やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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髙口光子の 介護保険施設における 看護介護のリーダー論

定価 2,640円 (本体 2,400円+税10%)
  • 総頁数:106頁 / 2色
  • 判型:A4判
  • 発行年月:2005年8月
  • ISBN978-4-263-71924-4
  • 注文コード:719240

●髙口光子の提唱する看護介護現場の中間管理職〔リーダー〕養成のための新しい指南書.

内容紹介

【本書の主な特徴】
●髙口光子の提唱する看護介護現場の中間管理職〔リーダー〕養成のための新しい指南書.まず問題意識をもって業務に取り組み,研修などにも積極的に参加し,現場をよくしようと日々努力している……けれど,現実は理想にはなかなか近づかないという葛藤をもつ人達のために,看護介護の現場で即反映できる施設づくりの具体的プロセスや考え方について簡潔・明解な記述で具体的にまとめている.
●リーダー・中間管理職にとって必要とされるリーダーシップについて厳しく指南.次にそれを解決するために必要なケア技術,新人教育のポイント,スタッフとのコミュニケーション・かかわり方,リーダーとしての介護施設でのケアマネジメントにつてを解説したリーダー必備の1冊.

序文

本書をまとめるにあたって
 髙口光子さんとの出会いによって,わたしが高齢者介護に抱いていた10年分のもやもや・罪悪感などが,きれいに流されていくのを感じました.
 10年前,老人施設の建築計画を研究していたわたしは,特別養護老人ホームで週2日の日勤(ボランティア)を2年間体験していました.そこでは,スタッフの方々が一斉にオムツ台車をひっぱり,競うようにしてオムツ交換をし,終わるとナースステーションで煙草を吸いながら合コン・転職の話などをし,コールには裏声で対処し,時間がくるとまたオムツ交換に一斉に出かける……という毎日で,ボランティアのわたしは「お年寄りと話をする」のが仕事で,結局何をしてよいかわからず,認知症のおばあちゃんと手をつなぎ,廊下を行ったり来たりするのが精一杯でした.
 「介護って何なんだ?」「お年寄りの生活って……?」「建築でいくらがんばっても,現場がこれでは……」という気持ちがあり,「福祉なんて偽善だ」「日本の行政が変わらない限りよい介護はできない」と問題に向きあうことなく,逃げるように全く別の分野に就職してしまったのです.
 そのもやもや感が髙口さんの講義を聞くうちに,涙とともに流れていきました.とくに,印象的だったのは以下の3点をきっぱりと言いきってもらったことです.
 (1)サービスの根幹は食事・排泄・入浴である
 (2)エコヒイキを当たり前のものとし,お年寄り全員にエコヒイキをする
 (3)介護は共同体技術であり,リーダーの存在が不可欠である
 このことに気づかせてもらい,もう一度建築という視点からきちんと高齢者介護に向きあおうと思うことができたのです.
 しかし,その後髙口さんの書籍や連載などを読み込んでいくうちに,体験談としては非常に素晴らしいけれども,教科書(テキスト)というスタイルになっていないので,受験世代のわたしたちには要点がつかみにくく,「話を聞くと感動するけど,現場に戻ると何をしたらよいかわからない」という感じを受けるようになったのです.
 その思いがこの本を作成するキッカケでした.わたしが建築に向きあうきっかけをもらった恩返しに,髙口さんの体験・思考・技術(スキル)を「リーダー論」としてまとめ,受験世代でも看護介護のリーダーとして要点がわかる本,現場に戻ってもパラパラと読み返し何度でも復習できる教科書をつくろうと思ったのです.
 この本では,髙口さんの現場体験を他の介護保険施設の改革でも利用できるよう,テキスト化・図式化し,容易に理解できるように心がけています.建築士という介護職ではないわたしの視点から「髙口光子のリーダー論」を解説するようつとめています.
 共同著者 杉田真記子

目次

 ・本書をまとめるにあたって(春日井真記子)
 ・なぜ今,髙口光子が看護介護のリーダー論を問うか
1 看護介護のリーダー・中間管理職に必要なリーダーシップ―ケアの質は指導者の能力に左右される
 1-1 リーダー・中間管理職のやるべきこと
  配置図を理解・作成する  組織図を理解・作成・公表する  配置図・組織図の周知徹底
 1-2 看護と介護の視点のズレをなくす
  医療モデルと生活モデルの相違を認識する  病院で優秀なヘッドナースが生活支援施設のリーダーになるとき
 1-3 リーダーシップとは?
  誰でもできることを引き出す  個性を引き出す  最終決定は現場が行う(一人のお年寄りとのかかわりのなかで)
 1-4 リーダーとしての「かまえ」-ケアする人をケアするのは誰か
2 介護リーダー(指導者)に必要な「ケア」技術―「ケア」を業務にさせない「気づき」「プロ意識」を見出し・育む
 2-1 リーダー(施設)が目指すケアとは?
  リーダーとして把握すべき介護の役割分担  お年寄りの生きている実感とスタッフが感じるケアの喜びとは
 2-2 「食事」「排泄」「入浴」ケアの導入手順と指導のポイント
  導入にあたっての基本的なスタート  食事:食べる楽しみを大切にしたケア  排泄:オムツよりトイレでの排泄を基本としたケア  入浴:お風呂がゆっくり・楽しみとなるようなケア
 2-3 業務としてケアを確立していくために
  流れ作業とならない「その人らしさ」を大切にするために  日常業務の見直しから実践・定着まで  勤務体制づくりのポイント
3 新人教育(中途採用も含む)と指導のポイント―スタッフの能力を学歴や勤務年数のみで評価しないために
 3-1 新人職員が育つためのアセスメント
  新人職員が育つ流れ
 3-2 新人研修プログラムの計画と進めかたのポイント
 3-3 「身体拘束(抑制)禁止」に対する意識づけと責任の所在
 3-4 プロ意識の基本をつくるために
 3-5 新人アセスメント
4 スタッフとの有効なコミュニケーションとかかわりかた―個々の職員の個性をどのように見極め伸ばしていくか
 4-1 年配・若いスタッフを生かす言いかた・聴きかた
 4-2 2対6対2の法則を頭に入れる
 4-3 ときどきリーダーの本音をみせる
 4-4 スタッフの「悩み」「つまずき」「不満」に対して有効にかかわる
  スタッフ「個人」の問題解決  スタッフ間のトラブル解決  集団としてのトラブル解決  漠然としたトラブルを分析する
5 リーダーとしての介護施設のケアマネジメント―理念に基づく「ケア」を日常業務へ落とし込んでいくために
 5-1 介護施設のケアマネジメントとは?
  介護施設の2つのシステムライン  申し送りの方法  会議の運営方法  委員会活動の企画と進めかた  会議の進捗レベルを把握する  会議を効果的に行うために
 5-2 施設独自の業務マニュアル作成のポイント
  ケアの質の統一と向上のために

 ・まとめ
 ・参考資料-1 外出・外泊ケアプランの流れ
 ・参考資料-2 入浴改善(個浴)にたずさわって
 ・おわりに

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【著者略歴】
髙口 光子【たかぐちみつこ】
 横浜市に生まれ,幼少期を北九州市で過ごす
 1982年 高知医療学院理学療法学科卒業・理学
     療法士免許取得(奨学金のお礼奉公として,福岡県のある医療グループに勤務.同グループの諸問題に遭遇し,老人医療に疑問をもつ.2年6か月の勤務後,託児所のある病院を求めて退職)
 1985年 社団法人福岡医療団千鳥橋病院勤務
     (地域医療・地域リハビリテーションを通して,老人ケアの実践を目指す.家庭の都合で熊本県へ転居)
 1987年 医療法人社団黎明会宇賀岳病院リハビリテーション科科長(老人病院での生活ケア・生活リハビリテーションの実践に取り組む)
 1994年 社団法人熊本県理学療法士協会理事
 1995年 社会福祉法人熊本南福祉会特別養護老人ホームシルバー日吉勤務(老人の生活に密着した介護現場を求め,理学療法士から寮母への転身として話題になる)
 1996年 シルバー日吉介護部長
 1998年 介護支援専門員資格取得
 1999年 シルバー日吉デイサービスセンターセンター長・シルバー日吉在宅部長
 2000年 介護福祉士免許取得
 現 在 シルバー日吉を2002年3月末に退職し,介護アドバイザーとして新たな旅路を目指す.介護老人保健施設ききょうの郷に属す.
 主な著書 仕事としての老人ケアの気合(医歯薬出版),病院でひらいた生活ケア(筒井書房),シルバー日吉の手作りケアマニュアル(共著,熊本南福祉会),現場がつくるケアプラン(共著,雲母書房),いきいきザ老人ケア(医学書院「第1回いきいき大賞」受賞),介護保険時代の新地域リハビリテーション(共著,厚生科学研究所),介護保険がやってきた(共著,雲母書房)ほか

春日井真記子【かすがいまきこ】
 愛知県一宮市(旧尾西市)に生まれる
 1995年 東京工業大学理工学研究科建築学専攻修了(高齢者施設を研究しながら,週2日2年間にわたり特別養護老人ホームで働かせてもらう).都市計画コンサルティング会社に勤務(福祉の現場と行政の中間に立ち,パイプ役になるんだと意気込んで就職したが甘かった.入社6年目に父親の病気を機に退職し実家に戻る)
 2000年 春日井不動産株式会社に勤務.1級建築士資格取得
 2001年 アドバイザーとして仕事を組むために髙口さんと知り合う.第1印象は「おとなしい方だなあ.この人がアドバイザーできるのかな?」だったが,数時間後には春日井が涙を流す(高齢者福祉の考えかたを聞き,髙口さんのお役に立ちたいと思うようになる)
 2002年 ききょうの郷へ介護アドバイザーに入りながら入浴棟の基本設計,デイサービスセンターそてつ・デイサービスセンター松本の基本設計を担当.その後出産.父親の死亡により実家の不動産業を膨大な借金とともに引き継ぐ
 2004年 建築士の仕事を再開するとともに「髙口光子のリーダー論」の本格的なまとめにとりかかる

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髙口光子・杉田真記子 著