序
解剖学は人体の基本的な構造を知るための最も基礎的な学問であるとともに,医学・医療系専門科目の出発点として学ぶ重要な学問でもある.
人体解剖学は先人たちの多大なる業績のもとに,体系化され,完成された学問とされているが,超音波診断や外科手術の向上とともに,近年新たな知見も見いだされ,さらに発展する学問であるとも考えられる.
本書は臨床検査技師のみならず,医療系の高度専門職業人を目指すコメディカル・サイエンス領域の方がたに医学・医療の諸分野を理解する基礎知識として十分役立てていただけるよう,臨床各分野との関連をも考慮に入れ,肉眼解剖学を中心に組織学的記載を併せて,できるかぎり図版を多くしつつ簡明に記述した.
今回,カリキュラムの改正(大綱化)にあたり,多くの模式図を組み入れることにより,その内容を一新し,読者の理解が深まるように努力し,さらには解剖学としての学問体系の基本的な考え方についてもふれておくこととした.
本書を学んだ諸君が科学的思考基盤をもち,新たな時代の要請に対応しえる知識・技術を有したコメディカル・サイエンティストとして十分に能力を発揮すべく巣立っていくことを強く望むものである.
最後に,本書を作製するに際し,ご意見,ご要望,ご助言などを賜りました多くの方がたに対して深く感謝する次第である.
2001年 春 佐藤健次
解剖学は人体の基本的な構造を知るための最も基礎的な学問であるとともに,医学・医療系専門科目の出発点として学ぶ重要な学問でもある.
人体解剖学は先人たちの多大なる業績のもとに,体系化され,完成された学問とされているが,超音波診断や外科手術の向上とともに,近年新たな知見も見いだされ,さらに発展する学問であるとも考えられる.
本書は臨床検査技師のみならず,医療系の高度専門職業人を目指すコメディカル・サイエンス領域の方がたに医学・医療の諸分野を理解する基礎知識として十分役立てていただけるよう,臨床各分野との関連をも考慮に入れ,肉眼解剖学を中心に組織学的記載を併せて,できるかぎり図版を多くしつつ簡明に記述した.
今回,カリキュラムの改正(大綱化)にあたり,多くの模式図を組み入れることにより,その内容を一新し,読者の理解が深まるように努力し,さらには解剖学としての学問体系の基本的な考え方についてもふれておくこととした.
本書を学んだ諸君が科学的思考基盤をもち,新たな時代の要請に対応しえる知識・技術を有したコメディカル・サイエンティストとして十分に能力を発揮すべく巣立っていくことを強く望むものである.
最後に,本書を作製するに際し,ご意見,ご要望,ご助言などを賜りました多くの方がたに対して深く感謝する次第である.
2001年 春 佐藤健次
第1章 序論
I.解剖学とは
II.体形の概要
III.人体の構成単位
第2章 細胞,組織と発生
I.細胞
1-細胞の構造
[1]細胞核
[2]細胞質
2-細胞分裂
[1]有糸分裂と無糸分裂
[2]細胞周期
[3]減数分裂
[4]細胞の増殖
II.組織の種類
1-上皮組織
2-結合・支持組織
[1]結合組織
3-軟骨組織
4-骨組織
5-筋組織
6-神経組織
III.ヒトの発生
1-受精,着床
2-胚葉形成
3-組織・器官発生
4-外形の変化
第3章 骨格系
I.総論
1-骨の働き
2-骨の形状
3-骨の構造
4-骨の発生と成長
[1]骨の発生
[2]骨の成長
5-骨の連結
[1]不動結合
[2]可動結合
6-関節
[1]関節の構造
[2]関節の数による分類
[3]運動軸による関節の分類
II.各論
1-頭蓋骨
[1]脳頭蓋
[2]顔面頭蓋
2-体幹の骨
[1]椎骨の基本型
[2]頸椎
[3]胸椎
[4]腰椎
[5]仙骨
[6]尾骨
[7]胸郭
[8]骨盤
3-上肢の骨
[1]上肢帯骨
[2]上腕骨
[3]前腕骨
[4]手の骨
4-下肢の骨
[1]下肢帯骨
[2]大腿骨
[3]下腿骨
[4]足の骨
5-代表的な関節
第4章 筋系
I.総論
1-筋の形と構造
2-筋の補助装置
3-筋線維の性状による筋分類
4-骨格筋の分類
II.各論
1-頭頸部の筋
[1]表情筋
[2]咀嚼筋(深頭筋群)
2-頸部の筋
[1]浅頸筋
[2]側頸筋
[3]前頸筋群
[4]後頸筋
3-胸部の筋
[1]浅胸筋
[2]深胸筋
[3]横隔膜
4-腹部の筋
[1]前腹壁筋
[2]側腹筋
[3]後腹筋
5-背部の筋
[1]浅背筋
[2]深背筋
6-上肢の筋
[1]上肢帯筋群
[2]上腕筋
[3]前腕筋群
[4]手の筋群
7-下肢の筋
[1]下肢帯筋群
[2]大腿筋群
[3]下腿筋群
[4]足の筋群
第5章 循環器系
I.血管系
1-血液循環
[1]血液循環
[2]胎生期の循環系
II.動脈系
1-動脈壁の構造
2-心臓
[1]心臓の弁膜
[2]心臓壁の構造
[3]心臓の刺激伝導系
[4]心臓の栄養血管
3-大動脈系
[1]大動脈
[2]脳の動脈
[3]顔部と頸部の動脈
[4]腹大動脈の枝
[5]総腸骨動脈
[6]上肢の動脈
[7]下肢の動脈
III.静脈系
1-大静脈系
[1]上大静脈
[2]下大静脈
2-奇静脈系
3-皮下静脈系
4-門脈系
IV.リンパ系
1-リンパ系の構成
2-リンパ本幹
[1]一次リンパ本幹
[2]二次リンパ本幹
3-リンパ節の構造
[1]リンパ管とリンパ節
[2]領域リンパ節
V.胸腺と脾臓
1-胸腺
2-脾臓
第6章 呼吸器系
1-鼻
2-副鼻腔
3-咽頭
4-喉頭
[1]喉頭軟骨
[2]声門
[3]支配神経
5-気管と気管支
6-肺
[1]肺の位置関係
[2]肺の区域
[3]肺の組織構造
7-胸腔
8-縦隔
第7章 消化器系
I.総論
1-消化管の構成
2-腸管の組織構造
[1]粘膜
[2]筋層
II.各論
1-口腔
[1]口唇
[2]歯
[3]口蓋
[4]舌
[5]大口腔腺(大唾液腺)
2-咽頭
[1]鼻部
[2]口部
@ [3]喉頭部
[4]粘膜構造
3-食道
[1]粘膜構造
4-胃
[1]胃の形状
[2]胃の構造
5-小腸
[1]十二指腸
[2]空腸と回腸
[3]小腸の構造
6-大腸
[1]盲腸
[2]結腸
[3]直腸
[4]大腸の構造
7-肛門
[1]肛門管の構造
8-肝臓
[1]肝臓の位置関係
[2]肝臓の構造
9-胆嚢
10-膵臓
[1]膵臓の構造
III.腹腔(腹膜腔)
第8章 内分泌系
1-下垂体(脳下垂体)
[1]下垂体前葉
[2]下垂体後葉
2-松果体
3-甲状腺
4-上皮小体(副甲状腺)
5-副腎
6-性腺
[1]精巣
[2]卵巣
7-膵臓
第9章 生殖器系
I.男性生殖器
[1]精巣(睾丸)
[2]精巣上体(副睾丸)
[3]精管
[4]前立腺
[5]尿道球腺(カウパー腺)
[6]陰茎
[7]陰嚢
[8]精巣下降
II.女性生殖器
[1]卵巣
[2]卵管
[3]子宮
[4]腟
[5]女性外陰部
[6]会陰
第10章 泌尿器系
1-腎
[1]髄質と皮質
[2]腎小体
[3]尿細管
[4]腎動脈の腎内分布
2-尿管
3-膀胱
4-尿道
[1]男性の尿道
[2]女性の尿道
5-尿生殖三角
第11章 神経系
I.中枢神経系
1-大脳(大脳半球)
[1]大脳半球の構造
2-小脳
3-間脳
4-中脳
5-橋
6-延髄
7-脳室
8-脳脊髄膜
9-脊髄
[1]灰白質
[2]白質
[3]脊髄の伝導路
II.末梢神経系
1-脳脊髄神経
[1]脳神経
2-脊髄神経
[1]脊髄神経の重要な枝
3-自律神経
[1]交感神経系
[2]副交感神経系
第12章 感覚器系
1-視覚器
[1]視覚器の構造
[2]視覚器の組織構造
[3]眼球の神経支配
[4]副眼器(付属器)
2-視覚器
[1]外耳
[2]中耳
[3]内耳
3-味覚器
4-嗅覚器
5-皮膚
[1]皮膚の付属器
第13章 横断解剖
索引
I.解剖学とは
II.体形の概要
III.人体の構成単位
第2章 細胞,組織と発生
I.細胞
1-細胞の構造
[1]細胞核
[2]細胞質
2-細胞分裂
[1]有糸分裂と無糸分裂
[2]細胞周期
[3]減数分裂
[4]細胞の増殖
II.組織の種類
1-上皮組織
2-結合・支持組織
[1]結合組織
3-軟骨組織
4-骨組織
5-筋組織
6-神経組織
III.ヒトの発生
1-受精,着床
2-胚葉形成
3-組織・器官発生
4-外形の変化
第3章 骨格系
I.総論
1-骨の働き
2-骨の形状
3-骨の構造
4-骨の発生と成長
[1]骨の発生
[2]骨の成長
5-骨の連結
[1]不動結合
[2]可動結合
6-関節
[1]関節の構造
[2]関節の数による分類
[3]運動軸による関節の分類
II.各論
1-頭蓋骨
[1]脳頭蓋
[2]顔面頭蓋
2-体幹の骨
[1]椎骨の基本型
[2]頸椎
[3]胸椎
[4]腰椎
[5]仙骨
[6]尾骨
[7]胸郭
[8]骨盤
3-上肢の骨
[1]上肢帯骨
[2]上腕骨
[3]前腕骨
[4]手の骨
4-下肢の骨
[1]下肢帯骨
[2]大腿骨
[3]下腿骨
[4]足の骨
5-代表的な関節
第4章 筋系
I.総論
1-筋の形と構造
2-筋の補助装置
3-筋線維の性状による筋分類
4-骨格筋の分類
II.各論
1-頭頸部の筋
[1]表情筋
[2]咀嚼筋(深頭筋群)
2-頸部の筋
[1]浅頸筋
[2]側頸筋
[3]前頸筋群
[4]後頸筋
3-胸部の筋
[1]浅胸筋
[2]深胸筋
[3]横隔膜
4-腹部の筋
[1]前腹壁筋
[2]側腹筋
[3]後腹筋
5-背部の筋
[1]浅背筋
[2]深背筋
6-上肢の筋
[1]上肢帯筋群
[2]上腕筋
[3]前腕筋群
[4]手の筋群
7-下肢の筋
[1]下肢帯筋群
[2]大腿筋群
[3]下腿筋群
[4]足の筋群
第5章 循環器系
I.血管系
1-血液循環
[1]血液循環
[2]胎生期の循環系
II.動脈系
1-動脈壁の構造
2-心臓
[1]心臓の弁膜
[2]心臓壁の構造
[3]心臓の刺激伝導系
[4]心臓の栄養血管
3-大動脈系
[1]大動脈
[2]脳の動脈
[3]顔部と頸部の動脈
[4]腹大動脈の枝
[5]総腸骨動脈
[6]上肢の動脈
[7]下肢の動脈
III.静脈系
1-大静脈系
[1]上大静脈
[2]下大静脈
2-奇静脈系
3-皮下静脈系
4-門脈系
IV.リンパ系
1-リンパ系の構成
2-リンパ本幹
[1]一次リンパ本幹
[2]二次リンパ本幹
3-リンパ節の構造
[1]リンパ管とリンパ節
[2]領域リンパ節
V.胸腺と脾臓
1-胸腺
2-脾臓
第6章 呼吸器系
1-鼻
2-副鼻腔
3-咽頭
4-喉頭
[1]喉頭軟骨
[2]声門
[3]支配神経
5-気管と気管支
6-肺
[1]肺の位置関係
[2]肺の区域
[3]肺の組織構造
7-胸腔
8-縦隔
第7章 消化器系
I.総論
1-消化管の構成
2-腸管の組織構造
[1]粘膜
[2]筋層
II.各論
1-口腔
[1]口唇
[2]歯
[3]口蓋
[4]舌
[5]大口腔腺(大唾液腺)
2-咽頭
[1]鼻部
[2]口部
@ [3]喉頭部
[4]粘膜構造
3-食道
[1]粘膜構造
4-胃
[1]胃の形状
[2]胃の構造
5-小腸
[1]十二指腸
[2]空腸と回腸
[3]小腸の構造
6-大腸
[1]盲腸
[2]結腸
[3]直腸
[4]大腸の構造
7-肛門
[1]肛門管の構造
8-肝臓
[1]肝臓の位置関係
[2]肝臓の構造
9-胆嚢
10-膵臓
[1]膵臓の構造
III.腹腔(腹膜腔)
第8章 内分泌系
1-下垂体(脳下垂体)
[1]下垂体前葉
[2]下垂体後葉
2-松果体
3-甲状腺
4-上皮小体(副甲状腺)
5-副腎
6-性腺
[1]精巣
[2]卵巣
7-膵臓
第9章 生殖器系
I.男性生殖器
[1]精巣(睾丸)
[2]精巣上体(副睾丸)
[3]精管
[4]前立腺
[5]尿道球腺(カウパー腺)
[6]陰茎
[7]陰嚢
[8]精巣下降
II.女性生殖器
[1]卵巣
[2]卵管
[3]子宮
[4]腟
[5]女性外陰部
[6]会陰
第10章 泌尿器系
1-腎
[1]髄質と皮質
[2]腎小体
[3]尿細管
[4]腎動脈の腎内分布
2-尿管
3-膀胱
4-尿道
[1]男性の尿道
[2]女性の尿道
5-尿生殖三角
第11章 神経系
I.中枢神経系
1-大脳(大脳半球)
[1]大脳半球の構造
2-小脳
3-間脳
4-中脳
5-橋
6-延髄
7-脳室
8-脳脊髄膜
9-脊髄
[1]灰白質
[2]白質
[3]脊髄の伝導路
II.末梢神経系
1-脳脊髄神経
[1]脳神経
2-脊髄神経
[1]脊髄神経の重要な枝
3-自律神経
[1]交感神経系
[2]副交感神経系
第12章 感覚器系
1-視覚器
[1]視覚器の構造
[2]視覚器の組織構造
[3]眼球の神経支配
[4]副眼器(付属器)
2-視覚器
[1]外耳
[2]中耳
[3]内耳
3-味覚器
4-嗅覚器
5-皮膚
[1]皮膚の付属器
第13章 横断解剖
索引