はじめに
インプラント治療は,長期経過症例に基づくエビデンスが確立されるとともに,デジタル化に伴って診査・診断支援あるいは各種機器の開発によって治療がシステマティックに行えるようになり,臨床における適応症例が急速に拡大し,欠損補綴の選択肢の一つとして定着しています.一方でインプラント治療では,多様・特殊な検査や外科的な手術が必要になること,治療費が高額になること,さらには最近では各種トラブルの報道も目立つことなどから,患者の認識や社会的関心が高まっています.このような社会的背景からも,歯科医療関係者には,より安全・安心で信頼できるインプラント治療を行うための各種評価基準や術者教育の整備・構築が問われています.
そして臨床現場では,安全・安心で信頼できる治療を実現するために,チーム歯科医療の積極的な実践が求められ,歯科衛生士には歯科医師や歯科技工士との情報共有のもと,治療のアシスタンスおよびメインテナンス,患者指導を的確に行えることが要求されています.またインプラント治療を行うにあたっては,解剖学・生理学をはじめとする基礎医学と,臨床検査,口腔外科治療,歯周治療,補綴歯科治療,矯正歯科治療などの臨床との有機的かつ不可分なつながりを包括的に理解することが重要であるため,学際的な学問分野として,歯学部教育にも口腔インプラント学が積極的に取り入れられるようになっています.この流れは歯科衛生士教育にも波及しつつあり,インプラント治療については,すでに複数の教科においてそれぞれ教授されています.
このような背景から今回,歯科衛生士がインプラント治療における業務を行ううえで理解・習得しておかなくてはならない理論と臨床における手技の基本を一冊にまとめる必要があると考えました.そこで,インプラント治療に特に造詣の深い歯科医師および歯科衛生士の先生方に執筆をお願いし,読者諸氏が臨床現場における歯科衛生士業務のあり方について,診療形態や各種インプラントシステムに特化せずに研鑽できるように,図や写真も駆使して明確に解説いただきました.
ご執筆者の格別のご尽力によって,当初考えた内容よりもさらに広く深くわかりやすい書籍となりましたので,本書を活用することによって,学生時代に各教科で学んだそれぞれの事項がリンクして臨床現場において系統立てられ,インプラント治療およびそれにかかわる歯科衛生士業務についてよく理解できると思います.特に歯科衛生士業務については,各ステージで「なぜそうすべきなのか」が,明解にまとめられています.
インプラント治療に携わる歯科衛生士の必読本として,本書をインプラント治療に対する総合的な正しい理解とモチベーションアップ,さらには患者および症例に対する即戦力の強化に役立てていただければ幸いです.また本書の内容から,歯科衛生士だけでなく,これからインプラント治療に携わろうとする歯科医師や歯科技工士の方がたにも,臨床現場における知識の整理としておすすめしたいと思います.
2015年5月
編集委員(執筆順)
末瀬一彦(代表)
水木信之
萩原芳幸
阿部田暁子
インプラント治療は,長期経過症例に基づくエビデンスが確立されるとともに,デジタル化に伴って診査・診断支援あるいは各種機器の開発によって治療がシステマティックに行えるようになり,臨床における適応症例が急速に拡大し,欠損補綴の選択肢の一つとして定着しています.一方でインプラント治療では,多様・特殊な検査や外科的な手術が必要になること,治療費が高額になること,さらには最近では各種トラブルの報道も目立つことなどから,患者の認識や社会的関心が高まっています.このような社会的背景からも,歯科医療関係者には,より安全・安心で信頼できるインプラント治療を行うための各種評価基準や術者教育の整備・構築が問われています.
そして臨床現場では,安全・安心で信頼できる治療を実現するために,チーム歯科医療の積極的な実践が求められ,歯科衛生士には歯科医師や歯科技工士との情報共有のもと,治療のアシスタンスおよびメインテナンス,患者指導を的確に行えることが要求されています.またインプラント治療を行うにあたっては,解剖学・生理学をはじめとする基礎医学と,臨床検査,口腔外科治療,歯周治療,補綴歯科治療,矯正歯科治療などの臨床との有機的かつ不可分なつながりを包括的に理解することが重要であるため,学際的な学問分野として,歯学部教育にも口腔インプラント学が積極的に取り入れられるようになっています.この流れは歯科衛生士教育にも波及しつつあり,インプラント治療については,すでに複数の教科においてそれぞれ教授されています.
このような背景から今回,歯科衛生士がインプラント治療における業務を行ううえで理解・習得しておかなくてはならない理論と臨床における手技の基本を一冊にまとめる必要があると考えました.そこで,インプラント治療に特に造詣の深い歯科医師および歯科衛生士の先生方に執筆をお願いし,読者諸氏が臨床現場における歯科衛生士業務のあり方について,診療形態や各種インプラントシステムに特化せずに研鑽できるように,図や写真も駆使して明確に解説いただきました.
ご執筆者の格別のご尽力によって,当初考えた内容よりもさらに広く深くわかりやすい書籍となりましたので,本書を活用することによって,学生時代に各教科で学んだそれぞれの事項がリンクして臨床現場において系統立てられ,インプラント治療およびそれにかかわる歯科衛生士業務についてよく理解できると思います.特に歯科衛生士業務については,各ステージで「なぜそうすべきなのか」が,明解にまとめられています.
インプラント治療に携わる歯科衛生士の必読本として,本書をインプラント治療に対する総合的な正しい理解とモチベーションアップ,さらには患者および症例に対する即戦力の強化に役立てていただければ幸いです.また本書の内容から,歯科衛生士だけでなく,これからインプラント治療に携わろうとする歯科医師や歯科技工士の方がたにも,臨床現場における知識の整理としておすすめしたいと思います.
2015年5月
編集委員(執筆順)
末瀬一彦(代表)
水木信之
萩原芳幸
阿部田暁子
Graph Dental Implant Treatment Today 今日の歯科医療におけるインプラント治療とは
Case 1 下顎臼歯部複数歯欠損症例に対するインプラント補綴例
Case 2 上顎前歯部欠損症例に対するインプラント補綴例
Case 3 前歯部を含む上顎多数歯欠損症例に対するインプラント補綴例
Case 4 上下顎全部欠損症例に対するインプラント補綴例-1
Case 5 上下顎全部欠損症例に対するインプラント補綴例-2
Part 1 インプラントに関する基本知識――インプラントとは?
1 歯科医療におけるインプラント治療の位置づけ
1 欠損補綴治療の選択肢とインプラントへのニーズ
1.各種欠損補綴治療の利点・欠点
2.インプラント治療の適応症と禁忌症
1)適応症 2)禁忌症
3.インプラント治療成功の要件
4.インプラント治療の流れ
5.インプラント治療の偶発症
1)手術に伴う偶発症 2)補綴治療にかかわる偶発症
6.インプラント治療のメインテナンス
2 インプラント治療におけるチームアプローチ
1.術前に行うカウンセリング
2.インプラント埋入手術に向けた患者指導
3.インプラント埋入手術時の介助
4.埋入手術後の患者管理
5.補綴治療における診療補助
6.最終補綴装置装着後のメインテナンス
3 インプラント治療と全身および口腔の状態
1.インプラント治療における全身的状態の把握の重要性
1)高血圧症 2)心疾患 3)甲状腺疾患
4)糖尿病 5)骨粗鬆症 6)脳血管障害
7)貧血 8)金属アレルギー
2.インプラント治療のために行っておくべき臨床検査と服用薬剤の聴取
1)臨床検査 2)服用薬剤の聴取
3.生活習慣・喫煙の影響
1)ニコチン 2)一酸化炭素
4.口腔内の状態
1)一般的補綴診査 2)歯周病学的診査
3)口腔外科的診査
5.適応症・禁忌症
1)インプラント治療適応の条件 2)絶対的および相対的禁忌症
6.手術中の全身麻酔・精神鎮静法の併用
1)手術時間 2)出血量 3)精神的負担
7.高齢者への適応と長期予後管理の注意点
2 インプラント治療の変遷
1 インプラント治療の概念・術式・形態・材料の変遷
2 オッセオインテグレーションの定義以降の適応症拡大
3 補綴主導型治療の実現
3 インプラント治療の成立要件
1 インプラントと周囲組織
1.オッセオインテグレーションの概念
2.インプラント補綴装置の構造
1)インプラント補綴装置の種類 2)インプラント補綴装置の固定法の違い
3.インプラントと天然歯の周囲組織の違い
1)組織構造学的な違い 2)炎症に対する組織反応の違い
4.インプラント周囲病変
2 インプラント補綴装置の形態と材料
1.インプラント補綴装置の種類
2.インプラント上部構造に用いられる材料
1)インプラント修復に用いられる器材
4 治療の流れ
1 インプラント治療のフローチャート
1.インプラントの成功基準
2 術前の情報収集と患者への説明
1.問診・医療面接・一般的な口腔検査から収集すべき情報
2.全身状態に関する情報
3.患者へ説明すべき項目
3 検査・診断
1.全身状態を把握するために
2.局所・解剖学的な状態を把握するために
1)X線検査について 2)下顎における問題
3)上顎における問題
4 治療計画とインフォームドコンセント
1.治療計画の立案とは
2.インフォームドコンセント
5 術前処置と患者指導
1.プラークコントロール,歯周病治療
2.残存歯の治療
3.術前矯正
6 外科手術(インプラント体埋入)
1.手術の流れ
1)1回法 2)2回法
2.清潔と不潔
3.手術中モニタリングの重要性
1)モニタリングの概要 2)モニターから得られる情報
4.手術直後の患者指導事項
1)一次手術後 2)二次手術後
7 補綴治療
1.インプラント補綴装置の選択要件
1)固定性上部構造 2)可撤性上部構造
2.インプラント補綴の基本術式
1)印象採得 2)咬合採得
8 治療後のメインテナンス
1.プラークコントロール
2.力のコントロール
Part 2 インプラント治療と歯科衛生士のかかわり
1 治療開始前の患者の情報収集およびカウンセリング
1 問診と治療説明
1.問診に関する注意事項
2.治療説明に関する注意事項
2 歯科衛生士によるインタビューの意義
3 サポーティブインタビューの実践
1.インプラント治療への期待を知る
2.最終受診歴を知る
3.口腔のケアへの意識を探る
4.喫煙状況を把握する
4 歯科衛生士によるカウンセリング
1.インプラント治療の特徴について
2.治療の流れと期間
3.術前治療・処置の必要性
4.上部構造の種類
5.治療費用について
6.定期的なメインテナンス
7.モチベーションの確認
2 手術前の口腔内管理と患者指導
1 インプラント治療における歯科衛生士の役割
1.患者との良好な信頼関係の構築
2.口腔内の環境整備
1)プラークコントロール 2)手術前の歯周基本治療
3)生活習慣の改善
2 手術前日の患者管理と指導
3 手術の準備
1 術直前の環境設定
1.口腔内の環境設定
2.外科処置用スペースの環境設定
3.必要器材の用意
2 器具の消毒・滅菌
1.消毒・滅菌対象物の特定
4 インプラント埋入手術当日の歯科衛生士業務
1 術前の業務
1.患者来院前の業務
1)手術スペースの準備 2)術者と介助者による術前ミーティング
2.患者来院時の業務
1)医療面接 2)術前のプロフェッショナルケア
3.手術スペースにおける直前の準備
1)処置室の環境整備 2)手洗い・手指消毒(直接介助者)
3)滅菌ガウンの着用 4)滅菌グローブの着用
5)器具台上への器材の配置 6)エンジンへの生理食塩液の接続
7)患者誘導 8)モニタリングの準備と動作確認
9)口腔外(顔面)の清拭(消毒) 10)精神鎮静法の準備
11)ドレーピング
2 インプラント埋入手術時の業務
1.一次手術
1)浸潤麻酔 2)切開・剥離 3)骨の露出 4)埋入窩形成
5)インプラント体(フィクスチャー)の埋入
6)インプラントへのカバースクリューの装着 7)縫合
3 インプラント埋入手術後の業務
5 手術後の器具・手術室の管理
1 使用ずみ器材の手入れ
1.器材処理のフロー
2.分別・廃棄
3.洗浄
1)洗剤の種類と選択 2)洗浄方法の種類と特徴
3)洗浄効果確認 4)具体例
4.消毒
1)消毒薬の種類と特徴 2)具体例
5.滅菌
1)滅菌方法の種類と特徴 2)滅菌保証について
3)高圧蒸気滅菌法 4)酸化エチレンガス滅菌
6.保管
1)滅菌物の保管方法 2)滅菌物の使用期限
7.ハンドピースの処理
2 環境管理
1.使用ずみ手術スペースのメインテナンス
6 術後のメインテナンス
1 インプラント治療後の合併症
1.インプラント周囲組織の構造
2.生物学的合併症
1)インプラント周囲粘膜炎 2)インプラント周囲炎
3.機械的合併症
1)インプラント体の破折 2)スクリューおよび上部構造の緩みや破損
4.対合歯への咬合性外傷
2 インプラント治療後のメインテナンスにおける歯科衛生士の役割
1.メインテナンス時の診査項目
1)インプラント周囲病変の診査
2.メインテナンス時の基本治療
1)セルフケアの指導 2)プロフェッショナルケア
3.メインテナンスの間隔
1)メインテナンス間隔の検討要因
3 インプラント周囲病変の治療
1.治療前段階
2.原因除去療法
1)非外科的療法 2)外科的療法
3.メインテナンスケア
Part 3 各種インプラント治療の流れと歯科衛生士業務
1 審美領域へのインプラント治療
1 審美領域を対象としたインプラント補綴の難しさ
2 1⊥1欠損症例へのインプラント治療の流れ
1.症例の概要
1)再初診時の状態と既往 2)所見 3)患者への説明
4)患者による治療法の選択
2.インプラント治療における検査と診断
1)骨形態とインプラント埋入位置・角度の診断
2)インプラント埋入深度の診断
3.インプラント治療における治療計画立案
1)骨造成の検討 2)抜歯後のインプラント埋入時期の検討
3)埋入手術前に患者に伝えておくべきこと
4.インプラント埋入手術
1)抜歯における留意点 2)抜歯窩形成における留意点
5.補綴治療
1)プロビジョナルレストレーション装着 2)最終上部構造の製作
3)最終補綴装置の装着
3 術後の経過観察とメインテナンス
1.状態に応じたセルフケア指導
2.咬合の変化の診断
3.長期にわたる定期検診が必須
2 コンピュータ支援によるインプラント治療
1 コンピュータ支援によるインプラント治療とは
2 上下顎全部欠損症例へのコンピュータ支援によるインプラント治療の流れ
1.初診〜初期治療
1)患者の状態 2)初期治療と患者指導
2.CTによる診断と治療計画立案
1)CT撮影 2)三次元解析ソフトによるインプラント埋入の治療計画立案
3.インフォームドコンセントと治療契約
4.サージカルガイドプレートを用いたインプラント埋入手術
1)手術前の準備 2)インプラント埋入手術当日
3)プロビジョナルレストレーション装着 4)術後の注意事項説明
5.CAM/CAMによる最終補綴装置製作と装着
1)プロビジョナルレストレーションによる補綴装置の形態の検討
2)最終補綴装置装着
3 術後経過とメインテナンス
1.プロフェッショナルケア
2.セルフケア指導
3 高齢者へのインプラント治療
1 インプラントオーバーデンチャーの治療法としての位置づけ
2 上下顎全部欠損症例へのインプラントオーバーデンチャーによる治療
1.初診〜治療計画
1)症例の概要 2)治療計画における患者への説明
2.即時義歯製作・装着
1)即時総義歯の製作 2)抜歯後の即時義歯装着・調整
3)デンチャープラークコントロール
3.治療用義歯の製作・装着
1)治療用義歯製作 2)治療用義歯試適・装着
4.インプラント埋入
1)インプラント埋入計画立案〜治療計画の修正 2)手術直前の準備・確認
3)インプラント埋入手術 4)手術後の患者指導
5)免荷期間および二次手術
5.最終補綴装置の製作・装着
1)上下顎義歯の製作 2)下顎最終補綴装置について
3)上下顎最終補綴装置の装着
3 術後の経過観察とメインテナンス
1.プロフェッショナルケア
2.セルフケア指導
巻末付録 患者との相互理解を深めるためのフィードバックシート
索引
Column
1 滅菌ガウンを着用するのはなぜ?
2 色付きの滅菌グローブも?
3 埋入手術時になぜ生理食塩液の注水が必要?
4 静脈内鎮静法の効果と留意点
5 インプラント開封後の注意
6 患者の“音”への注意
7 鋭利な外科器材や注射針の術中管理
8 二次手術
9 メインテナンス時の医療面接
10 インプラント上部構造のプラークコントロール
11 インプラント治療後のセルフケアとプロフェッショナルケア
12 インプラント治療後のメインテナンスを継続させるには
13 患者の同意(インプラント周囲炎で外科的療法を行う場合)
14 欠損の原因
15 インプラント治療と患者の人生
Case 1 下顎臼歯部複数歯欠損症例に対するインプラント補綴例
Case 2 上顎前歯部欠損症例に対するインプラント補綴例
Case 3 前歯部を含む上顎多数歯欠損症例に対するインプラント補綴例
Case 4 上下顎全部欠損症例に対するインプラント補綴例-1
Case 5 上下顎全部欠損症例に対するインプラント補綴例-2
Part 1 インプラントに関する基本知識――インプラントとは?
1 歯科医療におけるインプラント治療の位置づけ
1 欠損補綴治療の選択肢とインプラントへのニーズ
1.各種欠損補綴治療の利点・欠点
2.インプラント治療の適応症と禁忌症
1)適応症 2)禁忌症
3.インプラント治療成功の要件
4.インプラント治療の流れ
5.インプラント治療の偶発症
1)手術に伴う偶発症 2)補綴治療にかかわる偶発症
6.インプラント治療のメインテナンス
2 インプラント治療におけるチームアプローチ
1.術前に行うカウンセリング
2.インプラント埋入手術に向けた患者指導
3.インプラント埋入手術時の介助
4.埋入手術後の患者管理
5.補綴治療における診療補助
6.最終補綴装置装着後のメインテナンス
3 インプラント治療と全身および口腔の状態
1.インプラント治療における全身的状態の把握の重要性
1)高血圧症 2)心疾患 3)甲状腺疾患
4)糖尿病 5)骨粗鬆症 6)脳血管障害
7)貧血 8)金属アレルギー
2.インプラント治療のために行っておくべき臨床検査と服用薬剤の聴取
1)臨床検査 2)服用薬剤の聴取
3.生活習慣・喫煙の影響
1)ニコチン 2)一酸化炭素
4.口腔内の状態
1)一般的補綴診査 2)歯周病学的診査
3)口腔外科的診査
5.適応症・禁忌症
1)インプラント治療適応の条件 2)絶対的および相対的禁忌症
6.手術中の全身麻酔・精神鎮静法の併用
1)手術時間 2)出血量 3)精神的負担
7.高齢者への適応と長期予後管理の注意点
2 インプラント治療の変遷
1 インプラント治療の概念・術式・形態・材料の変遷
2 オッセオインテグレーションの定義以降の適応症拡大
3 補綴主導型治療の実現
3 インプラント治療の成立要件
1 インプラントと周囲組織
1.オッセオインテグレーションの概念
2.インプラント補綴装置の構造
1)インプラント補綴装置の種類 2)インプラント補綴装置の固定法の違い
3.インプラントと天然歯の周囲組織の違い
1)組織構造学的な違い 2)炎症に対する組織反応の違い
4.インプラント周囲病変
2 インプラント補綴装置の形態と材料
1.インプラント補綴装置の種類
2.インプラント上部構造に用いられる材料
1)インプラント修復に用いられる器材
4 治療の流れ
1 インプラント治療のフローチャート
1.インプラントの成功基準
2 術前の情報収集と患者への説明
1.問診・医療面接・一般的な口腔検査から収集すべき情報
2.全身状態に関する情報
3.患者へ説明すべき項目
3 検査・診断
1.全身状態を把握するために
2.局所・解剖学的な状態を把握するために
1)X線検査について 2)下顎における問題
3)上顎における問題
4 治療計画とインフォームドコンセント
1.治療計画の立案とは
2.インフォームドコンセント
5 術前処置と患者指導
1.プラークコントロール,歯周病治療
2.残存歯の治療
3.術前矯正
6 外科手術(インプラント体埋入)
1.手術の流れ
1)1回法 2)2回法
2.清潔と不潔
3.手術中モニタリングの重要性
1)モニタリングの概要 2)モニターから得られる情報
4.手術直後の患者指導事項
1)一次手術後 2)二次手術後
7 補綴治療
1.インプラント補綴装置の選択要件
1)固定性上部構造 2)可撤性上部構造
2.インプラント補綴の基本術式
1)印象採得 2)咬合採得
8 治療後のメインテナンス
1.プラークコントロール
2.力のコントロール
Part 2 インプラント治療と歯科衛生士のかかわり
1 治療開始前の患者の情報収集およびカウンセリング
1 問診と治療説明
1.問診に関する注意事項
2.治療説明に関する注意事項
2 歯科衛生士によるインタビューの意義
3 サポーティブインタビューの実践
1.インプラント治療への期待を知る
2.最終受診歴を知る
3.口腔のケアへの意識を探る
4.喫煙状況を把握する
4 歯科衛生士によるカウンセリング
1.インプラント治療の特徴について
2.治療の流れと期間
3.術前治療・処置の必要性
4.上部構造の種類
5.治療費用について
6.定期的なメインテナンス
7.モチベーションの確認
2 手術前の口腔内管理と患者指導
1 インプラント治療における歯科衛生士の役割
1.患者との良好な信頼関係の構築
2.口腔内の環境整備
1)プラークコントロール 2)手術前の歯周基本治療
3)生活習慣の改善
2 手術前日の患者管理と指導
3 手術の準備
1 術直前の環境設定
1.口腔内の環境設定
2.外科処置用スペースの環境設定
3.必要器材の用意
2 器具の消毒・滅菌
1.消毒・滅菌対象物の特定
4 インプラント埋入手術当日の歯科衛生士業務
1 術前の業務
1.患者来院前の業務
1)手術スペースの準備 2)術者と介助者による術前ミーティング
2.患者来院時の業務
1)医療面接 2)術前のプロフェッショナルケア
3.手術スペースにおける直前の準備
1)処置室の環境整備 2)手洗い・手指消毒(直接介助者)
3)滅菌ガウンの着用 4)滅菌グローブの着用
5)器具台上への器材の配置 6)エンジンへの生理食塩液の接続
7)患者誘導 8)モニタリングの準備と動作確認
9)口腔外(顔面)の清拭(消毒) 10)精神鎮静法の準備
11)ドレーピング
2 インプラント埋入手術時の業務
1.一次手術
1)浸潤麻酔 2)切開・剥離 3)骨の露出 4)埋入窩形成
5)インプラント体(フィクスチャー)の埋入
6)インプラントへのカバースクリューの装着 7)縫合
3 インプラント埋入手術後の業務
5 手術後の器具・手術室の管理
1 使用ずみ器材の手入れ
1.器材処理のフロー
2.分別・廃棄
3.洗浄
1)洗剤の種類と選択 2)洗浄方法の種類と特徴
3)洗浄効果確認 4)具体例
4.消毒
1)消毒薬の種類と特徴 2)具体例
5.滅菌
1)滅菌方法の種類と特徴 2)滅菌保証について
3)高圧蒸気滅菌法 4)酸化エチレンガス滅菌
6.保管
1)滅菌物の保管方法 2)滅菌物の使用期限
7.ハンドピースの処理
2 環境管理
1.使用ずみ手術スペースのメインテナンス
6 術後のメインテナンス
1 インプラント治療後の合併症
1.インプラント周囲組織の構造
2.生物学的合併症
1)インプラント周囲粘膜炎 2)インプラント周囲炎
3.機械的合併症
1)インプラント体の破折 2)スクリューおよび上部構造の緩みや破損
4.対合歯への咬合性外傷
2 インプラント治療後のメインテナンスにおける歯科衛生士の役割
1.メインテナンス時の診査項目
1)インプラント周囲病変の診査
2.メインテナンス時の基本治療
1)セルフケアの指導 2)プロフェッショナルケア
3.メインテナンスの間隔
1)メインテナンス間隔の検討要因
3 インプラント周囲病変の治療
1.治療前段階
2.原因除去療法
1)非外科的療法 2)外科的療法
3.メインテナンスケア
Part 3 各種インプラント治療の流れと歯科衛生士業務
1 審美領域へのインプラント治療
1 審美領域を対象としたインプラント補綴の難しさ
2 1⊥1欠損症例へのインプラント治療の流れ
1.症例の概要
1)再初診時の状態と既往 2)所見 3)患者への説明
4)患者による治療法の選択
2.インプラント治療における検査と診断
1)骨形態とインプラント埋入位置・角度の診断
2)インプラント埋入深度の診断
3.インプラント治療における治療計画立案
1)骨造成の検討 2)抜歯後のインプラント埋入時期の検討
3)埋入手術前に患者に伝えておくべきこと
4.インプラント埋入手術
1)抜歯における留意点 2)抜歯窩形成における留意点
5.補綴治療
1)プロビジョナルレストレーション装着 2)最終上部構造の製作
3)最終補綴装置の装着
3 術後の経過観察とメインテナンス
1.状態に応じたセルフケア指導
2.咬合の変化の診断
3.長期にわたる定期検診が必須
2 コンピュータ支援によるインプラント治療
1 コンピュータ支援によるインプラント治療とは
2 上下顎全部欠損症例へのコンピュータ支援によるインプラント治療の流れ
1.初診〜初期治療
1)患者の状態 2)初期治療と患者指導
2.CTによる診断と治療計画立案
1)CT撮影 2)三次元解析ソフトによるインプラント埋入の治療計画立案
3.インフォームドコンセントと治療契約
4.サージカルガイドプレートを用いたインプラント埋入手術
1)手術前の準備 2)インプラント埋入手術当日
3)プロビジョナルレストレーション装着 4)術後の注意事項説明
5.CAM/CAMによる最終補綴装置製作と装着
1)プロビジョナルレストレーションによる補綴装置の形態の検討
2)最終補綴装置装着
3 術後経過とメインテナンス
1.プロフェッショナルケア
2.セルフケア指導
3 高齢者へのインプラント治療
1 インプラントオーバーデンチャーの治療法としての位置づけ
2 上下顎全部欠損症例へのインプラントオーバーデンチャーによる治療
1.初診〜治療計画
1)症例の概要 2)治療計画における患者への説明
2.即時義歯製作・装着
1)即時総義歯の製作 2)抜歯後の即時義歯装着・調整
3)デンチャープラークコントロール
3.治療用義歯の製作・装着
1)治療用義歯製作 2)治療用義歯試適・装着
4.インプラント埋入
1)インプラント埋入計画立案〜治療計画の修正 2)手術直前の準備・確認
3)インプラント埋入手術 4)手術後の患者指導
5)免荷期間および二次手術
5.最終補綴装置の製作・装着
1)上下顎義歯の製作 2)下顎最終補綴装置について
3)上下顎最終補綴装置の装着
3 術後の経過観察とメインテナンス
1.プロフェッショナルケア
2.セルフケア指導
巻末付録 患者との相互理解を深めるためのフィードバックシート
索引
Column
1 滅菌ガウンを着用するのはなぜ?
2 色付きの滅菌グローブも?
3 埋入手術時になぜ生理食塩液の注水が必要?
4 静脈内鎮静法の効果と留意点
5 インプラント開封後の注意
6 患者の“音”への注意
7 鋭利な外科器材や注射針の術中管理
8 二次手術
9 メインテナンス時の医療面接
10 インプラント上部構造のプラークコントロール
11 インプラント治療後のセルフケアとプロフェッショナルケア
12 インプラント治療後のメインテナンスを継続させるには
13 患者の同意(インプラント周囲炎で外科的療法を行う場合)
14 欠損の原因
15 インプラント治療と患者の人生











