やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第2版の序
 「エッセンシャル腎臓内科学」は,1997年に出版され,これまで18年が経過した.月日の経つのは実に早いものである.当時私は,順天堂大学医学部腎臓内科学教授に就任して間もないころであり,医学生・研修医教育に情熱を燃やし,本書を上梓したことを覚えている.私はこの春定年退職を迎えるまで多くの書籍を出版してきたが,本書は多くの腎臓専門医のご協力をえて腎臓内科学一般を明解にまとめていただいた特に気に入っている一冊である.今回,その後の腎臓内科学の目覚ましい進歩・エビデンスと多くの経験をもとに,改訂版として「NEWエッセンシャル腎臓内科学 第2版」を上梓するにいたったことは,望外の喜びである.
 近年,腎臓内科・泌尿器領域における基礎研究・臨床診療の分野では,遺伝子解析を基盤にした診断・薬物アレルギー対策,iPS細胞等を用いた再生医療,さらには医用ロボットの検討などが盛んになされている.また,急性腎障害(AKI)の新規バイオマーカーの検討や治療法の開発,慢性腎臓病(CKD)等の診療ガイドライン作成などへの取り組みも盛んである.しかし一方で,これから医師がアメリカで医療を行うにはEducational Commission for Foreign Medical Graduates(ECFMG)から国際的認証評価を受けた医学部を卒業し,ECFMGに申請後試験に合格することが必要になる.わが国では日本専門医機構から認定される総合的な診療能力をもつ総合診療専門医を目指す臨床研修医が増えてくると思われる.そうした背景のなか,最新の知識をコンパクトにまとめ臨床・研究に生かしていくことは,医師にとっての必須事項である.
 執筆は,現在活発に臨床・教育・研究に従事している新進気鋭の仲間たちにお願いした.厚く御礼申し上げる.しかし,内容については,難解な個所や過不足,未熟な点もあろうかと思われるので,忌憚のないご指摘を願うものである.
 最後に,本書の出版に際しご尽力いただいた遠山邦男氏はじめ医歯薬出版の方々にお礼申し上げます.
 2015年 初夏
 都庁舎を眺めつつ 富野 康日己



 腎臓内科学は,内科的な腎疾患を扱う分野であり,蛋白尿・血尿・糖尿などの異常尿所見の早期発見と経過観察,腎機能の評価,腎生検による組織診断および予後判定,発症・進展因子の解明,さらには,より効果的な内科的治療を行うことが,その守備範囲である.
 腎臓は,代謝終末産物を排泄する臓器であるばかりでなく,種々のホルモンの産生および多臓器で産生されたホルモンの標的臓器であり,また,血圧の調節,赤血球の産生といった作用をもち,内分泌臓器としての役割も有している.そして,骨代謝にとっても重要な臓器である.臨床的には,腎疾患患者は多くの内科的疾患を合併するのみならず,薬剤投与や長時間にわたる手術により透析療法を必要とすることも少なくない.内科的疾患では,とくに糖尿病や高血圧,膠原病での腎合併症が増加してきている.
 最近,わが国の末期腎不全から透析療法に移行した患者総数は15万人を超えたと報じられており,社会的にも大きな問題となっている.血液透析や腹膜灌流は,広く行われているが,これらに対しても解決すべき重要な問題が提起された.
 近年のサイエンスの目覚ましい進歩は,腎臓病研究の発展にも大きな影響を与えている.つまり,診断や検査において,尿や血液の分析,光学顕微鏡による組織学的検討から免疫組織化学による蛋白レベルでの解析へと進み,さらに分子・遺伝子レベルでの研究へと発展してきた.最近では,ANCAなどの自己抗体と腎障害との関わりや透析アミロイドーシスの原因も注目されている.
 腎臓病は以前から遺伝的に起こる疾患としてみなされてきたが,最近その原因遺伝子についての検討がなされている.さらには,腎の発達と奇形に関する研究も盛んである.このように,腎臓内科学は基礎,臨床の両面において今後精力的に取り組むべき課題が多いが,一層の発展が期待される内科領域である.
 腎臓病に関する成書はこれまで数多く出版され,それぞれに特徴をもっている.今回私が,浅学非才の身をかえりみず,あえて本書を編集した意図は,エッセンシャルシリーズの中の1冊として,とかく断片的に述べられがちな腎臓内科学に関する知識を簡明にまとめていただきたいためである.そのため,平成9年版ガイドラインでは1つの枠組になっている腎・泌尿器・性器疾患から腎臓内科に焦点を絞り,エッセンスを抽出したつもりである.
 執筆は,現在活発に臨床・教育・研究に携わっておられる新進気鋭の先生方にお願いした.しかし,内容については,過不足や未熟な点も多々あろうかと思われるので,お気付きの点があれば忌憚のないご指導をいただければ幸いである.本書は,医学生と研修医を対象に書かれたものであるが,腎臓病に関心をおもちの方が一人でも多く読んでいただければ望外の喜びである.
 最後に,本書の出版に際し,ご尽力いただいた医歯薬出版の方々にお礼申しあげます.
 1997年 早春の神田川のほとりにて
 富野 康日己
 第2版の序
 序
 執筆者一覧
総論
第1章 腎の構造
 (淺沼克彦)
 1 腎の概観
  1.外観
  2.断面
 2 腎の血管系
  1.動脈
  2.静脈
  3.リンパ管
 3 ネフロン
 4 糸球体
 5 尿細管:再吸収機構と分子
  1.近位尿細管
  2.中間尿細管
  3.遠位尿細管
  4.集合管
 6 傍糸球体装置:構造と機能
 7 腎の神経
 8 間質
第2章 腎の機能
 (堀越 哲)
 1 糸球体機能
  1.濾過機能
  2.濾過調節
 2 尿細管機能
  1.近位尿細管
   1)Na 2)Cl 3)グルコース 4)リン酸
   5)アミノ酸 6)HCO3- 7)NH4+ 8)尿酸
  2.ヘンレループ
  3.遠位尿細管
  4.集合管
   1)皮質集合管 2)髄質外部集合管
 3 腎循環
  1.自動調節能
  2.体液性因子による調節
  3.神経性調節
 4 ホルモンと腎
  1.エリスロポエチン
  2.活性型ビタミンD,副甲状腺ホルモン,カルシトニン
  3.レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系,ACE1-7系,ブラジキニン系
  4.カテコールアミン
  5.カリクレイン-キニン-プロスタグランジン
  6.バソプレシン,エンドセリン
 5 腎と電解質代謝
  1.Naと細胞外液量
  2.腎におけるNaの再吸収と排泄
  3.腎におけるK排泄の調節
  4.Ca・Pの調節ホルモン
第3章 腎の検査
 1 尿検査(金子佳代)
  1.外観(色,濁り,臭い,泡を含む),pH,比重・浸透圧
  2.蛋白尿・微量アルブミン尿:新しい測定法(定性・定量),蛋白(アルブミン)/Cr比の臨床的意義,蛋白(アルブミン)尿とCKD/CVD発症
  3.血尿:肉眼的血尿,顕微鏡的血尿
 2 電解質異常(金子佳代)
  1.高Na血症
  2.低Na血症
   抗利尿ホルモン不適合分泌症候群
  3.高K血症
  4.低K血症
  5.高Ca血症
  6.低Ca血症
  7.高P血症
  8.低P血症
  9.その他の電解質異常
   1)Zn(亜鉛) 2)Mg(マグネシウム)
 3 腎ホルモン測定の臨床的意義(金子佳代)
  1.血漿レニン活性
  2.血漿レニン濃度
  3.血中アルドステロン濃度(RIA法)
 4 腎疾患の病態に関する臨床検査(含む基準値)(田中裕一)
  1.IgG
  2.IgA
  3.IgM
  4.IgE
  5.B型・C型肝炎ウイルス
  6.HIV
  7.クリオグロブリン
  8.糖化マーカー
   1)グリコアルブミン 2)HbA1c(グリコヘモグロビン)
   3)1,5-アンヒドログルシトール
  9.補体
  10.リンパ球サブセット
  11.循環性免疫複合体
  12.抗糸球体基底膜抗体
  13.抗好中球細胞質抗体
  14.尿中バイオマーカー
   1)IL-18 2)KIM-1 3)NGAL 4)L-FABP
 5 腎機能検査:種類と臨床的意義(佐竹健至)
  1.血液・尿でわかる腎機能
   1)血清クレアチニン 2)血清尿素窒素 3)尿酸
   4)血清シスタチンC 5)推算糸球体濾過量 6)β2ミクログロブリン
   7)α1ミクログロブリン 8)尿中NAG
  2.負荷試験でわかる腎機能
   1)イヌリンクリアランスの原理と実際 2)Fishberg濃縮試験の原理と実際
   3)塩化アンモニウム負荷試験の原理と実際 4)重炭酸ナトリウム負荷試験の原理と実際
   5)生理食塩水負荷試験の原理と実際 6)フロセミド負荷試験の原理と実際
   7)カプトプリル負荷試験の原理と実際
 6 画像検査の意義と実際(正常所見と異常所見)(船曳和彦)
  1.X線診断
   1)腹部単純X線撮影 2)腎盂造影
   3)コンピュータ断層撮影 4)腎血管造影
  2.超音波診断
   1)超音波断層法 2)超音波ドプラ法
  3.核磁気共鳴画像:MRI,MRA
   1)MRI 2)MRA
  4.ラジオアイソトープ診断
   1)レノグラム 2)シンチグラム
 7 腎生検(大澤 勲)
  1.腎生検の意義
  2.腎生検の適応と禁忌
   1)適応 2)禁忌
  3.手技の実際
   1)術前の確認事項 2)術前に中止すべき薬剤
   3)腎生検組織採取法 4)合併症と対応
  4.光学顕微鏡所見の特徴
   1)染色法の特徴 2)光学顕微鏡所見の見方
  5.蛍光抗体法所見の特徴
   1)使用する抗体 2)判定様式
  6.電子顕微鏡所見の特徴
   1)糸球体構造物 2)電子密度の高い沈着物 3)その他
第4章 腎疾患総論
 1 急性腎障害(濱田千江子)
  1.定義・診断基準
  2.分類・原因
   1)腎前性 2)腎性 3)腎後性
  3.病態生理・病理
  4.症状
   1)尿量の減少あるいは無尿 2)電解質異常 3)酸塩基平衡異常
   4)高窒素血症 5)血液・凝固系症状 6)呼吸器症状
   7)消化器症状 8)神経・筋症状
  5.診断
   1)尿検査 2)画像診断
   3)利尿薬投与後の反応
  6.治療
   1)食事療法 2)薬物療法 3)血液浄化療法
  7.予後
 2 慢性腎臓病(富野康日己)
  1.定義・診断基準
  2.分類・原因
  3.病態生理・病理
  4.症状
  5.診断
  6.治療
   1)一般療法 2)薬物療法 3)血液透析療法
   4)CAPD療法 5)腎移植
  7.予後
各論
第1章 原発性糸球体腎炎
 1 急性腎炎症候群(来栖 厚)
  概念:WHO分類
  1.溶連菌感染後急性糸球体腎炎
   1)疫学 2)原因:発症・進展機序の新知見 3)症状
   4)診断(病理) 5)治療 6)予後
   COLUMN 非溶連菌感染後急性糸球体腎炎とは?
 2 急速進行性腎炎症候群(来栖 厚)
  概念:WHO分類
  1.急速進行性糸球体腎炎
   1)疫学 2)原因:発症・進展機序の新知見 3)症状
   4)診断(病理) 5)治療 6)予後
 3 慢性腎炎症候群
  概念:WHO分類(林野久紀)
  1.膜性腎症(林野久紀)
   1)概念・疫学 2)原因:発症・進展機序の新知見 3)症状
   4)診断(病理) 5)治療:アルゴリズム 6)予後
  2.膜性増殖性糸球体腎炎(林野久紀)
   1)概念・疫学 2)原因:発症・進展機序の新知見 3)症状
   4)診断(病理) 5)治療:アルゴリズム 6)予後
   COLUMN C3腎症とは?
  3.巣状分節性糸球体硬化症(眞野 訓)
   1)概念・疫学 2)原因:発症・進展機序の新知見
   3)症状 4)診断(病理)
   5)治療:アルゴリズム(新しい治療法の実際と効果) 6)予後
   COLUMN 逆流性腎症とFSGSとの関係は?
  4.IgA腎症(鈴木祐介)
   1)概念・疫学 2)原因:発症・進展機序の新知見 3)症状 4)診断(病理)
   5)治療:治療法とガイドライン,扁桃摘出+ステロイドパルス療法(扁摘パルス)の実際
   6)予後
   COLUMN 自然発症動物モデルgddYマウスのヒトとの類似点と病態解明への有用性は?
   COLUMN IgA腎症の近縁疾患:Henoch-Sch-nlein紫斑病性腎炎(IgA血管炎)とは?
   COLUMN 血管炎の新分類とは?
 4 遺伝性家族性腎炎
  1.アルポート症候群(佐藤大介)
   1)概念・疫学 2)原因:発症・進展機序の新知見 3)症状
   4)診断・病理 5)治療 6)予後
  2.家族性菲薄基底膜症候群(佐藤大介)
   1)概念・疫学 2)原因:発症・進展機序の新知見 3)症状
   4)診断・病理 5)治療 6)予後
   COLUMN ナットクラッカー現象とは?
  3.ファブリー病(金口泰彦)
   1)疫学 2)原因:発症・進展機序の新知見 3)症状
   4)診断(病理) 5)治療:新しい治療法の実際と効果 6)予後
  4.爪膝蓋骨症候群(金口泰彦)
   1)疫学 2)原因:発症・進展機序の新知見 3)症状
   4)診断(病理) 5)治療 6)予後
  5.多発性嚢胞腎(青木竜弥)
   A.常染色体優性多発性嚢胞腎
    1)疫学 2)原因:発症・進展機序の新知見 3)症状 4)診断
    5)治療 6)予後
   B.常染色体劣性多発性嚢胞腎
    1)疫学 2)原因:発症・進展機序の新知見 3)症状 4)診断
    5)治療 6)予後
第2章 ネフローゼ症候群
 1 疫学(蒔田雄一郎)
  日本におけるネフローゼ症候群の疫学の現状
 2 原因と分類(蒔田雄一郎)
  1.一次性ネフローゼ症候群
   1)微小変化型ネフローゼ症候群
   2)巣状糸球体硬化症 3)膜性腎症 4)膜性増殖性糸球体腎炎
  2.二次性ネフローゼ症候群
   1)糖尿病腎症 2)ループス腎炎 3)悪性腫瘍 4)感染症
 3 症状(蒔田雄一郎)
 4 診断(病理)(蒔田雄一郎)
  1.蛋白尿:ポドサイト障害
   charge barrierとsize barrier:尿蛋白の選択指標の実際と治療判定
  2.低アルブミン血症
  3.脂質異常症
  4.浮腫
  5.過凝固状態:深部静脈血栓症
   COLUMN IgM腎症とは?
 5 治療(中田純一郎)
  1.一般療法
  2.薬物療法
   1)副腎皮質ステロイド薬 2)免疫抑制薬 3)利尿薬
   4)血漿製剤 5)抗血小板薬,抗凝固薬 6)脂質異常症改善薬
  3.特殊療法
   1)血漿交換療法 2)体外限外濾過法 3)LDLアフェレーシス
 6 予後(中田純一郎)
   COLUMN 遺伝性血管性浮腫の診断と治療とは?(大澤 勲)
第3章 全身疾患による腎障害
 1 ループス腎炎(原久嗣)
  1.定義・疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.診断(病理)
  5.治療:新しい治療法の実際と効果
   1)寛解導入療法 2)寛解維持療法
  6.予後
 2 HIV腎症(井下博之)
  1.疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.診断(病理)
  5.治療:新しい治療法の実際と効果
  6.予後
 3 肝炎ウイルスと腎障害
  1.A型肝炎ウイルス(恩田紀更)
  2.B型肝炎ウイルス(恩田紀更)
   1)概念・疫学 2)原因:発症・進展機序の新知見 3)症状
   4)診断(病理) 5)治療:新しい治療法の実際と効果 6)予後
  3.C型肝炎ウイルス(村越真紀)
   1)概念・疫学 2)原因:発症・進展機序の新知見 3)症状
   4)診断(病理) 5)治療:新しい治療法の実際と効果 6)予後
 4 クリオグロブリン血症に伴う腎病変(井尾浩章)
  1.定義・疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.診断(病理)
  5.治療:新しい治療法の実際と効果
  6.予後
 5 アミロイド腎(井尾浩章)
  1.疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.診断(病理)
  5.治療:新しい治療法の実際と効果
   1)AL型アミロイドーシス
   2)AA型アミロイドーシス
   3)トランスサイレチン型アミロイドーシス 4)MIDD
  6.予後
 6 多発性骨髄腫―骨髄腫腎(武田之彦)
  1.定義・疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
   1)尿細管間質障害(狭義の骨髄腫腎)
   2)アミロイドーシス(AL型アミロイドーシス)
   3)単クローン性免疫グロブリン沈着症
  3.症状
  4.診断(病理)
   1)骨髄腫腎(尿細管障害―円柱腎症) 2)アミロイドーシス
  5.治療:新しい治療法の実際と効果
   1)支持療法 2)多発性骨髄腫の治療
  6.予後
 7 軽鎖沈着症(武田之彦)
  1.概念・疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.診断(病理)
   1)光学顕微鏡 2)蛍光抗体法 3)電子顕微鏡
  5.治療
   COLUMN MGUSとは?
  6.予後
 8 IgG4関連腎臓病(清水芳男)
  1.概念・疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.診断(病理)
  5.治療:新しい治療法の実際と効果
  6.予後
 9 immunotactoid glomerulopathy(清水芳男)
  1.概念・疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.診断(病理)
  5.治療:新しい治療法の実際と効果
  6.予後
 10 リポ蛋白腎症(リポ蛋白糸球体症)(山中貴博)
  1.概念・疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.診断(病理)
  5.治療
   1)脂質代謝改善薬 2)アフェレーシス療法
 11 糖尿病腎症(合田朋仁)
  1.疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.診断(病理)
  5.治療:新しい治療法の実際と効果
  6.予後
   COLUMN 自然発症動物モデルのヒトとの類似点,臨床応用への活用とは?
 12 痛風腎(合田朋仁)
  1.疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.診断(病理)
  5.治療:新しい治療法の実際と効果
  6.予後
第4章 腎の血管障害
 1 良性腎硬化症(鈴木 仁)
  1.概念
  2.臨床症状・予後
  3.成因・病態
  4.腎組織所見
  5.治療
   1)降圧目標 2)降圧薬の選択
 2 悪性腎硬化症(鈴木 仁)
  1.概念
  2.臨床症状
  3.成因・病態
  4.腎組織所見
  5.治療
 3 腎動脈狭窄(相澤昌史)
  1.概念・疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.検査
  5.診断(病理)
  6.治療:新しい治療法の実際と効果
  7.予後
 4 腎動脈瘤(相澤昌史)
  1.概念・疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.診断(病理)
  5.治療:新しい治療法の実際と効果
  6.予後
 5 腎動静脈瘻(相澤昌史)
  1.概念・疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.診断(病理)
  5.治療:新しい治療法の実際と効果
  6.予後
 6 腎梗塞(小林 敬)
  1.概念・疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.診断(病理)
  5.治療:新しい治療法の実際と効果
  6.予後
 7 腎静脈血栓症(小林 敬)
  1.概念・疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.診断(病理)
  5.治療:新しい治療法の実際と効果
  6.予後
第5章 妊娠と腎
 (木原正夫)
 1 正常妊娠時の腎生理
  1.形態的変化
  2.機能的変化
   1)腎血行動態 2)尿細管機能 3)浸透圧調節と腎臓におけるナトリウム・水処理
   4)酸塩基平衡 5)凝固系の変化
 2 妊娠中の注意すべきおもな合併症
  1.妊娠高血圧症候群
   1)定義 2)病型分類 3)症候による亜分類 4)成因
   5)疫学 6)危険因子 7)病態生理 8)発症予防
   9)病理 10)臨床像 11)治療 12)発症予防
  2.妊娠関連急性腎不全
   1)腎前性 2)腎性
第6章 尿細管間質性腎炎
 (島本真実子)
 1 急性尿細管間質性腎炎(薬剤性)
  1.疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
   1)免疫学的機序を介するもの
   2)直接的侵襲による中毒性
  3.症状
  4.診断(病理)
  5.治療:新しい治療法の実際と効果
  6.予後
 2 慢性尿細管間質性腎炎
  1.疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.診断(病理)
  5.治療:新しい治療法の実際と効果
  6.予後
 3 急性腎盂腎炎
  1.疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.診断(病理)
  5.治療:新しい治療法の実際と効果
  6.予後(含む慢性化)
第7章 尿細管機能異常
 1 腎性糖尿(若林道郎)
  1.定義・概念
  2.疫学
  3.原因:発症・進展機序の新知見
  4.症状
  5.治療・予後
 2 腎性尿崩症(山田 芳)
  1.定義・疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.診断(病理)
  5.治療:新しい治療法の実際と効果
  6.予後
 3 ファンコニー症候群(前田国見)
  1.定義・概念
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
   1)汎アミノ酸尿 2)腎性糖尿 3)低分子蛋白尿症
   4)リン酸尿症,低P血症,骨病変 5)尿細管性アシドーシス
   6)多飲・多尿 7)低尿酸血症 8)電解質異常(低K血症,低Na血症)
  4.診断(病理)
   1)一般的検査 2)汎アミノ酸尿 3)低P血症 4)尿糖排泄増加
   5)代謝性アシドーシス
  5.治療
   1)原疾患に対する治療 2)対症療法
  6.予後
 4 腎尿細管性アシドーシス(前田国見)
  1.定義・概念
  2.原因:発症・進展機序の新知見
   1)遠位型RTA(1型RTA,dRTA) 2)2型(近位型)RTA
   3)4型(遠位型)RTA
  3.症状
  4.診断
  5.治療
   1)近位型RTA 2)遠位型(1型)RTA 3)遠位型(4型)RTA
  6.予後
 5 シスチン尿症(日輝夫)
  1.概念
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.診断(病理)
  5.治療:新しい治療法の実際と効果
  6.予後
 6 家族性低リン血症性くる病(日輝夫)
  1.概念・疫学
  2.原因:発症・進展機序の新知見
  3.症状
  4.診断(病理)
  5.治療:新しい治療法の実際と効果
  6.予後
第8章 中毒性腎障害(薬物,重金属)
 (木美幸)
  1.抗菌薬
   1)アミノグリコシド系 2)ニューキノロン系 3)β-ラクタム系
   4)サルファ剤 5)アシクロビル 6)アムホテリシンB
  2.ヨード造影剤
  3.非ステロイド性抗炎症薬
  4.抗がん剤
   1)シスプラチン 2)メトトレキサート 3)マイトマイシンC
   4)シクロホスファミド 5)生物製剤
  5.シクロスポリンA
  6.レニン-アンジオテンシン系阻害薬
  7.重金属
   1)水銀 2)カドミウム 3)鉛 4)金製剤

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