やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

序文
 日本では,1980年代の後半に言語聴覚士(ST)が摂食嚥下障害のリハビリテーションにかかわり始めました.当時,摂食嚥下障害は「摂食・嚥下障害」という表記でした.また,その頃は,臨床の拠り所となる書籍は限られた洋書や翻訳本のみでしたが,急速な高齢化や関連分野の広がりも影響し,摂食嚥下障害に関する出版物は驚くほど豊富になりました.そして,医療や科学技術の革新に伴い,摂食嚥下リハビリテーション分野も日進月歩で発展し,摂食嚥下障害に対する社会の関心も高まる中,多職種連携の概念もさらに浸透しました.
 そのような背景を踏まえて,言語聴覚士養成校の学生を読者として想定した本書は,以下を特徴として編纂しました.
 ・多職種連携がひときわ特徴的な摂食嚥下障害領域において,言語聴覚士に求められる知識をわかりやすくまとめました.
 ・教育的配慮から,用語は定義や本来の意味に忠実であることを重視し,側注を活用して語の定義や正しい使い方の解説を示しました.
 ・成人の摂食嚥下障害を基本とし,養成校での学修のみならず,臨床に出てからも基本に立ち返ることができる一冊となることを目指しました.
 執筆者には今後の摂食嚥下障害領域を牽引なさる先生方をお迎えしました.いずれもご多忙を極める中でお力添えいただいたことに,心から感謝申し上げます.
 そして最後に,本書の出版にあたり終始辛抱強く編者を支えてくださった医歯薬出版の編集担当者に深謝申し上げます.
 2024年12月
 倉智雅子
第1章 摂食嚥下器官の解剖と神経
 1.摂食嚥下器官の解剖(二藤隆春)
   1)口腔
     (1)口唇
     (2)頬
     (3)歯
     (4)舌
     (5)口蓋
     (6)下顎骨,咀嚼筋
     (7)唾液腺
   2)咽頭
     (1)上咽頭
     (2)中咽頭
     (3)下咽頭
   3)喉頭
   4)食道
 2.嚥下の神経機構(杉山庸一郎)
   1)はじめに
   2)嚥下運動と咽頭期嚥下の惹起
   3)咽頭・喉頭の感覚
   4)嚥下のパターン形成器(CPG)
     (1)嚥下CPGのメカニズム
     (2)嚥下CPGの解剖
     (3)嚥下CPGの機能
   5)嚥下障害の病態生理
   6)嚥下圧の生じる原理,輪状咽頭筋弛緩の生理的役割
   7)咳反射の神経機構
   8)まとめ
 3.咀嚼と嚥下の関係(井上 誠)
   1)嚥下の準備期としての咀嚼
   2)咀嚼運動調節
     (1)リズム形成
     (2)リズム調節にかかわる口腔感覚
     (3)運動パターン
   3)咀嚼運動を開始・制御する上位脳
   4)咀嚼運動にかかわる口腔内の器官
     (1)歯
     (2)閉口筋と開口筋
     (3)顎関節
     (4)その他の筋
   5)咀嚼時の食塊の流れ
     (1)プロセスモデル
     (2)食塊の咽頭移送
     (3)咀嚼から嚥下へ
 4.呼吸と嚥下の関係(杉山庸一郎)
   1)はじめに
   2)呼吸のパターン形成器(CPG)
     (1)呼吸と呼吸CPG
     (2)様々な呼吸ニューロン群
   3)嚥下関連筋の呼吸性活動
     (1)嚥下関連筋の解剖
     (2)呼吸性活動
   4)呼吸と嚥下の協調
   5)まとめ
     確認Check!
第2章 摂食嚥下の生理と嚥下モデル
 (稲本陽子)
 1.摂食嚥下の動態
   1)食塊移送
     (1)口腔から咽頭への移送
     (2)咽頭から食道への移送
   2)気道防御
     (1)喉頭閉鎖
     (2)嚥下中の呼吸停止
 2.嚥下モデル
   1)生理モデルと臨床モデル
   2)3期・4期モデル
     (1)口腔準備期
     (2)口腔送り込み期
     (3)咽頭期
     (4)食道期
   3)プロセスモデル
     (1)stage I transport(第一期輸送)
     (2)processing(食物破砕・咀嚼)
     (3)stage II transport(第二期輸送)
     (4)咽頭期
   4)5期モデル(臨床モデル)
     確認Check!
第3章 摂食嚥下の年齢的変化
 (矢野実郎)
 1.新生児から成人までの摂食嚥下器官の変化
   1)口腔の変化
     (1)乳児の口腔の特徴と成長変化
     (2)歯の発達
   2)咽頭の変化
   3)喉頭の変化
 2.新生児から成人までの嚥下運動の変化
   1)哺乳期(経口摂取準備期):出生直後〜5,6か月頃
     (1)哺乳反射の種類
   2)離乳期:生後5,6か月頃〜1歳6か月頃
     (1)離乳初期(生後5,6か月頃)
     (2)離乳中期(生後7,8か月頃).
     (3)離乳後期(生後9〜11か月頃)
     (4)離乳完了期(1歳〜1歳6か月頃)
 3.高齢者の身体変化と摂食嚥下
   1)加齢に伴う摂食嚥下器官の変化
     (1)口腔
     (2)咽頭
     (3)喉頭
     (4)感覚機能
   2)加齢に伴う嚥下機能の変化
   3)加齢に伴う機能変化に関連する用語
     (1)フレイル
     (2)サルコペニア
     (3)オーラルフレイル
     (4)口腔機能低下症
     (5)老嚥
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第4章 摂食嚥下の評価
 1.摂食嚥下障害を疑う症状・徴候(兼岡麻子)
   1)症状と徴候
   2)口腔期
   3)咽頭期
   4)食道期
   5)全般
   6)合併症
 2.評価の流れ(兼岡麻子)
 3.情報収集(兼岡麻子)
   1)健康状態(医学的情報)
   2)生活機能
   3)病前の生活や社会参加の状況・背景
 4.問診(兼岡麻子)
 5.観察・臨床検査(兼岡麻子)
   1)身体所見
   2)摂食嚥下器官の検査
 6.簡易検査(兼岡麻子)
   1)質問紙
     (1)Eating Assessment Tool(EAT-10)
     (2)摂食嚥下障害の質問紙
   2)唾液による検査
     (1)反復唾液嚥下テスト(RSST)
   3)飲食物を用いる検査
     (1)改訂水飲みテスト(MWST)
     (2)水飲みテスト(WST)
     (3)その他の水飲みテスト
     (4)フードテスト
 7.摂食状況(兼岡麻子)
   1)観察
   2)摂食状況の指標
     (1)Functional Oral Intake Scale:FOIS
     (2)摂食嚥下状況のレベル(FILS)
 8.その他の検査(兼岡麻子)
     (1)咳テスト
     (2)舌圧検査
     (3)頸部聴診法
 9.機器を用いた摂食嚥下の検査(上羽瑠美)
   1)嚥下機能検査について
   2)内視鏡検査
     (1)内視鏡の種類
     (2)内視鏡検査の方法
     (3)評価基準
     (4)検査食を用いる前の評価項目
     (5)検査食を嚥下した際に観察する項目
     (6)嚥下内視鏡検査で十分評価できない項目
   3)嚥下造影検査
     (1)検査の目的
     (2)評価
     (3)検査に使用する造影剤
     (4)検査の流れ
     (5)準備・口腔期に確認する項目
     (6)咽頭期に確認する項目
     (7)食道期に確認する項目
     (8)症例画像
   4)嚥下圧検査
     (1)評価
     (2)HRM検査で評価できること
     (3)HRM(またはHRMF)の解析方法
     (4)嚥下圧検査の適応となる症例
   5)嚥下CT検査
     (1)嚥下CTで評価できること
   6)嚥下筋電図検査
   7)超音波検査の嚥下評価活用
     確認Check!
第5章 摂食嚥下障害
 (柴田斉子)
 1.原因疾患
   1)小児の摂食嚥下障害
   2)成人の摂食嚥下障害
 2.摂食嚥下障害の合併症
   1)誤嚥性肺炎
     (1)疫学
     (2)診断
     (3)原因菌
     (4)症状
     (5)治療と評価
     (6)摂食嚥下リハビリテーション
     (7)口腔ケア
     (8)服薬の中止や減量
   2)脱水
     (1)体液量の把握
     (2)脱水症
     (3)診断
     (4)対応
   3)低栄養
     (1)低栄養による影響と対応
     (2)低栄養の評価
     (3)低栄養の診断方法(GLIM基準)
     (4)低栄養の治療
     確認Check!
第6章 摂食嚥下障害のリハビリテーション
 1.口腔ケア(水上美樹)
  1.口腔ケアとは
  2.口腔ケアの目的
  3.小児期の口腔ケア
   1)口腔の特徴
   2)口腔ケアの実際
     (1)歯ブラシ
     (2)ブラッシング時のポイント
  4.老年期の口腔ケア
   1)口腔の特徴
   2)口腔ケアの実際
     (1)姿勢調整
     (2)観察・アセスメント
     (3)口腔ケアで留意すべきこと
 2.言語聴覚士が行うリハビリテーションの手技・手法(福岡達之)
  1.摂食嚥下訓練の概要
   1)間接訓練と直接訓練
   2)治療プラン
  2.間接訓練(基礎訓練)
   1)口腔器官の訓練
     (1)顔面筋(口唇,頬)の運動訓練
     (2)下顎の運動訓練
     (3)舌の運動訓練
     (4)咀嚼の運動訓練
   2)発声発語訓練
     (1)構音訓練
     (2)裏声発声法
     (3)リーシルバーマン法(LSVT)
   3)咽頭期に対する訓練
     (1)嚥下反射誘発
     (2)舌骨喉頭挙上訓練
     (3)鼻咽腔閉鎖訓練
     (4)咽頭収縮訓練
     (5)喉頭閉鎖訓練
     (6)食道入口部拡張訓練
   4)呼吸訓練
     (1)口すぼめ呼吸,横隔膜呼吸,深呼吸
     (2)咳嗽訓練,強制呼出
     (3)呼気筋トレーニング(EMST)
  3.直接訓練(摂食訓練)
   1)姿勢調整
     (1)体幹角度の調整
     (2)頭頸部姿勢の調整
     (3)一側嚥下(リクライニング位+頸部回旋)
     (4)完全側臥位
   2)感覚刺激入力
     (1)冷圧刺激法,喉のアイスマッサージ
     (2)嚥下反射促通手技
     (3)K-point刺激
     (4)その他の感覚刺激入力
   3)その他の代償的手段
     (1)一口量の調整,ペーシング
     (2)嚥下の意識化
     (3)複数回嚥下(反復嚥下)
     (4)交互嚥下
     (5)スライス型ゼリー丸飲み法
  4.嚥下手技
     (1)努力嚥下,アンカー強調嚥下
     (2)メンデルソン手技
     (3)息こらえ嚥下
     (4)強い息こらえ嚥下
 3.外科的治療(金沢英哲)
   1)はじめに
   2)外科的治療とは
     (1)手術の適応
     (2)嚥下障害領域の症例
     (3)気管切開の患者
     (4)手術の時期
     (5)手術の効果
   3)嚥下機能改善手術
     (1)手術の適応
     (2)患者サポート
     (3)喉頭挙上術
     (4)輪状咽頭筋切除(切断)術
   4)誤嚥防止手術
     (1)術式
     (2)手術の目的
     (3)手術の適応
     (4)代替発声法
     (5)永久気管孔
     (6)誤嚥防止手術の予後
     (7)手術の適応と臨床倫理
   5)気管切開術の適応,気管カニューレの選択
     (1)術前の確認手順
     (2)気管カニューレの選択に際し留意すべき点
     (3)スピーチタイプのカニューレの理解と活用
 4.薬物療法(海老原孝枝・海老原 覚)
   1)内服薬
     (1)アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬
     (2)アマンタジン
     (3)シロスタゾール
     (4)テオフィリン
     (5)半夏厚朴湯
     (6)リバスチグミン
     (7)モサプリド
     (8)便秘薬(センノシド)
   2)その他
     (1)スパイスを利用したアロマテラピー
     (2)食事
   3)まとめ
 5.補綴装置を用いたアプローチ(中島純子)
   1)補綴,補綴装置とは
   2)摂食嚥下障害のリハビリテーションにおける補綴装置の位置づけ
   3)摂食嚥下障害に対する補綴装置の適用
     (1)舌や軟口蓋の機能的障害
   4)摂食嚥下障害に用いられる補綴装置の種類
     (1)口腔内の器質的障害に対する補綴装置
     (2)舌の器質的障害,機能的障害に対する補綴装置
     (3)軟口蓋の機能的障害に対する補綴装置
     確認Check!
第7章 疾患や病態に合わせたリハビリテーション
 1.脳血管障害に伴う摂食嚥下障害(北條京子)
  1.脳血管障害に伴う摂食嚥下障害の特徴と病態
   1)偽性球麻痺
     (1)病巣
     (2)摂食嚥下障害
   2)球麻痺
     (1)病巣
     (2)摂食嚥下障害
  2.摂食嚥下障害に対するアプローチ全体の流れ
   1)診察・評価のポイント
   2)留意点
  3.評価
   1)嚥下機能のスクリーニングによる評価
   2)嚥下内視鏡検査(VE)
   3)嚥下造影検査(VF)
   4)総合評価
  4.リハビリテーション
   1)間接訓練
     (1)特徴と留意点
     (2)間接訓練に主に使用される手技
   2)直接訓練
  5.報告書
 2.神経筋疾患に伴う摂食嚥下障害(杉下周平)
  1.障害部位別の基礎知識
   1)中枢神経障害
   2)運動ニューロン障害
   3)末梢神経障害
   4)筋の障害
  2.摂食嚥下障害の基礎知識
   1)中枢神経障害の疾患
    1.パーキンソン病(PD)
     (1)摂食嚥下障害の主な病因
     (2)摂食嚥下障害の特徴
     (3)摂食嚥下障害の所見
     (4)評価,訓練
    2.進行性核上性麻痺(PSP)
     (1)摂食嚥下障害の主な病因
     (2)摂食嚥下障害の特徴
     (3)摂食嚥下障害の所見
     (4)評価,訓練
    3.多系統萎縮症(MSA)
     (1)摂食嚥下障害の主な病因
     (2)摂食嚥下障害の特徴
     (3)摂食嚥下障害の所見
     (4)評価,訓練
    4.多発性硬化症(MS)
     (1)摂食嚥下障害の主な病因
     (2)摂食嚥下障害の特徴
     (3)摂食嚥下障害の所見
     (4)評価,訓練
   2)運動ニューロンの疾患
    1.筋萎縮性側索硬化症(ALS)
     (1)摂食嚥下障害の主な病因
     (2)摂食嚥下障害の特徴
     (3)摂食嚥下障害の所見
     (4)評価,訓練
   3)末梢神経障害の疾患
    1.ギラン・バレー症候群(GBS)
     (1)摂食嚥下障害の主な病因
     (2)摂食嚥下障害の特徴
     (3)摂食嚥下障害の所見
     (4)評価,訓練
   4)筋の障害
    1.デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)
     (1)摂食嚥下障害の主な病因
     (2)摂食嚥下障害の特徴
     (3)摂食嚥下障害の所見
     (4)評価,訓練
    2.筋強直性筋ジストロフィー(MD)
     (1)摂食嚥下障害の主な病因
     (2)摂食嚥下障害の特徴
     (3)摂食嚥下障害の所見
     (4)評価,訓練
    3.多発性筋炎(PM),皮膚筋炎(DM)
     (1)摂食嚥下障害の主な病因
     (2)摂食嚥下障害の特徴
     (3)摂食嚥下障害の所見
     (4)訓練・評価
    4.重症筋無力症(MG)
     (1)摂食嚥下障害の主な病因
     (2)摂食嚥下障害の特徴
     (3)摂食嚥下障害の所見
     (4)評価,訓練
  3.自助具について
  4.報告書
 3.頭頸部腫瘍に伴う摂食嚥下障害(南都智紀)
  1.頭頸部癌の病態と治療
   1)疫学
   2)検査・診断
   3)治療
     (1)外科的治療
     (2)放射線治療
     (3)がん薬物療法
     (4)支持療法
  2.頭頸部癌に対する摂食嚥下リハビリテーション
   1)治療経過に応じた言語聴覚士の対応
     (1)治療開始前の対応
     (2)手術後の対応
     (3)化学放射線療法前後の対応
     (4)退院前,外来での対応
   2)腫瘍部位別の摂食嚥下障害とその対応
     (1)口唇癌
     (2)頬粘膜癌
     (3)舌癌
     (4)下顎歯肉癌
     (5)口底癌
     (6)上顎歯肉癌,硬口蓋癌,軟口蓋癌
     (7)上咽頭癌
     (8)中咽頭癌
     (9)下咽頭癌
     (10)喉頭癌
     (11)甲状腺癌
  3.報告書
 4.認知症に伴う摂食嚥下障害(佐藤豊展)
  1.認知症の基本概念
     (1)認知症とは
     (2)診断基準
     (3)原因
     (4)病型
     (5)症状
     (6)病型別の認知症症状
  2.認知症による摂食嚥下障害
     (1)認知症の病型と摂食嚥下障害の頻度
     (2)認知症の症状進行と摂食嚥下障害との関連
     (3)病型別にみた摂食嚥下障害の初期症状
  3.認知症患者に対する摂食嚥下障害の評価
     (1)情報の収集
     (2)各種評価
     (3)情報の分析・統合
  4.認知症患者に対する摂食嚥下訓練
   1)間接訓練
   2)直接訓練(食事支援を含む)
     (1)基本的な流れ
     (2)食事環境の設定
  5.摂食嚥下訓練の実例─重度認知症患者に行った訓練の実際
  6.報告書
 5.サルコペニアに伴う摂食嚥下障害(森 隆志)
  1.基本情報
     (1)原因
     (2)背景
     (3)評価
     (4)対応
  2.背景因子
   1)サルコペニア
     (1)サルコペニアの概念
     (2)サルコペニアの診断フロー
     (3)サルコペニアの評価項目
     (4)サルコペニアの原因
     (5)サルコペニアへの対応方法
   2)リハビリテーションにおける栄養療法と運動療法の併用効果
   3)フレイルおよび関連する事象
     (1)フレイル
     (2)老嚥
     (3)オーラルフレイル
     (4)背景因子とサルコペニアに伴う摂食嚥下障害の発症機序
  3.嚥下関連筋群のサルコペニア
   1)嚥下関連筋群の筋肉量
     (1)検査機器
     (2)対象となる筋とその特徴
   2)嚥下関連筋群の筋力
     (1)検査機器
     (2)検査項目とその特徴
  4.診断方法
  5.嚥下関連筋群のレジスタンストレーニング
  6.介入方針と関連因子
  7.言語聴覚士が行うリハビリテーション
  8.報告書
 6.その他(精神疾患患者,呼吸器疾患患者)の摂食嚥下障害(石山寿子)
  1.精神疾患患者の摂食嚥下障害
   1)各種精神疾患の分類(病態別症状)
   2)主な精神疾患の摂食嚥下障害
     (1)統合失調症
     (2)気分障害(うつ病)
     (3)摂食障害
     (4)その他
   3)精神疾患患者にみられやすい薬剤の影響
   4)精神疾患患者の食行動と嚥下機能評価
     (1)精神症状とせん妄の鑑別
     (2)せん妄の症状と原因
   5)精神疾患患者への摂食嚥下リハビリテーション
     (1)精神疾患患者への摂食嚥下リハビリテーションの実際
     (2)栄養面の調整と介入
  2.呼吸器疾患患者の摂食嚥下障害
   1)慢性閉塞性肺疾患(COPD)
   2)薬剤の影響とその対応
   3)拘束性肺疾患
     確認Check!
第8章 栄養と栄養管理
 1.言語聴覚士に求められる栄養の知識(永見慎輔)
   1)栄養療法における言語聴覚士の役割
   2)嚥下調整食を把握する
     (1)嚥下に適した食品物性の把握
     (2)嚥下調整食の提供についてのマネジメント
   3)栄養補給法
     (1)経口摂取の補助的手段としての経管栄養法
     (2)経腸栄養法
   4)リハビリテーションと栄養療法の関連について
     (1)医原性サルコペニアの予防
     (2)レジスタンストレーニング
 2.嚥下調整食(上島順子)
   1)嚥下調整食とは
   2)嚥下調整食に求められること
   3)嚥下調整食の分類
     (1)日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2021
     (2)ユニバーサルデザインフード区分
     (3)特別用途食品「えん下困難者用食品」
     (4)スマイルケア食
   4)嚥下調整食の名称の違い
   5)日本と海外の嚥下調整食の違い
   6)嚥下調整食の栄養強化
 3.非経口栄養(國枝顕二郎)
   1)栄養投与経路
   2)経管栄養
     (1)経鼻経管栄養
     (2)胃瘻
     (3)間歇的経管栄養法
   3)栄養剤の種類
   4)静脈栄養
     (1)末梢静脈栄養
     (2)中心静脈栄養
     確認Check!
第9章 臨床のあり方と留意点
 1.摂食嚥下リハビリテーションにおけるリスク管理(中尾真理)
   1)摂食嚥下リハビリテーションに伴うリスク
   2)リスクアセスメント
   3)リスクマネジメント
     (1)誤嚥時の対応
     (2)吸引
     (3)嘔吐時の対応
     (4)窒息時の対応
     (5)窒息解除手技
     (6)感染管理
 2.摂食嚥下障害と倫理(國枝顕二郎)
   1)摂食嚥下障害と臨床倫理
     (1)ジレンマ
     (2)医学的事実と倫理的価値判断
   2)倫理の4原則と4分割法
     (1)倫理の4原則
     (2)4分割法
   3)自己決定能力
     (1)自己決定能力の評価
     (2)家族の判断
   4)臨床倫理カンファレンス
   5)終末期と摂食嚥下障害
 3.多職種連携(平田 文)
   1)摂食嚥下リハビリテーションにおける多職種連携の必要性
     (1)摂食嚥下障害の特徴に起因するもの
     (2)摂食嚥下障害の特徴に起因しないもの
   2)連携する専門職種
     (1)医師
     (2)歯科医師
     (3)看護師
     (4)管理栄養士/栄養士
     (5)歯科衛生士
     (6)介護福祉士/介護士
     (7)理学療法士
     (8)作業療法士
     (9)薬剤師
     (10)診療放射線技師
     (11)教員/保育士
   3)チームアプローチの形態
   4)情報共有と多職種連携のコツ
     (1)情報共有の方法─ケースカンファレンス
     (2)電子カルテの活用
     (3)多職種連携
     (4)多職種連携のコツ
 4.摂食嚥下リハビリテーション領域における遠隔医療(大森史隆)
   1)遠隔医療の概要
   2)摂食嚥下領域における遠隔医療
     (1)遠隔医療の現状
     (2)遠隔環境の設定
     (3)遠隔評価・リハビリテーション
     (4)今後の展望と課題
     確認Check!

 Column 「弧発的咽頭嚥下」(稲本陽子)
 Column 「嚥下のバーチャルリアリティー」(上羽瑠美)

 付録
 索引