やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに
 近年,管理栄養士を取り巻く環境は大きく変化している.とりわけ,診療報酬改定に象徴される医療・介護制度の変化を背景に,専門性の高い栄養管理や多職種連携がこれまで以上に重視されるようになり,管理栄養士に求められる役割はますます広がっている.このような背景のもと,高度な知識と実践力を備えた専門管理栄養士への期待はいっそう高まっている.
 専門管理栄養士の認定試験では,症例報告の提出が課されており,受験者の専門的実践能力を評価する重要な要素の一つとなっている.症例報告では,症例の経過を記載するだけでなく,栄養評価,課題の抽出,介入の根拠,栄養管理の成果とその考察を論理的に整理し,自らの臨床実践を適切に表現することが求められる.しかし,豊富な臨床経験を有していても,それらを評価者に的確に伝わる文章としてまとめることに,むずかしさを感じる受験者は少なくない.
 本別冊では,まずPart1で認定試験における症例報告作成の考え方や症例のまとめ方,陥りやすい誤りや記載時の留意点について解説する.そして,Part2では,摂食嚥下リハビリテーション,がん,腎臓病,糖尿病,在宅の各専門領域で活躍する専門管理栄養士が,それぞれの実践経験を踏まえて執筆した症例報告例を提示する.
 症例報告作成は認定試験のためだけではなく,自身の実践を客観的に振り返り,専門職としての思考を深める貴重な機会でもある.そして,専門管理栄養士制度は,認定取得をゴールとするものではなく,その後も専門性を磨き続けるための出発点である.本別冊が専門管理栄養士認定試験に臨む読者の一助となるとともに,日々の臨床実践を見つめ直し,専門性のさらなる向上につながる契機となれば幸いである.
 編者を代表して 園井みか
 はじめに
Part 1 症例報告の書き方を知ろう
 (園井みか)
 そもそもなぜ症例報告を書く必要があるの?
 症例選びのポイント
 どこに何を書く? お作法を学ぼう
 資料 栄養診断コード一覧
Part 2 症例報告実例集
 摂食嚥下リハビリテーション領域
  No.1(大沢優也(済生会横浜市東部病院))
  No.2(森山大介(中部ろうさい病院))
  No.3(豊島瑞枝(NTT東日本関東病院))
  No.4(松本英子(中谷外科病院))
  No.5(木村麻美子(衣笠病院))
  No.6(粟田麻友(世田谷記念病院))
  No.7(榊 真理子(公立黒川病院))
  No.8(篠田真美(九州大学大学院歯学府))
  No.9(小島三枝(楓林花の里))
  No.10(尾関麻衣子(日本歯科大学 口腔リハビリテーション多摩クリニック))
  No.11(工藤美香(駒沢女子大学))
  No.12(園井みか(ノートルダム清心女子大学))
 がん領域
  No.13(長尾晶子(広島大学病院))
  No.14(北岡陸男(香川大学医学部附属病院))
  No.15(斎野容子(がん研究会有明病院))
  No.16(松本史織(愛生会山科病院))
 腎臓病領域
  No.17(徳丸季聡(金沢大学附属病院))
  No.18(安原みずほ(島根大学医学部附属病院))
 糖尿病領域
  No.19(幣憲一郎(東北大学病院))
  No.20(高橋徳江(しみず内科クリニック/聖徳大学/順天堂大学))
 在宅領域
  No.21(熊谷琴美(愛知学院大学))
  No.22(髙田千春(衣笠病院))

 Note
  1 ちょっと覗いてみよう!専門管理栄養士の資格を得るまで(1) 摂食嚥下リハビリ栄養専門管理栄養士になるには(小城明子)
  2 ちょっと覗いてみよう!専門管理栄養士の資格を得るまで(2) 初心者研修・専門研修のエッセンス(江頭文江)
  3 もう一段上をめざす人に…私にも書ける? 専門誌への症例報告の書き方(園井みか)