の水の分布
2.水の性質
3.水の解離と水素イオン濃度
4.pH尺度
5.酸とアルカリ(塩基)
6.緩衝作用と緩衝液
(3)-人体構成成分の構造と種類
1.私たちの体を構成する成分
2.糖質の構造と種類
1)糖類の基本構造
Coffee break 糖質の構造
2)糖類の種類
3.脂質の構造と種類
4.タンパク質の構造と役割
5.ビタミン
6.ミネラル(無機質)
2章 人体における化学反応
(1)-消化と吸収
1.糖質の消化と吸収
2.脂質の消化と吸収
3.タンパク質の消化と吸収
(2)-酸素の運搬と二酸化炭素の排出
(3)-代謝
1.酵素の役割
2.エネルギー代謝とアデノシン三リン酸(ATP)
3章 糖質,脂質,タンパク質の代謝
(1)-消化,吸収,代謝の全体像
1.糖質と脂質の代謝
Coffee break 酸化と還元
2.タンパク質の代謝
Coffee break 名前にみる生化学研究─解糖とクエン酸回路─
(2)-糖質と脂質の代謝─主要なエネルギー基質─
1.糖質の代謝とエネルギーの生成
1)解糖
2)グリコーゲンの合成と分解
3)ペントースリン酸回路
4)ピルビン酸からのアセチルCoAの産生とクエン酸回路
5)電子伝達系
6)糖質の代謝によって得られるエネルギー量
7)糖の合成(糖新生)
2.脂質の代謝とエネルギーの生成
1)脂肪酸の代謝(β酸化)
2)脂肪酸の酸化によって得られるエネルギー量
3)脂肪酸の合成
(3)-タンパク質とアミノ酸の代謝─多様な機能をもつ生体分子─
1.タンパク質の消化,吸収とアミノ酸代謝の特徴
2.アミノ酸の代謝
1)脱アミノ反応
2)脱炭酸反応
4章 糖質,脂質,タンパク質代謝の相互関連
Coffee break ケトン体
5章 遺伝子とタンパク質合成
(1)-DNAと遺伝子
1.DNAの基本構成単位
2.DNA二重らせんの形成
3.遺伝子の役割:セントラルドグマ(遺伝情報の伝達)
(2)-遺伝子の発現とタンパク質の合成
1.RNAの合成:転写
2.タンパク質の合成:翻訳
6章 人体における恒常性の維持
(1)-恒常性(ホメオスタシス)とは
1.血液の緩衝能
2.血糖値
(2)-ホルモン系と自律神経系
II編 口腔の代謝と機能
1章 歯と歯周組織の生化学
(1)-歯と歯周組織
(2)-歯周組織の主要成分としての結合組織
1.結合組織の組成と機能
2.線維状タンパク質
1)コラーゲン
2)エラスチン
3.プロテオグリカンとグリコサミノグリカン
1)プロテオグリカンとグリコサミノグリカンの構造と機能
2)主なプロテオグリカン
4.接着性タンパク質
1)フィブロネクチン
2)ラミニン
5.非コラーゲン性タンパク質
1)オステオカルシン
2)オステオポンチン
3)その他の非コラーゲン性タンパク質
6.細胞外マトリックスの分解
(3)-歯
1.歯の組成
2.歯の無機成分
1)ヒドロキシアパタイト
2)カルシウムとリンの比
3)その他の無機成分
3.歯の有機成分
1)エナメル質タンパク質
2)象牙質とセメント質のタンパク質
2章 硬組織の生化学
(1)-血清カルシウムの恒常性とその調節機構
1.血清カルシウム濃度の恒常性
1)血清カルシウム濃度の恒常性の維持
2)血清カルシウム代謝調節器官
2.血清カルシウム調節ホルモン
1)カルシトニン
2)副甲状腺ホルモン
3)活性型ビタミンD
(2)-骨形成と石灰化のメカニズム
1.骨形成メカニズム
1)未分化間葉系細胞から骨芽細胞と骨細胞への分化
2)骨芽細胞の特徴
3)骨芽細胞の役割
4)骨細胞
2.骨と歯を構成する無機成分と有機成分
1)骨と歯を構成する成分
2)ヒドロキシアパタイトとは
3)骨と象牙質の石灰化メカニズム
4)エナメル質の石灰化メカニズム
(3)-骨吸収と骨リモデリング
1.骨吸収を担う破骨細胞
1)破骨細胞の由来
2)破骨細胞の特徴
3)破骨細胞による骨吸収メカニズム
4)破骨細胞の分化メカニズム
2.骨リモデリング(骨の改造)
(4)-歯の脱灰と再石灰化
1.酸によるヒドロキシアパタイトの脱灰と再石灰化
1)酸によるヒドロキシアパタイトの脱灰
2)ヒドロキシアパタイトの再石灰化
2.キレート作用によるヒドロキシアパタイトの脱灰
3章 唾液の生化学
(1)-唾液の組成と機能
(2)-唾液に含まれる無機質の組成と機能
(3)-唾液に含まれる有機質の組成と機能
1)糖タンパク質とタンパク質
Coffee break 唾液で血液型を特定する
2)酵素
3)抗菌因子
4)その他の低分子物質
4章 プラークの生化学
(1)-プラーク
1.プラークとバイオフィルム
2.口腔バイオフィルム
1)歯肉縁上プラーク
2)歯肉縁下プラーク
3)舌苔
3.プラークの形成
1)ペリクルの形成
2)プラークの形成
Coffee break バイオフィルムの構造と特徴
(2)-プラークによるう蝕発生機構―多因子性疾患としてのう蝕―
1.う蝕の特徴
2.う蝕の発生過程
1)歯肉縁上プラークによる糖からの酸産生
2)Stephenカーブと歯表面の脱灰・再石灰化
3)食生活とう蝕の発生
3.う蝕の発生に影響する因子
1)プラークのう蝕誘発能
Coffee break 根面う蝕予防への新たな挑戦
2)糖質
3)唾液
4)歯
5)食生活
4.う蝕病因論の変遷―「Keyesの3つの輪」から「歯の脱灰と再石灰化のバランス」へ
Coffee break う蝕と酸蝕症
5.う蝕予防の考え方
1)ブラッシング
2)食生活の改善と代用甘味料の利用
Coffee break フェニルケトン尿症という先天性代謝異常症
3)フッ化物の応用
4)唾液分泌の促進
(3)-プラークによる歯周病発生機構
1.細菌に由来する歯周組織傷害因子
1)タンパク質分解酵素
2)リポ多糖(LPS)
3)代謝産物
2.生体防御機構と炎症反応
1)生体防御機構
2)炎症反応
3.歯周病の発生過程
1)細菌の定着と侵入
2)炎症反応による歯周組織の破壊
3)歯槽骨の吸収
(4)-プラークや舌苔による口臭発生機構
(5)-プラークと歯石
索引
(1)-生化学・口腔生化学とは
(2)-歯科衛生士が生化学・口腔生化学を学ぶ意義
(3)-本書での学び方と他科目との関連
I編 人体の代謝と機能
1章 人体の構成要素
(1)-細胞の役割
1.細胞の大きさと構造
1)細胞膜
2)細胞小器官
2.情報伝達
3.細胞の分化・増殖
Coffee break iPS細胞の未来
(2)-人体における水
1.人体中の水の分布
2.水の性質
3.水の解離と水素イオン濃度
4.pH尺度
5.酸とアルカリ(塩基)
6.緩衝作用と緩衝液
(3)-人体構成成分の構造と種類
1.私たちの体を構成する成分
2.糖質の構造と種類
1)糖類の基本構造
Coffee break 糖質の構造
2)糖類の種類
3.脂質の構造と種類
4.タンパク質の構造と役割
5.ビタミン
6.ミネラル(無機質)
2章 人体における化学反応
(1)-消化と吸収
1.糖質の消化と吸収
2.脂質の消化と吸収
3.タンパク質の消化と吸収
(2)-酸素の運搬と二酸化炭素の排出
(3)-代謝
1.酵素の役割
2.エネルギー代謝とアデノシン三リン酸(ATP)
3章 糖質,脂質,タンパク質の代謝
(1)-消化,吸収,代謝の全体像
1.糖質と脂質の代謝
Coffee break 酸化と還元
2.タンパク質の代謝
Coffee break 名前にみる生化学研究─解糖とクエン酸回路─
(2)-糖質と脂質の代謝─主要なエネルギー基質─
1.糖質の代謝とエネルギーの生成
1)解糖
2)グリコーゲンの合成と分解
3)ペントースリン酸回路
4)ピルビン酸からのアセチルCoAの産生とクエン酸回路
5)電子伝達系
6)糖質の代謝によって得られるエネルギー量
7)糖の合成(糖新生)
2.脂質の代謝とエネルギーの生成
1)脂肪酸の代謝(β酸化)
2)脂肪酸の酸化によって得られるエネルギー量
3)脂肪酸の合成
(3)-タンパク質とアミノ酸の代謝─多様な機能をもつ生体分子─
1.タンパク質の消化,吸収とアミノ酸代謝の特徴
2.アミノ酸の代謝
1)脱アミノ反応
2)脱炭酸反応
4章 糖質,脂質,タンパク質代謝の相互関連
Coffee break ケトン体
5章 遺伝子とタンパク質合成
(1)-DNAと遺伝子
1.DNAの基本構成単位
2.DNA二重らせんの形成
3.遺伝子の役割:セントラルドグマ(遺伝情報の伝達)
(2)-遺伝子の発現とタンパク質の合成
1.RNAの合成:転写
2.タンパク質の合成:翻訳
6章 人体における恒常性の維持
(1)-恒常性(ホメオスタシス)とは
1.血液の緩衝能
2.血糖値
(2)-ホルモン系と自律神経系
II編 口腔の代謝と機能
1章 歯と歯周組織の生化学
(1)-歯と歯周組織
(2)-歯周組織の主要成分としての結合組織
1.結合組織の組成と機能
2.線維状タンパク質
1)コラーゲン
2)エラスチン
3.プロテオグリカンとグリコサミノグリカン
1)プロテオグリカンとグリコサミノグリカンの構造と機能
2)主なプロテオグリカン
4.接着性タンパク質
1)フィブロネクチン
2)ラミニン
5.非コラーゲン性タンパク質
1)オステオカルシン
2)オステオポンチン
3)その他の非コラーゲン性タンパク質
6.細胞外マトリックスの分解
(3)-歯
1.歯の組成
2.歯の無機成分
1)ヒドロキシアパタイト
2)カルシウムとリンの比
3)その他の無機成分
3.歯の有機成分
1)エナメル質タンパク質
2)象牙質とセメント質のタンパク質
2章 硬組織の生化学
(1)-血清カルシウムの恒常性とその調節機構
1.血清カルシウム濃度の恒常性
1)血清カルシウム濃度の恒常性の維持
2)血清カルシウム代謝調節器官
2.血清カルシウム調節ホルモン
1)カルシトニン
2)副甲状腺ホルモン
3)活性型ビタミンD
(2)-骨形成と石灰化のメカニズム
1.骨形成メカニズム
1)未分化間葉系細胞から骨芽細胞と骨細胞への分化
2)骨芽細胞の特徴
3)骨芽細胞の役割
4)骨細胞
2.骨と歯を構成する無機成分と有機成分
1)骨と歯を構成する成分
2)ヒドロキシアパタイトとは
3)骨と象牙質の石灰化メカニズム
4)エナメル質の石灰化メカニズム
(3)-骨吸収と骨リモデリング
1.骨吸収を担う破骨細胞
1)破骨細胞の由来
2)破骨細胞の特徴
3)破骨細胞による骨吸収メカニズム
4)破骨細胞の分化メカニズム
2.骨リモデリング(骨の改造)
(4)-歯の脱灰と再石灰化
1.酸によるヒドロキシアパタイトの脱灰と再石灰化
1)酸によるヒドロキシアパタイトの脱灰
2)ヒドロキシアパタイトの再石灰化
2.キレート作用によるヒドロキシアパタイトの脱灰
3章 唾液の生化学
(1)-唾液の組成と機能
(2)-唾液に含まれる無機質の組成と機能
(3)-唾液に含まれる有機質の組成と機能
1)糖タンパク質とタンパク質
Coffee break 唾液で血液型を特定する
2)酵素
3)抗菌因子
4)その他の低分子物質
4章 プラークの生化学
(1)-プラーク
1.プラークとバイオフィルム
2.口腔バイオフィルム
1)歯肉縁上プラーク
2)歯肉縁下プラーク
3)舌苔
3.プラークの形成
1)ペリクルの形成
2)プラークの形成
Coffee break バイオフィルムの構造と特徴
(2)-プラークによるう蝕発生機構―多因子性疾患としてのう蝕―
1.う蝕の特徴
2.う蝕の発生過程
1)歯肉縁上プラークによる糖からの酸産生
2)Stephenカーブと歯表面の脱灰・再石灰化
3)食生活とう蝕の発生
3.う蝕の発生に影響する因子
1)プラークのう蝕誘発能
Coffee break 根面う蝕予防への新たな挑戦
2)糖質
3)唾液
4)歯
5)食生活
4.う蝕病因論の変遷―「Keyesの3つの輪」から「歯の脱灰と再石灰化のバランス」へ
Coffee break う蝕と酸蝕症
5.う蝕予防の考え方
1)ブラッシング
2)食生活の改善と代用甘味料の利用
Coffee break フェニルケトン尿症という先天性代謝異常症
3)フッ化物の応用
4)唾液分泌の促進
(3)-プラークによる歯周病発生機構
1.細菌に由来する歯周組織傷害因子
1)タンパク質分解酵素
2)リポ多糖(LPS)
3)代謝産物
2.生体防御機構と炎症反応
1)生体防御機構
2)炎症反応
3.歯周病の発生過程
1)細菌の定着と侵入
2)炎症反応による歯周組織の破壊
3)歯槽骨の吸収
(4)-プラークや舌苔による口臭発生機構
(5)-プラークと歯石
索引














