やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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多職種で取り組む抗菌薬適正使用
AST活動はじめの一歩

発行時参考価格 3,000円
  • 総頁数:144頁 / 2色
  • 判型:A5判
  • 発行年月:2022年6月
  • ISBN978-4-263-22695-7
  • 注文コード:226950

これから抗菌薬適正使用に取り組む 薬剤師・臨床検査技師・看護師などの医療スタッフ向けの入門書!

内容紹介

【Step1】 抗菌薬適正使用の基礎知識について,図表を使って分かりやすく整理!
●目次抜粋
・抗菌薬適正使用支援(AS)およびAST
・抗菌薬使用の基本的な考え方
・主な感染症と第一選択薬
・主な原因菌と第一選択薬
・抗菌薬の種類と特徴

【Step.2】 AST活動で遭遇するギモンにエキスパートが分かりやすく回答!
●Qの例
・抗菌薬の有効・無効はどの時点でどのように判断する?
・感染症の治療中にも培養検査は必要? 実施するとすればどのタイミング?
・特に注意すべき患者の観察項目は? ASTに伝達すべきなのはどのような場合?

序文

はじめに
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて,医療の現場でも大きな混乱が生じました.ほとんどの医療従事者がコロナを念頭に置きながら日常診療に従事せざるを得なくなり,感染症の中心はコロナとなりました.このような中で,他の感染症はインフルエンザのように激減したものもありましたが,細菌感染症が減ることはなく,院内では従来の感染症診療も並行して行われているのが現状だと思います.
 このように,コロナ禍においても日常診療における細菌感染症は相変わらず重要な位置を占めています.特に耐性菌に対しては,感染対策に加えて,抗菌薬の適正使用が重要な鍵を握っています.Antimicrobial Stewardship(AS)という用語もすでに浸透してきていますが,実際に院内の組織が十分に機能を果たしてAST活動が十分な成果を挙げている医療機関は,まだそれほど多くはないと思われます.
 多くの医療機関では,感染制御チーム(ICT)のスタッフが抗菌薬適正使用支援チーム(AST)の活動も行い,余力がない中で日々の対策が取られています.さらに,2022年度診療報酬改定では,感染防止対策加算が感染対策向上加算に変更され,求められるレベルも上がってきています.このような状況において,担当者の負担は増えるばかりです.その問題を解決するためには,AST活動についても多職種がうまく連携しながら効率的に業務を果たしていくことが大切だと思われます.
 本書はこのような視点に立って,共に編集をご担当いただいた北原隆志先生,佐藤智明先生とともに,抗菌薬適正使用支援チーム(AST)の活動を多職種で実施することにこだわって作成してきました.そのため,今回は特に薬剤師や臨床検査技師向けの項目も増やして全体を構成しております.また,これからAST活動に関与される方にもわかりやすい内容になるよう心がけました.
 本書がすでにAST活動に関わっておられる方にとっては気軽に読める参考書として,また,これからAST活動に関与される方にとっては入門のよき道しるべとして,身近にご利用いただける存在になることを願っております.
 最後に,コロナ禍のご多忙な状況で,本書の執筆および編集にご尽力いただいた各先生方に感謝申し上げます.また,企画の段階から完成まで根気強く本書の作成に関わっていただいた医歯薬出版の第一出版部の方々,特に新宅智子様に感謝いたします.
 国際医療福祉大学医学部感染症学講座
 国際医療福祉大学成田病院感染制御部
 松本哲哉

目次

 はじめに
 本書に出てくる主な原因菌
 本書に出てくる主な薬剤
 略語一覧
step 1 抗菌薬適正使用の基礎知識
 1 抗菌薬適正使用支援(AS)およびAST(松本哲哉)
  1)なぜASTが必要とされているのか? ASに取り組む意義
 2 ASTの概要(堀野哲也)
  1)ASTの活動内容
  2)各職種の働き
  3)加算の要件
 3 抗菌薬使用の基本的な考え方(渡邊裕介・中村 造)
  1)抗菌薬投与前にやるべきこと
  2)抗菌薬投与の目的に応じた考え方
  3)抗菌薬投与後にやるべきこと
 4 抗菌薬適正使用支援(AS)に関連する項目
  1)PK/PD(浜田幸宏)
  2)TDM(酒井義朗)
  3)薬剤感受性検査(園部一成)
  4)薬剤耐性検査(山本 剛)
  5)アンチバイオグラム(佐藤智明)
  6)サーベイランス(樫山誠也)
 5 主な感染症と第一選択薬
  1)呼吸器感染症(山田康一)
   1.上気道感染症,気管支炎,COPD
   2.肺炎
  2)尿路感染症(松本哲哉)
  3)消化器感染症(腸管感染症)(山田康一)
  4)肝・胆道系感染症(山田康一)
  5)中枢神経感染症(小倉 翔・荒岡秀樹)
  6)菌血症・敗血症(血流感染症)(小倉 翔・荒岡秀樹)
  7)循環器系感染症(小倉 翔・荒岡秀樹)
  8)皮膚・軟部組織感染症(川村英樹)
  9)骨・関節感染症(川村英樹)
  10)腹腔・骨盤腔感染症(川村英樹)
  11)手術部位感染(SSI)(谷口俊文)
  12)抗菌薬関連下痢症(谷口俊文)
  13)その他(性感染症・輸入感染症)(谷口俊文)
 6 主な原因菌と第一選択薬
  1)黄色ブドウ球菌(山本 剛)
  2)腸球菌(佐藤智明)
  3)肺炎球菌(佐藤智明)
  4)インフルエンザ菌(佐藤智明)
  5)アシネトバクター属(樫山誠也)
  6)緑膿菌(樫山誠也)
  7)腸内細菌目細菌(長南正佳)
 7 抗菌薬の種類と特徴(抗菌薬の基礎知識)
  1)β-ラクタム系
   1.ペニシリン系(前田真之)
   2.セフェム系(前田真之)
   3.カルバペネム系(前田真之)
   4.ペネム系(佐村 優)
   5.モノバクタム系(佐村 優)
  2)グリコペプチド系(浜田幸宏)
  3)ホスホマイシン系(浜田幸宏)
  4)リンコマイシン系(浜田幸宏)
  5)アミノグリコシド系(佐村 優)
  6)マクロライド系(丹羽 隆)
  7)テトラサイクリン系(丹羽 隆)
  8)オキサゾリジノン系(北原隆志)
  9)キノロン系(丹羽 隆)
  10)環状リポペプチド系(酒井義朗)
  11)ポリペプチド系(酒井義朗)
  12)その他(北原隆志)
step 2 抗菌薬適正使用 実践Q&A
 1 抗菌薬(抗微生物薬)と他薬剤の併用で特に注意すべき薬剤や組み合わせを教えてください(前田真之)
 2 複数の抗菌薬の併用が有用な場合や有効な組み合わせを教えてください(中村 造)
 3 抗菌薬の用法・用量が添付文書とガイドライン等で異なる場合,どちらを重視すべきでしょうか?(渡邊裕介・中村 造)
 4 抗菌薬の有効・無効はどの時点でどのように判断すればよいでしょうか?(山田康一)
 5 注射薬から経口薬に移行可能なタイミングや条件を教えてください(山田康一)
 6 薬剤熱を疑うべき状況や対処法を教えてください(川村英樹)
 7 腎機能が低下している患者における用法・用量の調節について教えてください(浜田幸宏)
 8 術後に感染予防目的で経口セフェム系薬が投与されていますが,有効なのでしょうか?(川村英樹)
 9 カルバペネム系薬が2週間以上投与されていますが改善がみられません.ASTとしてどのようなアドバイスが妥当でしょうか?(谷口俊文)
 10 TDM(治療薬物モニタリング)の実施率を上げるための工夫について教えてください(酒井義朗)
 11 アンチバイオグラム作成や活用の際の注意点を教えてください(佐藤智明)
 12 デ・エスカレーションを推奨してもあまり受け入れてもらえません.実施率を高める工夫があれば教えてください(谷口俊文)
 13 院内の分離菌サーベイランスを行う際の注意点と活用の際の工夫を教えてください(樫山誠也)
 14 血液培養の2セット率はどうすれば高められるでしょうか?(小倉 翔・荒岡秀樹)
 15 薬剤感受性検査に加えて耐性機序の検査も必要となるのはどのような場合でしょうか?(山本 剛)
 16 感染症の治療中にも培養検査は必要でしょうか? 実施するとすればどのタイミングがよいでしょうか?(小倉 翔・荒岡秀樹)
 17 微生物検査は外注なので検査結果の報告が遅れてしまいます.何か改善できる方法があれば教えてください(佐藤智明)
 18 看護師が特に注意すべき患者の観察項目を教えてください.また,ASTに伝達すべきなのはどのような場合でしょうか?(小野和代)
 19 臨床検査技師は患者の状況がわかりにくいのですが,検査の実施にあたり特に把握しておくべき患者情報があれば教えてください(園部一成)
 20 AST活動においてAMR対策アクションプランはどのように参考にすればよいのでしょうか?(松本哲哉)

 索引

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【編者略歴】
松本哲哉【まつもとてつや】
 1987年 長崎大学医学部卒業
 同 年 長崎大学医学部附属病院第2内科入局
 1993年 長崎大学医学部大学院修了(臨床検査医学)
 同 年 東邦大学医学部微生物学講座助手
 2000年 米国ハーバード大学ブリガム&ウィメンズホスピタル,チャニング研究所(research fellow)
 2004年 東邦大学医学部微生物学講座講師
 2005年 東京医科大学微生物学講座主任教授
 2007年 東京医科大学病院感染制御部部長(2013年まで兼任)
 2016年 東京医科大学茨城医療センター感染制御部部長(2017年まで兼任)
 2018年 国際医療福祉大学医学部感染症学講座主任教授
 2020年 国際医療福祉大学成田病院感染制御部部長(兼任)
     現在に至る 医学博士

北原隆志【きたはらたかし】
 1991年 長崎大学薬学部卒業
 1993年 長崎大学大学院薬学研究科博士前期課程修了
 1993年 製薬企業中央研究所代謝研究部
 1998年 長崎大学医学部附属病院薬剤部
 2007年 長崎大学医学部・歯学部附属病院薬剤部副薬剤部長
 2011年 長崎大学病院薬剤部准教授・副薬剤部長
 2018年 山口大学大学院医学系研究科臨床薬理学講座教授
     山口大学医学部附属病院薬剤部長
     現在に至る 薬学博士

佐藤智明【さとうともあき】
 1982年 名古屋保健衛生大学衛生学部卒業
 1982年 東海大学医学部付属病院中央臨床検査部入職
 2001年 静岡県立静岡がんセンター感染症科
 2010年 山形大学医学部附属病院検査部技師長
 2014年 東京大学医学部附属病院感染制御部副技師長
 2018年 東京大学医学部附属病院検査部技師長
 2020年 国際医療福祉大学成田病院検査部技師長
     現在に至る

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松本哲哉・北原隆志・佐藤智明 編著/荒岡秀樹・小倉翔・小野和代・樫山誠也・川村英樹・酒井義朗・佐村優・園部一成・谷口俊文・長南正佳・中村造・丹羽隆・浜田幸宏・堀野哲也・前田真之・山田康一・山本剛・渡邊裕介 執筆