改訂の序
近年の「硬組織研究」は想像以上のスピードで進展している.研究内容も形態学,細胞生物学,分子生物学,生理学,骨免疫学,内分泌学,整形外科学,老年病学,薬学,農学,栄養学,材料学など多岐にわたり,硬組織研究がライフサイエンスの共通言語で語られるようになった.30 年前には想像もできなかったことである.
本書の原型は1985 年,小澤英浩,須田立雄,髙橋榮明の3名の共同執筆によって刊行された『骨の科学』である.幸いにして,『骨の科学』は幅広い領域の研究者や学生諸兄から温かく迎えられて,骨代謝研究の定本となった.それから22 年が経過して,2007 年,前記3名に加えて,田中 栄(東京大学医学部教授,整形外科学),中村浩彰(松本歯科大学教授,硬組織疾患制御再建学),森 諭史(聖隷浜松病院,整形外科部長)の3氏を新たに執筆者に迎え,『新 骨の科学』が刊行された.『骨の科学』と『新 骨の科学』に一貫して重視された編集方針は,(1)骨に係わるあらゆる生命現象を幅広くカバーすること,(2)骨の基礎研究と臨床研究が混然一体となるようなテキストにすること,(3)読み物としても魅力のあるテキストにすること,の3点であった.『新 骨の科学』も『骨の科学』同様,幅広い領域の読者から温かく迎えられ,一般書籍ならばベストセラーの仲間入りをする部数を販売することができたと聞いている.
『新 骨の科学』も刊行以来8年が経過した.この間の硬組織研究の発展は凄まじく,本書を引き続き刊行するためには大幅な改訂作業が必要となった.2015 年2月,小澤英浩,須田立雄,髙橋榮明の3名が集まり,『新 骨の科学』の全面的な改訂を行うことが話し合われた.合意された改訂方針は次の通りである.
1.改訂版のタイトルは『新 骨の科学 第2版』とする.
2.『新 骨の科学 第2版』は,『骨の科学』と『新 骨の科学』の編集方針を堅持しながら,できるだけ新知見を盛り込むために,新たに,高橋直之(松本歯科大学教授 硬組織疾患制御再建学),網塚憲生(北海道大学歯学部教授,解剖学),遠藤直人(新潟大学医学部教授,整形外科学),竹澤保政(歯科医師,京都市開業)の4氏を執筆者に加える.また,第3章「骨と歯の形づくりの分子メカニズム」の章をbrushするために, 大峡 淳(新潟大学歯学部教授,解剖学)と横瀬敏志(明海大学歯学部教授,歯科保存学)の両氏に協力を仰ぐ.
3.新たに,骨のイメージング(第2章),骨細胞の機能(第2章),骨と全身組織の相互作用(第9章),歯科用インプラントの基礎と臨床(第14 章),骨粗鬆症とロコモティブシンドローム(第16 章)の4章を全面改訂,あるいは追加執筆する.
骨のイメージングはこの数年の間に目覚ましい進歩を遂げた領域である.この章の追加執筆は網塚憲生氏にお願いする.一方,骨はこれまで末梢組織の一つと考えられていたが,近年の研究によって骨は内分泌器官としても働き,脳,神経,膵臓,筋肉などの全身組織との相互作用が注目されるようになった.これらの問題を扱う第9章は新しい章として高橋直之氏に執筆をお願いする.また,歯科医療の新しい技術として注目される「歯科用インプラント」の理解には骨の基礎知識の重要性が再認識されつつある.第14 章は歯科用インプラントを紹介する新しい章として,この分野の基礎研究と臨床研究に造詣の深い竹澤保政氏に執筆をお願いする.本書はこれまで歯学領域ではあまり多くの読者を獲得することができなかったが,第14 章を追加することにより,歯学関係者の多くの読者を獲得することが期待される.ロコモティブシンドローム(略称ロコモ)という概念は中村耕三博士(当時,整形外科学会理事長,現在,国立障害者リハビリテーションセンター総長)によって提唱された重要な概念である.高齢社会となった我が国の高齢者の健康維持を考える上で,ロコモはメタボリックシンドローム(メタボ)と並んで重要な概念となっている.第16 章は遠藤直人氏に「骨粗鬆症,ロコモティブシンドローム」と改題して,全面的な改訂をお願いした.
『新 骨の科学 第2版』は改訂前に比べてVolumeで20%(約40 頁)増加し,図版も1/3 以上が追加,あるいは新しい図版と入れ替わることになった.1年前の改訂時に考えていたよりも大幅な改訂となった.本書が新しい読者を掘り起し,幅広い領域の研究者や学生諸兄に読み継がれてゆくことを期待している.
2016 年5月1日
編著者 須田立雄
小澤英浩
髙橋榮明
序文
本書の原型ともいうべき前著『骨の科学』は,今を遡ること22 年前の1985 年に刊行された.当時,我が国では藤田拓男先生(神戸大学名誉教授)が中心になって日本骨代謝学会が創設(1983 年)されたばかりの頃で,高齢化社会の到来を予測して「骨」に関心を持つ研究者が急速に増加しつつある時代であった.骨の形態学,生化学,臨床医学(整形外科学)を専門分野としていた小澤英浩,須田立雄,髙橋榮明の3名の共同作業によって出版された前著は,幸いにして医学・歯学・薬学・理工学・農学・栄養学などの幅広い領域の研究者や学生諸兄から暖かく迎えられ,これまでに相当の部数を販売したと聞いている.一般書籍ならばベストセラーの仲間入りをする部数である.それは,前著が,(1)細胞レベルから組織レベルまで,骨の生命現象を幅広くカバーすることに努めたこと,(2)基礎医学的側面と臨床医学的側面が一つの書籍の中で渾然一体となるよう努めたこと,(3)「骨の生物学」についての全体像を一冊で把握することが可能となるように努めたこと,(4)骨と歯の研究のどちらにも精通している著者が執筆にあたったこと,(5)読み物としても魅力がある書物の作成に努めたこと,などの理由が挙げられると思われる.当時,類書がまったくなかったこともあり,前著は骨の研究の専門家ばかりでなく,骨の研究をこれから始めようとする初心者の方々の入門書としての役割も果たした.また,日本整形外科学会,日本リウマチ学会,日本内分泌学会,日本ビタミン学会,日本栄養・食糧学会,歯科基礎医学会の会員などの幅広い読者層からもご支持をいただいた.「骨」に関する書籍がこれほど広く愛読されたことは本書の刊行に携わってきた関係者の一人として大きな喜びであった.しかしながら,その後,形態学研究には各種の顕微鏡や組織化学などを用いた研究成果が次々と導入され,生化学研究には夥しい物量の遺伝子工学の知識と技術に基づく研究成果が加わり,前著をこのままの形で刊行することはできなくなり,本書を改訂することが各方面から要望されるようになった.
前著の改訂が最初に計画されたのは,8年前の1999 年のことである.最初,前著が幅広い読者層から支持されたこともあって,旧版の体裁と内容をそのままにして,新しい研究成果を盛り込むという単純な改訂作業を考えたが,改訂方針を詳しく話し合っていくうちにそれでは済まなくなってしまった.また,前著の3名の執筆者もそれなりに年齢を重ね,前著を作成した当時のような時間的余裕もなくなった.また,発売元である医歯薬出版においても改訂作業は難航した.そして,2004 年12 月,前著の3名の執筆者に加えて,田中 栄,中村浩彰,森 諭史の3氏を新たに執筆者に迎えて,合計6名で新しい書籍として『新 骨の科学』の刊行に取り掛かることになった.新しく執筆者に加わった田中 栄氏は昭和大学歯学部時代の私の研究仲間であり,東京大学の大学院生時代,前著に出会ったことが契機となって「骨の生物学」に興味をもつようになり,破骨細胞の研究を始めたと聞いている.また,中村浩彰氏,森 諭史氏はそれぞれ,小澤,髙橋両氏と信頼できる深い師弟関係にあると同時に研究仲間でもあり,阿吽の呼吸で意志の疎通がはかれる仲であったことも本書の発行を可能にした要因の一つである.
『新 骨の科学』の編集方針は,幅広い読者層から支持された上記に挙げたような前著の特徴と読み物としてのメリットを残しつつ,その後の20 年間に発見された重要な新知見をできるだけ多く取り込んで,初心者にも専門家にも魅力のある書物となるように努めた.また,書名に「科学」という言葉があるように,本書に取り上げる骨に関する基礎的・臨床的研究成果は一つひとつ厳格に検証され,「ライフサイエンス」の立場からも厳しい評価に耐えうるものだけを引用するように努めた.読者対象は,医学部・歯学部・薬学部などの大学院生や骨の研究者だけでなく,これから骨の研究を始めようと考えている人たちの興味にも耐えうるものとなるように努めた.つまり,本書の内容は最新の研究成果を細大漏らさず詳細に解説しようとするものではなく,骨という組織の全体像の把握と,骨の研究の今後の方向性を示唆できるようなものを目指したつもりである.
近年,いくつかの出版社から「骨」に関する初心者向けの解説書,最新の研究成果をやさしくまとめた特集などが数多く出版されている.『新 骨の科学』の評価を問う社会環境は『骨の科学』が出版された22 年前とは様変わりしている.そのような社会環境の変化を越えて,本書が骨の専門家からも,またこれから骨の研究を始めようとする初心者からも,また関連領域の研究者からも暖かく迎えられることを祈念している.終わりに,本書の編集業務に携わってくださった医歯薬出版編集部に深甚なる感謝の念を捧げる.
本書が,「骨」の理解の一助になれば,これに勝る喜びはない.
2007 年7 月1 日
編著者代表 須田立雄
近年の「硬組織研究」は想像以上のスピードで進展している.研究内容も形態学,細胞生物学,分子生物学,生理学,骨免疫学,内分泌学,整形外科学,老年病学,薬学,農学,栄養学,材料学など多岐にわたり,硬組織研究がライフサイエンスの共通言語で語られるようになった.30 年前には想像もできなかったことである.
本書の原型は1985 年,小澤英浩,須田立雄,髙橋榮明の3名の共同執筆によって刊行された『骨の科学』である.幸いにして,『骨の科学』は幅広い領域の研究者や学生諸兄から温かく迎えられて,骨代謝研究の定本となった.それから22 年が経過して,2007 年,前記3名に加えて,田中 栄(東京大学医学部教授,整形外科学),中村浩彰(松本歯科大学教授,硬組織疾患制御再建学),森 諭史(聖隷浜松病院,整形外科部長)の3氏を新たに執筆者に迎え,『新 骨の科学』が刊行された.『骨の科学』と『新 骨の科学』に一貫して重視された編集方針は,(1)骨に係わるあらゆる生命現象を幅広くカバーすること,(2)骨の基礎研究と臨床研究が混然一体となるようなテキストにすること,(3)読み物としても魅力のあるテキストにすること,の3点であった.『新 骨の科学』も『骨の科学』同様,幅広い領域の読者から温かく迎えられ,一般書籍ならばベストセラーの仲間入りをする部数を販売することができたと聞いている.
『新 骨の科学』も刊行以来8年が経過した.この間の硬組織研究の発展は凄まじく,本書を引き続き刊行するためには大幅な改訂作業が必要となった.2015 年2月,小澤英浩,須田立雄,髙橋榮明の3名が集まり,『新 骨の科学』の全面的な改訂を行うことが話し合われた.合意された改訂方針は次の通りである.
1.改訂版のタイトルは『新 骨の科学 第2版』とする.
2.『新 骨の科学 第2版』は,『骨の科学』と『新 骨の科学』の編集方針を堅持しながら,できるだけ新知見を盛り込むために,新たに,高橋直之(松本歯科大学教授 硬組織疾患制御再建学),網塚憲生(北海道大学歯学部教授,解剖学),遠藤直人(新潟大学医学部教授,整形外科学),竹澤保政(歯科医師,京都市開業)の4氏を執筆者に加える.また,第3章「骨と歯の形づくりの分子メカニズム」の章をbrushするために, 大峡 淳(新潟大学歯学部教授,解剖学)と横瀬敏志(明海大学歯学部教授,歯科保存学)の両氏に協力を仰ぐ.
3.新たに,骨のイメージング(第2章),骨細胞の機能(第2章),骨と全身組織の相互作用(第9章),歯科用インプラントの基礎と臨床(第14 章),骨粗鬆症とロコモティブシンドローム(第16 章)の4章を全面改訂,あるいは追加執筆する.
骨のイメージングはこの数年の間に目覚ましい進歩を遂げた領域である.この章の追加執筆は網塚憲生氏にお願いする.一方,骨はこれまで末梢組織の一つと考えられていたが,近年の研究によって骨は内分泌器官としても働き,脳,神経,膵臓,筋肉などの全身組織との相互作用が注目されるようになった.これらの問題を扱う第9章は新しい章として高橋直之氏に執筆をお願いする.また,歯科医療の新しい技術として注目される「歯科用インプラント」の理解には骨の基礎知識の重要性が再認識されつつある.第14 章は歯科用インプラントを紹介する新しい章として,この分野の基礎研究と臨床研究に造詣の深い竹澤保政氏に執筆をお願いする.本書はこれまで歯学領域ではあまり多くの読者を獲得することができなかったが,第14 章を追加することにより,歯学関係者の多くの読者を獲得することが期待される.ロコモティブシンドローム(略称ロコモ)という概念は中村耕三博士(当時,整形外科学会理事長,現在,国立障害者リハビリテーションセンター総長)によって提唱された重要な概念である.高齢社会となった我が国の高齢者の健康維持を考える上で,ロコモはメタボリックシンドローム(メタボ)と並んで重要な概念となっている.第16 章は遠藤直人氏に「骨粗鬆症,ロコモティブシンドローム」と改題して,全面的な改訂をお願いした.
『新 骨の科学 第2版』は改訂前に比べてVolumeで20%(約40 頁)増加し,図版も1/3 以上が追加,あるいは新しい図版と入れ替わることになった.1年前の改訂時に考えていたよりも大幅な改訂となった.本書が新しい読者を掘り起し,幅広い領域の研究者や学生諸兄に読み継がれてゆくことを期待している.
2016 年5月1日
編著者 須田立雄
小澤英浩
髙橋榮明
序文
本書の原型ともいうべき前著『骨の科学』は,今を遡ること22 年前の1985 年に刊行された.当時,我が国では藤田拓男先生(神戸大学名誉教授)が中心になって日本骨代謝学会が創設(1983 年)されたばかりの頃で,高齢化社会の到来を予測して「骨」に関心を持つ研究者が急速に増加しつつある時代であった.骨の形態学,生化学,臨床医学(整形外科学)を専門分野としていた小澤英浩,須田立雄,髙橋榮明の3名の共同作業によって出版された前著は,幸いにして医学・歯学・薬学・理工学・農学・栄養学などの幅広い領域の研究者や学生諸兄から暖かく迎えられ,これまでに相当の部数を販売したと聞いている.一般書籍ならばベストセラーの仲間入りをする部数である.それは,前著が,(1)細胞レベルから組織レベルまで,骨の生命現象を幅広くカバーすることに努めたこと,(2)基礎医学的側面と臨床医学的側面が一つの書籍の中で渾然一体となるよう努めたこと,(3)「骨の生物学」についての全体像を一冊で把握することが可能となるように努めたこと,(4)骨と歯の研究のどちらにも精通している著者が執筆にあたったこと,(5)読み物としても魅力がある書物の作成に努めたこと,などの理由が挙げられると思われる.当時,類書がまったくなかったこともあり,前著は骨の研究の専門家ばかりでなく,骨の研究をこれから始めようとする初心者の方々の入門書としての役割も果たした.また,日本整形外科学会,日本リウマチ学会,日本内分泌学会,日本ビタミン学会,日本栄養・食糧学会,歯科基礎医学会の会員などの幅広い読者層からもご支持をいただいた.「骨」に関する書籍がこれほど広く愛読されたことは本書の刊行に携わってきた関係者の一人として大きな喜びであった.しかしながら,その後,形態学研究には各種の顕微鏡や組織化学などを用いた研究成果が次々と導入され,生化学研究には夥しい物量の遺伝子工学の知識と技術に基づく研究成果が加わり,前著をこのままの形で刊行することはできなくなり,本書を改訂することが各方面から要望されるようになった.
前著の改訂が最初に計画されたのは,8年前の1999 年のことである.最初,前著が幅広い読者層から支持されたこともあって,旧版の体裁と内容をそのままにして,新しい研究成果を盛り込むという単純な改訂作業を考えたが,改訂方針を詳しく話し合っていくうちにそれでは済まなくなってしまった.また,前著の3名の執筆者もそれなりに年齢を重ね,前著を作成した当時のような時間的余裕もなくなった.また,発売元である医歯薬出版においても改訂作業は難航した.そして,2004 年12 月,前著の3名の執筆者に加えて,田中 栄,中村浩彰,森 諭史の3氏を新たに執筆者に迎えて,合計6名で新しい書籍として『新 骨の科学』の刊行に取り掛かることになった.新しく執筆者に加わった田中 栄氏は昭和大学歯学部時代の私の研究仲間であり,東京大学の大学院生時代,前著に出会ったことが契機となって「骨の生物学」に興味をもつようになり,破骨細胞の研究を始めたと聞いている.また,中村浩彰氏,森 諭史氏はそれぞれ,小澤,髙橋両氏と信頼できる深い師弟関係にあると同時に研究仲間でもあり,阿吽の呼吸で意志の疎通がはかれる仲であったことも本書の発行を可能にした要因の一つである.
『新 骨の科学』の編集方針は,幅広い読者層から支持された上記に挙げたような前著の特徴と読み物としてのメリットを残しつつ,その後の20 年間に発見された重要な新知見をできるだけ多く取り込んで,初心者にも専門家にも魅力のある書物となるように努めた.また,書名に「科学」という言葉があるように,本書に取り上げる骨に関する基礎的・臨床的研究成果は一つひとつ厳格に検証され,「ライフサイエンス」の立場からも厳しい評価に耐えうるものだけを引用するように努めた.読者対象は,医学部・歯学部・薬学部などの大学院生や骨の研究者だけでなく,これから骨の研究を始めようと考えている人たちの興味にも耐えうるものとなるように努めた.つまり,本書の内容は最新の研究成果を細大漏らさず詳細に解説しようとするものではなく,骨という組織の全体像の把握と,骨の研究の今後の方向性を示唆できるようなものを目指したつもりである.
近年,いくつかの出版社から「骨」に関する初心者向けの解説書,最新の研究成果をやさしくまとめた特集などが数多く出版されている.『新 骨の科学』の評価を問う社会環境は『骨の科学』が出版された22 年前とは様変わりしている.そのような社会環境の変化を越えて,本書が骨の専門家からも,またこれから骨の研究を始めようとする初心者からも,また関連領域の研究者からも暖かく迎えられることを祈念している.終わりに,本書の編集業務に携わってくださった医歯薬出版編集部に深甚なる感謝の念を捧げる.
本書が,「骨」の理解の一助になれば,これに勝る喜びはない.
2007 年7 月1 日
編著者代表 須田立雄
第1章 硬組織の起源とその進化
(須田立雄)
1 生命の起源
(1)炭素原子の重要性
(2)生命の誕生
2 骨の起源
3 無脊椎動物から脊椎動物へ――炭酸カルシウムからリン酸カルシウムへの変化をもたらしたもの
4 脊椎動物における骨組織の進化――外骨格から内骨格へ
5 脊椎動物の進化とカルシウム・リン調節ホルモンの誕生
6 骨は軟骨から進化したのだろうか
7 歯と骨はどちらが先に進化したか
第2章 硬組織の構造
1 骨の構造
(1)肉眼的構造(小澤英浩,中村浩彰)
(2)骨の循環系
(3)骨の神経
(4)骨の組織学的構造の特徴
(5)骨の組織観察法とイメージング(小澤英浩,網塚憲生)
2 軟骨の構造(小澤英浩,中村浩彰)
(1)軟骨組織の特徴と種類
(2)軟骨の組織発生と成長
(3)軟骨細胞の微細形態
(4)関節と滑膜
3 歯の構造(小澤英浩,中村浩彰)
(1)エナメル質
(2)象牙質
(3)セメント質
(4)歯根膜
第3章 骨と歯の形づくりの分子メカニズムと,組織発生ならびに成長
1 四肢の原基の構造と三つの体軸の決定(須田立雄,横瀬敏志,大峡 淳)
(1)基部先端部軸の決定
(2)前後軸の決定
(3)背腹軸の決定
2 骨(軟骨)の形を決めるホメオボックス遺伝子(須田立雄,横瀬敏志)
3 骨(軟骨)の組織発生(膜性骨化と軟骨内骨化)
(1)骨の組織発生(小澤英浩,中村浩彰)
(2)膜性骨化
(3)軟骨内骨化
(4)骨・軟骨の再生法(小澤英浩,網塚憲生)
4 骨の成長(小澤英浩,中村浩彰)
(1)長さの成長
(2)径の成長
(3)内部リモデリング
5 歯の組織発生とその分子メカニズム
(1)歯の組織発生(小澤英浩,中村浩彰)
(2)歯の発生を制御する分子メカニズム(須田立雄,大峡 淳,横瀬敏志)
第4章 硬組織の細胞とその分化
1 骨芽細胞
(1)骨芽細胞の形態学(小澤英浩,中村浩彰)
(2)骨芽細胞の分化と機能(田中 栄)
2 骨細胞
(1)骨細胞の形態学(小澤英浩,網塚憲生)
(2)骨細胞の分化と機能(田中 栄)
3 破骨細胞
(1)破骨細胞の形態学(小澤英浩,中村浩彰)
(2)破骨細胞の分化と機能(田中 栄)
4 骨の細胞の相互作用(小澤英浩,網塚憲生)
(1)骨リモデリングにおける細胞間相互作用
(2)前骨芽細胞や骨髄間質細胞との相互作用
(3)モデリングにおける細胞間相互作用
5 歯の細胞(小澤英浩,中村浩彰)
(1)エナメル芽細胞
(2)象牙芽細胞
(3)セメント質形成とセメント芽細胞
(4)歯根膜の細胞
第5章 骨・軟骨・歯に特有な有機成分
1 骨基質のタンパク質(田中 栄)
(1)I型コラーゲン
(2)オステオカルシン
(3)オステオポンチン
(4)骨シアロタンパク質
(5)オステオネクチン
2 軟骨基質タンパクと多糖体(田中 栄)
(1)II型コラーゲン
(2)プロテオグリカン
3 接着性タンパク質とインテグリン(田中 栄)
4 エナメル質と象牙質に特有なタンパク質(須田立雄,中村浩彰)
(1)エナメル質のタンパク質
(2)象牙質に特有な非コラーゲン性タンパク質
第6章 石灰化の機構
1 リン酸カルシウムの化学とヒドロキシアパタイト(須田立雄)
(1)リン酸カルシウムの化学
(2)ヒドロキシアパタイトの結晶学
(3)ヒドロキシアパタイトの特異な性質
2 血清中のカルシウムとリン酸の活動度積(溶解度積)(須田立雄)
3 Robisonのアルカリホスファターゼ学説(須田立雄)
4 Neuman夫妻のエピタキシー学説(須田立雄)
(1)コラーゲン線維によるヒドロキシアパタイトのエピタキシー
(2)非コラーゲン性タンパク質によるエピタキシー
(3)脂質によるエピタキシー
5 基質小胞学説
(1)基質小胞の発見と形態学的特徴(小澤英浩,中村浩彰)
(2)基質小胞の酵素――その細胞化学的・生化学的特徴
(3)基質小胞と脂質
(4)基質小胞とミネラル
(5)基質小胞とプロテオグリカン
(6)基質小胞の形成
(7)基質小胞からコラーゲンへの石灰化の移行(小澤英浩,網塚憲生)
6 ピロリン酸とピロホスファターゼの役割(小澤英浩,中村浩彰)
第7章 骨と成長因子
(田中 栄)
1 TGFβとBMP
2 線維芽細胞増殖因子
3 エストロゲンとアンドロゲン
(1)エストロゲン
(2)アンドロゲン
第8章 血清カルシウムの恒常性とその調節機構
1 生体内におけるカルシウムの働き(須田立雄)
2 血清カルシウムの恒常性(須田立雄)
3 副甲状腺(上皮小体)ホルモンとその役割(須田立雄)
4 カルシトニンとその作用(須田立雄)
5 ビタミンDとその役割(須田立雄)
6 血清カルシウムの恒常性を維持するビタミンD,PTH,FGF23の相互作用(須田立雄)
7 リン代謝とFGF23(田中 栄)
(1)骨組織とリン
(2)FGF23
第9章 骨と脳・神経・膵臓・筋肉の相互作用
(高橋直之)
1 骨と脳・神経系
(1)レプチンによる骨代謝調節
(2)神経関連因子による骨代謝調節
2 骨と膵臓・筋肉
(1)オステオカルシンとエネルギー代謝
(2)インスリンとエネルギー代謝
第10章 骨の量と質の測定
(森 諭史)
1 骨量の測定
(1)成長による変化
(2)計測:エックス線,DXA,超音波
2 骨質の測定
(1)構造
(2)マイクロダメージ
(3)石灰化度
(4)骨基質
(5)骨代謝回転
第11章 骨のリモデリングとモデリング
(髙橋榮明,遠藤直人)
1 骨リモデリング・骨モデリングの意義と概念
2 歴史的「骨リモデリング」
3 骨リモデリング
(1)骨リモデリングにおける組織学的特徴
(2)骨リモデリングの五つの時期
(3)骨吸収と骨形成との共役(カップリング)
(4)標的化リモデリングと非標的化リモデリング
(5)高回転と低回転
4 骨モデリング
(1)マクロモデリング
(2)ミニモデリング
5 骨形態計測における構造指標と動的指標
(1)目的
(2)方法
(3)骨形態計測指標
(4)骨形態計測結果の判定
6 骨の力学生物学
(1)骨組織における力学生物学
(2)骨形成細胞における信号伝達経路と力学的ストレーンの効果
(3)メカノスタット理論とユタ・パラダイム
(4)メカノスタット理論と OPG/ RANKL/ RANKシステムとの関係
(5)力学生物学の発展
第12章 骨折の病態生理
(森 諭史)
1 骨折の種類と好発部位
2 骨折治癒の形態学
(1)二次性修復
(2)一次性修復
3 骨折治癒の生化学
4 癒合治癒と偽関節
5 骨微細損傷
第13章 骨移植の病態生理と人工材料の応用
(森 諭史)
1 骨移植の種類:提供者 donorと受容者 recipientの関係による分類
(1)自家移植 autograft
(2)同種移植 allograft
(3)異種移植 xerograft
(4)人工骨
2 移植骨の役割
(1)骨誘導能と骨伝導能
(2)母床骨への置換
3 骨移植の病態生理
(1)自家海綿骨移植
(2)自家皮質骨移植
(3)同種骨移植
4 骨移植の免疫反応
5 移植骨の力学的強度
6 人工骨の進歩
第14章 歯科用インプラントの基礎と臨床
(竹澤保政)
1 はじめに
2 オッセオインテグレーションとは
3 オッセオインテグレーションの獲得
4 インプラントの維持安定
5 全身疾患との関係
6 おわりに
第15章 病的骨吸収と骨形成
1 炎症・免疫と骨吸収(田中 栄)
(1)関節リウマチによる骨破壊
(2)感染症や歯周病における骨破壊
2 癌骨転移の病態とメカニズム(田中 栄)
3 歯周疾患と骨吸収(小澤英浩,中村浩彰)
(1)歯周疾患と細菌
(2)歯周病と全身疾患
4 病的骨形成(森 諭史)
(1)骨形成制御シグナル
(2)異所性骨化
(3)遺伝性病的骨化
(4)神経性異所性骨化
(5)人工股関節置換術後の異所性骨化
(6)反応性変性による靱帯骨化
(7)腫瘍性骨形成
第16章 骨粗鬆症,ロコモティブシンドローム
(遠藤直人)
1 骨粗鬆症の定義と脆弱性骨折
2 高齢者社会と骨粗鬆症,大腿骨近位部骨折の疫学
(1)わが国の大腿骨近位部骨折疫学調査結果
(2)骨粗鬆症とその転帰
(3)骨折危険因子
3 骨粗鬆症の病態生理:成因,機序
(1)続発性骨粗鬆症
4 骨粗鬆症の診察:診断,鑑別診断
(1)原発性骨粗鬆症の診断基準(2012年度改訂版)
(2)脊椎椎体骨折の診断は椎体骨折評価基準(2012年度改訂版)
5 骨粗鬆症の治療:目標,戦略,薬剤
(1)大腿骨近位部骨折の予防
(2)非定型大腿骨(転子下・骨幹部)骨折
6 ロコモティブシンドローム
(1)ロコチェック
(2)ロコモ度テストと臨床判断値
第17章 骨粗鬆症以外の代謝性骨疾患の病態生理
1 骨軟化症・くる病(森 諭史)
(1)病因・病態
(2)骨の病態
(3)臨床症状
2 原発性副甲状腺機能亢進症(森 諭史)
(1)病態
(2)骨の病態
(3)臨床症状
3 腎性骨異栄養症(森 諭史)
(1)歴史背景
(2)慢性腎不全と骨代謝異常
(3)病型
4 甲状腺機能の異常(森 諭史)
(1)甲状腺機能亢進症
(2)甲状腺機能低下症
5 Paget病(森 諭史)
(1)疫学
(2)病因
(3)骨の病態
(4)臨床症状
6 リン代謝異常とFGF23(田中 栄)
(1)FGF23関連低リン血性くる病・骨軟化症
(2)慢性腎臓病(CKD)
7 カルシウム感知受容体関連疾患(田中 栄)
8 後縦靱帯骨化症(OPLL)(田中 栄)
(1)病態
(2)臨床症状
9 骨形成不全症(田中 栄)
(1)病態
(2)病型
(3)治療法
10 大理石骨病(田中 栄)
(1)病態
(2)分類
(3)大理石骨病モデルマウス
(4)治療
11 Gsαの異常に起因する疾患(田中 栄)
(1)McCune-Albright症候群(MAS)
(2)Albright hereditary osteodystrophy(AHO)
和文索引
英文索引
人名索引
(須田立雄)
1 生命の起源
(1)炭素原子の重要性
(2)生命の誕生
2 骨の起源
3 無脊椎動物から脊椎動物へ――炭酸カルシウムからリン酸カルシウムへの変化をもたらしたもの
4 脊椎動物における骨組織の進化――外骨格から内骨格へ
5 脊椎動物の進化とカルシウム・リン調節ホルモンの誕生
6 骨は軟骨から進化したのだろうか
7 歯と骨はどちらが先に進化したか
第2章 硬組織の構造
1 骨の構造
(1)肉眼的構造(小澤英浩,中村浩彰)
(2)骨の循環系
(3)骨の神経
(4)骨の組織学的構造の特徴
(5)骨の組織観察法とイメージング(小澤英浩,網塚憲生)
2 軟骨の構造(小澤英浩,中村浩彰)
(1)軟骨組織の特徴と種類
(2)軟骨の組織発生と成長
(3)軟骨細胞の微細形態
(4)関節と滑膜
3 歯の構造(小澤英浩,中村浩彰)
(1)エナメル質
(2)象牙質
(3)セメント質
(4)歯根膜
第3章 骨と歯の形づくりの分子メカニズムと,組織発生ならびに成長
1 四肢の原基の構造と三つの体軸の決定(須田立雄,横瀬敏志,大峡 淳)
(1)基部先端部軸の決定
(2)前後軸の決定
(3)背腹軸の決定
2 骨(軟骨)の形を決めるホメオボックス遺伝子(須田立雄,横瀬敏志)
3 骨(軟骨)の組織発生(膜性骨化と軟骨内骨化)
(1)骨の組織発生(小澤英浩,中村浩彰)
(2)膜性骨化
(3)軟骨内骨化
(4)骨・軟骨の再生法(小澤英浩,網塚憲生)
4 骨の成長(小澤英浩,中村浩彰)
(1)長さの成長
(2)径の成長
(3)内部リモデリング
5 歯の組織発生とその分子メカニズム
(1)歯の組織発生(小澤英浩,中村浩彰)
(2)歯の発生を制御する分子メカニズム(須田立雄,大峡 淳,横瀬敏志)
第4章 硬組織の細胞とその分化
1 骨芽細胞
(1)骨芽細胞の形態学(小澤英浩,中村浩彰)
(2)骨芽細胞の分化と機能(田中 栄)
2 骨細胞
(1)骨細胞の形態学(小澤英浩,網塚憲生)
(2)骨細胞の分化と機能(田中 栄)
3 破骨細胞
(1)破骨細胞の形態学(小澤英浩,中村浩彰)
(2)破骨細胞の分化と機能(田中 栄)
4 骨の細胞の相互作用(小澤英浩,網塚憲生)
(1)骨リモデリングにおける細胞間相互作用
(2)前骨芽細胞や骨髄間質細胞との相互作用
(3)モデリングにおける細胞間相互作用
5 歯の細胞(小澤英浩,中村浩彰)
(1)エナメル芽細胞
(2)象牙芽細胞
(3)セメント質形成とセメント芽細胞
(4)歯根膜の細胞
第5章 骨・軟骨・歯に特有な有機成分
1 骨基質のタンパク質(田中 栄)
(1)I型コラーゲン
(2)オステオカルシン
(3)オステオポンチン
(4)骨シアロタンパク質
(5)オステオネクチン
2 軟骨基質タンパクと多糖体(田中 栄)
(1)II型コラーゲン
(2)プロテオグリカン
3 接着性タンパク質とインテグリン(田中 栄)
4 エナメル質と象牙質に特有なタンパク質(須田立雄,中村浩彰)
(1)エナメル質のタンパク質
(2)象牙質に特有な非コラーゲン性タンパク質
第6章 石灰化の機構
1 リン酸カルシウムの化学とヒドロキシアパタイト(須田立雄)
(1)リン酸カルシウムの化学
(2)ヒドロキシアパタイトの結晶学
(3)ヒドロキシアパタイトの特異な性質
2 血清中のカルシウムとリン酸の活動度積(溶解度積)(須田立雄)
3 Robisonのアルカリホスファターゼ学説(須田立雄)
4 Neuman夫妻のエピタキシー学説(須田立雄)
(1)コラーゲン線維によるヒドロキシアパタイトのエピタキシー
(2)非コラーゲン性タンパク質によるエピタキシー
(3)脂質によるエピタキシー
5 基質小胞学説
(1)基質小胞の発見と形態学的特徴(小澤英浩,中村浩彰)
(2)基質小胞の酵素――その細胞化学的・生化学的特徴
(3)基質小胞と脂質
(4)基質小胞とミネラル
(5)基質小胞とプロテオグリカン
(6)基質小胞の形成
(7)基質小胞からコラーゲンへの石灰化の移行(小澤英浩,網塚憲生)
6 ピロリン酸とピロホスファターゼの役割(小澤英浩,中村浩彰)
第7章 骨と成長因子
(田中 栄)
1 TGFβとBMP
2 線維芽細胞増殖因子
3 エストロゲンとアンドロゲン
(1)エストロゲン
(2)アンドロゲン
第8章 血清カルシウムの恒常性とその調節機構
1 生体内におけるカルシウムの働き(須田立雄)
2 血清カルシウムの恒常性(須田立雄)
3 副甲状腺(上皮小体)ホルモンとその役割(須田立雄)
4 カルシトニンとその作用(須田立雄)
5 ビタミンDとその役割(須田立雄)
6 血清カルシウムの恒常性を維持するビタミンD,PTH,FGF23の相互作用(須田立雄)
7 リン代謝とFGF23(田中 栄)
(1)骨組織とリン
(2)FGF23
第9章 骨と脳・神経・膵臓・筋肉の相互作用
(高橋直之)
1 骨と脳・神経系
(1)レプチンによる骨代謝調節
(2)神経関連因子による骨代謝調節
2 骨と膵臓・筋肉
(1)オステオカルシンとエネルギー代謝
(2)インスリンとエネルギー代謝
第10章 骨の量と質の測定
(森 諭史)
1 骨量の測定
(1)成長による変化
(2)計測:エックス線,DXA,超音波
2 骨質の測定
(1)構造
(2)マイクロダメージ
(3)石灰化度
(4)骨基質
(5)骨代謝回転
第11章 骨のリモデリングとモデリング
(髙橋榮明,遠藤直人)
1 骨リモデリング・骨モデリングの意義と概念
2 歴史的「骨リモデリング」
3 骨リモデリング
(1)骨リモデリングにおける組織学的特徴
(2)骨リモデリングの五つの時期
(3)骨吸収と骨形成との共役(カップリング)
(4)標的化リモデリングと非標的化リモデリング
(5)高回転と低回転
4 骨モデリング
(1)マクロモデリング
(2)ミニモデリング
5 骨形態計測における構造指標と動的指標
(1)目的
(2)方法
(3)骨形態計測指標
(4)骨形態計測結果の判定
6 骨の力学生物学
(1)骨組織における力学生物学
(2)骨形成細胞における信号伝達経路と力学的ストレーンの効果
(3)メカノスタット理論とユタ・パラダイム
(4)メカノスタット理論と OPG/ RANKL/ RANKシステムとの関係
(5)力学生物学の発展
第12章 骨折の病態生理
(森 諭史)
1 骨折の種類と好発部位
2 骨折治癒の形態学
(1)二次性修復
(2)一次性修復
3 骨折治癒の生化学
4 癒合治癒と偽関節
5 骨微細損傷
第13章 骨移植の病態生理と人工材料の応用
(森 諭史)
1 骨移植の種類:提供者 donorと受容者 recipientの関係による分類
(1)自家移植 autograft
(2)同種移植 allograft
(3)異種移植 xerograft
(4)人工骨
2 移植骨の役割
(1)骨誘導能と骨伝導能
(2)母床骨への置換
3 骨移植の病態生理
(1)自家海綿骨移植
(2)自家皮質骨移植
(3)同種骨移植
4 骨移植の免疫反応
5 移植骨の力学的強度
6 人工骨の進歩
第14章 歯科用インプラントの基礎と臨床
(竹澤保政)
1 はじめに
2 オッセオインテグレーションとは
3 オッセオインテグレーションの獲得
4 インプラントの維持安定
5 全身疾患との関係
6 おわりに
第15章 病的骨吸収と骨形成
1 炎症・免疫と骨吸収(田中 栄)
(1)関節リウマチによる骨破壊
(2)感染症や歯周病における骨破壊
2 癌骨転移の病態とメカニズム(田中 栄)
3 歯周疾患と骨吸収(小澤英浩,中村浩彰)
(1)歯周疾患と細菌
(2)歯周病と全身疾患
4 病的骨形成(森 諭史)
(1)骨形成制御シグナル
(2)異所性骨化
(3)遺伝性病的骨化
(4)神経性異所性骨化
(5)人工股関節置換術後の異所性骨化
(6)反応性変性による靱帯骨化
(7)腫瘍性骨形成
第16章 骨粗鬆症,ロコモティブシンドローム
(遠藤直人)
1 骨粗鬆症の定義と脆弱性骨折
2 高齢者社会と骨粗鬆症,大腿骨近位部骨折の疫学
(1)わが国の大腿骨近位部骨折疫学調査結果
(2)骨粗鬆症とその転帰
(3)骨折危険因子
3 骨粗鬆症の病態生理:成因,機序
(1)続発性骨粗鬆症
4 骨粗鬆症の診察:診断,鑑別診断
(1)原発性骨粗鬆症の診断基準(2012年度改訂版)
(2)脊椎椎体骨折の診断は椎体骨折評価基準(2012年度改訂版)
5 骨粗鬆症の治療:目標,戦略,薬剤
(1)大腿骨近位部骨折の予防
(2)非定型大腿骨(転子下・骨幹部)骨折
6 ロコモティブシンドローム
(1)ロコチェック
(2)ロコモ度テストと臨床判断値
第17章 骨粗鬆症以外の代謝性骨疾患の病態生理
1 骨軟化症・くる病(森 諭史)
(1)病因・病態
(2)骨の病態
(3)臨床症状
2 原発性副甲状腺機能亢進症(森 諭史)
(1)病態
(2)骨の病態
(3)臨床症状
3 腎性骨異栄養症(森 諭史)
(1)歴史背景
(2)慢性腎不全と骨代謝異常
(3)病型
4 甲状腺機能の異常(森 諭史)
(1)甲状腺機能亢進症
(2)甲状腺機能低下症
5 Paget病(森 諭史)
(1)疫学
(2)病因
(3)骨の病態
(4)臨床症状
6 リン代謝異常とFGF23(田中 栄)
(1)FGF23関連低リン血性くる病・骨軟化症
(2)慢性腎臓病(CKD)
7 カルシウム感知受容体関連疾患(田中 栄)
8 後縦靱帯骨化症(OPLL)(田中 栄)
(1)病態
(2)臨床症状
9 骨形成不全症(田中 栄)
(1)病態
(2)病型
(3)治療法
10 大理石骨病(田中 栄)
(1)病態
(2)分類
(3)大理石骨病モデルマウス
(4)治療
11 Gsαの異常に起因する疾患(田中 栄)
(1)McCune-Albright症候群(MAS)
(2)Albright hereditary osteodystrophy(AHO)
和文索引
英文索引
人名索引











