第4版改訂にあたって
周術期における看護(perioperative nursing)は,患者の生命とQOL(quality of life)を左右するきわめて重要な専門的実践です.医療技術の進展と多様化する医療ニーズに対応するためには,科学的根拠に基づいた判断と,個別性に配慮したケアの統合が必要不可欠となります.本書は,こうした複雑化する周術期医療において,看護職が果たすべき役割を実践的かつ理論的に整理し,理解と応用を促進することを目的としています.
第4版改訂では,腹腔鏡・胸腔鏡を用いた鏡視下手術に加え,今後さらに普及が予測されるロボット支援手術に対応した看護のあり方についても最新の知見に基づいて加筆しました.従来の開腹・開胸手術と比較しながら,それぞれの術式における看護の共通点と相違点を明示し,多様な臨床状況に対応できる知識と判断力の強化を目指しています.
また,本書は周術期における患者の経時的な変化に着目し,時間軸に沿って必要となる看護支援を体系的に提示しています.外来受診時から始まる周術期管理チームにおける看護を「術前編(旧第1巻)」,術中・術後の生体反応に着目した術後急性期の看護を「術中・術後編(旧第2巻)」として示し,連続するプロセスのなかで看護師がどのように関与し,どのような臨床推論を行うべきかについても,多角的に解説を加えました.加えて,「消化器編(旧3巻)」,「脳神経編(4巻)」,「運動器編(5巻)」などの主要疾患別の巻では,各疾患に特有のリスクや支援のポイントにも焦点を当て,より実践的な判断ができる構成となっています.
本書の執筆にあたっては,手術室,集中治療室,一般病棟など多様な臨床現場で活躍する熟練看護師,ならびに看護学教育に携わる大学教員が連携し,現場の実際と教育的視点の両立を図りました.写真やビデオ映像を導入した解説や,事例による看護過程の展開,図表の提示など,分かりやすさに留意しつつ,根拠に基づく看護(evidence-based nursing;EBN)の観点から,各種ガイドラインや最新文献の情報を反映させて,内容の妥当性と信頼性を高めています.
看護師や臨床実習中の看護学生は,患者の生理的・心理的変化を鋭く観察し,刻々と変化する状態に即応する高度な臨床判断力を求められます.加えて,患者の価値観や意思を尊重しつつ,専門職としての責任をまっとうする姿勢も不可欠です.本書が,そのような専門職としての看護実践を支える基盤となり,読者一人ひとりの思考と判断を深める一助となれば幸いです.
竹内登美子
はじめに 初版の序
本書は主に,看護学生や新人ナースを対象としてまとめたものです.読者の方々が,講義や演習などで得た既存の知識を復習・整理することを助け,看護実践(看護学実習)に活かすことができる実践的テキストとして企画しました.
従来の成人看護学「外科系」や「急性期」,臨床外科看護学などの類書といえますが,周手術期看護 perioperative nursing,すなわち患者が手術療法を選択するか否かに関する看護から,「手術前・中・後の看護」に焦点をあて,退院するまでの一連のプロセスに関わる看護までを整理しました.
シリーズ1は外来/病棟における術前看護,シリーズ2は術中/術後の生体反応と急性期看護,シリーズ3は開腹術/腹腔鏡下手術を受ける患者の看護です.これらに共通していることは,頻度の高い幽門側胃亜全摘出術を受ける患者の看護を中心に記述しながら,噴門側手術の場合や,食道あるいは大腸手術,腹腔鏡下手術,開胸手術の場合などと比較検討して知識を広げていけるように構成した点です.麻酔に関する知識についても同様で,全身麻酔と硬膜外麻酔下で手術を受ける患者の看護を中心に学びながら,脊椎麻酔の場合との違いが理解できるように構成されています.
特に,「手術を受ける患者と家族の心理を理解するための看護の要点」,「手術療法の理解と看護実践に必要な解剖・生理学の知識」,「術後合併症予防のための看護技術と指導」に力点をおいています.これらは,周手術期看護の基礎ともいえる必須概念と技術だからです.そしてその際,現在の医療・看護に応じた最新の知見を盛り込んで記述するように努めました.
その他の特徴としては,章の内容を適切に理解する助けとして学習目標objectivesを明示したこと,図表やイラストを多くしてビジュアルな紙面としたこと,知識の整理を促進するために看護過程の展開例を入れたこと,各章に適宜Q & AやPLUS ONEとしてコラムを入れ,追加情報や知識の補足をしたことなどがあげられます.
学生や新人ナースの多くは,手術を受けた患者を適切にイメージすることができず,看護援助が患者の回復の後追いになってしまったり,既存の知識を統合することができず,観察したことを看護に結びつけてアセスメントすることができなかったりするものです.しかし,幾つかのヒントを与えたり,幾つかの参考書を提示すれば,自ら答えを導き出してくることが多いのも事実です.臨床で実習指導や新人ナースの指導を担当しているナースの方々と,看護教員養成課程および看護大学の教員で執筆された本書が,そのような折に有用な手引きとしてお役に立てば幸いです.
竹内登美子
周術期における看護(perioperative nursing)は,患者の生命とQOL(quality of life)を左右するきわめて重要な専門的実践です.医療技術の進展と多様化する医療ニーズに対応するためには,科学的根拠に基づいた判断と,個別性に配慮したケアの統合が必要不可欠となります.本書は,こうした複雑化する周術期医療において,看護職が果たすべき役割を実践的かつ理論的に整理し,理解と応用を促進することを目的としています.
第4版改訂では,腹腔鏡・胸腔鏡を用いた鏡視下手術に加え,今後さらに普及が予測されるロボット支援手術に対応した看護のあり方についても最新の知見に基づいて加筆しました.従来の開腹・開胸手術と比較しながら,それぞれの術式における看護の共通点と相違点を明示し,多様な臨床状況に対応できる知識と判断力の強化を目指しています.
また,本書は周術期における患者の経時的な変化に着目し,時間軸に沿って必要となる看護支援を体系的に提示しています.外来受診時から始まる周術期管理チームにおける看護を「術前編(旧第1巻)」,術中・術後の生体反応に着目した術後急性期の看護を「術中・術後編(旧第2巻)」として示し,連続するプロセスのなかで看護師がどのように関与し,どのような臨床推論を行うべきかについても,多角的に解説を加えました.加えて,「消化器編(旧3巻)」,「脳神経編(4巻)」,「運動器編(5巻)」などの主要疾患別の巻では,各疾患に特有のリスクや支援のポイントにも焦点を当て,より実践的な判断ができる構成となっています.
本書の執筆にあたっては,手術室,集中治療室,一般病棟など多様な臨床現場で活躍する熟練看護師,ならびに看護学教育に携わる大学教員が連携し,現場の実際と教育的視点の両立を図りました.写真やビデオ映像を導入した解説や,事例による看護過程の展開,図表の提示など,分かりやすさに留意しつつ,根拠に基づく看護(evidence-based nursing;EBN)の観点から,各種ガイドラインや最新文献の情報を反映させて,内容の妥当性と信頼性を高めています.
看護師や臨床実習中の看護学生は,患者の生理的・心理的変化を鋭く観察し,刻々と変化する状態に即応する高度な臨床判断力を求められます.加えて,患者の価値観や意思を尊重しつつ,専門職としての責任をまっとうする姿勢も不可欠です.本書が,そのような専門職としての看護実践を支える基盤となり,読者一人ひとりの思考と判断を深める一助となれば幸いです.
竹内登美子
はじめに 初版の序
本書は主に,看護学生や新人ナースを対象としてまとめたものです.読者の方々が,講義や演習などで得た既存の知識を復習・整理することを助け,看護実践(看護学実習)に活かすことができる実践的テキストとして企画しました.
従来の成人看護学「外科系」や「急性期」,臨床外科看護学などの類書といえますが,周手術期看護 perioperative nursing,すなわち患者が手術療法を選択するか否かに関する看護から,「手術前・中・後の看護」に焦点をあて,退院するまでの一連のプロセスに関わる看護までを整理しました.
シリーズ1は外来/病棟における術前看護,シリーズ2は術中/術後の生体反応と急性期看護,シリーズ3は開腹術/腹腔鏡下手術を受ける患者の看護です.これらに共通していることは,頻度の高い幽門側胃亜全摘出術を受ける患者の看護を中心に記述しながら,噴門側手術の場合や,食道あるいは大腸手術,腹腔鏡下手術,開胸手術の場合などと比較検討して知識を広げていけるように構成した点です.麻酔に関する知識についても同様で,全身麻酔と硬膜外麻酔下で手術を受ける患者の看護を中心に学びながら,脊椎麻酔の場合との違いが理解できるように構成されています.
特に,「手術を受ける患者と家族の心理を理解するための看護の要点」,「手術療法の理解と看護実践に必要な解剖・生理学の知識」,「術後合併症予防のための看護技術と指導」に力点をおいています.これらは,周手術期看護の基礎ともいえる必須概念と技術だからです.そしてその際,現在の医療・看護に応じた最新の知見を盛り込んで記述するように努めました.
その他の特徴としては,章の内容を適切に理解する助けとして学習目標objectivesを明示したこと,図表やイラストを多くしてビジュアルな紙面としたこと,知識の整理を促進するために看護過程の展開例を入れたこと,各章に適宜Q & AやPLUS ONEとしてコラムを入れ,追加情報や知識の補足をしたことなどがあげられます.
学生や新人ナースの多くは,手術を受けた患者を適切にイメージすることができず,看護援助が患者の回復の後追いになってしまったり,既存の知識を統合することができず,観察したことを看護に結びつけてアセスメントすることができなかったりするものです.しかし,幾つかのヒントを与えたり,幾つかの参考書を提示すれば,自ら答えを導き出してくることが多いのも事実です.臨床で実習指導や新人ナースの指導を担当しているナースの方々と,看護教員養成課程および看護大学の教員で執筆された本書が,そのような折に有用な手引きとしてお役に立てば幸いです.
竹内登美子
第1章 手術室における看護
1 手術室の環境とベッド周囲機器
(1)手術室内の環境(竹内登美子・後藤紀久)
(1)手術室内の環境
A 清潔・不潔区域と作業動線
B 室温と湿度調整
C 空気調整
D 照明
E 電源の設置
F 面積
(2)麻酔器・生体モニター類(竹内登美子・志賀由美・阿部瑞恵・大屋恵)
(1)血圧モニター
A 動脈圧モニター
目的
測定項目
算出値
a.非観血的血圧モニタリング;間接法
一般的な名称
目的
方法
注意点
b.観血的血圧モニタリング;直接法
一般的な名称
目的
観血的血圧モニタリングの構成
注意点
波形からわかること
PLUS ONE
動脈圧における観血的血圧測定値と非観血的血圧測定値の一般的な関係
B 中心静脈圧(CVP)モニター
目的
基準値
方法
注意点
CVP波形からわかること
(2)パルスオキシメーター
目的
方法
注意点
パルスオキシメーターからわかること
PLUS ONE
中心静脈圧の圧力トランスデューサーによる測定値と,水柱による測定値との関係
(3)体温モニター
目的
方法
(4)その他のモニター
A 血行動態モニタリング
B 呼気終末二酸化炭素モニタリング(カプノメーター)
C 麻酔ガスモニタリング
PLUS ONE
麻酔深度の判定とBISモニター
D 筋弛緩モニタリング
PLUS ONE
麻酔器のおもな構成と機能
(3)その他のベッド周囲機器(阿部瑞恵・大屋恵)
(1)電気メス,超音波メス
(2)除細動器
(3)間欠的空気圧迫装置(フットポンプ)
(4)吸引器
(5)出血量測定に用いる重量計
(6)温風式加温装置
2 感染予防策
(1)標準予防策(スタンダードプリコーション)とは(松井弘美)
(2)手術部位感染(SSI)の予防策(松井弘美)
(1)強く推奨されている予防策
除毛
手洗いと環境・器具
予防抗菌薬投与と消毒
患者管理
(2)推奨されている予防策
患者の管理
除毛
手洗いと環境・器具
(3)提言されている予防策
手洗いと環境・器具
患者管理
教育
(3)滅菌手術衣着用時のガウンテクニック(後藤紀久)
(1)オープン法とクローズド法
ガウンテクニックの動画QRコード
(2)滅菌手袋の装着
3 手術室看護師の役割(竹口将志)
術前の看護実践
術中の看護実践
術後の看護実践
(1)外回り看護師の役割
(2)器械出し看護師の役割
PLUS ONE
全身麻酔下手術における多職種の役割(竹内登美子)
4 患者入室時の安全・安心に関する看護(桒子嘉美・後藤紀久)
(1)手術室到着から手術台への移動までの看護
(1)手術室到着時の看護(挨拶と誤認予防)
(2)手術部屋への移動と入室時の看護
(3)手術台への移動時の看護
(2)麻酔導入前の安全確認(サインイン)
5 麻酔導入時の看護
(1)麻酔とは(竹内登美子・後藤紀久)
麻酔とは
麻酔の3A
(1)吸入麻酔
A おもな吸入麻酔薬
B おもな筋弛緩薬
全身麻酔(吸入麻酔)法で手術を受ける患者への筋弛緩薬使用の目的
筋弛緩薬の種類と特徴
筋弛緩薬使用時の注意点
(2)静脈麻酔
おもな静脈麻酔薬
(3)ニューロレプト麻酔(NLA)
(4)完全静脈麻酔(TIVA)
(2)全身麻酔導入時の看護(竹内登美子・後藤紀久・竹口将志)
(1)全身麻酔導入の種類
A 急速導入
B 緩徐導入
(2)経口的気管挿管時の看護
気道の形態と気管チューブの選択
気管挿管の方法
気管挿管時の患者の観察
PLUS ONE
気道確保の方法(一次救命,二次救命)
(3)全身麻酔導入時の看護の要点
麻酔導入時の看護
(3)局所麻酔法の種類と特徴(竹内登美子・後藤紀久)
(1)脊髄クモ膜下麻酔法
穿刺部位と体位
麻酔薬の広がりと症状
術中合併症とその看護
(2)硬膜外麻酔法
穿刺部位と体位
麻酔薬の広がりと症状
術中合併症とその看護
PLUS ONE
脊髄クモ膜下麻酔と硬膜外麻酔の術後合併症
タイムアウト
胃内容物の逆流を防ぐ輪状軟骨圧迫法
6 手術体位と看護上の注意点
(1)体位が呼吸器系や循環器系に及ぼす影響(竹内登美子)
(1)体位が呼吸器系に及ぼす影響
A 仰臥位
B 腹臥位
C 側臥位
(2)体位が循環器系に及ぼす影響
A 仰臥位
B 腹臥位
C 側臥位
(2)おもな手術体位のとり方と看護上の注意点(竹内登美子・竹口将志・桒子嘉美)
(1)基本的体位
A 仰臥位
腕神経叢麻痺の予防
橈骨神経麻痺,尺骨神経麻痺の予防
腓骨神経麻痺の予防
後頭部,体幹部,踵部の循環障害の予防
静脈血栓塞栓症(VTE)の予防
腰痛の予防
B 側臥位
腕神経叢麻痺の予防
腓骨神経麻痺の予防
頭部,大転子部の循環障害の予防
C 腹臥位
頭部の圧迫予防
腕神経叢麻痺,尺骨神経麻痺の予防
膝部の褥瘡予防と腓骨神経麻痺の予防
胸部,腹部の褥瘡予防と圧迫予防
D 砕石位
坐骨神経麻痺の予防
腓骨神経麻痺の予防
下肢コンパートメント症候群
仙骨部の褥瘡予防
(2)腹腔鏡下胃切除術の体位のとり方と注意点
A 手術台の準備
B 開脚位の体位固定
C 中枢温(体温)の加温・保温
(3)胸腔鏡下肺切除術の体位のとり方と注意点
A 皮膚障害と対策
B 末梢神経障害と対策
C 呼吸器系への影響と対策
D 循環器系への影響と対策
(4)ロボット支援腹腔鏡下手術の体位のとり方と注意点
安全管理とチーム連携の重要性
A 皮膚障害の予防
B 神経障害の予防
(3)術中の観察と全身の除圧法(竹口将志・桒子嘉美・竹内登美子)
PLUS ONE
手術時の体位固定におけるチームとは
術中患者の褥瘡発生要因
7 術中の異常時の対処(竹内登美子・後藤紀久)
(1)体温の異常
(1)体温低下
原因と生体への影響
体温低下に対する看護
(2)発熱と悪性高熱症
原因と生体への影響
悪性高熱症に対する処置
(2)血圧の異常
(1)血圧低下
原因と生体への影響
血圧低下に対する処置
(2)血圧上昇
原因と生体への影響
血圧上昇に対する処置
PLUS ONE
手術中の出血量の測定
(3)尿量の減少
原因と生体への影響
尿量減少に対する処置
(4)アナフィラキシーとアナフィラキシーショック
(1)周術期におけるアナフィラキシーの発症
(2)アナフィラキシーの診断基準と術中における注意点
(3)アナフィラキシーの予防
(4)手術室におけるアナフィラキシーショックの治療
8 覚醒・抜管から退室時までの看護(竹口将志)
(1)手術終了から抜管までの流れ
(2)抜管時の看護
(1)気管内・口腔内吸引の補助
(2)カフの脱気と抜管の補助
(3)抜管後の異常
気道閉塞・狭窄
嘔吐・誤嚥性肺炎
血圧上昇・急な体動
(4)抜管後の看護
(5)退室に向けた看護
(6)病棟看護師への引き継ぎ
(1)病棟看護師への情報共有
(2)引き継ぎ・搬送時の留意点
PLUS ONE
シバリング(ふるえ)
第2章 術中の看護過程の展開
1 腹腔鏡下幽門側胃切除術を受ける患者の術中の看護過程
(1)事例紹介(阿部瑞恵)
(1)患者の基本情報
(2)術前訪問と看護課題
高血圧
脊椎変形
装着物
術後疼痛への不安
(3)術中経過
(2)看護計画・看護実践の評価(手術室)(竹口将志)
第3章 手術および麻酔侵襲と生体反応
(竹内登美子)
1 恒常性を保つための生体反応
(1)神経・内分泌系反応
PLUS ONE
サードスペースの概念の見直しと術中・術後の輸液
(1)視床下部・下垂体・副腎・交感神経系
A 視床下部・交感神経・副腎髄質系
B 視床下部・下垂体・副腎皮質系
C 視床下部・下垂体系
(2)腎・副腎皮質系
(3)膵島系
(2)サイトカインによる炎症・免疫反応
PLUS ONE
全身性炎症反応症候群(SIRS)とは
(3)損傷の修復に関する代謝系反応
(1)糖代謝
(2)脂質・蛋白代謝
(4)Mooreの分類による術後の回復過程
PLUS ONE
胃癌術後の生存率と術後フォローアップ
第4章 術後看護の知識と技術
1 術後の全身管理
(1)術後の全身管理の基本的な考え方(竹内登美子)
(2)帰室直後から術後2時間までの患者の看護(前坪瑠美子・竹内登美子・志賀由美)
(1)帰室直後の患者に行うこと
(2)帰室後,患者の状態をひと通り確認した後,上記に加えて行うこと
PLUS ONE
合成皮膚接着剤
深部静脈血栓症(DVT),肺血栓塞栓症(PTE),および静脈血栓塞栓症(VTE)
(3)術後管理に必要な知識と技術(竹内登美子・前坪瑠美子・志賀由美)
(1)水分出納モニタリング
目的
方法
(2)3点誘導心電図モニター(ECG):無線式
方法
特徴
装着にあたっての患者への説明例
(3)疼痛管理
疼痛の定義
疼痛の影響
疼痛の特性
A 術後の疼痛管理
a.先制鎮痛法
B 一般的な術後疼痛管理方法
a.硬膜外持続注入(オピオイドと局所麻酔薬の組み合わせ)
b.経直腸,静脈内投与
c.患者自己調節鎮痛法(PCA)
d.内服投与
C 看護師の対応
目的
方法
(4)血液・尿検査
A 血液検査
a.全血球算定(CBC)
b.血液凝固能,線溶系
c.C反応性蛋白(CRP)
B 血液化学検査
C 尿一般検査
方法
PLUS ONE
術後の尿色調の変化
(5)胸部・腹部X線検査
(4)手術室看護師による術後訪問(竹口将志)
PLUS ONE
放射線の基礎知識(志賀由美)
外部被ばく低減の三原則:遮蔽 距離 時間のコントロール(志賀由美)
術後疼痛管理チーム(阿部瑞恵)
2 術後合併症の予防に関する看護
(1)循環器系合併症と看護(前坪瑠美子・竹内登美子・志賀由美)
(1)循環血液量減少と血圧低下およびショックの考え方
循環血液量減少
血圧の変化の考え方
ショックの発生の考え方
ショックの基本的な症状
ショックにつながる症状の観察ポイント
看護のポイント
(2)不整脈
看護のポイント
(3)術後のショック
A 出血性ショック
B 心原性ショック
C 敗血症性ショック
(4)血栓症
原因
リスクファクター
症状・看護
(2)呼吸器系合併症と看護(竹内登美子)
(1)無気肺,肺炎
原因
症状
治療および看護
PLUS ONE
肺葉と気管支分節から考える肺音の聴診
(3)消化器系合併症と看護(竹内登美子)
(1)縫合不全
原因
症状
治療・看護
(2)腸閉塞症とイレウス
定義
原因
症状
治療・看護
(4)泌尿器系合併症と看護(志賀由美・竹内登美子)
(1)泌尿器系合併症の発生
A 膀胱留置カテーテル挿入中
B 膀胱留置カテーテル抜去後
PLUS ONE
泌尿器系合併症に関する用語の定義
(2)泌尿器系合併症と看護
A 循環血液量不足による尿量減少
B カテーテル閉鎖による尿量減少
C 術式による排尿障害
D 麻酔による排尿障害
E 心因性の排尿障害
F 尿路感染
(5)術後せん妄と看護(竹内登美子)
(1)せん妄の診断基準と術後せん妄
(2)術後せん妄の発症率
(3)せん妄の発症要因と促進要因
A 生理学的要因
B 心理学的要因と社会学的要因
C 個人的要因
(4)せん妄の種類と症状
A 過活動型
B 低活動型
C 活動水準混合型
(5)せん妄のスクリーニング法
(6)術後せん妄を予防する看護
A 術前の全身状態の観察と看護
B 術中の看護
C 術後の看護
(7)術後せん妄を発症した患者に対する看護
A 不穏・興奮,幻覚・幻聴に対する薬物
B 不眠に対する薬物
C 不安,抑うつ状態に対する薬物
PLUS ONE
直視下手術と鏡視下手術の術後合併症(竹内登美子)
乳房切除術後の合併症とセルフケア支援(比嘉肖江)
第5章 術後急性期における看護過程の展開
(寺内英真)
1 腹腔鏡下幽門側胃切除術を受けた患者の術後の看護過程
(1)事例紹介
(1)術後指示
(2)術後の経過
(2)アセスメント
(3)看護診断と目標
(4)看護方法と評価
索引
1 手術室の環境とベッド周囲機器
(1)手術室内の環境(竹内登美子・後藤紀久)
(1)手術室内の環境
A 清潔・不潔区域と作業動線
B 室温と湿度調整
C 空気調整
D 照明
E 電源の設置
F 面積
(2)麻酔器・生体モニター類(竹内登美子・志賀由美・阿部瑞恵・大屋恵)
(1)血圧モニター
A 動脈圧モニター
目的
測定項目
算出値
a.非観血的血圧モニタリング;間接法
一般的な名称
目的
方法
注意点
b.観血的血圧モニタリング;直接法
一般的な名称
目的
観血的血圧モニタリングの構成
注意点
波形からわかること
PLUS ONE
動脈圧における観血的血圧測定値と非観血的血圧測定値の一般的な関係
B 中心静脈圧(CVP)モニター
目的
基準値
方法
注意点
CVP波形からわかること
(2)パルスオキシメーター
目的
方法
注意点
パルスオキシメーターからわかること
PLUS ONE
中心静脈圧の圧力トランスデューサーによる測定値と,水柱による測定値との関係
(3)体温モニター
目的
方法
(4)その他のモニター
A 血行動態モニタリング
B 呼気終末二酸化炭素モニタリング(カプノメーター)
C 麻酔ガスモニタリング
PLUS ONE
麻酔深度の判定とBISモニター
D 筋弛緩モニタリング
PLUS ONE
麻酔器のおもな構成と機能
(3)その他のベッド周囲機器(阿部瑞恵・大屋恵)
(1)電気メス,超音波メス
(2)除細動器
(3)間欠的空気圧迫装置(フットポンプ)
(4)吸引器
(5)出血量測定に用いる重量計
(6)温風式加温装置
2 感染予防策
(1)標準予防策(スタンダードプリコーション)とは(松井弘美)
(2)手術部位感染(SSI)の予防策(松井弘美)
(1)強く推奨されている予防策
除毛
手洗いと環境・器具
予防抗菌薬投与と消毒
患者管理
(2)推奨されている予防策
患者の管理
除毛
手洗いと環境・器具
(3)提言されている予防策
手洗いと環境・器具
患者管理
教育
(3)滅菌手術衣着用時のガウンテクニック(後藤紀久)
(1)オープン法とクローズド法
ガウンテクニックの動画QRコード
(2)滅菌手袋の装着
3 手術室看護師の役割(竹口将志)
術前の看護実践
術中の看護実践
術後の看護実践
(1)外回り看護師の役割
(2)器械出し看護師の役割
PLUS ONE
全身麻酔下手術における多職種の役割(竹内登美子)
4 患者入室時の安全・安心に関する看護(桒子嘉美・後藤紀久)
(1)手術室到着から手術台への移動までの看護
(1)手術室到着時の看護(挨拶と誤認予防)
(2)手術部屋への移動と入室時の看護
(3)手術台への移動時の看護
(2)麻酔導入前の安全確認(サインイン)
5 麻酔導入時の看護
(1)麻酔とは(竹内登美子・後藤紀久)
麻酔とは
麻酔の3A
(1)吸入麻酔
A おもな吸入麻酔薬
B おもな筋弛緩薬
全身麻酔(吸入麻酔)法で手術を受ける患者への筋弛緩薬使用の目的
筋弛緩薬の種類と特徴
筋弛緩薬使用時の注意点
(2)静脈麻酔
おもな静脈麻酔薬
(3)ニューロレプト麻酔(NLA)
(4)完全静脈麻酔(TIVA)
(2)全身麻酔導入時の看護(竹内登美子・後藤紀久・竹口将志)
(1)全身麻酔導入の種類
A 急速導入
B 緩徐導入
(2)経口的気管挿管時の看護
気道の形態と気管チューブの選択
気管挿管の方法
気管挿管時の患者の観察
PLUS ONE
気道確保の方法(一次救命,二次救命)
(3)全身麻酔導入時の看護の要点
麻酔導入時の看護
(3)局所麻酔法の種類と特徴(竹内登美子・後藤紀久)
(1)脊髄クモ膜下麻酔法
穿刺部位と体位
麻酔薬の広がりと症状
術中合併症とその看護
(2)硬膜外麻酔法
穿刺部位と体位
麻酔薬の広がりと症状
術中合併症とその看護
PLUS ONE
脊髄クモ膜下麻酔と硬膜外麻酔の術後合併症
タイムアウト
胃内容物の逆流を防ぐ輪状軟骨圧迫法
6 手術体位と看護上の注意点
(1)体位が呼吸器系や循環器系に及ぼす影響(竹内登美子)
(1)体位が呼吸器系に及ぼす影響
A 仰臥位
B 腹臥位
C 側臥位
(2)体位が循環器系に及ぼす影響
A 仰臥位
B 腹臥位
C 側臥位
(2)おもな手術体位のとり方と看護上の注意点(竹内登美子・竹口将志・桒子嘉美)
(1)基本的体位
A 仰臥位
腕神経叢麻痺の予防
橈骨神経麻痺,尺骨神経麻痺の予防
腓骨神経麻痺の予防
後頭部,体幹部,踵部の循環障害の予防
静脈血栓塞栓症(VTE)の予防
腰痛の予防
B 側臥位
腕神経叢麻痺の予防
腓骨神経麻痺の予防
頭部,大転子部の循環障害の予防
C 腹臥位
頭部の圧迫予防
腕神経叢麻痺,尺骨神経麻痺の予防
膝部の褥瘡予防と腓骨神経麻痺の予防
胸部,腹部の褥瘡予防と圧迫予防
D 砕石位
坐骨神経麻痺の予防
腓骨神経麻痺の予防
下肢コンパートメント症候群
仙骨部の褥瘡予防
(2)腹腔鏡下胃切除術の体位のとり方と注意点
A 手術台の準備
B 開脚位の体位固定
C 中枢温(体温)の加温・保温
(3)胸腔鏡下肺切除術の体位のとり方と注意点
A 皮膚障害と対策
B 末梢神経障害と対策
C 呼吸器系への影響と対策
D 循環器系への影響と対策
(4)ロボット支援腹腔鏡下手術の体位のとり方と注意点
安全管理とチーム連携の重要性
A 皮膚障害の予防
B 神経障害の予防
(3)術中の観察と全身の除圧法(竹口将志・桒子嘉美・竹内登美子)
PLUS ONE
手術時の体位固定におけるチームとは
術中患者の褥瘡発生要因
7 術中の異常時の対処(竹内登美子・後藤紀久)
(1)体温の異常
(1)体温低下
原因と生体への影響
体温低下に対する看護
(2)発熱と悪性高熱症
原因と生体への影響
悪性高熱症に対する処置
(2)血圧の異常
(1)血圧低下
原因と生体への影響
血圧低下に対する処置
(2)血圧上昇
原因と生体への影響
血圧上昇に対する処置
PLUS ONE
手術中の出血量の測定
(3)尿量の減少
原因と生体への影響
尿量減少に対する処置
(4)アナフィラキシーとアナフィラキシーショック
(1)周術期におけるアナフィラキシーの発症
(2)アナフィラキシーの診断基準と術中における注意点
(3)アナフィラキシーの予防
(4)手術室におけるアナフィラキシーショックの治療
8 覚醒・抜管から退室時までの看護(竹口将志)
(1)手術終了から抜管までの流れ
(2)抜管時の看護
(1)気管内・口腔内吸引の補助
(2)カフの脱気と抜管の補助
(3)抜管後の異常
気道閉塞・狭窄
嘔吐・誤嚥性肺炎
血圧上昇・急な体動
(4)抜管後の看護
(5)退室に向けた看護
(6)病棟看護師への引き継ぎ
(1)病棟看護師への情報共有
(2)引き継ぎ・搬送時の留意点
PLUS ONE
シバリング(ふるえ)
第2章 術中の看護過程の展開
1 腹腔鏡下幽門側胃切除術を受ける患者の術中の看護過程
(1)事例紹介(阿部瑞恵)
(1)患者の基本情報
(2)術前訪問と看護課題
高血圧
脊椎変形
装着物
術後疼痛への不安
(3)術中経過
(2)看護計画・看護実践の評価(手術室)(竹口将志)
第3章 手術および麻酔侵襲と生体反応
(竹内登美子)
1 恒常性を保つための生体反応
(1)神経・内分泌系反応
PLUS ONE
サードスペースの概念の見直しと術中・術後の輸液
(1)視床下部・下垂体・副腎・交感神経系
A 視床下部・交感神経・副腎髄質系
B 視床下部・下垂体・副腎皮質系
C 視床下部・下垂体系
(2)腎・副腎皮質系
(3)膵島系
(2)サイトカインによる炎症・免疫反応
PLUS ONE
全身性炎症反応症候群(SIRS)とは
(3)損傷の修復に関する代謝系反応
(1)糖代謝
(2)脂質・蛋白代謝
(4)Mooreの分類による術後の回復過程
PLUS ONE
胃癌術後の生存率と術後フォローアップ
第4章 術後看護の知識と技術
1 術後の全身管理
(1)術後の全身管理の基本的な考え方(竹内登美子)
(2)帰室直後から術後2時間までの患者の看護(前坪瑠美子・竹内登美子・志賀由美)
(1)帰室直後の患者に行うこと
(2)帰室後,患者の状態をひと通り確認した後,上記に加えて行うこと
PLUS ONE
合成皮膚接着剤
深部静脈血栓症(DVT),肺血栓塞栓症(PTE),および静脈血栓塞栓症(VTE)
(3)術後管理に必要な知識と技術(竹内登美子・前坪瑠美子・志賀由美)
(1)水分出納モニタリング
目的
方法
(2)3点誘導心電図モニター(ECG):無線式
方法
特徴
装着にあたっての患者への説明例
(3)疼痛管理
疼痛の定義
疼痛の影響
疼痛の特性
A 術後の疼痛管理
a.先制鎮痛法
B 一般的な術後疼痛管理方法
a.硬膜外持続注入(オピオイドと局所麻酔薬の組み合わせ)
b.経直腸,静脈内投与
c.患者自己調節鎮痛法(PCA)
d.内服投与
C 看護師の対応
目的
方法
(4)血液・尿検査
A 血液検査
a.全血球算定(CBC)
b.血液凝固能,線溶系
c.C反応性蛋白(CRP)
B 血液化学検査
C 尿一般検査
方法
PLUS ONE
術後の尿色調の変化
(5)胸部・腹部X線検査
(4)手術室看護師による術後訪問(竹口将志)
PLUS ONE
放射線の基礎知識(志賀由美)
外部被ばく低減の三原則:遮蔽 距離 時間のコントロール(志賀由美)
術後疼痛管理チーム(阿部瑞恵)
2 術後合併症の予防に関する看護
(1)循環器系合併症と看護(前坪瑠美子・竹内登美子・志賀由美)
(1)循環血液量減少と血圧低下およびショックの考え方
循環血液量減少
血圧の変化の考え方
ショックの発生の考え方
ショックの基本的な症状
ショックにつながる症状の観察ポイント
看護のポイント
(2)不整脈
看護のポイント
(3)術後のショック
A 出血性ショック
B 心原性ショック
C 敗血症性ショック
(4)血栓症
原因
リスクファクター
症状・看護
(2)呼吸器系合併症と看護(竹内登美子)
(1)無気肺,肺炎
原因
症状
治療および看護
PLUS ONE
肺葉と気管支分節から考える肺音の聴診
(3)消化器系合併症と看護(竹内登美子)
(1)縫合不全
原因
症状
治療・看護
(2)腸閉塞症とイレウス
定義
原因
症状
治療・看護
(4)泌尿器系合併症と看護(志賀由美・竹内登美子)
(1)泌尿器系合併症の発生
A 膀胱留置カテーテル挿入中
B 膀胱留置カテーテル抜去後
PLUS ONE
泌尿器系合併症に関する用語の定義
(2)泌尿器系合併症と看護
A 循環血液量不足による尿量減少
B カテーテル閉鎖による尿量減少
C 術式による排尿障害
D 麻酔による排尿障害
E 心因性の排尿障害
F 尿路感染
(5)術後せん妄と看護(竹内登美子)
(1)せん妄の診断基準と術後せん妄
(2)術後せん妄の発症率
(3)せん妄の発症要因と促進要因
A 生理学的要因
B 心理学的要因と社会学的要因
C 個人的要因
(4)せん妄の種類と症状
A 過活動型
B 低活動型
C 活動水準混合型
(5)せん妄のスクリーニング法
(6)術後せん妄を予防する看護
A 術前の全身状態の観察と看護
B 術中の看護
C 術後の看護
(7)術後せん妄を発症した患者に対する看護
A 不穏・興奮,幻覚・幻聴に対する薬物
B 不眠に対する薬物
C 不安,抑うつ状態に対する薬物
PLUS ONE
直視下手術と鏡視下手術の術後合併症(竹内登美子)
乳房切除術後の合併症とセルフケア支援(比嘉肖江)
第5章 術後急性期における看護過程の展開
(寺内英真)
1 腹腔鏡下幽門側胃切除術を受けた患者の術後の看護過程
(1)事例紹介
(1)術後指示
(2)術後の経過
(2)アセスメント
(3)看護診断と目標
(4)看護方法と評価
索引














