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保険でできるメタルフリーレストレーション成功のTips

小峰太 編
定価 9,350円 (本体 8,500円+税10%)
  • 総頁数:120頁 / カラー
  • 判型:A4判
  • 発行年月:2026年10月
  • ISBN978-4-263-44786-4
  • 注文コード:447860

保険診療でメタルフリーの修復を進めていくための,頼りになる一冊

内容紹介

近年,保険診療の枠組みのなかでも,CAD/CAM冠用レジンをはじめとしてさまざまなメタルフリー材料を用いた修復処置が可能となってきました.そこで,本書では各材料の特性,手技,その他のポイントなどを紹介しました.日常の保険診療における,よりよい修復処置と成功のために,ぜひご活用ください!

《本書序文より》
「本書は,保険診療でメタルフリーレストレーションを行うための「制度の解説書」ではありません.また,単なる材料の紹介書でもありません.保険診療という共通の枠組みの中で,どのような考え方に基づいて診断し,どのような材料を選択し,どのような術式によって長期的な成功へ導くのかを,科学的根拠と豊富な臨床経験の両面から整理した実践書です.」

序文

序
 歯科医療は今,大きな転換期を迎えています.デジタル技術の進歩,新たな歯科材料の開発,そして患者の価値観の変化により,修復治療に求められるものは「失われた歯質を補う」ことから,「機能・審美・生体親和性を高い次元で調和させる」ことへと変わりつつあります.その中で,メタルフリーレストレーションは,もはや特別な治療ではなく,日常臨床における重要な選択肢として確立されました.
 さらに近年,我が国の保険診療においてもCAD/CAM冠やCAD/CAMインレーをはじめとするメタルフリー修復が広く導入され,適応範囲も段階的に拡大されています.その結果,多くの歯科医師が保険診療の中でメタルフリーレストレーションを提供する時代となりました.
 材料の選択,支台歯形成,接着操作,咬合への配慮,症例の適応判断,さらには長期的な予後管理まで,メタルフリーレストレーションには従来の金属修復とは異なる考え方と技術が求められます.制度改正や材料の進歩が続く現在,断片的な知識だけでは適切な臨床判断を行うことは難しくなっています.
 本書は,保険診療でメタルフリーレストレーションを行うための「制度の解説書」ではありません.また,単なる材料の紹介書でもありません.保険診療という共通の枠組みの中で,どのような考え方に基づいて診断し,どのような材料を選択し,どのような術式によって長期的な成功へ導くのかを,科学的根拠と豊富な臨床経験の両面から整理した実践書です.
 保険診療にはさまざまな制約があります.しかし,その制約は治療の質を妥協する理由にはなりません.限られた条件の中でも最大限の治療成果を追求することこそ,私たち歯科医師に求められる専門性であり,患者から寄せられる信頼に応える姿勢であると考えます.そのためには,歯科材料学,接着歯学,補綴歯科学等,それぞれの知識を統合し,一つひとつの臨床操作を確実に積み重ねていくことが不可欠です.
 本書では,それぞれの分野で第一線を歩み続けている先生方にご執筆いただき,最新のエビデンスと豊富な臨床経験を惜しみなくご紹介いただきました.理論だけでなく,日々の診療で直ちに役立つ実践的な知見を数多く盛り込んでいただいており,若手歯科医師はもちろん,経験豊富な臨床家にとっても新たな気づきが得られる内容になったものと確信しています.本書が,保険診療におけるメタルフリーレストレーションの正しい理解と臨床技術の向上に寄与し,多くの歯科医師の日常診療の一助となることを願っております.
 最後に,ご多忙の中,本書の趣旨にご賛同いただき,貴重な知見をご執筆くださった先生方に心より感謝申し上げます.また,本書の刊行にあたりご尽力いただいた編集者並びに関係者の皆様に深甚なる謝意を表し,序文といたします.
 2026年8月
 日本大学歯学部歯科補綴学第III講座
 小峰 太

目次

第1編 メタルフリー治療の基礎知識
 CHAPTER 01 保険で使えるメタルフリー材料の特徴(二瓶智太郎)
  はじめに
  本国特有の金銀パラジウム合金について
  CAD/CAM冠用レジンブロックの特徴
  PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)材の特徴
  ファイバー強化型ハイブリッドレジンブロックの特徴
  トレーサビリティ管理の必要性
  おわりに
 CHAPTER 02 接着材料の特性と表面処理の重要性(小泉寛恭)
  保険適用メタルフリー修復における接着の位置づけ
  界面処理の必要性
  保険適用材料に用いられる接着材料
  保険適用材料ごとの接着処理手順
  保険診療における接着強度に影響する要因
  おわりに
 CHAPTER 03 各装置の概要と修復対象部位(岩崎太郎・小峰 太)
  保険上の適応範囲と材料特性からみた臨床的許容範囲
  材料特性と咬合支持(力の分散)の考え方
  「咬合支持要件」について
  おわりに
第2編 メタルフリーレストレーションの手技とポイント
 CHAPTER 01 支台築造(弓立真広・峯 篤史・西村正宏)
  支台築造の要否と種類の選択
  臨床ステップ
  おわりに
 CHAPTER 02 支台歯形成(海渡智義)
  メタルフリーレストレーションの支台歯形成・窩洞形成における留意点
  各材料における支台歯形態・窩洞形態の比較と適正な形態を得るための留意点
  メタルフリーレストレーションの支台形成における留意点と回避すべき形態
  メタルフリーレストレーションにおける形成ステップとTips
  推奨器材(ダイヤモンドポイント・クリアランスゲージ)
  おわりに
 CHAPTER 03 光学印象採得(柏木宏介・鳥井克典)
  光学印象採得の臨床評価
  インレーおよびクラウンの光学印象採得・光学咬合採得の実際
  在宅・嚥下障害患者への有用性
  おわりに
 CHAPTER 04 歯科技工士連携加算(鴨居浩平・新開瑞希・細木真紀)
  歯科技工士連携加算の概要
  メタルフリーレストレーションにおける歯科技工士連携加算の算定タイミングと確認内容
  歯冠修復症例における「色調採得」時の算定例
  おわりに
 CHAPTER 05 装着/脱離再装着(三浦賞子)
  材料特性に基づく接着の考え方
  CAD/CAM冠,エンドクラウン,PEEK冠の臨床経過
  CAD/CAM冠,エンドクラウン,PEEK冠の接着操作
  クラウン脱離後の再装着
  内面処理加算の算定
  おわりに
第3編 修復物ごとの留意点
 CHAPTER 01 CAD/CAMインレー(高見澤俊樹)
  保険でできるCAD/CAMインレー
  歯科用CAD/CAMの開発背景
  CAD/CAMインレーの選択基準
  CAD/CAMインレー修復で注意すべきこと(裏層およびエッジロスを防ぐ窩洞形成)
  CAD/CAMインレー修復に際して注意すべきこと(装着時)
  CAD/CAMインレー修復の実践(IOS編)
 CHAPTER 02 CAD/CAM冠(ハイブリッドレジン冠)(疋田一洋)
  ハイブリッドレジンブロックの材料学的特性と適応症例
  デジタルワークフローに基づいた支台歯形成
  確実な接着操作
  術後管理とメインテナンス
  おわりに
 CHAPTER 03 CAD/CAM冠(PEEK冠)(駒形裕也・渡辺崇文・正木千尋)
  支台歯形成における留意点
  研磨操作における留意点
  接着操作における留意点
  PEEK冠の装着手順
  おわりに
 CHAPTER 04 エンドクラウン(渡辺崇文・駒形裕也・正木千尋)
  コンポジットレジン裏層における留意点
  支台歯形成における留意点(スロープ状形成の活用)
  接着操作における留意点
  おわりに
 CHAPTER 05 CAD/CAMブリッジ,高強度硬質レジンブリッジ(新谷明一)
  保険でできるメタルフリーブリッジの開発
  保険診療における高強度硬質レジンブリッジとCAD/CAMブリッジ
  保険診療におけるCAD/CAMブリッジの臨床術式
  おわりに
第4編 臨床・保険Q&A
 CHAPTER 01 臨床編Q&A(野本俊太郎)
  Q1.ハイブリッドレジンCAD/CAM冠の適応症や禁忌症について詳しく教えてください.
  Q2.ハイブリッドレジンCAD/CAM冠の生存率を伸ばすにはどうしたらよいでしょうか.
  Q3.永久歯代行乳歯へのCAD/CAM冠を適用するにあたり,留意点がありますか.
  Q4.辺縁形態はシャンファーやベベルではだめなのでしょうか.
  Q5.CAD/CAM冠への歯ブラシや歯磨剤の影響はありますか.
 CHAPTER 02 保険編Q&A(野本俊太郎)
  Q1.令和8年度の診療報酬改定で,メタルフリー治療やデジタル化に関する変更点について教えてください.
  Q2.CAD/CAM冠を院内技工で製作する場合,保険請求できますか.
  Q3.保険収載された光学印象ですが,光学印象機器(IOS)は国内でどれくらい普及していますか.

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【編者略歴】
小峰 太【こみねふとし】
 1991年 日本大学歯学部卒業
 2010年 日本大学歯学部歯科補綴学第III講座専任講師
 2016年 日本大学歯学部歯科補綴学第III講座准教授
 2022年 日本大学歯学部歯科補綴学第III講座教授

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