やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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続母親のメンタルヘルスサポートハンドブック
産婦自殺・母子心中をなくすための対応ガイド

定価 3,520円 (本体 3,200円+税10%)
  • 総頁数:152頁 / 2色
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2021年6月
  • ISBN978-4-263-23753-3
  • 注文コード:237530

産婦自殺・母子心中ゼロをめざす!メンタルヘルスサポートブック 第2弾

内容紹介

●こころの問題を持つ母親への支援をわかりやすく解説した大好評書「母親のメンタルヘルスサポートブック」に続編が誕生!
●妊産婦死亡原因第1位である産婦自殺と,赤ちゃんの命まで犠牲にしてしまう母子心中を防止するための取り組みを,10の症例とともに詳解します.
●日本の優れた親子保健システムに,みなさんの「すこしだけプラスアルファ」を加えることで,多くの命が救われます!

序文

はじめに
 産婦自殺が妊産婦死亡の死因の第1位であることが,国内外の調査で明らかになっています.その原因の多くは産褥精神病や重症の産後うつ病で,これらは母子心中や嬰児殺にもつながりえます.産後に起こる重症の精神障害は,早期に発見され,早期に治療を受ければ,一般的に予後の良いものです.産婦自殺・母子心中で亡くなっている方々の命の多くは,救える命であると考えられます.
 日本にはすぐれた親子保健システムがあります.メンタルヘルス不調の母親には,産科医・助産師・看護師・精神科医・小児科医・精神保健福祉士・医療ソーシャルワーカー・救急医など,さまざまな職種がかかわります.ただ,こと自殺念慮のある母親への対応となると,「どのように対応すればよいかよくわからない」「下手に対応すると自殺したい気持ちを刺激してしまうかもしれないので怖い」などの不安を覚える関係者も多いと思います.また,「困っているお母さんを何とか助けたい」という思いはどの職種にも共通でしょうが,職種間で認識にちょっとした溝があるかもしれません.その溝を埋めるようにして同じ方向を向いて産婦自殺予防を考えられるようなマニュアルがあればという思いで,本書を執筆しました.
 本書では,既存の親子保健システムを活用しながら,医療・保健・福祉が連携して,どのように自殺のリスクのある妊産婦を発見するか,どのようにケアしていくべきかについて解説します.
 本書が,自殺念慮のある母親やその家族を地域でサポートしている親子保健関係者の方々にとって,少しでもお役に立つことを心より願っています.
 2021年5月
 立花良之
 国立成育医療研究センターこころの診療部乳幼児メンタルヘルス診療科
 信州大学医学部 周産期のこころの医学講座
 2018~2020年度日本医療研究開発機構成育疾患克服等総合研究事業「周産期メンタルヘルスの改善に向けた予防的治療介入法の開発 産婦自殺・母子心中をゼロにする地域母子保健システム及びハイリスク者の早期発見・早期介入システムの確立」研究代表者

目次

第1章 産婦自殺・母子心中に関する基礎知識
 1.産婦自殺・母子心中の背景と現状
 2.産婦自殺・母子心中につながりうる精神疾患
第2章 地域親子保健での対応(1)「気づく」
 1.エジンバラ産後うつ病自己評価票(EPDS)で気づく
  1)EPDSとは
  2)EPDSの10個の質問項目
  3)EPDSの質問10が陽性点数だった場合
 2.EPDSを実施できないとき ……問診で気づく
  1)睡眠障害についての質問
  2)食欲についての質問
 3.リスク因子と保護因子のアセスメント
  1)リスク因子
  2)保護因子
 4.本人・家族の心理社会面の系統的なアセスメント
第3章 地域親子保健での対応(2)「支える」
 1.本人を支える
  1)本人への対応
  2)本人への心理教育
 2.家族を支える
  1)家族のサポート
  2)本人が精神状態に由来した興奮や攻撃性を呈しているときの対応
第4章 地域親子保健での対応(3)「つなぐ」
 1.ケースマネジメント
  1)ケースマネジメントとは
  2)ケースマネジメントの展開
 2.他機関との連携
  1)緊急の場合
  2)非緊急,かつ,精神科受診の必要がある場合
  3)非緊急,かつ,精神科受診までは必要ない場合
  4)育児・家庭環境に問題がある場合,出生児の安全確保が必要な場合
 3.幼児健診時や小児科医療で留意すべきこと
 4.多機関連携と当事者(本人・家族)の同意
  1)本人への説明と同意
  2)本人が自治体保健師への紹介に同意しない場合
  3)当事者の同意にもとづく多機関連携のプロセス
  4)説明時の注意点 ……当事者の気持ちとニーズに即して
 5.当事者(本人・家族)への情報提供
第5章 地域での取り組みの事例
 1.須坂トライアル
  1)須坂トライアルの背景
  2)須坂トライアルの概要
  3)須坂トライアルの展開
  4)須坂トライアルからわかったこと
 2.長野トライアル
  1)長野トライアルの背景
  2)長野トライアルの概要
  3)長野トライアルの展開
第6章 事例検討
 (症例1)妊娠期からの統合失調症が増悪したAさん
 (症例2)苦しい状況を表出できず,周りに気づかれていないBさん
 (症例3)退院後に,精神的不調から精神病症状を発症したCさん
 (症例4)子どもの病気によって,産後に精神病症状が出現したDさん
 (症例5)産後うつになった,慢性的に自殺企図のあるEさん
 (症例6)紹介した精神科治療が中断していたFさん
 (症例7)家族が24時間見守りをすると主張したGさん
 (症例8)無治療だった統合失調症が悪化して,産褥精神病になったHさん
 (症例9)精神科治療の中断など,医療機関での情報共有が不十分だったIさん
 (症例10)児の死亡などストレスが重なり,産褥精神病を発症したJさん
第7章 予防する 両親学級などでの啓発,利用できる社会制度・サービス
 1.両親学級などでの啓発
 2.知っておきたい社会制度やサービス
  1)社会資源の利用が望まれる場合と,その相談窓口
  2)母親の精神科療養のための入院形態
  3)精神科救急への連絡
 3.警察への連絡
資料 診療報酬上のインセンティブについて

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

著者略暦
立花良之【たちばなよしゆき】
2001年 信州大学医学部医学科 卒業
2001~2002年 信州大学医学部附属病院精神科神経科 研修医
2003~2006年 長野赤十字病院精神科 医員
2006~2010年 東北大学大学院医学系研究科博士課程
2010~2012年 英国Manchester大学児童精神科・王立Manchester小児病院児童精神科博士研究員
2012~2016年 国立成育医療研究センターこころの診療部乳幼児メンタルヘルス診療科医長
2016年より 国立成育医療研究センターこころの診療部乳幼児メンタルヘルス診療科診療部長
2021年より 信州大学医学部周産期のこころの医学講座 特任教授(併任)
現在に至る

専門分野:周産期・乳幼児精神保健
厚生労働省や日本医療研究開発機構の周産期・乳幼児精神保健についての研究事業で研究代表者を務めるなど,地域における妊娠期から子育て期の親子支援の実践・研究に携わっている.
厚生労働省の研究事業で長野県須坂市の親子保健関係者と協働して行った取り組み(本書で「須坂トライアル」として紹介)は,厚生労働省健やか親子21(第2次)第8回健康寿命を伸ばそう!アワード〈母子保健分野〉厚生労働大臣最優秀賞を受賞した(「『一人も取り残されない』妊娠期からの切れ目のない支援のための多職種連携地域母子保健システム『須坂モデル』の構築と均てん化」).

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立花良之 著