特集にあたって
神経難病疾患は進行性であり,他疾患と同様,適切な時期にリハビリテーション治療・教育指導を行いながらの在宅生活が主体となってきている.そのため,生活期リハビリテーションの充実は早急に検討する必要がある.今回,在宅生活を送っている神経難病患者に関する生活期リハビリテーション医療についてさまざまな視点から執筆いただいた.
まず,在宅の神経難病患者のリハビリテーション治療の実態の調査とその課題についてアンケートを行った結果を記載した(中馬担当).次に,4人の先生方に,具体的な現場での状況や指導内容について解説いただいた.パーキンソン病のリハビリテーション治療の効果は多々報告されているが,市川忠先生は,そのリハビリテーション治療の標準化について意義を唱えておられる.そこで現在の進捗状況について述べていただいた.特に,症状と重症度に対するリハビリテーションプログラムの標準化に焦点を当てて解説いただいている.植田友貴先生には,在宅での生活指導のポイントについて解説いただいた.進行に伴いADL維持のための動作の工夫や,自助具導入等の要望は増えていき,寝たきりでも安定した生活を送るための環境調整の要望が増えてくるケースが多いが,病状進行を予測しつつ適切なタイミングでリハスタッフが関与することが重要であると述べておられる.地主千尋先生には,摂食嚥下とコミュニケーションに関するリハビリテーション支援について記載をいただいた.中でも,STの役割を通して,人間として生きることを支える重要な支援という言葉が印象的であると同時に,在宅医療における言語聴覚士の絶対数の不足等,今後の課題についても説明されている.小林庸子先生には,神経難病患者の就労の課題について解説いただいた.神経難病患者の発症時期,進行速度,重症度等の多様性に加え,疾患の理解や今後の見通しに対する見解の難しさとサポート体制の構築について述べておられる.
また,コラムとして,新明一星先生には,在宅リハビリテーション医療における臨床心理士の役割と展望について,小川順也先生には,PD Cafeを立ち上げて見えてきたことについて述べていただいた.前者は実践されている内容を織り交ぜながら,臨床心理士の訳割について述べておられ,後者は,気軽に集まれる,つながりの場の提供として運動教室の立ち上げや,当事者による運動教室や映画作製までの実体験について述べておられる.単なる運動だけではなく,生きがいも生み出され,つながることの大切さについて改めて発見できる内容である.
以上,今回の企画は,各専門家から神経難病感謝の在宅をサポートするリハビリテーション医療等について述べてもらった.ご期待に沿う内容であることを願っている.
(編集委員会 企画担当:中馬孝容)
神経難病疾患は進行性であり,他疾患と同様,適切な時期にリハビリテーション治療・教育指導を行いながらの在宅生活が主体となってきている.そのため,生活期リハビリテーションの充実は早急に検討する必要がある.今回,在宅生活を送っている神経難病患者に関する生活期リハビリテーション医療についてさまざまな視点から執筆いただいた.
まず,在宅の神経難病患者のリハビリテーション治療の実態の調査とその課題についてアンケートを行った結果を記載した(中馬担当).次に,4人の先生方に,具体的な現場での状況や指導内容について解説いただいた.パーキンソン病のリハビリテーション治療の効果は多々報告されているが,市川忠先生は,そのリハビリテーション治療の標準化について意義を唱えておられる.そこで現在の進捗状況について述べていただいた.特に,症状と重症度に対するリハビリテーションプログラムの標準化に焦点を当てて解説いただいている.植田友貴先生には,在宅での生活指導のポイントについて解説いただいた.進行に伴いADL維持のための動作の工夫や,自助具導入等の要望は増えていき,寝たきりでも安定した生活を送るための環境調整の要望が増えてくるケースが多いが,病状進行を予測しつつ適切なタイミングでリハスタッフが関与することが重要であると述べておられる.地主千尋先生には,摂食嚥下とコミュニケーションに関するリハビリテーション支援について記載をいただいた.中でも,STの役割を通して,人間として生きることを支える重要な支援という言葉が印象的であると同時に,在宅医療における言語聴覚士の絶対数の不足等,今後の課題についても説明されている.小林庸子先生には,神経難病患者の就労の課題について解説いただいた.神経難病患者の発症時期,進行速度,重症度等の多様性に加え,疾患の理解や今後の見通しに対する見解の難しさとサポート体制の構築について述べておられる.
また,コラムとして,新明一星先生には,在宅リハビリテーション医療における臨床心理士の役割と展望について,小川順也先生には,PD Cafeを立ち上げて見えてきたことについて述べていただいた.前者は実践されている内容を織り交ぜながら,臨床心理士の訳割について述べておられ,後者は,気軽に集まれる,つながりの場の提供として運動教室の立ち上げや,当事者による運動教室や映画作製までの実体験について述べておられる.単なる運動だけではなく,生きがいも生み出され,つながることの大切さについて改めて発見できる内容である.
以上,今回の企画は,各専門家から神経難病感謝の在宅をサポートするリハビリテーション医療等について述べてもらった.ご期待に沿う内容であることを願っている.
(編集委員会 企画担当:中馬孝容)
特集 神経難病患者の在宅生活におけるリハビリテーション医療の役割
特集にあたって(中馬孝容)
難病患者に関する介護保険専門員へのアンケート調査からの課題(中馬孝容)
パーキンソン病のリハビリテーションの標準化への取り組み(市川 忠)
環境調整も含めた在宅での生活指導のポイント(植田友貴)
摂食嚥下とコミュニケーションに関するリハビリテーション支援(地主千尋)
神経筋難病患者の就労の課題(小林庸子)
コラム:在宅リハビリテーション医療における臨床心理士の役割と展望(新明一星)
コラム:PD Cafeを立ち上げて,みえてきたこと(小川順也)
TOPICS 糖尿病地域連携,真に連携すべきものは何か?―糖尿病診療の質の均一化をめざす広島県西部地区の取り組み
(石田和史)
連載
リハなひと
アンプティサッカー選手/リハビリ当事者 エンヒッキ・松茂良・ジアスさん
地域リハビリテーションの現状と今後
8.市区町村支援センターにおける地域リハビリテーション(神奈川県横浜市)(横井 剛)
ニューカマー リハ科専門医
(塚本康司)
各都道府県における自動車運転に関する公安委員会提出用診断書の書き方―脳卒中関係
4.新潟県の取り組み(ア村陽子)
知っていてほしい義肢装具とその実際
7.体幹装具(小児用補装具)(芳賀信彦)
リハビリテーション科医師に必要な診察,評価手技
3.身体機能 歩行速度(TUG,6MWT,BBS,SPPB)(西山一成 西村行秀)
認知症の基礎知識とリハビリテーション
11.軽度認知障害(MCI)とリハビリテーション(牧迫飛雄馬)
リハビリテーション関連職の現状と展望
2.社会福祉士(島野光正)
臨床研究
ダウン症児におけるシャフリング移動と粗大運動発達(福田亜紀 多喜祥子・他)
開催案内
投稿規定
特集にあたって(中馬孝容)
難病患者に関する介護保険専門員へのアンケート調査からの課題(中馬孝容)
パーキンソン病のリハビリテーションの標準化への取り組み(市川 忠)
環境調整も含めた在宅での生活指導のポイント(植田友貴)
摂食嚥下とコミュニケーションに関するリハビリテーション支援(地主千尋)
神経筋難病患者の就労の課題(小林庸子)
コラム:在宅リハビリテーション医療における臨床心理士の役割と展望(新明一星)
コラム:PD Cafeを立ち上げて,みえてきたこと(小川順也)
TOPICS 糖尿病地域連携,真に連携すべきものは何か?―糖尿病診療の質の均一化をめざす広島県西部地区の取り組み
(石田和史)
連載
リハなひと
アンプティサッカー選手/リハビリ当事者 エンヒッキ・松茂良・ジアスさん
地域リハビリテーションの現状と今後
8.市区町村支援センターにおける地域リハビリテーション(神奈川県横浜市)(横井 剛)
ニューカマー リハ科専門医
(塚本康司)
各都道府県における自動車運転に関する公安委員会提出用診断書の書き方―脳卒中関係
4.新潟県の取り組み(ア村陽子)
知っていてほしい義肢装具とその実際
7.体幹装具(小児用補装具)(芳賀信彦)
リハビリテーション科医師に必要な診察,評価手技
3.身体機能 歩行速度(TUG,6MWT,BBS,SPPB)(西山一成 西村行秀)
認知症の基礎知識とリハビリテーション
11.軽度認知障害(MCI)とリハビリテーション(牧迫飛雄馬)
リハビリテーション関連職の現状と展望
2.社会福祉士(島野光正)
臨床研究
ダウン症児におけるシャフリング移動と粗大運動発達(福田亜紀 多喜祥子・他)
開催案内
投稿規定














