序文
人類の歴史のなかで音声言語を考えてみると,初めに音声と聴覚があって伝達手段となり,脳機能の発達と共に言語が生まれ,言語により文明や文化は発展し,人類の存在を意義あるものとしている.音声,言語,聴覚は互いに密接に関連しており,コミュニケーションをとることでコミュニティーが生まれ,人間らしい生活の営みや社会的な活動を円滑にする役割を果たしてきた.わが国では超高齢社会を迎えて,生活の質を保ったままでの健康長寿が求められており,コミュニケーション医学のなかで,音声障害学は大切な医学分野といえる.
発声の仕組みは,大脳皮質からの発声指令により,呼吸筋が収縮して肺より呼気流が動力源として供給され,声帯を内転させて声門を閉鎖し気流が声帯を振動させて音源となり,声道を共鳴腔として通過して音声となる.子音と母音が構音されて語音となり,これらが連続して生成されることで意味を持った言語となる.発声における一連の動きのいずれかに異常を生じると発声障害となり,音声の高さ,強さ,持続,音質に異常を生じると音声障害となる.音声障害の病態を正しく理解し,音声障害の程度を的確に評価することで,治療に入ることができる.とくに内視鏡の進歩と共に喉頭疾患の診断を容易に共有できるようになってきており,医師と言語聴覚士が連携して治療計画を立てることが大切である.
本書は,言語聴覚士国家試験出題基準をふまえて構成され,教科書として理解しやすいように編集している.医師の視点,言語聴覚士の視点,そして患者の視点に立って,実地臨床が行えるように配慮し,とくに言語聴覚士が音声障害を正しく理解し,音声障害を訴える患者に対して訓練や指導を適切に行うことができるようにわかりやすく記述している.
本書が言語聴覚士を目指す学生の学習や実習に用いられると共に,すでに言語聴覚士として活躍されている方々の現場で役立つことを切に希望している.
2015年9月
大森孝一
人類の歴史のなかで音声言語を考えてみると,初めに音声と聴覚があって伝達手段となり,脳機能の発達と共に言語が生まれ,言語により文明や文化は発展し,人類の存在を意義あるものとしている.音声,言語,聴覚は互いに密接に関連しており,コミュニケーションをとることでコミュニティーが生まれ,人間らしい生活の営みや社会的な活動を円滑にする役割を果たしてきた.わが国では超高齢社会を迎えて,生活の質を保ったままでの健康長寿が求められており,コミュニケーション医学のなかで,音声障害学は大切な医学分野といえる.
発声の仕組みは,大脳皮質からの発声指令により,呼吸筋が収縮して肺より呼気流が動力源として供給され,声帯を内転させて声門を閉鎖し気流が声帯を振動させて音源となり,声道を共鳴腔として通過して音声となる.子音と母音が構音されて語音となり,これらが連続して生成されることで意味を持った言語となる.発声における一連の動きのいずれかに異常を生じると発声障害となり,音声の高さ,強さ,持続,音質に異常を生じると音声障害となる.音声障害の病態を正しく理解し,音声障害の程度を的確に評価することで,治療に入ることができる.とくに内視鏡の進歩と共に喉頭疾患の診断を容易に共有できるようになってきており,医師と言語聴覚士が連携して治療計画を立てることが大切である.
本書は,言語聴覚士国家試験出題基準をふまえて構成され,教科書として理解しやすいように編集している.医師の視点,言語聴覚士の視点,そして患者の視点に立って,実地臨床が行えるように配慮し,とくに言語聴覚士が音声障害を正しく理解し,音声障害を訴える患者に対して訓練や指導を適切に行うことができるようにわかりやすく記述している.
本書が言語聴覚士を目指す学生の学習や実習に用いられると共に,すでに言語聴覚士として活躍されている方々の現場で役立つことを切に希望している.
2015年9月
大森孝一
序文
第1章 声の特性と機能および調節
(平野 滋)
1 声の特性
1 声の機能
2 声に含まれる情報
(1)時間情報と周波数情報
(2)言語的情報と非言語的情報
(3)知覚的・物理的情報
3 声の可変性(高さ,大きさ,声質,持続)
(1)声の高さ(ピッチ,pitch)
(2)声の大きさ(loudness)
(3)声質
(4)声の持続
2 発声の物理的特徴
1 音声生成の物理的基礎
2 声帯振動
(1)声門の解剖
(2)声帯の解剖
(3)声帯振動のメカニズム
3 共鳴
4 発声の効率
3 発声の生理とその調節
1 神経系の制御
(1)高位中枢における制御
(2)末梢神経系における制御
(3)知覚神経支配
2 呼気調節
(1)呼気調節に関与する器官の解剖・生理
(2)呼吸運動
(3)発声の呼気調節
3 喉頭調節
(1)喉頭の解剖・生理
(2)発声の調節
4 まとめ
第2章 音声障害の発生メカニズムと分類
(大森孝一)
1 音声障害の定義と病態
1 病的音声と正常音声の区別
2 障害の判定における留意点(年齢,性別,文化社会的要素など)
3 発声機構と障害のメカニズム
(1)発声機構
(2)発声障害を生じる病態
2 声帯の器質的病変に基づく音声障害
1 喉頭の炎症,喉頭の腫瘤,喉頭の腫瘍
(1)急性声帯炎
(2)声帯結節
(3)声帯ポリープ
(4)ポリープ様声帯(ラインケ浮腫)
(5)声帯嚢胞
(6)喉頭肉芽腫
(7)声帯萎縮
(8)声帯溝症
(9)声帯上皮過形成症
(10)喉頭乳頭腫
(11)喉頭癌
2 その他(先天異常など)
3 声帯の運動障害に基づく音声障害
1 喉頭麻痺
2 披裂軟骨脱臼
4 その他の音声障害
1 機能性音声障害
2 心因性音声障害
3 痙攣性発声障害
4 過緊張性発声障害
5 低緊張性発声障害
6 発声の悪習慣など
5 まとめ
第3章 音声の検査・評価・診断
(多田靖宏・田口亜紀・田山二朗)
1 検査の種類と目的(多田靖宏・田口亜紀)
1 内視鏡検査(多田靖宏)
2 聴覚心理的評価(多田靖宏)
(1)GRBAS尺度
3 音響分析による検査(多田靖宏)
4 発声の能力と機能の検査(多田靖宏)
(1)空気力学的検査
(2)声の高さの検査
(3)声の強さの検査
(4)声の能率指数(AC/DC比:vocal efficiency index)
(5)発声機能検査装置
5 音声障害の自覚的評価(田口亜紀)
(1)Voice Handicap Index(VHI)
(2)Voice-Related Quality of Life(V-RQOL)
2 基本的な検査の方法(多田靖宏)
1 検査手順
(1)問診(医療面接)
(2)視診
(3)検査
2 記録法
3 特殊な検査とその臨床的意義(田山二朗)
1 声帯振動を評価するための検査
(1)電気グロトグラフィー(electro-glotography: EGG)
(2)光電グロトグラフィー(photo-electrical plottography: PGG)
(3)高速度デジタル撮影
2 喉頭筋電図検査
(1)原理と意義
(2)方法
3 心理検査
(1)原理と意義
(2)方法
4 評価と鑑別診断(多田靖宏)
(1)声帯結節
(2)声帯ポリープ
(3)ポリープ様声帯(ラインケ浮腫)
(4)声帯炎
(5)声帯麻痺
(6)声帯溝症
(7)声帯嚢腫
(8)声帯上皮過形成症
(9)喉頭乳頭腫
(10)喉頭癌
(11)声帯瘢痕症
(12)心因性失声症
(13)過緊張性発声障害
(14)低緊張性発声障害
(15)痙攣性発声障害
(16)変声障害
(17)本態性振戦
5 まとめ(多田靖宏)
第4章 音声障害の治療
(大森孝一・城本 修・金子真美・前川圭子)
1 治療法の種類(大森孝一)
1 外科的治療
(1)喉頭内腔からのアプローチ
(2)経皮的アプローチ
2 保存的治療
(1)薬物治療
(2)音声治療
(3)疾患と治療法の選択
2 音声治療の種類と理念(城本 修)
1 音声治療の定義
2 音声治療の目標と種類
3 音声治療を行う前に知っておくべきこと
(1)音声治療前に収集すべき情報
(2)音声治療におけるドロップアウトの実態
(3)音声治療への運動学習理論の応用
3 声の衛生指導(金子真美・城本 修)
1 声の衛生指導の目標(定義)
2 声の衛生指導の適応
3 声の衛生指導の効果と効果的な指導法
4 声の衛生指導の実際(4 つの柱)
(1)発声に関する基礎的理解の促進
(2)誤った発声行動および生活習慣の修正
(3)水分補給
(4)声の安静
5 症例提示
(1)問診
(2)諸検査結果
(3)問診から考えられる問題点
(4)諸検査結果から考えられる問題点
(5)対応策
4 音声訓練の目的・種類・適応(城本 修)
1 音声訓練の目的
2 音声訓練の種類とその考え方
3 音声訓練の適応
5 音声訓練の方法(前川圭子・城本 修)
1 音声訓練の種類と特徴
2 各音声訓練の特徴
(1)症状対処的音声訓練の特徴
(2)包括的音声訓練の特徴
3 音声訓練の前に確認しておくべき事項
(1)声門閉鎖度の確認
4 音声訓練の実際─I 症状対処的音声訓練
(1)声門閉鎖を促進する音声訓練
(2)声門閉鎖を緩和する訓練(声門開大訓練)
(3)声の高さを調節する訓練
(4)声の強さを調節する訓練
5 音声訓練の実際─II 包括的音声訓練
6 まとめ(大森孝一)
Column
心因性音声障害(前川圭子)
痙攣性発声障害(石毛美代子)
医師と言語聴覚士の連携(田口亜紀)
歌声への対応(羽石英里・細川久美子)
第5章 無喉頭音声
(西澤典子・生井友紀子)
1 喉頭摘出後の呼吸・発声・発語のメカニズム(西澤典子)
1 喉頭摘出術
(1)正常喉頭の生理的機能
(2)喉頭癌の治療
2 喉頭摘出術後の呼吸・発声・発語機能
(1)喉頭摘出後の呼吸機能
(2)喉頭摘出後の発声・発語機能
2 無喉頭音声の検査(西澤典子)
1 喉頭摘出者に対する話しことばの検査と評価
2 声の品質の検査
(1)無喉頭音声評価の特殊性
3 発話の品質の検査
4 生活の質の検査
3 無喉頭音声の種類と特徴および選択基準(西澤典子)
1 緒言
2 主な無喉頭音声
(1)振動源を器具に求める方法(人工喉頭発声)
(2)振動源を自家組織に求める方法(食道発声,気管食道瘻発声)
3 無喉頭音声の選択基準
4 無喉頭音声のリハビリテーション(生井友紀子)
1 無喉頭音声のリハビリテーションとは
(1)無喉頭音声のリハビリテーションとは何か
(2)無喉頭音声のリハビリテーションを開始する前に
2 無喉頭音声のリハビリテーションの内容
(1)情報提供
(2)コミュニケーション指導
(3)無喉頭音声訓練
3 無喉頭音声のリハビリテーションの開始
(1)リハビリテーションの流れ
(2)術前の初回面接
4 無喉頭音声訓練の方法
(1)無喉頭音声訓練の開始にあたって
(2)人工喉頭(電気式人工喉頭electrolarynx:EL)
(3)食道発声
(4)気管食道瘻(シャント:shunt)発声
5 まとめ(西澤典子)
1 喉頭全摘出術と無喉頭音声の歴史
(1)最初の喉頭全摘出術
(2)食道発声の歴史
2 医療における無喉頭音声のリハビリテーション
Column
TEシャント発声(天津法)(齋藤 幹・丹生健一)
TEシャント発声(プロヴォックスVega(R))(齋藤 幹・丹生健一)
社会保障(障害者手帳)(西澤典子)
第6章 気管切開患者への対応
(平林秀樹)
1 気管切開とは
1 気管切開の適応
2 気管切開のインフォームド・コンセント
3 気管切開術の種類
4 気管切開の方法
5 手術後の管理
6 合併症
2 各種気管切開チューブ(気管カニューレ)についての基礎知識
1 気管カニューレの種類
3 気管切開患者の管理
1 気管切開部の管理
2 気管カニューレの固定
3 気管吸引
4 自動持続吸引器
4 コミュニケーション手段の種類と選択
5 まとめ
(1)気管切開の適応
(2)インフォームド・コンセント
(3)気管切開術の種類 189─
(4)手術後の管理
(5)合併症
Column
現場での気管切開患者への対応(中山剛志)
第7章 音声障害者の社会復帰
(深浦順一)
1 社会復帰の問題点
1 社会復帰の条件と当事者のニーズ
2 動機づけと環境調整
2 社会復帰のための言語聴覚士の役割
1 情報収集
2 評価
3 訓練・指導
4 環境調整
5 喉頭摘出者への言語聴覚士の役割
3 まとめ
Column
保険診療(検査と治療)(深浦順一)
サイドメモ
効果的な日常生活への般化(前川圭子)
プッシング法について(前川圭子)
喉摘者団体と言語聴覚士(生井友紀子)
無喉頭音声訓練のポイント(生井友紀子)
電気式人工喉頭の機種の色々(生井友紀子)
笛式人工喉頭(生井友紀子)
口腔囁語と咽頭発声(生井友紀子)
食道発声における悪い癖:雑音と大げさな動作(生井友紀子)
和文索引
欧文索引
第1章 声の特性と機能および調節
(平野 滋)
1 声の特性
1 声の機能
2 声に含まれる情報
(1)時間情報と周波数情報
(2)言語的情報と非言語的情報
(3)知覚的・物理的情報
3 声の可変性(高さ,大きさ,声質,持続)
(1)声の高さ(ピッチ,pitch)
(2)声の大きさ(loudness)
(3)声質
(4)声の持続
2 発声の物理的特徴
1 音声生成の物理的基礎
2 声帯振動
(1)声門の解剖
(2)声帯の解剖
(3)声帯振動のメカニズム
3 共鳴
4 発声の効率
3 発声の生理とその調節
1 神経系の制御
(1)高位中枢における制御
(2)末梢神経系における制御
(3)知覚神経支配
2 呼気調節
(1)呼気調節に関与する器官の解剖・生理
(2)呼吸運動
(3)発声の呼気調節
3 喉頭調節
(1)喉頭の解剖・生理
(2)発声の調節
4 まとめ
第2章 音声障害の発生メカニズムと分類
(大森孝一)
1 音声障害の定義と病態
1 病的音声と正常音声の区別
2 障害の判定における留意点(年齢,性別,文化社会的要素など)
3 発声機構と障害のメカニズム
(1)発声機構
(2)発声障害を生じる病態
2 声帯の器質的病変に基づく音声障害
1 喉頭の炎症,喉頭の腫瘤,喉頭の腫瘍
(1)急性声帯炎
(2)声帯結節
(3)声帯ポリープ
(4)ポリープ様声帯(ラインケ浮腫)
(5)声帯嚢胞
(6)喉頭肉芽腫
(7)声帯萎縮
(8)声帯溝症
(9)声帯上皮過形成症
(10)喉頭乳頭腫
(11)喉頭癌
2 その他(先天異常など)
3 声帯の運動障害に基づく音声障害
1 喉頭麻痺
2 披裂軟骨脱臼
4 その他の音声障害
1 機能性音声障害
2 心因性音声障害
3 痙攣性発声障害
4 過緊張性発声障害
5 低緊張性発声障害
6 発声の悪習慣など
5 まとめ
第3章 音声の検査・評価・診断
(多田靖宏・田口亜紀・田山二朗)
1 検査の種類と目的(多田靖宏・田口亜紀)
1 内視鏡検査(多田靖宏)
2 聴覚心理的評価(多田靖宏)
(1)GRBAS尺度
3 音響分析による検査(多田靖宏)
4 発声の能力と機能の検査(多田靖宏)
(1)空気力学的検査
(2)声の高さの検査
(3)声の強さの検査
(4)声の能率指数(AC/DC比:vocal efficiency index)
(5)発声機能検査装置
5 音声障害の自覚的評価(田口亜紀)
(1)Voice Handicap Index(VHI)
(2)Voice-Related Quality of Life(V-RQOL)
2 基本的な検査の方法(多田靖宏)
1 検査手順
(1)問診(医療面接)
(2)視診
(3)検査
2 記録法
3 特殊な検査とその臨床的意義(田山二朗)
1 声帯振動を評価するための検査
(1)電気グロトグラフィー(electro-glotography: EGG)
(2)光電グロトグラフィー(photo-electrical plottography: PGG)
(3)高速度デジタル撮影
2 喉頭筋電図検査
(1)原理と意義
(2)方法
3 心理検査
(1)原理と意義
(2)方法
4 評価と鑑別診断(多田靖宏)
(1)声帯結節
(2)声帯ポリープ
(3)ポリープ様声帯(ラインケ浮腫)
(4)声帯炎
(5)声帯麻痺
(6)声帯溝症
(7)声帯嚢腫
(8)声帯上皮過形成症
(9)喉頭乳頭腫
(10)喉頭癌
(11)声帯瘢痕症
(12)心因性失声症
(13)過緊張性発声障害
(14)低緊張性発声障害
(15)痙攣性発声障害
(16)変声障害
(17)本態性振戦
5 まとめ(多田靖宏)
第4章 音声障害の治療
(大森孝一・城本 修・金子真美・前川圭子)
1 治療法の種類(大森孝一)
1 外科的治療
(1)喉頭内腔からのアプローチ
(2)経皮的アプローチ
2 保存的治療
(1)薬物治療
(2)音声治療
(3)疾患と治療法の選択
2 音声治療の種類と理念(城本 修)
1 音声治療の定義
2 音声治療の目標と種類
3 音声治療を行う前に知っておくべきこと
(1)音声治療前に収集すべき情報
(2)音声治療におけるドロップアウトの実態
(3)音声治療への運動学習理論の応用
3 声の衛生指導(金子真美・城本 修)
1 声の衛生指導の目標(定義)
2 声の衛生指導の適応
3 声の衛生指導の効果と効果的な指導法
4 声の衛生指導の実際(4 つの柱)
(1)発声に関する基礎的理解の促進
(2)誤った発声行動および生活習慣の修正
(3)水分補給
(4)声の安静
5 症例提示
(1)問診
(2)諸検査結果
(3)問診から考えられる問題点
(4)諸検査結果から考えられる問題点
(5)対応策
4 音声訓練の目的・種類・適応(城本 修)
1 音声訓練の目的
2 音声訓練の種類とその考え方
3 音声訓練の適応
5 音声訓練の方法(前川圭子・城本 修)
1 音声訓練の種類と特徴
2 各音声訓練の特徴
(1)症状対処的音声訓練の特徴
(2)包括的音声訓練の特徴
3 音声訓練の前に確認しておくべき事項
(1)声門閉鎖度の確認
4 音声訓練の実際─I 症状対処的音声訓練
(1)声門閉鎖を促進する音声訓練
(2)声門閉鎖を緩和する訓練(声門開大訓練)
(3)声の高さを調節する訓練
(4)声の強さを調節する訓練
5 音声訓練の実際─II 包括的音声訓練
6 まとめ(大森孝一)
Column
心因性音声障害(前川圭子)
痙攣性発声障害(石毛美代子)
医師と言語聴覚士の連携(田口亜紀)
歌声への対応(羽石英里・細川久美子)
第5章 無喉頭音声
(西澤典子・生井友紀子)
1 喉頭摘出後の呼吸・発声・発語のメカニズム(西澤典子)
1 喉頭摘出術
(1)正常喉頭の生理的機能
(2)喉頭癌の治療
2 喉頭摘出術後の呼吸・発声・発語機能
(1)喉頭摘出後の呼吸機能
(2)喉頭摘出後の発声・発語機能
2 無喉頭音声の検査(西澤典子)
1 喉頭摘出者に対する話しことばの検査と評価
2 声の品質の検査
(1)無喉頭音声評価の特殊性
3 発話の品質の検査
4 生活の質の検査
3 無喉頭音声の種類と特徴および選択基準(西澤典子)
1 緒言
2 主な無喉頭音声
(1)振動源を器具に求める方法(人工喉頭発声)
(2)振動源を自家組織に求める方法(食道発声,気管食道瘻発声)
3 無喉頭音声の選択基準
4 無喉頭音声のリハビリテーション(生井友紀子)
1 無喉頭音声のリハビリテーションとは
(1)無喉頭音声のリハビリテーションとは何か
(2)無喉頭音声のリハビリテーションを開始する前に
2 無喉頭音声のリハビリテーションの内容
(1)情報提供
(2)コミュニケーション指導
(3)無喉頭音声訓練
3 無喉頭音声のリハビリテーションの開始
(1)リハビリテーションの流れ
(2)術前の初回面接
4 無喉頭音声訓練の方法
(1)無喉頭音声訓練の開始にあたって
(2)人工喉頭(電気式人工喉頭electrolarynx:EL)
(3)食道発声
(4)気管食道瘻(シャント:shunt)発声
5 まとめ(西澤典子)
1 喉頭全摘出術と無喉頭音声の歴史
(1)最初の喉頭全摘出術
(2)食道発声の歴史
2 医療における無喉頭音声のリハビリテーション
Column
TEシャント発声(天津法)(齋藤 幹・丹生健一)
TEシャント発声(プロヴォックスVega(R))(齋藤 幹・丹生健一)
社会保障(障害者手帳)(西澤典子)
第6章 気管切開患者への対応
(平林秀樹)
1 気管切開とは
1 気管切開の適応
2 気管切開のインフォームド・コンセント
3 気管切開術の種類
4 気管切開の方法
5 手術後の管理
6 合併症
2 各種気管切開チューブ(気管カニューレ)についての基礎知識
1 気管カニューレの種類
3 気管切開患者の管理
1 気管切開部の管理
2 気管カニューレの固定
3 気管吸引
4 自動持続吸引器
4 コミュニケーション手段の種類と選択
5 まとめ
(1)気管切開の適応
(2)インフォームド・コンセント
(3)気管切開術の種類 189─
(4)手術後の管理
(5)合併症
Column
現場での気管切開患者への対応(中山剛志)
第7章 音声障害者の社会復帰
(深浦順一)
1 社会復帰の問題点
1 社会復帰の条件と当事者のニーズ
2 動機づけと環境調整
2 社会復帰のための言語聴覚士の役割
1 情報収集
2 評価
3 訓練・指導
4 環境調整
5 喉頭摘出者への言語聴覚士の役割
3 まとめ
Column
保険診療(検査と治療)(深浦順一)
サイドメモ
効果的な日常生活への般化(前川圭子)
プッシング法について(前川圭子)
喉摘者団体と言語聴覚士(生井友紀子)
無喉頭音声訓練のポイント(生井友紀子)
電気式人工喉頭の機種の色々(生井友紀子)
笛式人工喉頭(生井友紀子)
口腔囁語と咽頭発声(生井友紀子)
食道発声における悪い癖:雑音と大げさな動作(生井友紀子)
和文索引
欧文索引








