やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社


 本書は,整形外科の外来診療における診察あるいは評価でみられる症候から病態を推察し,具体的な治療の方針および方法を導き出すための技術書として執筆したものである.
 通常,医学書は病態・疫学的所見・症状・各種検査所見・治療方法が疾患別に並べて記載してあるものがほとんどであり,整形外科の外来における症候学的な治療技術書はあまりみかけない.しかし,外来診療現場においては,診察や評価の際にみられる症候から病態を推察し,その病態に対する治療方針を導き出すという具体的な技術論が必要となる.整形外科の外来診療におけるさまざまな治療の中でも,特に理学療法は主力治療となるため,本書では理学療法による治療方法について理学療法士が具体的に記載した.
 医師の診察方法と理学療法士の評価方法はかなり異なるものであるため,当然のことながら医師の診断結果と理学療法士の病態推察結果も異なることが多い.医師は患部における病理的変化をとらえて診断するが,理学療法士は患者の動作の異常や変化をみて,運動器の病態を推察する.したがって,診断名やリハビリテーション指示書をもとに理学療法治療を開始しても期待した効果が得られないことも少なくない.
 本書では,同じ症候に対する医師の診察所見と理学療法士の評価所見,医師の診断と理学療法士の病態推察方法を運動器別にそれぞれ記載し,さらに症候に潜 むリスク,治療の方針および方法を医師と各担当理学療法士が記載した.
 外来整形外科における運動器疾患の多くは,動作の矯正により患部の病理的改善がもたらされることも多い.理学療法によって,全身の筋・筋膜や関節による四肢・体幹の連鎖をコントロールすることで立位姿勢や歩行・動作の改善が得られ,患部局所への負荷が著しく減少することもしばしば経験する.本書が外来整形外科診療に携わる医師や理学療法士の方々に少しでも役立ち,一人でも多くの患者さんの症状の改善や病理的改善に寄与することができれば幸いである.
 なお本書は,外来整形外科診療における主な症候について記載したもので,外傷性疾患については除外した.
 足部の症候と理学療法の項は当初,入谷誠先生にご執筆をお願いし,ご快諾いただいていたがご執筆が叶わないまま急逝されたため,代わって財前知典先生にご執筆いただいた.
 偉大な業績を残された入谷誠先生には深く敬意を表し,ご冥福をお祈りする.また,本書をご執筆いただいた先生方と,医歯薬出版の各位にも謝意を表する.
 2019年2月
 小関博久
 序(小関博久)
第1章 股関節
 1.股関節の痛み(小関博久)
  1)下前腸骨棘付着部腱炎
  2)大腿骨大転子滑液包炎
  3)変形性股関節症
  4)臼蓋形成不全
  5)大腿骨頭壊死
  6)単純性股関節炎
  7)ペルテス病
  8)大腿骨頭すべり症
 2.股関節の機能解剖(小関博久)
  1)股関節の特徴
  2)股関節の可動域
  3)股関節の構成体
   大腿骨頭 寛骨臼 関節唇 関節包 靱帯
  4)下肢の筋の機能上の特徴
   open kinetic chain(OKC)における運動 closed kinetic chain(CKC)における運動
  5)股関節と膝関節の双方へ作用する二関節筋と運動
   大腿直筋 縫工筋 ハムストリングス 薄筋
  6)股関節の単関節筋と運動
   腸腰筋 股関節外転筋群 大殿筋 股関節外旋筋群 股関節内転筋群
  7)股関節の指標
   スカルパ(Scarpa)三角 ローザー-ネラトン(Roser-Nelaton)線 股関節各部の角度
 3.股関節痛を生じる疾患(財前知典)
 4.股関節の痛みの鑑別(財前知典)
  1)病歴による予測
  2)疼痛の出現状況による予測
  3)疼痛部位による予測
   股関節前面の疼痛 股関節外側の疼痛 殿部および大腿後面の疼痛 股関節内側の疼痛
  4)股関節由来の疼痛と腰椎由来の疼痛の鑑別評価
   体幹前屈テスト 体幹後屈テスト 体幹側屈テスト 体幹回旋テスト
   関節可動域とエンドフィール 筋緊張評価 整形外科テスト 歩行評価
 5.股関節の症候に対する理学療法(財前知典)
  1)股関節に対する運動療法
   股関節屈曲運動 股関節伸展運動 股関節外転運動 股関節内転運動
  2)体幹に対する運動療法
   体幹並進運動 体幹回旋運動
  3)足部に対するアプローチ
   入谷式足底板における大腿骨のコントロール 中足骨横アーチのコントロール
 引用文献
第2章 膝関節
 1.膝の痛み(小関博久)
  1)膝蓋下脂肪体炎
  2)膝蓋腱炎
  3)オスグッド-シュラッター病
  4)シンディング-ラーセン-ヨハンソン病
  5)鵞足炎
  6)腸脛靱帯炎
  7)変形性膝関節症
  8)半月板損傷
  9)靱帯損傷
   前十字靱帯損傷 後十字靱帯損傷 内側側副靱帯損傷 外側側副靱帯損傷
 2.膝関節の機能解剖(小関博久)
  1)膝関節の特徴
  2)膝関節の可動域
  3)膝関節の構成体
   大腿骨顆部 脛骨顆部 膝蓋骨 半月板 十字靱帯
   関節包 側副靱帯 腸脛靱帯
  4)膝関節の運動
   転がりすべり運動 スクリューホームムーブメント PF(膝蓋大腿)関節の運動
  5)下肢の筋の機能上の特徴
   open kinetic chain(OKC)における運動
   closed kinetic chain(CKC)における運動
  6)膝関節の伸筋─大腿四頭筋
   大腿直筋 広筋群
  7)膝関節の屈筋
   縫工筋 ハムストリングス 薄筋
  8)膝関節の単関節筋
   膝窩筋 腓腹筋
  9)膝関節各部の角度
   FTA Q角
 3.膝関節疾患と症候(藤田 仁)
 4.膝関節疾患に対する理学療法評価(藤田 仁)
  1)問診
   主訴・hope 年齢 現病歴 日常生活活動・スポーツ活動
   既往歴・服薬状況 随伴症状・他の関節症状 その他
  2)画像診断・補助診断
  3)炎症所見
  4)姿勢・動作における症状誘発
   臥位・座位・立位姿勢 立ち上がり 片脚立位 しゃがみ込み 歩行
  5)症状誘発評価
  6)疼痛
   部位 強度・性質 膝関節運動時痛 メカニカルストレス 障害組織の鑑別
  7)筋力低下,関節可動域制限
   大腿周径 最大筋力 関節可動域
  8)神経障害
   感覚検査 運動機能検査
  9)膝関節機能評価
   膝関節alignment 筋緊張 膝関節可動性・膝関節運動 筋機能
  10)膝関節と下肢・体幹機能評価
   足部と膝関節ユニット評価 股関節と膝関節ユニット評価
   股関節・体幹と膝関節ユニット評価 下肢・体幹ユニット評価 ユニット機能改善評価
  11)姿勢・動作分析
   臥位・座位・立位姿勢 立ち上がり 片脚立位 しゃがみ込み 歩行
  12)検査結果の統合と解釈,目標設定
 5.膝関節疾患に対する理学療法アプローチ(藤田 仁)
  1)膝関節運動の再構築
  2)下肢機能軸の再構築
  3)広筋群・膝窩筋機能による膝関節安定化
  4)膝関節に作用するマッスルインバランスの改善
  5)股関節と膝関節の二関節筋抑制・股関節単関節筋の促通
  6)テーピング
 参考文献
第3章 足部
 1.足の痛み(小関博久)
  1)腓骨筋腱炎
  2)アキレス腱周囲炎
  3)シーバー病
  4)後脛骨筋腱炎
  5)有痛性外脛骨
  6)足底筋膜炎
  7)二分種子骨
  8)モートン病
  9)痛風
  10)下肢の動脈閉塞性疾患
   閉塞性動脈硬化症 閉塞血栓性血管炎
  11)足根管症候群
 2.足関節と足の機能解剖(小関博久)
  1)足の骨構成
  2)足のアーチ
  3)足関節(距腿関節)の構成要素
  4)足部の関節
   足根間関節 趾骨間関節
  5)足関節・足の運動定義
  6)足関節・足の筋
   前方筋群 外側筋群 後方筋群 内側筋群 内在筋
  7)支帯と足根管
   伸筋支帯および屈筋支帯 足根管
  8)足関節の安定性
   骨性の制動 靱帯の制動 筋性の制動
 3.足部痛を生じる疾患(財前知典)
  1)全身疾患による疼痛(血流障害含む)
   痛風(高尿酸血症) 関節リウマチ 虚血性疾患
  2)炎症性疾患
   アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎・踵骨後部滑液包炎・ハグランド病
   後脛骨筋腱炎(後方シンスプリント) 腓骨筋腱炎 前方コンパートメント症候群
   足底筋膜炎・踵骨骨棘 足根洞症候群 有痛性外脛骨 種子骨障害
  3)腫瘍性疾患
  4)変形性疾患
   変形性足関節症 足関節インピンジメント症候群
   外反母趾 強剛母趾 フライバーグ病
  5)感染症性疾患
  6)神経因性疾患
   モートン病 足根管症候群
 4.足部の痛みの鑑別(財前知典)
  1)問診
   病歴による予測 疼痛の出現状況による予測
  2)視診・触診
   下腿alignment評価 後足部alignment評価 前足部alignment評価
   足趾alignment評価 足根骨alignment評価 筋緊張評価
  3)機能評価
   距骨化下関節回内外可動域 横足根関節可動域 1列可動域 足趾グリップ機能評価
  4)動作分析
   歩行分析 片脚立位 つま先立ち クォータースクワット
   ランジ動作 徒手誘導操作による動作の変化
 5.足部の症候に対する理学療法(財前知典)
  1)足底板
  2)運動療法
   足関節誘導と運動療法 足趾の運動療法 身体のバランスを考慮した運動療法
 参考文献
第4章 肩関節
 1.肩の痛みと肩こり(小関博久)
  1)上腕二頭筋長頭腱炎
  2)肩峰下滑液包炎
  3)烏口突起炎
  4)変性腱板炎
  5)石灰沈着性腱板炎
  6)癒着性関節包炎
  7)肩手症候群
  8)野球肩
 2.肩関節の機能解剖(小関博久)
  1)肩甲骨の形態
  2)肩関節の種類
   肩甲上腕関節 肩峰上腕関節 胸鎖関節 肩甲胸郭関節
   肩鎖関節 肩関節の可動域
  3)肩甲上腕関節の構成体
   上腕骨頭 臼蓋 関節唇 関節包 靱帯
  4)肩甲上腕関節の筋
   上腕二頭筋 回旋筋 三角筋 大胸筋 広背筋 大円筋 烏口腕筋
  5)ゼロポジション
  6)肩峰上腕関節(第二肩関節)
  7)胸鎖関節
  8)肩甲胸郭関節
  9)肩甲胸郭関節の運動筋
   前鋸筋 僧帽筋 肩甲挙筋 菱形筋 小胸筋 鎖骨下筋
  10)肩鎖関節
  11)四辺形間隙(外側腋窩隙)
 3.肩関節痛を生じる疾患(財前知典)
  1)肩関節の筋・骨格系の疾患
  2)頸椎由来の疾患
  3)腕神経叢を含む末梢神経と血管の疾患
  4)内科疾患
  5)心因性
 4.肩関節の痛みの鑑別(財前知典)
  1)問診
   受傷機転 疼痛出現状況 疼痛範囲 既往歴やスポーツ歴
  2)視診・触診
  3)理学療法評価
   肩関節に対する整形外科テスト 関連痛の鑑別 リーチ動作評価
   徒手誘導評価 上肢の運動連鎖を利用した筋膜誘導評価
   テーピングによる誘導評価 alignment評価 姿勢評価 歩行評価
 5.肩関節の症候に対する理学療法(財前知典)
  1)鎖骨および肩甲骨徒手誘導評価に基づく運動療法
   肩甲骨内転誘導が良好な場合 肩甲骨外転誘導が良好な場合
  2)筋膜誘導評価に基づく上肢運動療法
   肩関節伸展運動連鎖の筋膜誘導 肩関節屈曲運動連鎖の筋膜誘導
   肩関節内外旋の筋膜誘導 肩関節内外転の筋膜誘導 前腕回内外の筋膜誘導
 参考文献
第5章 肘関節・手関節・手
 1.肘・手の症候(小関博久)
  1)上腕骨内側上顆炎
  2)上腕骨外側上顆炎
  3)肘部管症候群
  4)回外筋症候群
  5)手根管症候群
  6)TFCC症候群
  7)手指の腱鞘炎
  8)変形性指関節症
  9)ギヨン管症候群
 2.肘関節の機能解剖(小関博久)
  1)肘関節の構成体
   腕橈関節 肘関節の靱帯
  2)肘関節の指標
  3)肘関節の運動と可動域
  4)肘関節の運動筋
 3.手と指の機能解剖(小関博久)
  1)手と指の骨構成
  2)指の関節の構成
  3)手のアーチと機能的肢位
  4)手関節の運動と可動域
  5)手関節の筋と運動
   手関節掌屈筋 手関節背屈筋 手関節回内筋
  6)指の関節の運動と可動域
   母指の運動 示指〜小指の運動
  7)指の関節の筋と運動
   外来筋 内在筋
  8)手根管・腱鞘の機能と構造
   手根管 腱鞘
 4.肘関節・手関節・手指の症候に対する理学療法(平田史哉)
  1)病態評価と機能障害評価
  2)肘関節・手関節・手指の症候について
  3)肘関節・手関節・手指の役割
   肘関節の機能 手関節の機能 手指の機能 肘関節・手にみられるさまざまな症状と病態
  4)肘関節・手部における理学療法評価
   機能障害を理解するためのポイント
  5)肘関節・手関節・手指障害に対する理学療法評価
   問診 肘関節・手部の関節可動域検査
   肘関節・手部における筋力検査 肘関節・手部における感覚検査
  6)肘関節内側部障害の症候に対する理学療法
   肘関節内側部障害の症状と代表的な整形外科疾患 病態 病態評価
  7)肘関節外側部障害の症候に対する理学療法
   肘関節外側部障害の症状と代表的な整形外科疾患 病態 病態評価
  8)肘関節前方部障害の症候に対する理学療法
   肘関節前方部障害の症状と代表的な整形外科疾患 病態 病態評価
  9)肘関節後方部障害の症候に対する理学療法
   肘関節後方部障害の症状と代表的な整形外科疾患 病態 病態評価
  10)手関節尺側部障害の症候に対する理学療法
   手関節尺側部障害の症状と代表的な整形外科疾患 病態 病態評価
  11)手関節橈側部障害の症候に対する理学療法
   手関節橈側部障害の症状と代表的な整形外科疾患 病態 病態評価
  12)手関節掌側部障害の症候に対する理学療法
   手関節掌側部障害の症状と代表的な整形外科疾患 病態 病態評価
  13)手関節背側部障害の症候に対する理学療法
   手関節背側部障害の症状と代表的な整形外科疾患 病態 病態評価
  14)母指障害の症候に対する理学療法
   母指障害の症状と代表的な整形外科疾患 病態 病態評価
  15)手指障害の症候に対する理学療法
   手指障害の症状と代表的な整形外科疾患 病態 病態評価
  16)肘関節・手関節・手指の理学療法評価における機能障害評価例
   肘関節・手部の被動性 上肢alignment評価 肘関節・手部に着目した姿勢観察・評価
   肘関節・手部における典型的な機能障害
  17)肘関節・手部の治療アプローチ例
   前腕回内制限に対するアプローチ 手根骨アーチ挙上に対するアプローチ
   遠位橈尺関節不安定に対するアプローチ 手指対立機能障害に対するアプローチ
 参考文献
第6章 頸部
 1.頸部の痛み,肩こり(小関博久)
  1)頸椎椎間板ヘルニア
   徒手テスト
  2)変形性頸椎症
  3)頸椎後縦靱帯骨化症
  4)胸郭出口症候群
   徒手テスト 病態分類
 2.頸椎の機能解剖(小関博久)
 3.頸部痛について(小関泰一)
  1)頸部疾患の主な症候について
   頸椎構成体による疼痛 頸部周囲筋の筋性疼痛 神経根症状
   頭痛 上肢血行障害による疼痛 脊髄症状
  2)頸椎由来以外の頭頸部痛を引き起こす代表的疾患について
 4.頸部痛に対する病態把握および評価(小関泰一)
  1)問診
  2)疼痛評価
   疼痛部位 疼痛の強さ 疼痛の性状 疼痛の増悪因子および軽減因子
  3)既往歴の聴取,バイタルサイン,髄膜刺激徴候のチェック
   バイタルサイン(脈拍,呼吸,体温,血圧,意識レベル) 髄膜刺激徴候
  4)画像所見
   正面像 側面像 斜位像
  5)整形外科テスト
  6)再現痛テスト
  7)頸椎機能テスト(各症状にて施行)─頸椎椎間関節評価
  8)顎関節機能評価
  9)下顎位の評価・アプローチ
  10)舌骨機能評価
 5.各症状に対する理学療法展開(小関泰一)
  1)頸椎alignment分類
  2)頸椎運動時痛に対する理学療法展開
   頸椎過前弯タイプにおける椎間関節のメカニカルストレスの一例
   頸椎後弯タイプにおける椎間関節のメカニカルストレスの一例 評価項目 理学療法の方向性
  3)肩こりに対する理学療法展開
   頸椎alignment分類における特徴的な筋緊張分布 「肩こり」好発部位について
   評価項目 理学療法の方向性
  4)頭痛に対する理学療法展開
   評価項目 理学療法の方向性
  5)しびれに対する理学療法展開
   頸椎症性神経根症について 胸郭出口症候群について(斜角筋症候群を中心に)
   脊髄症について 評価項目 理学療法の方向性
 6.頸部痛に対する理学療法アプローチ(小関泰一)
  1)上位頸椎へのアプローチ
   後頭下筋群のストレッチ 環椎後頭関節運動へのアプローチ
   環軸関節へのアプローチ
  2)中・下位頸椎へのアプローチ
   中・下位頸椎の屈曲アプローチ 中・下位頸椎の伸展アプローチ
   中・下位頸椎の側屈・回旋アプローチ
  3)肩甲骨へのアプローチ
   頸椎過前弯タイプに対する肩甲骨アプローチ 頸椎後弯タイプに対する肩甲骨アプローチ
  4)顎関節へのアプローチ
   頸椎後弯タイプに対する下顎アプローチ 頸椎過前弯タイプに対する下顎アプローチ
  5)舌骨へのアプローチ
   舌骨が前上方に位置している例へのアプローチ 舌骨が後下方に位置している例へのアプローチ
  6)前側方に分布する筋群へのアプローチ
 参考文献
第7章 胸背部
 (平山哲郎)
 1.胸背部痛と診療の進め方
  1)医療面接
  2)身体診察のポイント
   基本的検査 診断の流れ
 2.整形外科領域にみられる胸背部痛
  1)胸郭前面の疼痛から考えられる疾患
   肋軟骨疾患 肋骨骨折 肋間神経痛
  2)胸郭後面の疼痛から考えられる疾患
   棘上靱帯炎 胸椎圧迫骨折 胸椎椎間板ヘルニア 腰背筋膜炎 その他の胸郭の痛み
 3.胸郭の機能解剖
  1)骨
   胸椎 胸骨 肋骨
  2)関節,靱帯
   椎間関節 椎体間関節 脊柱の靱帯 肋椎関節 胸肋関節
  3)運動学
   脊柱屈曲 脊柱伸展 脊柱側屈 脊柱回旋
  4)呼吸時の胸郭運動
   胸郭垂直方向への変化 胸郭前後,横方向への変化
  5)呼吸時の筋活動
   安静時吸気筋 強制吸気筋 呼気筋
  6)呼吸機能
  7)胸郭に作用,付着するその他の筋肉
   脊椎深筋群 脊椎中間筋群 板状筋 後鋸筋 菱形筋 広背筋
   僧帽筋 前鋸筋 鎖骨下筋 小胸筋 大胸筋 胸鎖乳突筋
   肋骨挙筋 胸横筋 大腰筋 腰方形筋 腹横筋 内腹斜筋
   外腹斜筋 腹直筋 胸腰筋膜
 4.整形外科領域における胸郭の理学療法評価
  1)問診
  2)画像所見
   前後方向撮影 側方向撮影
  3)疼痛評価
   疼痛自体の程度や質 疼痛部位の触診 基本動作におけるメカニカルストレス
  4)整形外科テスト
   ソート・ホールテスト 胸骨圧迫テスト ビーバー徴候
   シュペルマン徴候 胸郭拡張テスト
  5)姿勢alignment評価
   矢状面の観察 前額面の観察 水平面の観察
  6)脊椎alignment評価
   胸椎棘突起のalignment評価 胸椎横突起のalignment評価 脊柱伸展の可動性評価
  7)胸郭の評価
   胸郭表面の観察 肋骨リングの評価 呼吸機能評価
   胸郭の可動性評価 胸郭運動の評価
  8)体幹前面の機能評価
   頸部回旋テスト 自動下肢伸展挙上テスト 外腹斜筋の機能評価 腹横筋の機能評価
  9)体幹後面の機能評価
   腰背部筋群の評価 広背筋の機能評価 股関節伸展テスト 座圧中心評価
 5.胸郭の理学療法アプローチ
  1)胸椎後弯に対するアプローチ
   ハーフポールによる胸椎伸展 スリングを使用した胸椎伸展
   頸部伸展運動に伴う胸椎伸展運動
  2)前額面上での体幹偏位に対するアプローチ
  3)体幹偏位と座圧中心偏位に対するアプローチ
  4)肋骨に対するアプローチ
   肋骨の下制運動が困難な場合に対するアプローチ 不規則な肋骨リングの配列に対するアプローチ
  5)体幹不安定性に対するアプローチ
   骨盤前傾運動の低下に対するアプローチ 一側の腰方形筋の機能低下に対するアプローチ
   一側の外腹斜筋の機能低下に対するアプローチ
   一側の大殿筋と広背筋ラインの機能低下に対するアプローチ
 参考文献
第8章 腰椎・骨盤帯
 1.腰痛(小関博久)
  1)腰椎椎間板ヘルニア
  2)変形性腰椎症
  3)腰椎分離症
  4)腰椎すべり症
   両側分離すべり症 変性すべり症 先天性すべり症
  5)腰部脊柱管狭窄症
  6)腰椎圧迫骨折
 2.腰仙部の機能解剖(小関博久)
  1)腰仙部の形状
  2)腰椎の運動
  3)腰椎の構成
   前柱(腰椎前方部分) 後柱(腰椎後方部分) 脊柱管
  4)腰椎の動力筋
   腰椎の屈筋 腰椎の伸筋
  5)腰仙部・骨盤帯の安定筋
   体幹インナーユニット
  6)仙腸関節の運動
 3.腰部・骨盤帯疼痛と理学療法(多米一矢)
  1)腰部・骨盤帯疼痛の概要
   安静時痛・動作時痛の分類 神経性症状,筋・筋膜性症状 腰痛の原因部位
  2)腰部・骨盤帯疼痛の病態把握
   問診 視診 触診 脊柱所見 神経学的所見
   評価 メカニカルストレス 病態
  3)腰部・骨盤帯疼痛に対する理学療法の概念
   腰部安定化の概念
  4)腰部・骨盤帯疼痛に対する理学療法
   骨盤前傾運動 腰椎安定性改善 骨盤底筋群の促通 多裂筋の促通
   後斜走系の促通 外腹斜筋の促通 脊柱伸展の促通 腸腰筋の促通
 参考文献

 索引