やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

発刊によせて
 日々の臨床で患者と向き合う中で,ホワイトニングがもたらす変化を数多く目にしてきました.笑顔に自信が生まれる人,口腔内への関心が高まり,セルフケアやメインテナンスへ積極的に取り組むようになる人,そして歯科医院が「健康と美しさを維持するために通う場所」となる人.そのような変化に立ち会うたびに,ホワイトニングがもつ価値の大きさを実感しています.
 一方で,ホワイトニングを取り巻く環境は大きく変化しています.新たなホワイトニング材の登場,「医療ホワイトニング」という概念の浸透により,臨床の選択肢は飛躍的に広がっています.その反面,科学的根拠が十分とはいえない情報も少なからずあり,情報の取捨選択がこれまで以上に重要となっています.これからのホワイトニングの臨床で求められるのは,新しい知識を得ることにとどまらず,エビデンスに基づいて適切に実践する力ではないでしょうか.
 そこで本書は,ホワイトニングを「知る」だけではなく,「適切に実践する」ための書籍とすべく構成しました.保存修復学の研究・臨床を第一線で牽引されている髙見澤俊樹先生,ホワイトスポット治療の発展に大きく貢献されてきた品川淳一先生,そして日々の臨床をともに担い,豊富な臨床経験を有する歯科衛生士の城生麻里先生とともに,それぞれの知見と臨床経験を結集し,科学的根拠を確かな臨床へとつなぐ一冊を目指し,執筆しました.
 本書を手に取ってくださった方々が,ホワイトニングの魅力を感じ,「もっと学びたい」「もっと臨床で実践したい」と思っていただけたら,これ以上の喜びはありません.そして,その思いが一人ひとりの臨床へとつながり,いつの日かホワイトニングが特別な審美治療ではなく,日本人の生活の中に自然に存在する歯科医療となることを願っています.
 最後に,本書を執筆する貴重な機会をいただきました医歯薬出版,日頃よりご指導を賜っております昭和医科大学歯学部歯科保存学講座保存修復学部門 小林幹宏教授,北原信也客員教授をはじめとする諸先生方,そして日々の臨床をともに支えてくださる歯科衛生士の皆様に,心より感謝申し上げます.
 2026年7月 新妻由衣子
CHAPTER 1 必ずおさえる! 医療ホワイトニングの基礎
 (新妻由衣子)
 はじめに
 ホワイトニングとは
 ホワイトニングの種類
 歯の着色・変色の原因
 ホワイトニングの適応症・禁忌症
 ホワイトニングのメカニズム
 ホワイトニング材の安全性
 ホワイトニング方法
 ホワイトニングにおける臨床プロセス
CHAPTER 2 患者満足度を高める! 診査・診断からコンサルテーション
 (新妻由衣子)
 はじめに
 カウンセリング
 診査・診断
 ホワイトニング前・後の色調評価
 コンサルテーション
 まとめ
CHAPTER 3 効果的に活用! ホームホワイトニングの臨床
 (新妻由衣子)
 はじめに
 カスタムトレータイプのホームホワイトニング
 ユニバーサルトレータイプのホームホワイトニング
 ホームホワイトニングの特徴
 まとめ
CHAPTER 4 確実に実践! オフィスホワイトニングの臨床
 (新妻由衣子)
 はじめに
 オフィスホワイトニング材の種類と特徴
 オフィスホワイトニングの臨床術式
 歯面清掃
 軟組織(口唇・粘膜・歯肉)の保護
 ホワイトニング材の混和と塗布
 光照射
 歯面清掃・知覚過敏抑制処置
 オフィスホワイトニングの実際
 オフィスホワイトニングの特徴
 まとめ
CHAPTER 5 デュアルホワイトニングによる新たなホワイトニング戦略
 (髙見澤俊樹)
 デュアルホワイトニングの組み合わせ
 「早く白くしたい」に応えるデュアルホワイトニングの漂白効果
 「白い歯を長く保ちたい」に応えるデュアルホワイトニングの色調安定性
 デュアルホワイトニングの実践前にすべきこと
 デュアルホワイトニングの実践
 デュアルホワイトニングを行う際の注意点
CHAPTER 6 失活歯のホワイトニング-ウォーキングブリーチとインターナルブリーチ-
 (髙見澤俊樹)
 失活歯のホワイトニング
 ウォーキングブリーチの特徴
 ウォーキングブリーチの実践
 ウォーキングブリーチの注意点
 ウォーキングブリーチからインターナルブリーチへ
 インターナルブリーチの特徴
 インターナルブリーチの実践
CHAPTER 7 知覚過敏への対応-ホワイトニングの術前・術中・術後-
 (髙見澤俊樹)
 象牙質知覚過敏の原因
 象牙質知覚過敏のメカニズム
 ホワイトニングに伴う知覚過敏
 ホワイトニングに伴う知覚過敏の実際
 ホワイトニングの術前に行うべき知覚過敏対策
 ホワイトニングの術中に注意すべきこと
 ホワイトニングの術後に行うべき知覚過敏対策
CHAPTER 8 歯科衛生士が導く! セルフケアとプロフェッショナルケア
 (城生麻里)
 はじめに
 ホワイトニングの臨床プロセスと歯科衛生士の役割
 ホワイトニング施術期間中の管理
 後戻り防止のためのメインテナンス
 患者のモチベーション維持と行動変容
 おわりに

 ホワイトニングQ&A
  01 ホワイトニング効果に影響を与える患者側の因子は?(新妻由衣子)
  02 タッチアップはいつ,どのように行う?(新妻由衣子)
  03 ホワイトニングにおけるポリリン酸の効果は?(新妻由衣子)
  04 ホワイトスポットはホワイトニングで治る?(品川淳一)
  05 ホワイトバンドに対してはどのように対応する?(品川淳一)
  06 テトラサイクリン変色歯に対してホワイトニングによる色調改善は可能?(新妻由衣子)
  07 ホワイトニングに伴う飲食指導はどのような内容が必要?(髙見澤俊樹)
  08 ホワイトニング材は安全か?(髙見澤俊樹)
  09 ホワイトニング後の修復・補綴治療で留意すべきことは?(髙見澤俊樹)
  10 矯正歯科治療後のホワイトニングで注意すべきことは?(品川淳一)
  11 ホワイトニングによる知覚過敏に対して経口鎮痛薬の服用は有効か?(髙見澤俊樹)
  12 ホワイトニングにおける知覚過敏の対処法は?(新妻由衣子)