内容紹介
●リハビリテーション医療の対象となる疾患の中で,骨格筋の質的・量的な機能低下を呈するケースは多く,それらへの介入は日常の臨床場面で頻繁に求められる.本書は,筋骨格の構造と働きを基軸にして,その病態生理に対する評価と治療介入のすべてを解説することによって,『筋力』を総体的にとらえ,その機能回復の臨床的実践に役立つ内容を網羅している.
●前半は,筋に関連した基礎科学としての筋の解剖学・生理学・病理学・運動学と,筋力の評価および筋力強化運動の基礎について解説.後半は,筋力低下を呈する個々の疾患をとりあげ,廃用症候群,中枢神経障害(脳血管障害,脳性麻痺,脊髄損傷),神経筋疾患,骨・関節症,靱帯・半月板損傷,腰痛症,呼吸器疾患における筋力低下の評価とその治療法について解説.
目次
■SECTION 1 ■ 筋力の基礎
1.筋の解剖学 川真田聖一
2.筋の生理学 松川寛二・村田 潤
3.筋の病理学 細 正博
4.筋の運動学 岡西哲夫
5.筋力の評価 小林 武
6.筋力強化運動の基礎 金子文成
■SECTION 2 ■ 筋力低下の評価と治療
1.廃用症候群の筋力低下の評価と治療 加藤 浩
2.中枢神経障害の筋力低下の評価と治療 (1)脳血管障害 吉尾 雅春
2.中枢神経障害の筋力低下の評価と治療 (2)脳性麻痺 鶴崎俊哉
2.中枢神経障害の筋力低下の評価と治療 (3)脊髄損傷 橋元 隆・戸渡富民宏
3.神経筋疾患と筋萎縮・筋力低下 中田正司
4.骨・関節症の筋力低下の評価と治療 八木範彦
5.靭帯・半月板損傷の筋力低下の評価と治療 福井 勉
6.筋力低下にかかわる腰痛症の評価と治療 西本勝夫
7.呼吸器疾患の筋力低下の評価と治療 高橋哲也
著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.
奈良 勲【ならいさお】
1942年 鹿児島県に生まれる
1964年 鹿児島大学教育学部卒業
1969年 Loma Linda(アメリカ)大学理学療法学部卒業
1969年 Los Angeles整形外科病院理学療法士
1970年 カリフォルニア州理学療法士免許取得
Pacific Home Health Care Agency理学療法士
1971年 三愛会伊藤病院理学療法科主任
1974年 理学療法士免許取得
1976年 甲風会有馬温泉病院理学療法科科長
1979年 金沢大学医療技術短期大学部教授
1983年 金沢大学医学部にて博士号取得
1989年 日本理学療法士協会会長(~2003年)
1993年 広島大学医学部保健学科教授
2004年 広島大学大学院保健学研究科教授
岡西哲夫【おかにしてつお】
1947年 長野県に生まれる
1970年 国立療養所東京病院付属リハビリテーション学院卒業
1970年 社会福祉法人函館共愛会病院リハビリテーションセンター勤務
1974年 名古屋保健衛生大学病院(現藤田保健衛生大学病院)リハビリテーションセンター勤務
1985年 藤田学園保健衛生大学病院(現藤田保健衛生大学病院)理学診療科係長
1992年 藤田保健衛生大学リハビリテーション専門学校専任教員
1993年 藤田保健衛生大学リハビリテーション専門学校教務主任(~1997年)
1997年 藤田保健衛生大学リハビリテーション科係長兼務(~2001年)
2000年 明星大学人文学部心理・教育学科卒業
2001年 藤田保健衛生大学リハビリテーション専門学校教務主任(~2004年)
2004年 藤田保健衛生大学衛生学部リハビリテーション学科教授