やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

1.わが国における補完代替医療の現状と課題
 (大野 智)
 ・補完代替医療とは?
 ・補完代替医療の利用実態
 ・補完代替医療に関する研究の現状
 ・今後の課題
2.アメリカにおける補完代替医療に関する取組み
 (大野 智)
 ・国立衛生研究所
 ・国立補完代替医療センター
 ・医科大学における取組み
3.CAMの利用状況の国際的動向:欧州におけるCAMbrella projectより
 (湯川慶子・他)
 ・CAMbrellaプロジェクト開始の経緯
 ・CAMbrellaの8つの課題
 ・EUのCAMの利用状況の研究目的
 ・システマティック・レビュー
 ・CAMの利用率
 ・CAMの療法別の利用率
 ・CAMの利用者,用いられた疾患,理由,目的
4.補完代替医療におけるEBMの考え方:とくに診療ガイドラインの視点から
 (中山健夫)
 ・はじめに:EBMと診療ガイドライン
 ・診療ガイドラインの拘束力・適用範囲
 ・作成手法
 ・診療ガイドラインの評価
 ・法的課題から患者とのコミュニケーションへ
 ・補完代替医療とエビデンス
5.補完代替医療の診療ガイドライン
 (新井一郎・元雄良治)
 ・CPG中の補完代替医療の記述
6.厚生労働省“「統合医療」情報発信サイト”
 (大野 智)
 ・事業の背景
 ・事業の目的
 ・「統合医療」情報発信サイト(eJIM)
7.「統合医療」情報発信サイトeJIMの役割と課題―医師・患者の利用者の視点から
 (湯川慶子・津谷喜一郎)
 ・補完代替医療の現状と問題
 ・統合医療の情報発信サイトの開設
 ・医師側からみたCAMの情報の問題点
 ・医師のニーズに即したCAMの情報提供のあり方
 ・CAMの情報提供のあり方─患者の情報探索行動,ヘルスリテラシーとの関連から
 ・補完代替医療による健康被害の防止のために─患者教育の必要性
8.補完代替医療における患者視点:患者にとっての長所と肯定的変化
 (湯川慶子・津谷喜一郎)
 ・なぜ患者視点が必要か(EBMと患者視点) ・面接調査から
 ・CAMの定義と利用状況 ・質問紙調査から
 ・慢性疾患患者の研究 ・まとめ
9.補完代替医療のエビデンス:どう伝え,どう活用するか?
 (大野 智)
 ・そもそもエビデンスとは?
 ・エビデンスに対する理解の隔たり
 ・エビデンスをどう伝えるか
 ・エビデンスをどう活用するか
10.補完代替医療に関するコミュニケーションのコツ
 (湯川慶子・他)
 ・医師患者間コミュニケーション―ヘルスコミュニケーションとは
 ・CAMに関するコミュニケーションの特殊性と困難
 ・CAMのコミュニケーションや関連要因
 ・実際の患者への対応例
11.補完代替療法べからず集
 (大野 智)
 ・健康食品
 ・手技療法(鍼灸,按摩・マッサージ・指圧など)
 ・運動療法
 ・リスクマネジメント
12.補完代替医療のエビデンス:施術・療法
 (大野 智)
 ・鍼灸治療 ・マッサージ療法
 ・アーユルヴェーダ療法 ・瞑想
 ・カイロプラクティック ・ヨガ
 ・ホメオパシー ・リラクゼーション法
【書き下ろし】13.補完代替医療と国際標準化機構(ISO)における国際規格策定─漢方・鍼灸を中心に
 (東郷俊宏)
 ・はじめに―ISO/TC249成立前後の動向
 ・ISO/TC249成立をめぐって
 ・伝統医学をめぐる各国の立場
 ・TC249国内審議団体としてのJLOM
 ・ISOと医療関連の国際規格
 ・ISOにおける規格開発の手順
 ・タイトル・スコープ問題
 ・plenary meeting(全体会議)の開催およびWGの成立
 ・TC249から発行された国際規格
 ・日本がTC249において開発を主導している規格
 ・今後の課題
【書き下ろし】14.漢方のエビデンス:EKATとKCPG
 (元雄良治)
 ・EKAT
 ・KCPG
【書き下ろし】15.鍼灸のエビデンス
 (山下 仁)
 ・鍼灸の臨床試験 ・偽鍼対照RCTの解釈
 ・有効性のエビデンス ・安全性のエビデンス
 ・診療ガイドライン ・鍼灸のエビデンスとEBMの実践
16.補完代替医療のエビデンス:サプリメント・ビタミン・ミネラル
 (大野 智)
 ・「健康食品」の安全性・有効性情報
 ・Office of Dietary Supplements
 ・Physician Data Query(R)(PDQ(R))
 ・Cochrane Database of Systematic Reviews
 ・「統合医療」情報発信サイト
 ・消費者庁“食品の機能性評価モデル事業”
17.補完代替医療(健康食品)を取り巻くメディアの問題―“有益性情報”のみにさらされる消費者
 (高橋久仁子)
 ・一般的食品成分でも病態によっては有害
 ・食品・成分の大量摂取が問題を惹起する
 ・食生活の改善を錯覚させる
 ・非食品を“食品化”する
 ・食品に“用法・用量”的な指示はなじまない
 ・フードファディズム(Food Faddism)
 ・フードファディズムの問題点
18.医薬品と健康食品・サプリメントの相互作用
 (平井みどり)
 ・情報をどう得るか
 ・相互作用の影響とそのメカニズム
 ・医薬品との相互作用か,それとも含有成分どうしの相互作用か
 ・環境要因によるもの
 ・新しい“機能性表示食品”制度と注意点
 ・ポリファーマシーの危険性
19.健康食品の現状と課題―食品の機能性表示に関する検討会などを踏まえて
 (梅垣敬三)
 ・多様な健康食品の存在 ・健康食品の現状のエビデンス
 ・機能性表示食品の内容 ・今後の課題
20.ランダム化並行群間比較試験報告のためのガイドライン―とくに薬剤以外を対象とする場合の考え方
 (上岡洋晴・津谷喜一郎)
 ・背景
 ・非薬物療法試験のためのCONSORT声明拡張版
 ・非薬物療法評価試験のなかでさらに特有のチェックリスト
21.補完代替医療における臨床試験
 (大野 智)
 ・科学的検証の必要性 ・ランダム化比較試験の報告はあるのか?
 ・症例報告は無価値? ・PICO/PECOは何か?
22.補完代替医療のシステマティックレビューとRCT―Cochrane.orgとPubMedの利用方法を含めて
 (唐 文涛・津谷喜一郎)
 ・Cochrane.orgとコクラン・レビューの検索
 ・CR以外のシステマティック・レビュー(SR)―DAREとPubMedの検索
 ・PubMedにおける臨床試験の検索とCAM on PubMed
23.コクランレビューにおける補完代替医療
 (大野 智)
 ・コクランレビューとは
 ・補完代替医療のコクランレビュー
 ・コクランレビューの活用
24.補完代替医療の現況と展望―CAMから統合医療へ
 (伊藤壽記)
 ・超高齢社会を迎えて
 ・補完代替医療(CAM)から統合医療(IM)へ
 ・近代西洋医学の落とし穴
 ・東日本大震災がもたらしたもの
 ・これからの医療が変わろうとしている!これからの医療はいかにあるべきか?

 サイドメモ目次
  アメリカにおける補完代替医療の定義
  “統合医療”とは
  “補完代替医療”の用語
  European Union(EU)
  システマティックレビュー
  鳩山内閣時における「統合医療」
  “ホメオパシー”をめぐる問題
  コクラン・ライブラリ(Cochrane Library)
  灰色のエビデンス(情報)
  カイロプラクティックの禁忌対象疾患
  EBMの5つのステップ
  Absence of Evidence is not Evidence of Absence
  GRADE
  伸縮性偽鍼(retractable sham acupuncture needle)
  “「統合医療」情報発信サイト”の検索機能
  パーキンソン病治療と食事
  よりよい研究疑問のためのFIRMNESS
  臨床試験の論文報告数
  エビデンスのヒエラルキー