やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第7版の序
 近年,クラウンブリッジ補綴学を取り巻く環境は,CAD/CAM技術の臨床定着,新材料の開発,インプラント治療の普及などにより,大きく変化しています.これらの技術的進歩は,補綴歯科臨床の可能性を広げる一方で,治療法や補綴装置の選択に対して,より明確な根拠と説明が求められる状況を生み出しています.こうした変化の中で,補綴歯科治療においては,エビデンスに基づいた診断と臨床推論の構築が,これまで以上に重要となっています.
 とりわけ近年では,治療方針の決定に際して,「なぜその治療を選択したのか」を説明できることが歯科医師に求められています.補綴歯科治療は,単に欠損を補うための技術ではなく,精査・診断に基づいて治療目標を設定し,患者ごとの条件を踏まえたうえで最適な治療方針を導く医療行為です.そのためには,エビデンスと臨床経験を統合し,合理的に判断する臨床推論の過程を構築することが不可欠です.説明責任が重視される現代医療において,この視点は補綴歯科臨床においても重要な位置を占めています.
 このような考え方は,歯科医学教育においても明確に示されています.令和4年改訂の「歯科医学教育モデル・コア・カリキュラム」では,診療参加型臨床実習を基盤とし,臨床推論能力の育成が重視されています.また,CBTやOSCEをはじめとする各種評価においても,知識の習得にとどまらず,診断から治療方針決定に至る思考過程の理解が求められています.クラウンブリッジ補綴学においても,これらの教育的要請に応える体系的な整理が必要な段階にあるといえるでしょう.
 本書『クラウンブリッジ補綴学第7版』では,これまでの改訂で培われてきた基本的理論と臨床技術を継承しつつ,臨床推論という視点を明確に据えた構成としました.患者の来院から診断,治療計画の立案,補綴装置の設計・製作,装着に至るまでの流れを意識し,各項目において,どのような判断に基づいて補綴歯科治療が行われるのかを理解できるよう配慮しています.これにより,歯学生にとってはクラウンブリッジ治療の全体像を把握しやすく,また臨床に携わる歯科医師にとっては,日常診療を振り返り整理するための指針となることを目指しました.
 また,CAD/CAM技術をはじめとするデジタル歯科医療については,すでに臨床に広く普及し,補綴歯科治療を考えるうえでの前提条件となっています.本書では,これらの技術や関連用語について整理・統一を図り,診療報酬体系や教育用語との整合性に配慮しながら記載しました.新しい概念や用語についても,読者が混乱することなく理解できるよう,平易で一貫した表現を心がけています.
 本書の改訂にあたっては,編集委員および執筆者が協議を重ね,教育および臨床の両面から内容の精査と整理を行いました.多様化する補綴歯科医療の現状において,本書が歯学生にとっての学修指針となり,また歯科医師にとっても日々の診療を支える実践的な参考書として活用されることを期待しています.
 最後に,本書の改訂に際し,多大なご尽力を賜った執筆者各位ならびに関係各位に深甚なる謝意を表します.
 2026年1月
 編集委員
 小川 匠 木本克彦 近藤尚知
 澤瀬 隆 松香芳三


第1版の序
 クラウン・ブリッジ補綴学についての,成書の出版が久しく待望されていたにもかかわらず,即座に対応できない理由があって,何年かが経過した.すなわち,Peeso(1876)らがまとめた板金加工技術による補綴物の製作法を主とした補綴学から,1945年ごろからの鋳造技術による補綴物の製作法への転換,それに伴い高速切削,精密印象に関する器材と技術の進歩,さらに人工歯材料の改良などを加えてめまぐるしいほどの進歩と発展があった.それとともに新しい咬合理論が導入され,その他の生物学的研究も盛んに行われ,クラウン・ブリッジ補綴学は大きな変革を遂げたのである.
 そのため,その間に成書を発刊することは困難であったが,約10年前ごろには理論的にも実際面でもやや定着する傾向をみたので,本書の発刊を企画した.
 全国歯科大学,歯学部のクラウン・ブリッジ補綴学担当の各教授に執筆を依頼し,原稿の締切りが1978年12月末日であったが,それぞれのご都合により,最終原稿を入手したのは本年の5月末日である.
 このような事情に加えて執筆者の変更もあり,初めに入手した原稿と新しく入手した原稿とでは,内容が不ぞろいのところや重複しているところがみられる.しかし,これ以上発行を遅らせることは問題があるので,ある程度の調整を行い,あえて発刊することにした.
 また,用語については,かつてクラウン・ブリッジ担当教授の懇談会でも統一することが難しかったし,現在,日本補綴歯科学会の用語検討委員会が検討を始めているが,クラウン・ブリッジの内容までは検討が至っていない.そのため本書でもある程度の統一をはかったが,多少用語が異なっている部分もあり,このことについては後日,用語の決定をみたうえで改訂を行いたいと思っている.
 以上,本書編集の経過を述べたが,現時点でのクラウン・ブリッジ補綴学としては,内容的に満足すべきものであり,この成書を基として,後日改訂を行い,さらに完璧を期したいと思っている.
 本書が歯科学生のクラウン・ブリッジ補綴学の良き指導書として,また臨床の基本的理論と技法の手引き書として大いに活用されることを希望して序文とする.
 1986年6月
 羽賀通夫 中澤 靖
 田端恒雄 小森冨夫
 下総高次 竹花庄治

第2版の序
 クラウン・ブリッジ補綴学の初版は好評をもって迎えられ,1986年の発刊から今日まで刷を重ねて10刷に至っている.学問,研究が日進月歩であることは言うまでもないが,この間,歯科医学教授要綱,歯科医師国家試験出題基準の改訂など歯学教育に関して重要な変化が見られた.そこで今回,これらの変化に対応し,またクラウン・ブリッジの理論,臨床の進歩を取り入れるため,構想を新たにして初版の改訂を計画した.今回の改訂の要点は次のとおりである.
 1)初版の内容を再検討して,全面的な改訂を行った.
 2)歯科医師国家試験出題基準(いわゆる国家試験ガイドライン)は,これまで4年毎に改訂が加えられ,1993年に全体の組立を変えるという大幅な改訂が行われた.今回の改訂では,これに対応して項目と内容を検討した.
 3)用語については1992年,文部省と日本歯科医学会の編集による学術用語集・歯学編が刊行された.他方,日本補綴歯科学会の用語検討委員会においても検討が進められ,用語に関する混乱はほぼ解決されたと思われる.そこで今回の改訂では,これらの成果を取り入れて,できるかぎり用語の統一をはかった.さらに読者の便を考えて,巻末にクラウン・ブリッジ補綴に関する同義語一覧」を付した.
 4)上記のような内容,用語の整理とともに学習の便を考慮して,頁数の圧縮をはかった.
 以上のような改訂の意図を理解された執筆者のご協力によって,本書には限られた頁数に精選された内容を盛ることができたと考えている.ここに執筆者各位に深甚な感謝を捧げるとともに,本書が初版本と同様に歯科学生の指導書として,また臨床家にとっても,クラウン・ブリッジ補綴の基本的理論と技法の手引として広く活用されることを望んで止まない.
 1995年1月
 青木英夫
 田端恒雄
 横塚繁雄

第3版の序
 たとえ部分的な歯質の崩壊であっても,あるいは歯が1本欠損しているだけでも,その影響は大きく,咀嚼障害,審美障害,さらには心理的な障害を引き起こすことがある.また,歯質の欠損や歯の欠損を放置すると,その影響が隣接する歯群や対合歯列に及び,やがて咀嚼筋や顎関節の障害を引き起こすことも珍しくない.
 クラウンブリッジは,こうした歯質の崩壊や歯の欠損を形態的にも機能的にも,また外観のうえでも人工的に修復し,その結果を長期にわたって維持するための装置として長い間重要な役割を果たしてきた.そして今,多くの新規材料や術式が登場し,新たな展開の時を迎えている.
 本書の第2版が上梓されたのは平成7年である.以来,9年余が経過し,その間に「歯学教育モデル・コア・カリキュラム」の提示(平成13年),「歯科医師国家試験出題基準」の改定(平成13年)など歯科医学教育を取り巻く環境は大きく変化した.また,これに呼応するように日本補綴歯科学会によって「歯科補綴学教育基準 改訂2001」が編まれた.これらの変化の意図するところは,DOS(Doctor Oriented System)からPOS(Patient Oriented System)への転換と要約して表現されるように,患者さん主体の医療をさらに前進させることにある.
 本書では,このパラダイムシフトを第1章の総論にしっかりと据えるとともに,将来を担う学生の教科書であることを重視し,全体的な構成,内容の選択,項目ごとのページ数のバランスに特別の注意を払った.また,同じ理由から,見やすく読みやすい内容となるよう良質の図表と簡潔な文章を心がけた.さらに,用語については,日本補綴歯科学会の『歯科補綴学専門用語集』(平成13年)を中心に一部改変したものを用いた.
 最後に,お忙しいなかご執筆いただいた全国のクラウンブリッジ担当の先生方に深甚なる謝意を表しますとともに,本書が,歯学生をはじめ一般臨床医にとって,最新のクラウンブリッジ補綴を実施するうえでの基本的理論と技術の習得に役立ち,またそれらを通して顎口腔系の健康の維持・増進に寄与することを強く切望いたします.
 2004年3月
 編集委員
 石橋寛二 川添堯彬
 川和忠治 福島俊士
 矢谷博文

第4版の序
 クラウンブリッジ補綴は,歯科臨床の主要な領域の一つで,1本の歯の部分的な欠損から少数歯・多数歯の欠損までを形態的,機能的,そして審美的に修復し,それを長期にわたって維持することを目的としている.その効果は徐々に現れ,高齢者の口腔に多くのクラウンやブリッジを見ることが珍しくなくなった.
 折しも日本は高齢者が総人口の20.7%(2006年)を占め,近い将来には31.8%(2030年)を占める長寿社会に突入しようとしている.こうした高齢者は,人々の歯科への関心が急激な高まりをみせているにもかかわらず,まだクラウンやブリッジや可撤性義歯を必要としている場合が大部分である.これからクラウンブリッジ補綴学を学ぶ歯科学生諸君は,質の高いこれら補綴装置を装着できる良医となるべく本書を大いに活用してほしい.
 本書の第3版は2004年春に上梓された.以来わずか5年の経過であるが,この短期間にもクラウンブリッジ補綴は大きな変化をみせ,第4版の制作に着手せざるをえない状況となった.セラミックスの質が大幅に向上してセラミックスのみによるブリッジの製作が可能となり,レジンがさらに変貌して歯冠色の咬合面をもつレジン前装冠が登場した.また,インプラント補綴がいよいよその地歩を固め,日常の臨床に利用されるようになった.さらに,これらの臨床を支えるCAD/CAM技術の発展も見過ごすことができない.
 本書では,第3版のよいところを踏襲するとともに,上記の新しい変化に対応すべく多くの加筆・修正を行った.その際,歯科医学教育を取り巻く環境の変化,とりわけ2007年に改訂された「歯科医学教授要綱」と「歯学教育モデル・コア・カリキュラム」,そして新しい「歯科医師国家試験出題基準」について,それぞれの改訂の趣旨である患者本位の医療,臨床現場の重視,口腔と全身との関わり等を尊重し,関連する事項の充実に努めた.
 本書が,歯科学生をはじめ一般臨床医にとって,最新のクラウンブリッジ補綴を実践するうえでの基本的な理論と技術の修得に役立ち,それを通して顎口腔系の健康の維持・増進に寄与することを強く切望する.
 最後に,お忙しいなかご執筆いただいた全国のクラウンブリッジ補綴学ご担当の先生方に深甚なる謝意を表します.
 2009年1月
 編集委員
 石橋寛二 川添堯彬
 川和忠治 福島俊士
 三浦宏之 矢谷博文


第5版の序
 本書は1986年に上梓された第1版から第3版まで約9年ごとに改訂が行われました.第3版は2004年3月に上梓され,全国の歯学部ならびに歯科大学において優れた歯科学生の教科書として最も多く使用された成書となったことは記憶に新しく,御同慶の至りです.その5年後には,新材料および新規技術の台頭や歯科医学教育を取り巻く環境の変化に対応して2009年2月に第4版が上梓され,現在に至っています.
 第4版が上梓されてから現在に至るまでの間に歯科医学教育を取り巻く環境はさらに変化しました.歯科医学教授要綱は2007年以来改訂の動きはありませんが,歯学教育モデル・コア・カリキュラムが2010年に改訂されて,文字通り歯学教育のコアとなる目標が新たに定められるとともに,その内容を十分に踏まえたうえで歯科医師国家試験出題基準が2014年に改められました.歯科医学教授要綱,歯学教育モデル・コア・カリキュラムおよび歯科医師国家試験出題基準の3つは我が国における歯学教育の根幹をなす,いわば教育原理を成文化したものであり,これらが内容を改訂した以上,本書を含めた歯科学生の教科書も変わっていかなければならないことは自明の理であると思われます.これら3つの教育基準に共通する理念は,多様化する国民のニーズに十分応えることのできる歯科医師を養成することにあります.特に超高齢社会となった我が国では今後ますます高齢者や全身疾患をもつ者の増加が見込まれることから,クラウンブリッジ補綴学領域においてもそういった患者さんへの対応が求められています.
 一方,本格的な歯科用デジタル技術の発展,歯科接着技術の進歩ならびに再生医療技術の進化には著しいものがあり,クラウンブリッジ補綴学領域においては,CAD/CAM技術を応用したメタルフリー歯冠補綴装置の実用化,クラウンブリッジ補綴臨床への歯科接着技術適用の有用性の見直し,口腔インプラント技術の革新と安定化などがなされつつあります.これらの補綴新技術は,その重要性が歯科領域においても叫ばれて久しいpatient/problem centeredcareをますます実効あるものとすることに貢献しており,その意味においてこれらの技術の習得はこれからの歯科医師にとって必須となるでしょう.
 以上のような新しい時代の変化に即応することを第5版改訂の第一目標として,第4版の加筆・訂正を行いました.しかしながら,すべての領域で全面的な書き直しが必要であったわけではなく,基本的に第4版の内容を踏襲している領域も少なくなく,そのような領域では第4版を執筆いただいた先生方に内容を引き継ぐことをご快諾いただいていることを申し添えさせていただきます.
 最後に,玉稿をお寄せいただいた先生方に深甚なる感謝を表しますとともに,本書が最新のクラウンブリッジ補綴学の最良の教科書として全国の歯科学生や一般臨床医の方々に大いに活用されることを願って止みません.
 2014年9月
 編集委員
 矢谷博文 三浦宏之
 細川隆司 小川 匠


第6版の序
 歯科あるいは口腔について,人々の関心はますます高まる傾向にあり,オーラルケア,オーラルフレイル,ドライマウス,インプラントなどの単語が日常会話にまで浸透しつつあります.とりわけ,歯科審美への関心は強く,それに呼応するように新しい材料や技術の提供が進んでいます.
 そのような中,幸いにも本書は多くの大学の教育現場で教科書あるいは参考図書として使用され,また一般の開業歯科医の先生方にも受け入れられ,版を重ねてまいりました.
 しかしながら,本書の第5版の上梓以来,平成28年に「歯学教育モデル・コア・カリキュラム」,平成30年に「歯科医師国家試験出題基準」がそれぞれ時代の変革に応じて改訂され,用語集に関しても平成29年に『日本顎関節学会学術用語集 第1版』,平成30年に『歯科理工学教育用語集 第3版』,平成31年に『歯科補綴学専門用語集 第5版』(日本補綴歯科学会編集)と次々に編纂あるいは改訂され,日進月歩の歯科医療技術の進歩に伴って歯科医学の学問体系も少しずつ,あるいは新しい分野では急速に変化してきています.特に,第5版の序にも記しましたようにクラウンブリッジ補綴学領域においては,CAD/CAM技術を中心としたデジタル歯科技術の実用化,クラウンブリッジ補綴臨床への歯科接着技術の浸透,口腔インプラント技術のシステム化に伴う治療対象の拡大などがなされてきました.すなわち,第5版出版時からさらにクラウンブリッジ補綴学の学問体系は進化し,それにともなって本書の内容にも改訂の必要な個所が少なからず出てまいりました.
 そこで,これまで受け容れられてきた第5版の骨格はそのまま残しながら,内容を全体的に点検して情報の最新化を図るとともに,第5版と同様にすべての写真・図表をカラー化して視認性を高めることにより,本書をより読みやすくすることに努め,ここに『クラウンブリッジ補綴学 第6版』を上梓することができました.
 本書に玉稿をお寄せいただいた多くの先生方には深く感謝を申し上げるとともに,この第6版が時代に即応してアップデートされたクラウンブリッジ補綴学の最良の指導書として全国の歯科学生や一般臨床医の方々のみならず専門医の先生方にも利用され,良質の歯科医師の育成と国民の健康に寄与できることを大いに期待し,序といたします.
 2020年12月
 編集委員
 矢谷博文 三浦宏之
 細川隆司 小川 匠
 木本克彦 松香芳三
第1編 総論
第1章 クラウンブリッジ補綴学総論
 I クラウンブリッジ補綴学とは(小川 匠)
  A クラウンブリッジ補綴学の定義
  B クラウンブリッジ治療の目的と意義
   1.目的
   2.意義
  C クラウンブリッジ治療の歴史
  D クラウンブリッジ治療の利点と欠点
   1.クラウンブリッジ治療の利点
   2.クラウンブリッジ治療の欠点
 II 補綴歯科治療のEBM
  A EBM(笛木賢治)
  B 臨床研究のデザインとエビデンスレベル
  C 補綴装置の生存率(笛木賢治(1),稲用友佳(2),近藤尚知(3))
   1.クラウンブリッジの生存率
   2.可撤性義歯の生存率
   3.インプラント体の生存率
  D クラウンブリッジ治療の失敗の原因とリスクファクター(笛木賢治)
 III 咬合・歯周組織の正常像と咬合異常・咀嚼障害
  A 咬合の原則(窪木拓男,水口 一)
   1.咀嚼筋
   2.顎関節
   3.下顎位
   4.下顎運動
   5.咬合
  B クラウンブリッジ治療と歯周組織(星 憲幸,小牧基浩,木本克彦)
   1.クラウンブリッジ治療で理解しておくべき歯周組織の構造
   2.クラウンブリッジ治療における歯周組織への配慮
   3.歯周治療とクラウンブリッジ治療
  C 咬合異常・咀嚼障害の病因と病態(越智守生,廣瀬由紀人)
   1.歯質欠損
   2.歯の欠損
   3.主要症候(症状と徴候)
  D 顎口腔機能障害(小川 匠,松香芳三)
   1.咀嚼障害
   2.摂食嚥下障害
   3.口腔機能低下症
   4.顎関節症
 IV 診察・検査・診断と治療計画の立案
  A 医療面接と診察(澤瀬 隆)
   1.医療面接と病歴の聴取
   2.診察
  B 検査(柏木宏介,田中順子)
   1.口腔検査
   2.咬合検査
   3.機能検査
   4.口腔機能低下症の検査
   5.模型検査
   6.エックス線検査
  C 医療面接,診察,検査に対する評価(澤瀬 隆,小川 匠)
   1.全身状態の評価
   2.顎口腔系の評価
  D 補綴診断と診断名の考え方
  E 患者/問題中心の医療システム(POS)に基づいた問題中心の診療録(POMR)
   1.基礎データの収集
   2.プロブレムリストの作成
   3.初期治療計画
   4.経過記録
  F 治療計画の立案
 V 医療安全と感染対策
  A クラウンブリッジ治療における医療安全(今 一裕)
   1.医療安全の重要性
   2.クラウンブリッジ治療における医療安全の基本概念
   3.誤飲・誤嚥への対応
   4.クラウンおよび築造体の除去にかかわるリスク
  B クラウンブリッジ治療における院内感染対策(江草 宏)
   1.感染対策の基本
   2.クラウンブリッジ治療における感染対策
 VI クラウンブリッジの要件(馬場一美,田中晋平)
  A 生物学的要件
   1.支台歯の歯質に対して
   2.歯髄に対して
   3.歯周組織に対して
   4.舌,口唇,頬粘膜に対して
   5.咀嚼筋,顎関節に対して
   6.感覚について
   7.自浄性,清掃性
  B 機能的要件
  C 力学的要件
  D 審美的要件
  E 材料学的要件
 VII クラウンの種類(舞田健夫)
  A 全部被覆冠
   1.全部金属冠
   2.レジン前装冠
   3.陶材焼付冠
   4.オールセラミッククラウン
   5.ハイブリッド型コンポジットレジンクラウン(レジンジャケットクラウンを含む)
   6.PEEKクラウン
  B 部分被覆冠
   1.3/4クラウン,4/5クラウン,7/8クラウン
   2.ピンレッジ
   3.プロキシマルハーフクラウン
   4.アンレー
   5.ラミネートベニア
  C 歯冠継続歯
   1.ポストクラウン
   2.エンドクラウン
  D 口腔インプラント支台のクラウン
   1.スクリュー固定式上部構造
   2.セメント固定式上部構造
 VIII ブリッジの種類
  A ブリッジの臨床的意義(近藤尚知,橋本和佳)
  B ブリッジの構成要素
   1.支台装置
   2.ポンティック
   3.連結部
  C ブリッジの適応症
  D ブリッジの連結法(熱田 生)
   1.固定性連結
   2.半固定性連結
   3.可撤性連結
  E ブリッジの種類(近藤尚知,橋本和佳〔1-1)〕,矢谷博文,峯 篤史,西村正宏〔1-2)〕,澤瀬 隆〔1-3)〕,近藤尚知,橋本和佳,金村清孝〔2,3〕)
   1.固定性ブリッジ
    1)全部被覆冠/部分被覆冠支台装置のブリッジ(従来型固定性ブリッジ)
    2)接着ブリッジ
    3)口腔インプラント支台のクラウンブリッジ
   2.半固定性ブリッジ
   3.可撤性ブリッジ
 IX ブリッジの設計
  A 支台歯の負担能力(加来 賢)
   1.歯周病学的見地
   2.歯内療法学的見地
   3.歯科補綴学的見地
  B 欠損歯数と支台歯数
   1.欠損歯数と支台歯数のバランス
   2.欠損形態
  C 支台装置の選択
  D 咬合と咬合圧負担
  E クラウンの連結
  F ポンティックの種類と基底面形態(熱田 生)
   1.ポンティックに求められる要件
   2.材料による分類
   3.基底面形態による分類
   4.欠損部位によるポンティックの選択
  G ブリッジの連結法
   1.連結部の要件
   2.連結法の種類
  H 延長ブリッジ
  I 材料の選択
 X クラウンブリッジ治療の流れ(ロストワックス法)
第2編 各論
第2章 臨床操作
 I インフォームドコンセント(松浦尚志)
  A インフォームドコンセントの基本理念
  B インフォームドコンセントの成立要件
   1.患者の同意能力
   2.患者への十分な説明
   3.医療従事者の説明に対する患者の理解
   4.患者の自発的な同意
 II 補綴前処置(黒嶋伸一郎)
  A 予防的処置
  B 外科的処置
   1.抜歯
   2.歯根尖切除術
   3.歯根分割抜去術(ヘミセクション,トライセクション)
   4.歯根分離(ルートセパレーション)
   5.歯の移植
   6.歯の再植
   7.小帯切除術
   8.顎堤形成術
   9.歯冠長延長術
   10.歯肉整形術
  C 保存的処置
   1.歯内療法
   2.歯周治療
  D 矯正的処置
   1.整直(アップライティング)
   2.正中離開の修正
   3.歯根挺出術(ルートエクストルージョン)
   4.歯根の近接に対する処置
  E 補綴的処置
   1.術前の咬合調整
   2.補綴装置の除去
   3.挺出歯の処置
   4.可撤性の暫間補綴装置(暫間義歯)
   5.固定性の暫間補綴装置(シェルクラウン)
 III 支台歯形成(小峰 太)
  A 支台歯形成の目的と原則
   1.概説
   2.支台歯形成と器具
   3.支台歯形態
  B 全部金属冠のための支台歯形成
   1.咬合面形態
   2.軸面形態
   3.辺縁形態
  C 前装冠のための支台歯形成
   1.切縁・咬合面形態
   2.軸面形態
   3.辺縁形態
  D ロストワックス法で製作されるオールセラミッククラウン,ハイブリッド型コンポジットレジンクラウンのための支台歯形成
   1.切縁・咬合面形態
   2.軸面形態
   3.辺縁形態
  E CAD/CAM法で製作されるクラウンのための支台歯形成
   1.咬合面形態,軸面形態
   2.辺縁形態
  F PEEKクラウンのための支台歯形成
   1.咬合面形態
   2.軸面形態
   3.辺縁形態
  G 部分被覆冠のための支台歯形成
   1.3/4クラウン
   2.4/5クラウン
   3.ピンレッジ
   4.プロキシマルハーフクラウン
   5.アンレー
   6.ラミネートベニア
   7.接着ブリッジの支台装置
  H ポストクラウンのための支台歯形成
  I エンドクラウンのための支台歯形成
   1.辺縁形態
   2.髄室部形態
  J ブリッジのための支台歯形成
 IV 支台築造(小川 匠,中村善治)
  A 定義と臨床的意義
  B 支台築造の適応症
  C 支台築造の前処置
  D 築造窩洞形成
  E 直接法
   1.成形充填材による支台築造
   2.支台築造用コンポジットレジンによる支台築造
   3.既製ポストを併用した支台築造用コンポジットレジンによる支台築造
  F 間接法
   1.鋳造体による支台築造
   2.支台築造用コンポジットレジン築造体による支台築造
   3.既製ポストを併用した支台築造用コンポジットレジン築造体による支台築造
  G 支台築造後に装着するクラウンへの配慮
 V 印象採得(樋口大輔,吉田裕哉)
  A 印象材の種類
   1.シリコーンゴム印象材
   2.ハイドロコロイド印象材
  B 印象用器材
   1.印象用トレー
   2.シリンジ
   3.スクリューバー,レンツロ(R)
   4.コンディショナー
  C 印象採得の前準備
   1.歯肉の健全化(歯肉のコントロール)
   2.歯肉圧排
   3.ブロックアウト
  D 印象法の種類
   1.単一印象法
   2.連合印象法
   3.個歯トレー印象法
   4.咬合印象法
   5.光学印象法(デジタルインプレッション)
  E ブリッジのための印象採得
  F 印象の処理
 VI プロビジョナルレストレーション(木本克彦,川西範繁)
  A 臨床的意義
  B 種類
  C 製作方法
   1.直接法
   2.間接法
  D 試適
  E 仮着用セメントの要件と種類
   1.ユージノール系セメント
   2.非ユージノール系セメント
   3.カルボン酸系セメント
   4.レジン系セメント
 VII 顎間関係の記録(咬合採得)(南 弘之)
  A 咬合関係の決定と記録
   1.咬頭嵌合位の決定
   2.咬頭嵌合位の記録
  B 頭蓋に対する上顎歯列の三次元的位置関係の記録
   1.基準点
   2.フェイスボウトランスファー
  C 咬合器の顆路を決定するための下顎運動記録
   1.チェックバイト法
   2.パントグラフ法
  D ブリッジのための咬合採得
   1.残存歯列の咬合接触により安定した咬頭嵌合位が維持され,上下顎歯列模型のみでの再現が容易な場合
   2.欠損歯数が多く,残存歯列の接触だけでは咬頭嵌合位が不安定な場合
   3.残存歯列による咬合接触が少なく,上下顎歯列の関係を新たに設定する必要がある場合
 VIII 患者情報の記録と伝達(宇野光乗)
  A 患者情報の記録
   1.歯冠色調の選択方法
   2.形態,機能
  B 患者情報の伝達
   1.歯科技工指示書の記載と歯科技工士とのコミュニケーション
   2.色調
   3.形態と機能
第3章 技工操作
 I 作業用模型の製作(関根秀志)
  A 構成と要件
   1.作業用模型の構成
   2.作業用模型の要件
  B 模型材の種類
   1.石膏系模型材
   2.レジン系模型材
  C 作業用模型の種類と関連器具
   1.歯型可撤式作業用模型
   2.副歯型式作業用模型
   3.歯型固着式作業用模型
  D 歯型の修正
 II 咬合器装着(南 弘之)
  A 咬合器の種類と選択
   1.下顎運動の再現性による分類
   2.咬合器の選択基準
  B 咬合器装着
   1.上顎模型の装着
   2.下顎模型の装着
  C 咬合器の調節
   1.顆路角の調節
   2.切歯路傾斜角の調節
 III ロストワックス法(全部金属冠の製作)
  A ワックスアップ(ワックスパターン形成)(駒田 亘)
   1.ワックスパターンの要件
   2.インレーワックスの種類と取り扱い
   3.ワックスアップの種類
   4.ワックスアップの手順(盛り上げ法)
  B 埋没・鋳造・熱処理(羽鳥弘毅,冨士岳志(1,2),小林 平,小見山 道(3~7))
   1.埋没材の種類
   2.埋没法
   3.(歯科)鋳造用金属
   4.鋳造収縮の補償
   5.鋳造欠陥
   6.鋳造後処理
   7.熱処理
  C 研磨(小林 平,小見山 道)
   1.意義と目的
   2.研磨方法
   3.機械的研磨の手順
   4.研磨後の処理
 IV CAD/CAM法(近藤尚知,小川 匠)
  A CAD/CAM法によるクラウンブリッジの製作法(ロストワックス法との比較)
   1.技工用スキャナーを用いるCAD/CAM法
   2.口腔内スキャナーを用いるCAD/CAM法
  B 光学印象法
  C CAD(設計)
  D CAM(機械加工)
   1.切削法
   2.積層造形法
  E CAD/CAM法の利点と欠点
   1.作業工程の簡略化と作業時間の短縮
   2.均質なクラウンブリッジの製作
   3.設計および加工工程の再現性・標準化
   4.デジタルデータの保存と再利用
   5.ろう付け,溶接が不可能
  F CAD/CAM法で用いられる加工用材料
   1.レジン系材料
   2.セラミック系材料
   3.金属材料(チタン)
   4.ワックス
  G CAD/CAM法によるクラウンブリッジ製作時の注意点
   1.支台歯形成時
   2.光学咬合採得時
   3.フィニッシュライン設定時
   4.材料の特性
   5.切削加工時
   6.試適時
   7.データ管理
 V レジン前装冠の製作(平 曜輔,澤瀬 隆)
  A 製作法
   1.メタルコーピングの製作
   2.接着のための前処理と前装用レジンの築盛
   3.前装用レジンの重合
   4.仕上げ・研磨
  B レジンと金属の結合様式
 VI 陶材焼付冠の製作(五味治徳,新谷明一)
  A 製作法
   1.メタルコーピングの設計
   2.メタルコーピングの前処理
   3.陶材の築盛および焼成
   4.グレージングおよびステイニング
  B 陶材と金属の結合様式
   1.焼付用陶材
   2.焼付用金属
   3.金属と陶材の結合機序
 VII オールセラミッククラウンの製作(髙江洲 雄,松浦尚志)
  A オールセラミッククラウンの種類
  B 製作法
   1.耐火模型法
   2.ロストワックス法
   3.CAD/CAM法
  C ラミネートベニア
 VIII ハイブリッド型コンポジットレジンクラウンの製作(疋田一洋)
  A ハイブリッド型コンポジットレジンの種類
   1.ハイブリッド型コンポジットレジンペースト(築盛法)
   2.ハイブリッド型コンポジットレジンブロック(CAD/CAM法)
  B 製作法
   1.築盛法
   2.CAD/CAM法
 IX ブリッジの製作(岩佐文則,浅見和哉)
  A 全部金属ブリッジおよび前装ブリッジの製作法
   1.ワンピースキャスト法(一塊鋳造法)
   2.ろう付け法
   3.陶材焼付ブリッジにおけるろう付け法
   4.溶接法
   5.鋳接法
  B オールセラミックブリッジ(ジルコニアブリッジ)の製作法
   1.陶材焼付ジルコニアブリッジの製作法
   2.モノリシックジルコニアブリッジの製作法
  C ファイバー強化型コンポジットレジンブリッジの製作法
   1.ファイバーコーピングの製作
   2.ファイバーフレームの製作
   3.ファイバーコーピングとファイバーフレームの連結
   4.ハイブリッド型コンポジットレジンの築盛・重合・形態修正・研磨
 X 接着ブリッジの製作(矢谷博文,峯 篤史,西村正宏)
  A デザイン(設計)
   1.支台歯形成の一般原則
   2.前歯接着ブリッジ
   3.接着延長ブリッジ
   4.臼歯接着ブリッジ
  B 製作法
   1.支台装置のデザインの決定
   2.前歯接着ブリッジ
   3.臼歯接着ブリッジ
第4章 装着と術後管理
 I 口腔内試適と装着
  A 試適(松香芳三)
   1.口腔内試適前の点検と誤飲・誤嚥の予防
   2.隣接面関係の調整
   3.適合状態の確認
   4.咬合調整
  B 仮着
  C 合着と接着(江草 宏)
   1.合着とは
   2.合着用セメントの種類と維持機構
  D セメントの種類
   1.グラスアイオノマーセメント
   2.レジン添加型グラスアイオノマーセメント
   3.接着性レジンセメント
   4.リン酸亜鉛セメント
   5.ポリカルボキシレートセメント
   6.酸化亜鉛ユージノールセメント
  E 材料別の装着法(松香芳三)
 II 術後管理(メインテナンス)(上田一彦)
  A 術後管理(メインテナンス)の重要性
  B クラウンブリッジにおけるプラークコントロール
   1.クラウンブリッジの材料に応じたメインテナンス時の注意点
   2.口腔清掃時に注意を要する部位と清掃方法
  C ホームケア
   1.歯ブラシ
   2.タフトブラシ
   3.歯間ブラシ
   4.デンタルフロス
   5.スポンジ付きデンタルフロス
   6.電動歯ブラシ
  D プロフェッショナルケア
   1.リコール
   2.クラウンブリッジに関連する定期検査とその項目
   3.PMTC
  E インプラントの術後管理
   1.プラークコントロール(インプラント周囲炎の予防)
   2.上部構造のトラブルの予防
 III 装着後に発生する問題とその対応(正木千尋)
  A 支台装置
   1.脱離
   2.破損
   3.咬耗・摩耗
  B 支台歯
   1.二次齲蝕
   2.歯根破折
   3.アバットメントスクリューの破折,インプラント体の破折
  C 歯周組織,インプラント周囲組織
   1.辺縁歯肉の退縮
   2.歯周病の著しい進行
   3.インプラント周囲炎
  D 残存歯列(咬耗)
第5章 口腔内装置(オーラルアプライアンス)
 (井川知子,小川 匠)
  A 口腔内装置とは
  B 顎関節症治療用口腔内装置(スタビリゼーションアプライアンス)
   1.特徴
   2.製作法
   3.患者指導,使用上の注意
  C 閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)治療用口腔内装置(スリープアプライアンス)
   1.閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の病態
   2.閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の検査と治療
   3.特徴
   4.製作法
   5.患者指導,使用上の注意
  D 睡眠時ブラキシズムに対する口腔内装置(ナイトガード)
   1.特徴
   2.製作法
   3.患者指導,使用上の注意
  E スポーツ用口腔内装置(スポーツマウスガード)
   1.特徴
   2.製作法
   3.患者指導,使用上の注意
第6章 口腔顔面痛・顎関節症
 (松香芳三)
  A 口腔顔面痛・顎関節症・非歯原性歯痛の病態と病因
   1.顎関節症の病態
   2.病因
  B 口腔顔面痛・顎関節症の検査
  C 口腔顔面痛・顎関節症に対する治療
   1.生活指導および習癖の改善
   2.理学療法
   3.薬物療法
   4.口腔内装置(オーラルアプライアンス)
   5.咬合治療
   6.外科的療法
   7.心身医学・精神医学的な対応
  D 口腔顔面痛・顎関節症に対する補綴歯科治療
   1.口腔内装置
   2.咬合調整
第7章 高齢者・要介護者・障害者におけるクラウンブリッジ治療と訪問診療
 (津賀一弘,吉川峰加)
  A オーラルフレイルおよび口腔機能低下症への対応
   1.超高齢社会における歯科の役割
   2.口腔機能の低下
   3.高齢者における歯科疾患と口腔内状態
   4.クラウンブリッジ治療における注意事項
  B 後期高齢者ならびに要介護高齢者や障害者への対応
   1.老化による口腔機能の変化
   2.医療・介護チーム内での情報共有
   3.歯科治療における配慮

 コラム1 中心位とは何か(小川 匠)
 コラム2 POSとDOS(澤瀬 隆)
 コラム3 分割築造(小川 匠,中村善治)
 コラム4 漏斗状根管への対応(小川 匠,中村善治)
 コラム5 陶材焼付冠とレジン前装冠の結合様式の違い(平 曜輔,澤瀬 隆)

 覚えておくべき英語表記
 参考文献
 索引