やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

『睡眠歯科学』の発行に寄せて
 このたび,『睡眠歯科学』という新たな教科書が学びの指針として世に出されることを,日本睡眠歯科学会を代表して心よりお祝い申し上げます.
 本学会は,2003年に発足した日本睡眠歯科医療研究会を前身とし,2006年に正式に設立されました.日本睡眠歯科学会の活動を振り返りながら,本教科書が果たす意義の大きさに,深い感慨を覚える次第です.私たちが専門とする「睡眠歯科学」は,歯科学と睡眠医学という二つの領域が融合して生まれた,比較的新しい学問分野です.その重要性は年々高まりを見せており,いびきや睡眠時無呼吸といった睡眠関連呼吸障害への歯科的アプローチをはじめ,睡眠関連ブラキシズム,さらには不眠症をはじめ多様な睡眠障害に対して,歯科医療が医科と連携しながら貢献できる可能性が広がっています.
 かつてこれらの疾患は,歯科の守備範囲とはみなされないことも少なくありませんでした.しかしながら,現代社会において睡眠の質の低下がQOL(Quality of Life)の低下や心身の健康問題と直結することが明らかになっており,歯科医師には,口腔内の健康にとどまらず,患者さんの全身の健康,そして生活の質の向上に寄与する責任が求められています.
 本書は,そうした責務を担う歯科医師にとっての羅針盤となるべく編纂されました.睡眠歯科学の基礎から臨床応用に至るまで,最新の知見とエビデンスに基づいた情報を網羅しています.本書を通じて,皆さんがこの分野の意義を深く理解し,将来,臨床の現場で患者さんの「よく眠る」を支える歯科医師としての土台を築いていただけることを,心より願っております.
 日本睡眠歯科学会は,これまで睡眠歯科医学の発展と普及に尽力してまいりました.学術集会やセミナー,学会機関誌を通じた研究成果の共有,さらには認定医制度の確立を通して,質の高い医療の提供に取り組んでおります.本書の出版は,こうした活動の集大成であり,次世代を担う皆さんへこの分野の魅力を伝え,さらなる発展へと導く「バトン」としての意味も込められています.本書を手に取られた皆様が睡眠歯科学の奥深さと可能性に触れ,未来の歯科医療に新たな地平を切り拓くことを期待しています.そして,患者の睡眠の質の向上に貢献できる歯科医師として,その専門性と情熱を存分に発揮されることを心より願い,序文とさせていただきます.
 2026年7月
 日本睡眠歯科学会 理事長
 角谷 寛


初版の序
 睡眠時無呼吸に関する内容が歯学教育モデル・コア・カリキュラムに組み込まれ,歯科医師国家試験の出題基準にも加わった.これに呼応するように,日本睡眠歯科学会では,学会として教科書を作成しようという話が本格化した.当時理事長であった外木守雄先生肝入りのプランであったが,誰もがその必要性を認識していたため,理事会での決定も大変スムーズであったことを記憶している.そのとき,私が学術委員会委員長を拝命していたことから,教科書作成の責任者になり,このミッションがスタートした.
 まずはコンセプトを考えた.閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)に対する口腔内装置(Oral appliance:OA)治療が2004年4月より歯科保険制度に導入され,医科歯科連携で対応するシステムが構築された.つまり,睡眠歯科医療は歯科だけで完結するのではなく,精神科,呼吸器内科,循環器内科,耳鼻咽喉科,麻酔科,検査部門などと連携する「学際領域」であることから,睡眠歯科学の初学者はその共通言語を知り,理解しなければならない.また,当時から多くの睡眠歯科に関する書籍は存在し,私自身もこれらの書を参考に教育や臨床を行っていたが,睡眠学そのものに関する内容は睡眠学の本で別途調べる必要があり,煩雑さを感じていた.
 そこで,本書は睡眠学の基礎から臨床に至るまでの流れを意識し,1冊で多くのことが学べるものとした.また,図表を多用し,想像豊かに理解できるよう配慮した.幸い本学会には「日本睡眠歯科学会 睡眠歯科医療講義における教育要綱」がすでにあったため,睡眠歯科学の初学者が学ぶべき内容を見極め,骨子を作る上でおおいに参考になった.
 このようなコンセプトで始まった教科書作成であったが,順風満帆であったかというと決してそうではなかった.開始早々,前途多難,生みの苦しみを味わうことになる.当初予定していた出版社から業務縮小のため途中撤退を通告され,中断してしまった.医歯薬出版株式会社が引き継いでいただけることになり再開することができたが,当初の予定より遅れる大きな要因となってしまったことは否めない.
 また,本の顔となる書名も慎重に決定され,『睡眠歯科学』とした.睡眠歯科学は歯科における睡眠に関連した一つの学問である.歯科補綴学,口腔外科学,小児歯科学,歯科矯正学,老年歯科医学などの学問と同様に,これまでも,これからも発展していく学問であり,これに倣った.また,日本睡眠歯科学会として発行する教科書名が『睡眠歯科学』であることは自然な流れである.医科の先生がたにも「睡眠歯科学」という言葉だけでなく,その内容も含めて広く浸透することを願っている.
 本書は睡眠歯科学の初学者を対象としているが,学会の認定取得を希望している歯科医師,歯科衛生士,歯科技工士の方がた,そして医師を始めとする多くの医療機関の方がたにも参考にしていただけるような構成を意識した.そこで,まず用語の統一を図るところから始めた.日本睡眠歯科学会のこれまでの書物などを見直してみると,同じような意味をもつ異なる用語が多数存在していたため,まとめる必要があった.そして睡眠学の概論から睡眠歯科の領域へ,基礎編から臨床編へ,臨床編は治療の流れに沿った内容とした.特に,OSA治療についての章立ては,医科的治療と歯科的治療に分け,さらに歯科的治療ではOAを用いた治療とOAを用いない治療に分け,順番は保存的治療から外科的治療という流れにした.方向性を乱すことなく整理することで,理解が深まると考えている.
 さらに,本書はできるだけ多くの日本睡眠歯科学会の会員に携わっていただきたかったため,多くの理事・評議員にお願いして各章の責任者になっていただき,また,そこからさらに各領域に造詣が深い執筆者を推薦いただいた.専門性の高い執筆者がこれほど多く揃って執筆いただいた書籍だからこそ,学会から発信する教科書として相応しいものである思っている.それでも,皆個性豊かである.日本睡眠歯科学会,日本睡眠学会で活躍されている多くの先生がたに執筆を依頼したからこそ,それだけ多様な意見をまとめる必要があった.それでも学術委員会委員の先生がた,編集委員会の先生がたのお知恵を拝借し,対応してきた.構想から約5年,本来ならばもっと早く刊行すべきであったが,かなりの時間を要してしまった.しかしそのぶん内容は充実し,現時点で日本睡眠歯科学会が刊行する教科書として,十分に満足のいくものではないかと考えている.
 本書が睡眠歯科学初学者の礎となり,専門医,認定医取得を目指す先生がたのテキストになり,睡眠歯科を実践するすべての方がたのバイブルとなることを期待してやまない.最後になりましたが,教科書作成にご協力いただいた執筆者,学術委員会委員,編集委員会のメンバーに心から御礼申し上げます.そして,いつでも支えてくださった医歯薬出版株式会社の矢吹陽子氏に深く御礼申し上げます.
 2026年7月
 日本睡眠歯科学会 学術委員会委員長
 鈴木浩司


日本睡眠歯科学会の沿革
 睡眠医学に対して,学問的に系統立った歯科の活動は,2003年10月25日,7名の歯科医師(菊池 哲,池松武直,河野正己,江崎和久,古畑 升,日暮尚樹,宮尾悦子,以下敬称略)を中心に,日本睡眠歯科研究会を発足したときから始まった.初代理事長は,菊池 哲が務めた.この創成期には,各種口腔内装置(OA)の開発,製作技術の試行,適応条件の選定,保険診療への導入計画策定,算定要件の検討などを中心に活動し,まさに睡眠歯科学の黎明期であった.その後,日本睡眠学会の協力もあって,2004年にはOSAに対するOA治療が保険収載された.
 2012年には外木守雄が第2代理事長に就任し,睡眠歯科医療を広く社会に認知させるための手法の一つとして“ストップザ イビキ,そのイビキ歯科で治るかもしれません“というテーマを掲げた.これは,OAは気道を確保する作用があり,OSAを改善するには至らなくても“イビキをとめる”という,患者にもわかりやすい効果が得られるからであった.また,学会活動基盤を強化するため,学会認定歯科医師・指導医制度を開始し,現在では100名を超える認定医が誕生している.加えて,学会員の各種講演会への参加,歯科医師会への情報発信なども援助した.また,歯科医学の一分野として認知してもらうために,日本歯科医学会連合認定分科会へ加盟を目指した.
 これには改善すべき絶対条件として,学会活動の担保,総会の定時開催,会員数,原著論文数,他学会からの承認などがあり,また,当初からの定款にあった“睡眠関連商品の開発物品の開発・販売”は学会活動にあらずという点から,定款の改正も求められた.これらは秀島雅之を中心に整備され,3回の試行の後,2021年4月1日,日本歯科医学会連合認定分科会への加盟が認められた.認定分科会へ加盟したということは,その領域を代表する唯一の歯科学術団体であることを担保され,広告可能な歯科専門医への道筋ができること,歯科保険医療行政への医療技術提案書の提出が可能となること,日本歯科医師会への提言が可能となること,などさまざまな利点をもたらした.しかし,その反面,大きな社会的責務も生じている.
 2024年,角谷 寛が第3代理事長に就任し,現在,会員数は約1,200名を超え,“原点から一歩前へ”という発展期を迎えている.今後,睡眠歯科医療に携わるすべての関係者が原点から1歩でも2歩でも前進し,多くの研究成果をあげ,国民の健康増進に貢献できる日本睡眠歯科学会となるよう皆様のご指導,ご協力をお願いしたい.
 なお,2026年7月23,24日,第50回日本睡眠学会学術集会が,第25回日本睡眠歯科学会,第7回日本睡眠検査学会との合同で開催され,外木守雄がその合同学術集会長を務めた.これは歯科医師が,医師の学会会長を務める初めてのことであり,日本睡眠歯科学会のこれまでの医療貢献が認められた一つの現れと感謝したい.
 2026年7月
 日本睡眠歯科学会 前理事長
 外木守雄
第1章 睡眠学とは
 (章責任者:角谷 寛,松尾 朗)
 1.正常睡眠(角谷 寛)
  1)睡眠・覚醒のフリップフロップモデル
  2)睡眠の機能
  3)睡眠と生理機能
 2.睡眠段階:覚醒とレム睡眠,ノンレム睡眠
  1)睡眠の構造
  2)睡眠ポリグラフ検査とウェアラブルデバイス
  3)ノンレム睡眠
  4)レム睡眠
 3.睡眠の年齢差:年齢と睡眠の質と量
  1)睡眠覚醒リズムと年齢
  2)睡眠構造と年齢
  3)高齢者施設の睡眠
 4.睡眠歯科学(松尾 朗)
  1)睡眠疾患と歯科疾患
  2)閉塞性睡眠時無呼吸治療の発展
  3)閉塞性睡眠時無呼吸と歯科の関わり
  4)睡眠時ブラキシズム
  5)総括および今後の展望
第2章 睡眠関連呼吸障害群とは
 (章責任者:岩永賢司,小林正治)
 1.疾患概念・用語(中山秀章)
 2.疫学(小林正治,長谷部大地)
 3.発症メカニズム(岩永賢司)
  1)中枢性睡眠時無呼吸の発症メカニズム
  2)閉塞性睡眠時無呼吸の発症メカニズム
  3)混合性睡眠時無呼吸の発症メカニズム
 4.閉塞性睡眠時無呼吸の診断基準
 5.症状
 6.社会的影響(小林正治,長谷部大地)
第3章 閉塞性睡眠時無呼吸の病態と関連合併症発症メカニズム
 (章責任者:古橋明文,磯野史朗)
 1.閉塞性睡眠時無呼吸発生の閉塞性要因と周期性要因(古橋明文)
  1)咽頭気道の解剖学的,機能的特性
  2)閉塞性睡眠時無呼吸の発生とその繰り返し
  3)閉塞性睡眠時無呼吸発生の閉塞性要因と周期性要因
  4)閉塞性睡眠時無呼吸発症に関与する4つのメカニズム
  5)閉塞性睡眠時無呼吸発症に関与する解剖学的要因
 2.閉塞性睡眠時無呼吸を悪化させるさまざまな要因
  1)レム睡眠
  2)加齢
  3)閉経(女性ホルモンの低下)
  4)体液移動
 3.咽頭気道評価と体位・頭位・顎位による変化(西尾佳朋)
  1)咽頭閉塞性の評価
  2)体位による咽頭閉塞性変化
  3)頭位・顎位による咽頭閉塞性変化
 4.閉塞性睡眠時無呼吸関連合併症発症メカニズム(初野健人)
  1)生命予後
  2)循環器
  3)代謝
  4)脳機能
  5)精神
  6)QOL
第4章 知っておきたい睡眠障害
 (章責任者:對木 悟,川上哲司)
 1.睡眠障害国際分類第3版改訂版(本多 真)
  1)不眠障害群
  2)睡眠関連呼吸障害群
  3)中枢性過眠症群
  4)概日リズム睡眠・覚醒障害群
  5)睡眠時随伴症群
  6)睡眠関連運動障害群
 2.閉塞性睡眠時無呼吸と合併する睡眠障害や鑑別すべき睡眠障害
  1)不眠障害(山寺 亘)
  2)中枢性睡眠時無呼吸(葛西隆敏)
  3)ナルコレプシー(本多 真)
  4)概日リズム睡眠・覚醒障害群(岩下正幸)
  5)レム睡眠行動障害(宮本智之)
  6)レストレスレッグス症候群,周期性四肢運動障害
  7)睡眠時ブラキシズム(睡眠関連ブラキシズム)(宮本雅之)
  8)睡眠関連胃食道逆流症(葛西隆敏,井下綾子)
  9)睡眠不足症候群(天谷美里)
第5章 睡眠検査
 (章責任者:佐藤一道,山本知由)
 1.睡眠ポリグラフ検査,反復睡眠潜時検査,覚醒維持検査(河合 真)
  1)必要な設備と機器
  2)各種センサーの解説
  3)検査結果(レポート)の項目と内容の解釈
  4)睡眠検査の実施上知っておくべきこと
 2.簡易検査(岩永賢司)
  1)検査環境および必要な設備と機器
  2)各種センサー
  3)検査結果(レポート)の項目と内容
 3.ウェアラブル筋電計による検査(鈴木善貴,大倉一夫)
第6章 閉塞性睡眠時無呼吸に対する歯科診療の流れ
 (章責任者:佐々生康宏,佐藤貴子)
 1.医科からの情報提供と検査結果の理解(奥野健太郎)
  1)医科からの情報提供
  2)睡眠検査の結果
 2.歯科での対応(片平治人)
  1)歯科における診査
  2)口腔内装置装着後の評価
 3.閉塞性睡眠時無呼吸の治療法
  1)医科(奥野健太郎)
  2)歯科(田賀 仁)
  3)睡眠衛生指導(佐々生康宏)
 4.口腔内装置装着後の効果の判定(連携医への検査依頼)
 5.定期検診(田賀 仁)
  1)口腔内装置の装着状況・副作用の有無や装置の状態確認
  2)閉塞性睡眠時無呼吸に対する治療効果継続の確認
 コラム 睡眠関連呼吸障害と歯科医療(夫馬吉啓)
第7章 医科的治療法
 (章責任者:角谷 寛,千葉伸太郎)
 1.持続気道陽圧呼吸療法(千葉伸太郎)
 2.減量,体位変換療法(中島隆敏)
  1)減量
  2)体位変換療法
  3)減量・体位変換療法における注意点
  4)小児における減量・体位変換療法
  5)小児閉塞性睡眠時無呼吸における注意点
 3.睡眠外科治療(千葉伸太郎)
  1)鼻手術
  2)咽頭レベルの手術
  3)舌後部の手術
  4)植込型舌下神経電気刺激療法
  5)周術期管理の重要性
 コラム 植込型舌下神経電気刺激療法(井下綾子,葛西隆敏)
第8章 歯科的治療法(1)口腔内装置治療
 (章責任者:槙原絵理,鱒見進一)
 1.治療原理,作用機序,効果のメカニズム(槙原絵理)
  1)口腔内装置の治療原理
  2)口腔内装置の作用機序
  3)口腔内装置の効果のメカニズム
 2.口腔内装置治療の利点,欠点(副作用)
 3.口腔内装置の製作
  1)口腔内装置治療前の検査(鱒見進一)
  2)保険診療における口腔内装置の製作方法
  3)少数残存歯・欠損歯列症例における口腔内装置の製作方法(秀島雅之,石山裕之)
  4)口腔内装置装着後の対応について(鱒見進一)
 4.保険診療と自由診療の口腔内装置治療(渡辺崇文)
  1)保険診療の口腔内装置治療
  2)自由診療の口腔内装置治療
  3)治療方針決定の際に考慮する事項
 コラム 舌前方維持型装置(幸塚裕也)
第9章 口腔内装置の適応と選択
 (章責任者:柳本惣市,坂本由紀)
 1.口腔内装置が奏効しやすい閉塞性睡眠時無呼吸患者の特徴(柳本惣市)
  1)年齢
  2)肥満度
  3)閉塞性睡眠時無呼吸の重症度
  4)睡眠体位
  5)顔貌・顎顔面形態
 2.口腔内装置の種類と特徴(坂本由紀)
  1)種類
  2)装置の素材
 3.持続気道陽圧呼吸療法との併用
  1)CPAPと口腔内装置の同時使用
  2)CPAPと口腔内装置の交替併用
 4.口腔内装置装着後の再歯科タイトレーション(古畑 升)
  1)口腔内装置装着後の再歯科タイトレーションが必要になる要因
  2)再歯科タイトレーションの方法
  3)咬合高径に関して
 5.口腔内装置治療におけるアドヒアランス(平賀智豊)
  1)アドヒアランスに関与する因子
  2)持続気道陽圧呼吸療法脱落症例に適用する際の注意
 コラム いびき音テスト(江崎和久)
第10章 歯科的治療法(2)矯正歯科治療,口腔筋機能療法,睡眠外科治療(硬組織)
 (章責任者:根岸慎一,篠塚啓二)
 1.閉塞性睡眠時無呼吸を考慮した矯正歯科治療(根岸慎一)
  1)閉塞性睡眠時無呼吸患者への矯正歯科治療
  2)矯正歯科治療が担う閉塞性睡眠時無呼吸の予防
  3)閉塞性睡眠時無呼吸を考慮した矯正歯科治療の診断
 2.成人の閉塞性睡眠時無呼吸に対する口腔筋機能療法(清水清恵)
  1)効果と目的
  2)適応症
  3)口腔筋機能療法とは
  4)口腔筋機能療法の実際
  5)留意事項
 3.歯科における睡眠外科治療(篠塚啓二,外木守雄)
  1)顎骨に対する睡眠外科治療の歴史的背景
  2)手術法
  3)睡眠外科治療が上気道に及ぼす効果
  4)顎骨に対する睡眠外科治療の適用条件
  5)閉塞性睡眠時無呼吸に対する効果
 4.成人の外科的矯正治療(中納治久,芳賀秀郷)
 コラム アライナー型矯正装置(マウスピース型矯正装置)の概要と特性(中納治久,長濱 諒)
第11章 小児期および成長発達期の閉塞性睡眠時無呼吸
 (章責任者:岩﨑智憲,清水清恵)
 1.小児閉塞性睡眠時無呼吸の特徴(岩﨑智憲)
  1)症状
  2)原因
  3)疫学
  4)診断
  5)治療
  6)予防
 2.小児期および成長発達期の閉塞性睡眠時無呼吸と矯正歯科治療(竜 立雄)
  1)小児閉塞性睡眠時無呼吸に対する矯正歯科治療のアプローチ
  2)矯正歯科治療の目的
  3)小児閉塞性睡眠時無呼吸における歯科医師の役割
  4)小児閉塞性睡眠時無呼吸に対する頭蓋顎顔面成長を考慮した矯正歯科治療のプロトコール
  5)睡眠関連呼吸障害を有する小児における頭蓋顎顔面の成長修正ロードマップ
 3.その他:口腔筋機能療法(清水清恵)
  1)小児閉塞性睡眠時無呼吸に対する口腔筋機能療法の効果と目的
  2)小児閉塞性睡眠時無呼吸における口腔筋機能療法の適応症
  3)口腔筋機能障害の代表的な症状と特徴
  4)口腔機能発達不全症への取り組みが小児閉塞性睡眠時無呼吸に果たす役割
  5)実際の指導
 コラム 母子手帳,公的健康診査を活用した睡眠歯科医療の推進
第12章 歯科診療に際しての医療連携
 (章責任者:犬飼周佑,渡邊 裕)
 1.医療面接,連携医との情報共有(犬飼周佑)
  1)閉塞性睡眠時無呼吸患者に対する医療面接での注意点
  2)患者への説明
  3)閉塞性睡眠時無呼吸が疑われる患者を医科に紹介するときの診療情報提供書の書き方
 2.問診(江野幸子)
  1)現病歴
  2)既往歴と服用薬剤
  3)家族歴
  4)身体所見
 3.歯科治療歴,アレルギーの有無,常用薬の確認(伊藤邦弘)
  1)歯科治療歴
  2)アレルギーの有無
  3)常用薬の確認
 4.連携医での検査内容の確認と治療後の報告(石山裕之)
  1)連携医からの診療情報提供書の確認
  2)連携医での検査内容の確認
  3)口腔内装置装着後の評価と連携医への治療後の報告
 5.治療評価の確認および連携医への今後の治療方針の報告(姉川絵美子)
  1)経過観察へ移行する場合
  2)改善が不十分もしくは効果がないと判定され,再歯科タイトレーションを行う場合
  3)改善が不十分もしくは効果がないと判定されたが,再歯科タイトレーションが困難な場合
 6.耳鼻咽喉科をはじめとした関連領域への病態評価の依頼(佐藤貴子)
  1)鼻腔の評価
  2)咽頭の評価
  3)鼻腔,咽頭部の治療
  4)口腔内装置治療で望ましい結果が認められない場合の対応
 コラム スポーツ選手と睡眠(鈴木浩司)
第13章 口腔内装置の有害事象への対応と経過観察
 (章責任者:秀島雅之,石山裕之,飯田知里)
 1.有害事象の種類(秀島雅之,石山裕之)
  1)咬合違和感
  2)顎関節症
  3)口腔内乾燥,唾液分泌過多
  4)歯の移動,咬合変化
 2.有害事象への対処
  1)咬合違和感を伴う場合
  2)顎関節症(痛みや開口障害)を伴う場合
  3)口腔内装置治療における運動療法,徒手的マッサージの有効性
  4)動揺歯,少数残存歯への対処
 3.口腔内装置の管理,経過観察の間隔と診察時の問診内容(秀島雅之,飯田知里)
  1)口腔内装置の管理,清掃,保管
  2)経過観察の間隔
  3)経過観察時の診査内容
 4.装置破損への対処(秀島雅之)
第14章 睡眠時ブラキシズム
 (章責任者:鈴木善貴)
 1.定義・疫学(鈴木善貴,松香芳三)
  1)睡眠時ブラキシズムの定義
  2)睡眠時ブラキシズムの疫学
 2.睡眠時ブラキシズムの病態生理(加藤隆史,白石優季)
  1)睡眠中の律動性咀嚼筋活動
  2)睡眠時ブラキシズム特有の律動性咀嚼筋活動の特性
  3)睡眠時ブラキシズム特有の律動性咀嚼筋活動の発生機序
  4)発達と加齢
  5)リスクファクター
  6)睡眠関連疾患との併発
 3.歯科疾患との関連(松香芳三,鈴木善貴)
  1)歯や補綴装置への影響
  2)歯周組織への影響
  3)咀嚼筋・顎関節への影響
  4)口腔粘膜への影響
 4.診査・診断(大倉一夫,鈴木善貴)
  1)睡眠時ブラキシズムのスコアリング
  2)診断カットオフ値
  3)ウェアラブル筋電計の応用ならびにそのカットオフ値
  4)国際的に標準化されたブラキシズム診断・評価ツールの開発
  5)二次性(続発性)ブラキシズム
 5.睡眠時ブラキシズムのマネジメント(飯田 崇,小見山 道)
第15章 睡眠歯科学用語集
 (猪子芳美,岩﨑智憲,鈴木浩司,佐藤光生,鈴木善貴)
付:日本睡眠歯科学会の活動
 1.認定医制度(松尾 朗,飯田知里)
  1)制度の概要
  2)認定試験の実際
 2.学術大会(佐々生康宏)
 3.各種講座,セミナー(藤巻弘太郎)
 4.診療ガイドライン(坂本由紀)
  1)診療ガイドラインと異なる診療をした場合,もしトラブルが起こったらどうなるか?
  2)診療ガイドラインの作成手順
  3)現在までに作成された診療ガイドライン

 索引
 令和9年版歯科医師国家試験出題基準と関連する章
 歯学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)と関連する章