やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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女性の身体的変化に応じた口腔衛生管理
女性ホルモンと歯周病

定価 4,950円 (本体 4,500円+税10%)
  • 総頁数:80頁 / カラー
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2025年5月
  • ISBN978-4-263-42336-3
  • 注文コード:423360

女性の各ライフステージに応じた歯科の臨床と,歯周病の管理方法を知ろう!

内容紹介

本書は,女性の各ライフステージにおいて,歯科衛生士が臨床で活用できる内容を目指し,
・女性の身体の特徴
・歯周病と全身の健康
・女性ホルモンによる女性特有の歯周病のリスク
・女性の口腔
について,実際の症例を交えながら具体的な管理方法を示しました.
女性ホルモンによる女性特有の歯周病のリスクを認識し,生涯を通じた切れ目のない口腔健康管理につなげましょう!

序文

序
 「月経は定期的にありますか?」
 「月経周期は何日周期ですか?」
 「いつごろ閉経しましたか?」
 私はいつも女性の患者さんには,医療面接でこのような質問をします.
 患者さんからは「口の中の健康に女性特有のリスクがあることをもっと早くから知りたかった!」とよく言われます.その一方で歯科衛生士からは「女性の患者さんに月経や閉経に関する質問をすることにためらいがある」との声があります.
 約20年前,私が歯科衛生士4年目の時に,日本大学歯学部歯周病学講座教授(現在日本大学名誉教授)の伊藤公一先生から「月経周期が口臭と関連があるのでは」とヒントをいただき,過去の論文を調べてみると1978年にThe Journal of International Medical Researchに掲載された論文が1つだけ見つかりました.それを英語から日本語に辞書を片手に必死に訳しました(もちろん当時はGoogle翻訳のような便利なものはありませんでした).当然,本邦で同様の研究は存在せず,これは自分たちの口腔内を使って調べてみたら面白そうだということになり,伊藤公一先生と菅野直之先生(本書共著者)のご指導のもと,歯科衛生士5名で調査をスタートしました.まずは基礎体温測定から始まり,自分達の月経周期(月経期,卵胞期,排卵期,黄体期)のタイミングで歯周組織検査を行い,さらには口臭測定器(ハリメーター(R))を使って,どう変化するのかを調べました.基礎体温を測定するのも初めてで,月経周期とは何かを理解することから始まり,「月経周期において女性ホルモンは変動するの?」「女性ホルモンと歯周病には関連があるのかしら?」「女性ホルモンを餌に増殖する歯周病原細菌がいるらしい」といった具合に知識が増えると同時に,更なる疑問も増えました.研究を進めていく過程ではいくつもの壁にぶつかることもありましたが,研究結果が論文として形になっていくことは楽しみでもありました.そのような折,2022年6月に京王プラザホテルで開催された第65回春季日本歯周病学会学術大会の歯科衛生士シンポジウムにおいて日本大学医学部産婦人科学系産婦人科学分野准教授の永石匡司先生と「歯科衛生士に知って欲しい女性の身体の基礎知識」について講演させていただく好機に恵まれると同時に本書の企画がスタートしました.
 本書は,女性の各ライフステージにおいて歯科衛生士が臨床で活用できる内容を目指し,Part 1では永石匡司先生に女性の身体の基礎知識として「女性の身体の特徴」について,Part 2では菅野直之先生に歯周病に関する最新情報として「歯周病と全身の健康」についてご執筆いただきました.Part 3では「女性特有の歯周病のリスク」について日本女性の現状も踏まえ,Part 4では「女性の口腔」(1)月経周期,(2)妊娠期,(3)産後期,(4)更年期,(5)特殊な歯周病(非プラーク性歯肉病変)について実際の症例を交えながらそれぞれの具体的な管理方法を提示しました.
 本書をきっかけに女性特有の歯周病のリスクが歯科衛生士に広く認識され,患者さんの口腔の向上を介して全身の健康の維持増進にも貢献できるようになること,そして,かかりつけ歯科医師・歯科衛生士のもとで,生涯を通じた切れ目のない口腔衛生管理を受ける女性が増えていくことを心から願っています.
 最後に,これまで私たちの研究を力強くサポートしていただいた株式会社ヘルスケアシステムズの関係各位に感謝申し上げます.また,本出版の企画に深いご理解とご協力を賜った医歯薬出版株式会社の関係各位に御礼申し上げます.
 2025年5月
 川本亜紀

目次

Part 1 女性の身体の特徴~女性ホルモンの変化を知ろう!~
 (永石匡司)
  (1)はじめに
  (2)思春期
  (3)月経に関する用語
  (4)月経周期の特徴
  (5)卵子の一生
  (6)卵胞発育と月経周期
  (7)基礎体温
  (8)性成熟期
  (9)更年期
  (10)おわりに
Part 2 歯周病と全身の健康
 (菅野直之)
  (1)歯周病とは
  (2)歯周炎による歯周組織の炎症の指標:PISA
  (3)腸内細菌叢に影響を与える口腔細菌
  (4)歯周病診断の新たなフレームワーク:4つのステージと3つのグレード
Part 3 女性特有の歯周病のリスク~女性ホルモンはお口の中にも関係するの?~
 (川本亜紀)
  (1)男性より女性のほうが,現在歯数が少ない?
  (2)女性ホルモンと歯周病は関係あるの?
Part 4 女性の口腔
 (川本亜紀)
 1 月経周期
  (1)月経周期における歯周病のリスク
  (2)月経周期における口腔衛生管理
  (3)症例1-月経周期関連歯肉炎の症例(1)
  (4)症例2-月経周期関連歯肉炎の症例(2)
 2 妊娠期
  (1)妊娠期における歯周病のリスク
  (2)妊娠期における口腔衛生管理
  (3)症例3-月経周期関連歯肉炎の患者さんが妊娠した症例
 3 産後期
  (1)産後期における歯周病のリスク
  (2)産後期における口腔衛生管理
  (3)症例4-月経周期関連歯肉炎の患者さんの産後の症例
 4 更年期
  (1)更年期における歯周病のリスク
  (2)更年期における口腔衛生管理
  (3)症例5-更年期の症例
  (4)症例6-口腔乾燥症および灼熱痛の症例
 5 特殊な歯周病(非プラーク性歯肉病変)
  (1)剥離性歯肉炎
  (2)剥離性歯肉炎における口腔衛生管理
  (3)剥離性歯肉炎における新規治療法(エクオール尿検査およびエクオールサプリメント)
  (4)症例7-口腔苔癬様病変の症例
  (5)症例8-類天疱瘡の症例

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【著者略歴】(執筆順)
永石匡司【ながいしまさじ】
1987年 日本大学医学部医学科卒業
1991年 日本大学大学院医学研究科博士課程外科系産婦人科卒業(医学博士)
2004年 日本大学医学部産婦人科学講師(専任扱)
2015年 日本大学医学部産婦人科学系産婦人科学分野准教授(研究所)
    日本大学病院婦人科科長(責任者)
2023年 日本大学病院産婦人科科長(標榜変更)(責任者)(現在に至る)
     日本産科婦人科学会 専門医・指導医
     日本女性医学学会 女性ヘルスケア専門医・指導医
     日本がん治療認定医機構 がん治療認定医(指導責任者)
     日本産科婦人科内視鏡学会 腹腔鏡認定医・子宮鏡認定医
     日本医師会認定 産業医
     東京都医師会認定 母体保護法指定医

菅野直之【すがのなおゆき】
1988年 日本大学歯学部卒業
1992年 日本大学大学院歯学研究科終了
    日本大学助手
1994年 米国スクリプス研究所免疫学部門研究員(~1997年)
2001年 日本大学講師
2004年 日本大学助教授(歯学部歯周病学講座)(現在に至る)

川本亜紀【かわもとあき】
1994年 日本女子大学文学部卒業
2001年 日本大学歯学部附属歯科衛生専門学校卒業
2001年 日本大学歯学部付属歯科病院勤務(現在に至る)
     特定非営利活動法人日本歯周病学会認定歯科衛生士
     日本抗加齢医学会指導士
     第96回アメリカ歯周病学会日本歯周病学会共催学術大会(2010年)JSPポスター歯科衛生士部門最優秀賞
     第54回秋季日本歯周病学会学術大会(2013年)ベストハイジニスト賞
     第110回アメリカ歯周病学会共催日本歯周病学会・日本臨床歯周病学会2024年大会(2024年)
     JSP/JASPポスター歯科衛生士部門最優秀賞

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永石匡司・菅野直之・川本亜紀 著