やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

4,180円(税込)
発売中 在庫あり
24:00までにご注文いただければ翌営業日に発送いたします.
送料:600円代金引換の場合は別途250円,後払いの場合は別途200円の手数料がかかります.

「臨床栄養」別冊
静脈栄養・経腸栄養を駆使した栄養管理が身につく!Medical Nutritionist養成講座

定価 4,180円 (本体 3,800円+税10%)
  • 総頁数:280頁 / 2色
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2025年2月
  • 注文コード:746630
  • 雑誌コード:09320-02

静脈栄養,経腸栄養を自在に使いこなす栄養管理のエキスパート“Medical Nutrition”養成のための実践的臨床講座

内容紹介

●静脈経腸栄養の第一人者,井上善文先生による月刊『臨床栄養』の人気誌上講座待望の書籍化.
●Part 1「栄養管理の基本」では,栄養評価法から栄養投与量の決定まで,臨床での栄養管理に必要な基本事項について,その考え方や実際を解説.
●Part 2「経腸栄養法」,Part 3「静脈栄養法」では,栄養剤の種類や適応から,投与経路やその管理方法,合併症対策までを実践に即し具体的に詳述.
●患者さんに,もっとも適正な栄養処方を実施し,もっとも有効な栄養管理を実施するための理論と実践を著者の豊富な経験からわかりやすく整理した至極の臨床講座.

序文

序 本物のMedical Nutritionistになってほしい
 栄養管理の専門家? それは(管理)栄養士:(Registered) Dietitianだろう,と一般的に受け止められている.しかし,栄養士以外の職種にも栄養管理の専門家はいるし,現在では必要とされている.しかし,呼称がない.そこで,私はMedical Nutritionistという呼称を造語した.
 もともとDietitianとは食事の専門家である.Stanley J.Dudrickが中心静脈栄養法(total parenteral nutrition:TPN)の臨床応用に成功するまではそれでよかったのである.しかし,現在は,栄養管理の専門家は「食事の専門家」だけでは不十分である.食事(経口栄養)が不可能・不十分な患者にも適切な栄養管理を実施しなければならないからである.
 Nutritionistとは,栄養の知識と技術を生業としている人全般をさすので,資格の有無とは関係がない.いわゆる一般名である.それに対してDietitianは医学,科学的知識のバックグラウンドを有する資格とされている.しかし,すでに述べたように,dietとは,「食(物)」,「食事(通常の飲食物)」,「治療食」,「節食」などの意味であり,したがって,Dietitianは「栄養士(食事療法学の専門家)」である(『ステッドマン医学大辞典』).現在は,食事(経口栄養)だけでなく,静脈栄養・経腸栄養を駆使した栄養管理が実施できる「栄養療法の専門家」が必要なのである.Dietitianだけでは不十分な時代となっていることを認識しなければならない.そこで,Medical Nutritionist,医学的栄養(栄医養)の専門家,という呼称を造語したのである.
 しかし,一方では,「静脈栄養や経腸栄養なんて,すでに商品化された製剤がある.それを適当に使えばそれなりに栄養管理は実施できる.簡単だ」と認識される傾向がある.関連機材も発達している.別に特別に勉強しなくても,「経腸栄養は,経鼻胃管や胃瘻を用いて,エンシュア・リキッドやラコールなどなどの経腸栄養剤を投与すれば簡単に実施できる」,「静脈栄養は,TPNならエルネオパNFやワンパルを投与すれば簡単に実施できる.だって,糖,アミノ酸,電解質,ビタミン,微量元素が入っているんだから」となってしまっている.「投与量だって,1パック,2パックの単位で投与しておけば,大きな問題は起こらないんだからな.微量元素やビタミンの欠乏? そんなもの,めったに起こるはずがないじゃないか」である.
 本当にこれでいいのであろうか.私は,ダメだと思っている.栄養管理の基本は,その患者さんにとってもっとも適正な内容の栄養処方を実施して,もっとも有効な栄養管理を実施することである.栄養評価もせずに,出来上がった製剤を投与し,効果を確認することもない,それを栄養管理と呼んではいけないはずである.もっと患者さんに寄り添う必要がある.
 そういうMedical Nutritionistになってほしいと切に願っている.そのようなMedical Nutritionistを養成するために本書を執筆した.レベルの高い栄養管理に関する知識をもってほしい,そういうMedical Nutritionistになってほしい.Medical Nutritionist Dietitian,Medical Nutritionist Nurse,Medical Nutritionist Pharmacist,Medical Nutritionist Doctor,Medical Nutritionist Dentist,Medical Nutritionist…….
 Medical Nutritionistとして40年以上活動してきた,古希になった老人の思いが伝わってほしいと願っている.
 2025年1月 井上善文

目次

 序:本物のMedical Nutritionistになってほしい
Part 1 栄養管理の基本
 1 栄養評価の分類と実際
 2 栄養障害の分類と活用
 3 栄養管理法の分類と選択
  (1)SPN,SEN,SON(補完的静脈・経腸・経口栄養法)
  (2)選択の原則と考え方
 4 エネルギー投与量の決定
 5 水分投与量の決定
  (1)水分必要量の基本と静脈栄養法での考え方
  (2)経腸栄養法での考え方
 6 栄養投与量の決定
  (1)たんぱく質・アミノ酸
  (2)NPE(non-protein energy):脂質,糖質
  (3)ビタミン,微量元素
Part 2 経腸栄養法
 1 経腸栄養剤の種類と選択
  (1)まず特徴を理解する:分類の基本
  (2)病態対応経腸栄養剤
  (3)基本的な考え方と投与スケジュール,投与経路
  (4)半固形経腸栄養剤の適応と使用実態
 2 経鼻カテーテルの適応と管理
 3 胃瘻の適応
  (1)胃瘻をめぐる問題を踏まえて
  (2)症例を通して考える
 4 経腸栄養投与経路の管理
  (1)器具などの名称統一について考える
  (2)経腸容器,経腸ラインの複数回使用について考える
  (3)新しい接続部:ENFit(ISO80369-3)
  (4)ENFit(ISO80369-3)の管理
Part 3 静脈栄養法
 1 静脈栄養剤の種類と選択
  (1)末梢静脈栄養(PPN)
  (2)中心静脈栄養(TPN)
  (3)ビタミン,微量元素の留意点
 2 輸液の投与方法
  (1)輸液バッグ容量と投与速度の設定
  (2)輸液の「輸液量」と「水分量」
 3 脂肪乳剤
  (1)使用目的と特徴
  (2)投与速度,投与量,投与経路
  (3)TPN輸液ラインに側注する投与法の検証
  (4)使用実態と適正使用のすすめ
 4 静脈栄養投与経路の管理
  (1)静脈栄養カテーテル
  (2)PICCとCVポート
  (3)中心静脈カテーテル挿入部の管理
  (4)輸液ラインの構成と構造
  (5)導入針,インラインフィルター,ニードルレスコネクタ
 5 カテーテル関連血流感染症
  (1)輸液の無菌的管理の重要性
  (2)診断基準と予防対策
  (3)発症後の対応

 Column
  「静脈栄養」の名称について
  水の呼称について
  英語のproteinの日本語表記はたんぱく質? タンパク質? 蛋白質? プロテイン?
  ACR:accidental catheter removal
  「カテーテルテーパー」の呼称の経緯

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【著者略歴】
井上善文【いのうえよしふみ】
 1980年 大阪大学医学部卒業
 1981年 国立呉病院外科
 1984年 大阪大学第一外科医員
 1989年 Duke University Medical Center外科留学
 1991年 University of Florida外科留学
 1993年 大阪府立病院消化器一般外科
 1997年 大阪大学第一外科助手
 2001年 大阪大学大学院医学系研究科機能制御外科講師
 2002年 日本生命済生会付属日生病院外科部長
 2005年 医療法人川崎病院外科総括部長
 2013年 大阪大学国際医工情報センター栄養ディバイス未来医工学共同研究部門特任教授
 2023年 千里金蘭大学栄養学部特別教授

 一般社団法人 静脈経腸栄養管理指導者協議会(リーダーズ)代表理事
 血管内留置カテーテル管理研究会(JAN-VIC)代表世話人
 関西PEG・栄養とリハビリ研究会代表世話人

執筆者の関連書籍を探す場合は下に表示された名前をクリックしてください

井上善文 著