やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社


監修の序
 本書は,アスリートを中心として,多くの人々のケア・サポートを行うコメディカル(アスレティックトレーナー,柔道整復師,理学療法士など)の方々を対象として,運動器の外傷や疾患についての理解を深めていただくために企画・計画されました.
 各部位別に外傷や疾患について,文章ではなく,テキストとして箇条書きに簡明に記述されています.それぞれの外傷・疾患について,特徴,発生機序,症状,徒手検査,治療法(整復法・固定法など)が示されています.同時に,学習した後の知識の確認のため自己学習(Selflearning)として,対応する形式で「穴埋め形式」の問題ワークを示しています.
 さらに章末には演習問題を加え,読者の理解度をチェックできるようにしています.
 本書は,短時間で効率良く学習し,知識を吸収できるように工夫されていることからも,各職種のコメディカルの方々にとって,大変に有益であると思われます.
 この企画を積極的に支援していただいた医歯薬出版株式会社編集部の各位に敬意を表します.
 平成24年2月吉日
 目崎 登

編集の序
 本書は“理解を深める”ことに重点を置いて作成されたテキストです.筋・骨・関節・軟部組織などの運動器に関わる疾患を理解することは,整形外科医,理学療法士,柔道整復師,鍼灸・あん摩マッサージ師,アスレティックトレーナーの各専門職を目指す学生にとって重要です.これまで多くの参考書はありましたが,自己学習をするには難解であったり,重要なポイントを把握するのが難しく,どこを覚えたらいいのかわからないといった問題点がありました.
 本書では,各疾患の保存療法の重要ポイントをまとめたテキストをまず読み,学習効果を高めるために採用した穴埋めのワークを行うことによって重要語句を自然に理解できるようにいたしました.さらに,文章で記した内容を視覚的に理解できるように,イラスト,単純X線写真やMRI画像も充実させました.
 国家試験やアスレティックトレーナーの試験を受ける学生にとっても,重要ポイントがテキストとしてまとめられ,自己学習ができるので,本書が十分な力を発揮すると確信しております.
 最後に,執筆をお願いいたしました先生方は各疾患のスペシャリストであります.ご多忙の中,原稿を執筆して頂きありがとうございました.監修の労をお取りいただきました目崎 登先生には本当の息子のように,時に厳しく,時に優しく公私ともどもご指導を賜りました.厚く御礼申し上げます.また,本書の作成にあたって医歯薬出版株式会社の竹内 大氏には,多くの助言とご指導を賜りました.ここに深謝の意を表します.
 小林直行
 序
 本書を有効に活用するために
第1部 骨折
 第1章 頭部・顔面部の骨折
  1.頭蓋骨骨折
  2.眼窩底吹き抜け骨折
  3.上顎骨骨折
  4.下顎骨骨折
  5.頬骨・頬骨弓骨折
  6.鼻骨骨折
  演習問題
 第2章 頚部の骨折
  1.Jefferson骨折
  2.軸椎歯突起骨折
  3.hangman骨折
  4.椎体楔状圧迫骨折
  5.tear drop骨折
  6.椎体破裂骨折
  7.棘突起骨折
  演習問題
 第3章 体幹部の骨折
  1.上部胸椎棘突起骨折
  2.胸椎椎体圧迫骨折および胸腰椎移行部椎体圧迫骨折
  3.Chance骨折
  4.椎体破裂骨折
  5.腰椎肋骨突起骨折
  演習問題
 第4章 胸郭部の骨折
  1.胸骨骨折
  2.肋骨骨折・肋軟骨骨折
  3.鎖骨骨折
  4.肩甲骨骨折
  演習問題
 第5章 上腕骨近位端部の骨折
  1.上腕骨骨頭骨折
  2.上腕骨解剖頚骨折
  3.上腕骨外科頚骨折
  4.上腕骨大結節骨折
  5.上腕骨小結節骨折
  6.上腕骨近位骨端線離開
  演習問題
 第6章 上腕骨骨幹部および肘関節周辺部の骨折
  1.上腕骨骨幹部骨折
  2.上腕骨顆上骨折
  3.上腕骨外顆骨折
  4.上腕骨内側上顆骨折
  5.尺骨肘頭骨折
  6.橈骨近位端部骨折
  演習問題
 第7章 前腕骨骨幹部から遠位端部の骨折
  1.橈骨単独骨折
  2.前腕両骨骨幹部骨折
  3.Monteggia脱臼骨折
  4.Galeazzi脱臼骨折
  5.Colles骨折
  6.Smith骨折
  7.背側Barton骨折
  8.掌側Barton骨折
  9.chauffeur骨折
  10.橈骨遠位骨端線離開
  演習問題
 第8章 手根部の骨折
  1.舟状骨骨折
  2.月状骨骨折
  3.三角骨骨折
  4.大菱形骨骨折
  5.有頭骨骨折
  6.有鉤骨鉤骨折
  7.有鉤骨体部骨折
  8.豆状骨骨折
  演習問題
 第9章 中手部の骨折
  1.中手骨骨頭部骨折
  2.中手骨頚部骨折
  3.中手骨骨幹部骨折
  4.中手骨基部骨折
  演習問題
 第10章 手指部の骨折
  1.基節骨骨折
  2.中節骨骨折
  3.末節骨骨折
  演習問題
 第11章 骨盤および股関節周辺部の骨折
  1.骨盤輪骨折
  2.骨盤裂離骨折
  3.Malgaigne骨折
  4.大腿骨骨頭骨折
  5.大腿骨頚部骨折
  6.大腿骨大転子骨折
  7.大腿骨小転子骨折
  演習問題
 第12章 大腿骨および膝蓋部の骨折
  1.大腿骨骨幹部骨折
  2.大腿骨顆上骨折
  3.大腿骨遠位骨端線離開
  4.大腿骨顆部骨折
  5.内側側副靱帯付着部裂離骨折
  6.膝蓋骨骨折
  演習問題
 第13章 下腿部の骨折
  1.脛骨顆部骨折
  2.脛骨顆間隆起骨折
  3.脛骨粗面骨折
  4.腓骨頭骨折
  5.脛骨単独骨折および脛腓両骨骨折
  6.腓骨骨幹部単独骨折
  7.下腿骨果上骨折
  8.下腿骨骨幹部疲労骨折
  演習問題
 第14章 足関節周辺部および足部の骨折
  1.足関節果部骨折
  2.距骨骨折
  3.踵骨骨折
  4.舟状骨骨折
  5.立方骨骨折
  6.中足骨骨折
  7.足趾骨骨折
  演習問題
第2部 脱臼
 第1章 頭部および体幹の脱臼
  1.顎関節脱臼
  2.環軸関節の脱臼および脱臼骨折
  3.頚椎脱臼
  4.胸椎部脱臼骨折
  5.胸腰椎移行部脱臼骨折
  演習問題
 第2章 肩周辺部の脱臼
  1.胸鎖関節脱臼
  2.肩鎖関節脱臼
  3.肩関節脱臼
  演習問題
 第3章 肘部の脱臼
  1.前腕両骨後方脱臼
  2.前腕両骨前方脱臼
  3.前腕両骨側方脱臼
  4.前腕両骨分散(開排)脱臼
  5.橈骨頭単独脱臼
  6.肘内障
  演習問題
 第4章 手および手指部の脱臼
  1.遠位橈尺関節脱臼
  2.橈骨手根関節脱臼
  3.月状骨脱臼および月状骨周囲脱臼
  4.手根中手(CM)関節脱臼
  5.中手指節関節脱臼
  6.指節間関節脱臼
  演習問題
 第5章 下肢の脱臼
  1.股関節脱臼
  2.膝蓋骨脱臼
  3.膝関節脱臼
  4.Chopart関節脱臼
  5.Lisfranc関節脱臼
  6.足趾の脱臼
  演習問題
第3部 軟部組織損傷
 第1章 頭部・胸郭の疾患
  1.顎関節症
  2.顎関節捻挫
  3.頭部・顔面打撲
  4.胸肋関節損傷
  5.肋間筋損傷
  演習問題
 第2章 頚部の疾患
  1.斜頚
  2.環軸関節回旋位固定
  3.頚椎椎間板ヘルニア
  4.頚椎症
  5.後縦靱帯骨化症
  6.胸郭出口症候群
  7.寝違え
  8.むちうち損傷
  9.外傷性腕神経叢麻痺
  10.副神経麻痺
  11.頚部の神経麻痺
  演習問題
 第3章 胸背部・腰部の疾患
  1.胸背部の軟部組織損傷
  2.腰部の軟部組織損傷
  3.不安定性に基づく腰痛
  4.変形性脊椎症
  5.腰椎椎間板ヘルニア
  6.破壊性病変
  7.脊髄腫瘍
  演習問題
 第4章 肩部および上腕部の疾患
  1.腱板損傷
  2.上腕二頭筋長頭腱損傷
  3.Bennett病変
  4.SLAP損傷
  5.肩峰下インピンジメント症候群
  6.リトルリーガーズショルダー
  7.動揺性肩関節
  8.肩甲上神経絞扼障害
  9.腋窩神経絞扼障害
  10.肩関節周囲炎
  11.石灰沈着性腱板炎
  12.変形性肩関節症,変形性肩鎖関節症
  演習問題
 第5章 肘部の疾患
  1.パンナー病
  2.円回内筋症候群
  3.後骨間神経麻痺
  4.前骨間神経麻痺
  5.コンパートメント症候群
  6.肘関節後外側回旋不安定症
  7.肘内側側副靱帯損傷
  8.肘部管症候群
  9.変形性肘関節症
  10.野球肘
  11.離断性骨軟骨炎
  12.上腕骨外側上顆炎
  演習問題
 第6章 手および手指部の疾患
  1.Kienbock病
  2.スワンネック変形
  3.Dupuytren拘縮
  4.de Quervain病
  5.ばね指
  6.ロッキングフィンガー
  7.Heberden結節
  8.ボタン穴変形
  9.Madelung変形
  10.母指(第1指)MP関節尺側側副靱帯損傷
  11.三角線維軟骨複合体損傷
  12.手根管症候群
  13.Guyon管症候群
  演習問題
 第7章 股部の疾患
  1.鼡径部痛症候群
  2.ばね股
  3.梨状筋症候群
  4.ぺルテス病
  5.大腿骨頭すべり症
  6.単純性股関節炎
  7.変形性股関節症
  8.大腿骨頭壊死症
  9.股関節拘縮
  演習問題
 第8章 大腿および小児の膝部の疾患
  1.大腿部打撲
  2.大腿部骨化性筋炎
  3.大腿部の肉ばなれ
  4.小児の膝変形
  5.離断性骨軟骨炎
  演習問題
 第9章 膝部の疾患
  1.半月板損傷
  2.内側側副靱帯損傷
  3.外側側副靱帯損傷
  4.前十字靱帯損傷
  5.後十字靱帯損傷
  6.Osgood-Schlatter病
  7.ジャンパー膝
  8.腸脛靭帯炎
  9.タナ(棚)障害
  10.膝蓋軟骨軟化症
  11.鵞足炎
  12.滑液包炎
  13.変形性膝関節症
  演習問題
 第10章 下腿および足部の疾患
  1.コンパートメント症候群
  2.アキレス腱炎・周囲炎
  3.アキレス腱断裂
  4.腓骨筋腱脱臼
  5.脛骨過労性骨膜炎・シンスプリント
  6.足関節外側側副靱帯損傷
  7.足関節内側側副靱帯損傷
  8.その他の足部靱帯損傷
  9.扁平足障害
  10.後足部の疾患
  11.前足部の疾患
  演習問題

 索引
 付 ワーク・演習問題解答