本書の発刊に寄せて
本書を手に取ってくださった先生方の多くは,「エンド治療が上手くいかない!」という経験を少なからずお持ちかと思います.この本はまさに,そのような先生方に向けて,再根管治療での“困りごと”を解決する道標となるような本を作りたい,という思いから執筆しました.
原稿を書くにあたり,一般歯科診療をしていた頃に私が抱えていたエンドにまつわる“困りごと”や,行っていたエンド治療を振り返ってみました.当時の私は,ロールワッテで簡易防湿をし,明確な根拠なしに根管貼薬を何回も行う,といった治療を行っており,治療の結果は散々でした.
当時の私は,自分の行っている治療の問題点もわからないまま,毎日のように来院される根尖性歯周炎の患者さんの治療をただやり過ごしていたように思います.
そんな失敗だらけの私が,患者さんの不快症状を改善できずに信頼関係が築けなかったこと,根尖性歯周炎が治癒せず治療が進まなかったことなど,数えきれないほどエンドの問題を経験し,エンド治療に正面から向き合おう,と決意したのが約10年前のことでした.
根尖性歯周炎が治癒しないのは,病気に対する知識不足と,治療におけるアプローチ法に問題がある場合が多いと思います.
不快症状の原因を知るには,正しい方法での「検査」に基づいた「診断」が必要となりますし,問題解決のための「治療」は,適切な「検査」と「診断」がなければ意味を成しません.このように,エンド治療は各ステップを一つひとつ正確に行わなければ成功しないのです.
私がエンドを勉強し,正しい治療のコンセプトを遵守するようになった頃,それまで感じていた治療のストレスが不思議なくらいなくなり,同時に治療結果が良い方向に変化していきました.
この本は,私が遭遇したさまざまなエンドの再治療における“困りごと”に対し,問題を解決するにはどうしたらよいか,ということにフォーカスし,ポイントを押さえて解説しています.
本書がエンド治療を見直すきっかけになれば,先生方のエンド治療はより円滑に良い結果を出せるようになるはずです.
エンド治療の中でも複雑な再治療において,「こんな時はどうしたらよいのだろう?」「どのような判断が正しいのか?」と悩んだ時に,この本をぜひ参考にしていただき,治療の一助にしていただければ幸いです.
2025年12月 大森さゆり
本書を手に取ってくださった先生方の多くは,「エンド治療が上手くいかない!」という経験を少なからずお持ちかと思います.この本はまさに,そのような先生方に向けて,再根管治療での“困りごと”を解決する道標となるような本を作りたい,という思いから執筆しました.
原稿を書くにあたり,一般歯科診療をしていた頃に私が抱えていたエンドにまつわる“困りごと”や,行っていたエンド治療を振り返ってみました.当時の私は,ロールワッテで簡易防湿をし,明確な根拠なしに根管貼薬を何回も行う,といった治療を行っており,治療の結果は散々でした.
当時の私は,自分の行っている治療の問題点もわからないまま,毎日のように来院される根尖性歯周炎の患者さんの治療をただやり過ごしていたように思います.
そんな失敗だらけの私が,患者さんの不快症状を改善できずに信頼関係が築けなかったこと,根尖性歯周炎が治癒せず治療が進まなかったことなど,数えきれないほどエンドの問題を経験し,エンド治療に正面から向き合おう,と決意したのが約10年前のことでした.
根尖性歯周炎が治癒しないのは,病気に対する知識不足と,治療におけるアプローチ法に問題がある場合が多いと思います.
不快症状の原因を知るには,正しい方法での「検査」に基づいた「診断」が必要となりますし,問題解決のための「治療」は,適切な「検査」と「診断」がなければ意味を成しません.このように,エンド治療は各ステップを一つひとつ正確に行わなければ成功しないのです.
私がエンドを勉強し,正しい治療のコンセプトを遵守するようになった頃,それまで感じていた治療のストレスが不思議なくらいなくなり,同時に治療結果が良い方向に変化していきました.
この本は,私が遭遇したさまざまなエンドの再治療における“困りごと”に対し,問題を解決するにはどうしたらよいか,ということにフォーカスし,ポイントを押さえて解説しています.
本書がエンド治療を見直すきっかけになれば,先生方のエンド治療はより円滑に良い結果を出せるようになるはずです.
エンド治療の中でも複雑な再治療において,「こんな時はどうしたらよいのだろう?」「どのような判断が正しいのか?」と悩んだ時に,この本をぜひ参考にしていただき,治療の一助にしていただければ幸いです.
2025年12月 大森さゆり
本書の発刊に寄せて
CHAPTER 1 再根管治療開始前に遭遇する困りごと
困りごと 01 不快症状の原因歯が特定できない
困りごと解決のポイント1 問診で診断に役立つ情報をできるだけ入手する
困りごと解決のポイント2 適切に検査を行う
1)検査項目
2)検査時のポイント
困りごと解決のポイント3 治療介入の前に確実な診断をつける
困りごと解決のポイント4 検査や診断でよく遭遇する困りごとの解決方法を知っておく
1)解剖学的な問題から画像の読影が困難
2)検査時に症状の再現ができない
困りごと 02 痛みの原因が歯にあるのかわからない
困りごと解決のポイント1 非歯原性歯痛との鑑別
1)非歯原性歯痛の分類
2)歯原性歯痛か非歯原性歯痛か,診断に迷った時に考慮すべきこと
困りごと解決のポイント2 副鼻腔症状がある場合の対処法
1)MSEOの検査・診断のポイント
2)MSEOの治療
困りごと 03 残存歯質が少なくラバーダム防湿が難しそう
困りごと解決のポイント1 ラバーダム防湿がなぜ必要かを考える
困りごと解決のポイント2 残存歯質が少ない歯にラバーダム防湿を行う工夫
1)暫間冠の合着
2)隔壁の作製
3)事前に歯冠長延長術や矯正的挺出を行う
4)残存歯質の少ない歯はレストラビリティを考慮して保存の可否を検討する
困りごと 04 再根管治療時に既存のクラウンを外す? 外さない?
困りごと解決のポイント1 クラウンを外さない場合のメリットとデメリットを考える
CHAPTER 2 再根管治療時に遭遇する困りごと
困りごと 01 ポストコアがスムーズに除去できない
困りごと解決のポイント1 ポストコア除去の難易度に影響する要因を把握する
1)ポストコアの材料
2)使用されている接着材
3)ポストの長さ
4)ポストのテーパー
5)ポストの太さ
困りごと解決のポイント2 安全で効率的なポストコア除去法を習得する
1)メタルポストコアの除去
2)スクリューポストの除去
3)ファイバーポスト・レジンコアの除去
4)ポスト除去時の偶発症
困りごと解決のポイント3 ポストコア除去に伴うリスクを考慮して治療法を決定する
困りごと 02 根管充填材が除去できない
困りごと解決のポイント1 材料や条件による除去の難易度を把握し,安全策をとる
困りごと解決のポイント2 充填材に合わせた除去法を習得する
1)シーラー,GPの除去法
2)MTAセメント,レジン系やグラスアイオノマー系の糊材の除去法
困りごと 03 レッジがあってオリジナルの根管に穿通できない
困りごと解決のポイント1 レッジが形成される原因とレッジを確認する方法を知る
1)レッジが形成される原因
2)レッジを確認する方法
困りごと解決のポイント2 レッジ修正の方法を習得する
1)オリジナル根管の探索とバイパス形成
2)レッジの除去
3)オリジナル根管の拡大形成
4)根管充填
5)レッジの修正ができない場合
困りごと 04 根管内に破折器具がある
困りごと解決のポイント1 まずは患者説明をしっかりと
困りごと解決のポイント2 ファイル破折の原因を知り,予防策を講じる
1)ファイル破折の原因
2)NiTiロータリーファイルの破折予防策
困りごと解決のポイント3 ファイル除去の意思決定を適切に行う
1)根管内の汚染程度
2)破折器具除去の難易度
困りごと解決のポイント4 破折ファイルの除去方法を習得する
1)ステージングプラットフォームテクニック
[COLUMN]NiTiロータリーファイルの滅菌消毒
困りごと 05 根管に穿孔が生じてしまった
困りごと解決のポイント1 部位別に穿孔が生じる原因を知る
1)髄床底への穿孔
2)根管口部の穿孔(ストリップパーフォレーション)
3)歯根中央の穿孔
4)根尖部の穿孔(アピカルパーフォレーション)
5)吸収による穿孔
困りごと解決のポイント2 穿孔の検査を適切に行う
困りごと解決のポイント3 穿孔の治療予後に影響を及ぼす因子を知る
1)穿孔位置
2)穿孔が生じてからの経過時間
3)穿孔部のサイズ
4)穿孔部の修復材料
5)術者の技術
6)治療環境
困りごと解決のポイント4 穿孔の治療方法を習得する
1)非外科的パーフォレーションリペア
2)外科的パーフォレーションリペア
困りごと 06 石灰化根管のため穿通できない
困りごと解決のポイント1 歯髄の石灰化という現象について知る
1)象牙質の形成
2)根管系の石灰化の種類
困りごと解決のポイント2 石灰化根管の治療において適切な意思決定を行う
困りごと解決のポイント3 石灰化根管に対する治療テクニックを習得する
1)歯髄結石が存在する場合の根管口明示
2)根管閉塞の場合の根管の探索
3)根管閉塞時のネゴシエーション
4)重度の根管閉塞の場合
困りごと 07 根尖が開放している
困りごと解決のポイント1 根尖開放歯に再根管治療を行う際の注意点を知る
困りごと解決のポイント2 根管充填材の除去は注意深く行う
困りごと解決のポイント3 根尖開放歯の形成における終末位置を適切に設定する
1)根尖開放歯における作業長の設定
2)拡大号数に関する注意点
困りごと解決のポイント4 洗浄・貼薬により化学的細菌除去を十分に行う
1)根尖開放歯の洗浄
2)根尖開放歯の貼薬
困りごと解決のポイント5 根尖部を封鎖できるような根管充填を行う
1)根尖開放歯の根管充填方法
2)推奨される根管充填法・適した充填材料
困りごと 08 歯根が吸収している
困りごと解決のポイント1 歯根吸収が起こるメカニズムを理解する
困りごと解決のポイント2 歯根吸収の種類を知る
1)内部吸収
2)外部吸収
困りごと解決のポイント3 歯根吸収の検査を適切に行う
困りごと解決のポイント4 歯根吸収の治療目的を理解し,適切な手段を選択する
1)内部吸収
2)外部吸収
3)矯正歯科治療に伴う歯根吸収
4)根尖性歯周炎に伴う根尖部の歯根吸収
5)歯頸部外部吸収(侵襲性歯頸部吸収)
困りごと 09 症状の原因が根尖性歯周炎なのか歯周病なのかわからない
困りごと解決のポイント1 まず歯内-歯周病変を疑う
困りごと解決のポイント2 歯内-歯周病変の分類を知る
1)primary endodontic lesion(歯内由来の病変)
2)primary periodontal lesion(歯周由来の病変)
3)primary endodontic lesion with secondary periodontal involvement
4)primary periodontal lesion with secondary endodontic involvement
5)true combined lesion(複合型の病変)
困りごと解決のポイント3 再根管治療における歯内-歯周病変の検査のポイント
困りごと解決のポイント4 歯内-歯周病変の治療の原則を知る
困りごと解決のポイント5 治療を通して患者さんに十分な説明を行う
CHAPTER 3 再根管治療後に遭遇する困りごと
困りごと 01 治療後に暫間冠がコアごと脱離してしまった
困りごと解決のポイント1 築造体の維持に必要なフェルールを確保する
1)築造体を維持するキーポイント
2)フェルール効果
困りごと解決のポイント2 間接法・直接法による築造の特徴を知る
困りごと解決のポイント3 築造体維持のため適切にポストを設置する
1)ポストの必要性
2)ポストの長さ
3)ポストの適合性
4)ポストの配置
5)ポストスペース形成
困りごと解決のポイント4 築造時の接着の問題点を知る
困りごと解決のポイント5 根管象牙質に適した接着システムを選択する
1)エッチング(象牙質脱灰)の重要性
2)接着システムの選択
3)築造に適したレジン材料
困りごと解決のポイント6 築造時の接着阻害因子を除去する
困りごと解決のポイント7 接着を確実に行う
[COLUMN]支台築造時のラバーダム防湿
困りごと 02 治療後に痛みが出た
困りごと解決のポイント1 術後疼痛について患者にしっかり説明する
1)術後疼痛とは
困りごと解決のポイント2 鎮痛薬を投与する
1)NSAIDs
2)アセトアミノフェン
3)イブプロフェンとアセトアミノフェンの併用
4)抗菌薬
困りごと解決のポイント3 疼痛が持続する場合の対処法を知る
困りごと 03 再根管治療を行っても治癒しない
困りごと解決のポイント1 根管治療の限界を知る
1)複雑な根管形態
2)歯根破折
3)象牙細管内への細菌の侵入
4)細菌のバイオフィルム化
5)根尖孔外感染
困りごと解決のポイント2 外科的歯内療法で対応する
1)歯根端切除術
2)意図的再植術
困りごと解決のポイント3 成功率を高める臨床のポイントを押さえる
1)歯根端切除術の成功率を高める臨床のポイント
2)意図的再植術の成功率を高める臨床のポイント
CHAPTER 4 再根管治療における症例別困りごと
CASE 01 破折器具が認められる
CASE 02 破折ファイルが根尖孔外に突き抜けている
CASE 03 再根管治療中にファイルが破折してしまった
CASE 04 非外科的パーフォレーションリペア後も症状が改善しない
CASE 05 髄床底に大きな穿孔が認められる
CASE 06 前歯部の穿孔を非外科的に治療したが予後不良
CASE 07 再根管治療時に穿通できない
CASE 08 再根管治療後も瘻孔と咬合痛が改善しない
CASE 09 経過観察で歯根に外部吸収を発見
CASE 10 歯内-歯周病変の疑いがある
CASE 11 深い歯周ポケットと根尖病変が認められる
CHAPTER 5 再治療の成功率を上げる難易度の見極めと治療法の選択
困りごと 01 再治療がなかなか成功しない
困りごと解決のポイント1 再治療が難しい理由を知る
困りごと解決のポイント2 症例の難易度を見極める
1)再治療における生物学的難易度
2)再治療における環境的難易度
3)再治療における技術的難易度
CASE 01 難易度「低」のケース(根尖病変なし・根管形態維持・単根管)
CASE 02 難易度「中」のケース(根尖病変あり・根管形態破壊の可能性あり・単根管)
CASE 03 難易度「高」のケース(根尖病変あり・見逃し根管・外科処置)
困りごと 02 再治療を非外科で行うべきか外科で行うべきか専門医へ紹介するべきか迷う
困りごと解決のポイント1 治療法選択の要件を知る
1)非外科的再治療を選択する場合
2)外科的再治療を選択する場合
3)抜歯を選択する場合
4)経過観察を選択する場合
5)歯内療法専門医へ紹介する場合
困りごと解決のポイント2 治療法選択に影響する術者側の要素を把握する
1)術者の知識と技術
2)治療環境
3)十分な診療時間
困りごと 03 再治療を保険で行うか自費で行うか迷っている
困りごと解決のポイント1 再治療に対しての医院のスタンスを決める
1)適正な歯内療法を自由診療で行う
2)保険診療にて適正な歯内療法を行う
3)自院で歯内療法を行わず歯内療法専門医に紹介する
4)歯内療法以外の治療(抜歯・経過観察)を行う
索引
CHAPTER 1 再根管治療開始前に遭遇する困りごと
困りごと 01 不快症状の原因歯が特定できない
困りごと解決のポイント1 問診で診断に役立つ情報をできるだけ入手する
困りごと解決のポイント2 適切に検査を行う
1)検査項目
2)検査時のポイント
困りごと解決のポイント3 治療介入の前に確実な診断をつける
困りごと解決のポイント4 検査や診断でよく遭遇する困りごとの解決方法を知っておく
1)解剖学的な問題から画像の読影が困難
2)検査時に症状の再現ができない
困りごと 02 痛みの原因が歯にあるのかわからない
困りごと解決のポイント1 非歯原性歯痛との鑑別
1)非歯原性歯痛の分類
2)歯原性歯痛か非歯原性歯痛か,診断に迷った時に考慮すべきこと
困りごと解決のポイント2 副鼻腔症状がある場合の対処法
1)MSEOの検査・診断のポイント
2)MSEOの治療
困りごと 03 残存歯質が少なくラバーダム防湿が難しそう
困りごと解決のポイント1 ラバーダム防湿がなぜ必要かを考える
困りごと解決のポイント2 残存歯質が少ない歯にラバーダム防湿を行う工夫
1)暫間冠の合着
2)隔壁の作製
3)事前に歯冠長延長術や矯正的挺出を行う
4)残存歯質の少ない歯はレストラビリティを考慮して保存の可否を検討する
困りごと 04 再根管治療時に既存のクラウンを外す? 外さない?
困りごと解決のポイント1 クラウンを外さない場合のメリットとデメリットを考える
CHAPTER 2 再根管治療時に遭遇する困りごと
困りごと 01 ポストコアがスムーズに除去できない
困りごと解決のポイント1 ポストコア除去の難易度に影響する要因を把握する
1)ポストコアの材料
2)使用されている接着材
3)ポストの長さ
4)ポストのテーパー
5)ポストの太さ
困りごと解決のポイント2 安全で効率的なポストコア除去法を習得する
1)メタルポストコアの除去
2)スクリューポストの除去
3)ファイバーポスト・レジンコアの除去
4)ポスト除去時の偶発症
困りごと解決のポイント3 ポストコア除去に伴うリスクを考慮して治療法を決定する
困りごと 02 根管充填材が除去できない
困りごと解決のポイント1 材料や条件による除去の難易度を把握し,安全策をとる
困りごと解決のポイント2 充填材に合わせた除去法を習得する
1)シーラー,GPの除去法
2)MTAセメント,レジン系やグラスアイオノマー系の糊材の除去法
困りごと 03 レッジがあってオリジナルの根管に穿通できない
困りごと解決のポイント1 レッジが形成される原因とレッジを確認する方法を知る
1)レッジが形成される原因
2)レッジを確認する方法
困りごと解決のポイント2 レッジ修正の方法を習得する
1)オリジナル根管の探索とバイパス形成
2)レッジの除去
3)オリジナル根管の拡大形成
4)根管充填
5)レッジの修正ができない場合
困りごと 04 根管内に破折器具がある
困りごと解決のポイント1 まずは患者説明をしっかりと
困りごと解決のポイント2 ファイル破折の原因を知り,予防策を講じる
1)ファイル破折の原因
2)NiTiロータリーファイルの破折予防策
困りごと解決のポイント3 ファイル除去の意思決定を適切に行う
1)根管内の汚染程度
2)破折器具除去の難易度
困りごと解決のポイント4 破折ファイルの除去方法を習得する
1)ステージングプラットフォームテクニック
[COLUMN]NiTiロータリーファイルの滅菌消毒
困りごと 05 根管に穿孔が生じてしまった
困りごと解決のポイント1 部位別に穿孔が生じる原因を知る
1)髄床底への穿孔
2)根管口部の穿孔(ストリップパーフォレーション)
3)歯根中央の穿孔
4)根尖部の穿孔(アピカルパーフォレーション)
5)吸収による穿孔
困りごと解決のポイント2 穿孔の検査を適切に行う
困りごと解決のポイント3 穿孔の治療予後に影響を及ぼす因子を知る
1)穿孔位置
2)穿孔が生じてからの経過時間
3)穿孔部のサイズ
4)穿孔部の修復材料
5)術者の技術
6)治療環境
困りごと解決のポイント4 穿孔の治療方法を習得する
1)非外科的パーフォレーションリペア
2)外科的パーフォレーションリペア
困りごと 06 石灰化根管のため穿通できない
困りごと解決のポイント1 歯髄の石灰化という現象について知る
1)象牙質の形成
2)根管系の石灰化の種類
困りごと解決のポイント2 石灰化根管の治療において適切な意思決定を行う
困りごと解決のポイント3 石灰化根管に対する治療テクニックを習得する
1)歯髄結石が存在する場合の根管口明示
2)根管閉塞の場合の根管の探索
3)根管閉塞時のネゴシエーション
4)重度の根管閉塞の場合
困りごと 07 根尖が開放している
困りごと解決のポイント1 根尖開放歯に再根管治療を行う際の注意点を知る
困りごと解決のポイント2 根管充填材の除去は注意深く行う
困りごと解決のポイント3 根尖開放歯の形成における終末位置を適切に設定する
1)根尖開放歯における作業長の設定
2)拡大号数に関する注意点
困りごと解決のポイント4 洗浄・貼薬により化学的細菌除去を十分に行う
1)根尖開放歯の洗浄
2)根尖開放歯の貼薬
困りごと解決のポイント5 根尖部を封鎖できるような根管充填を行う
1)根尖開放歯の根管充填方法
2)推奨される根管充填法・適した充填材料
困りごと 08 歯根が吸収している
困りごと解決のポイント1 歯根吸収が起こるメカニズムを理解する
困りごと解決のポイント2 歯根吸収の種類を知る
1)内部吸収
2)外部吸収
困りごと解決のポイント3 歯根吸収の検査を適切に行う
困りごと解決のポイント4 歯根吸収の治療目的を理解し,適切な手段を選択する
1)内部吸収
2)外部吸収
3)矯正歯科治療に伴う歯根吸収
4)根尖性歯周炎に伴う根尖部の歯根吸収
5)歯頸部外部吸収(侵襲性歯頸部吸収)
困りごと 09 症状の原因が根尖性歯周炎なのか歯周病なのかわからない
困りごと解決のポイント1 まず歯内-歯周病変を疑う
困りごと解決のポイント2 歯内-歯周病変の分類を知る
1)primary endodontic lesion(歯内由来の病変)
2)primary periodontal lesion(歯周由来の病変)
3)primary endodontic lesion with secondary periodontal involvement
4)primary periodontal lesion with secondary endodontic involvement
5)true combined lesion(複合型の病変)
困りごと解決のポイント3 再根管治療における歯内-歯周病変の検査のポイント
困りごと解決のポイント4 歯内-歯周病変の治療の原則を知る
困りごと解決のポイント5 治療を通して患者さんに十分な説明を行う
CHAPTER 3 再根管治療後に遭遇する困りごと
困りごと 01 治療後に暫間冠がコアごと脱離してしまった
困りごと解決のポイント1 築造体の維持に必要なフェルールを確保する
1)築造体を維持するキーポイント
2)フェルール効果
困りごと解決のポイント2 間接法・直接法による築造の特徴を知る
困りごと解決のポイント3 築造体維持のため適切にポストを設置する
1)ポストの必要性
2)ポストの長さ
3)ポストの適合性
4)ポストの配置
5)ポストスペース形成
困りごと解決のポイント4 築造時の接着の問題点を知る
困りごと解決のポイント5 根管象牙質に適した接着システムを選択する
1)エッチング(象牙質脱灰)の重要性
2)接着システムの選択
3)築造に適したレジン材料
困りごと解決のポイント6 築造時の接着阻害因子を除去する
困りごと解決のポイント7 接着を確実に行う
[COLUMN]支台築造時のラバーダム防湿
困りごと 02 治療後に痛みが出た
困りごと解決のポイント1 術後疼痛について患者にしっかり説明する
1)術後疼痛とは
困りごと解決のポイント2 鎮痛薬を投与する
1)NSAIDs
2)アセトアミノフェン
3)イブプロフェンとアセトアミノフェンの併用
4)抗菌薬
困りごと解決のポイント3 疼痛が持続する場合の対処法を知る
困りごと 03 再根管治療を行っても治癒しない
困りごと解決のポイント1 根管治療の限界を知る
1)複雑な根管形態
2)歯根破折
3)象牙細管内への細菌の侵入
4)細菌のバイオフィルム化
5)根尖孔外感染
困りごと解決のポイント2 外科的歯内療法で対応する
1)歯根端切除術
2)意図的再植術
困りごと解決のポイント3 成功率を高める臨床のポイントを押さえる
1)歯根端切除術の成功率を高める臨床のポイント
2)意図的再植術の成功率を高める臨床のポイント
CHAPTER 4 再根管治療における症例別困りごと
CASE 01 破折器具が認められる
CASE 02 破折ファイルが根尖孔外に突き抜けている
CASE 03 再根管治療中にファイルが破折してしまった
CASE 04 非外科的パーフォレーションリペア後も症状が改善しない
CASE 05 髄床底に大きな穿孔が認められる
CASE 06 前歯部の穿孔を非外科的に治療したが予後不良
CASE 07 再根管治療時に穿通できない
CASE 08 再根管治療後も瘻孔と咬合痛が改善しない
CASE 09 経過観察で歯根に外部吸収を発見
CASE 10 歯内-歯周病変の疑いがある
CASE 11 深い歯周ポケットと根尖病変が認められる
CHAPTER 5 再治療の成功率を上げる難易度の見極めと治療法の選択
困りごと 01 再治療がなかなか成功しない
困りごと解決のポイント1 再治療が難しい理由を知る
困りごと解決のポイント2 症例の難易度を見極める
1)再治療における生物学的難易度
2)再治療における環境的難易度
3)再治療における技術的難易度
CASE 01 難易度「低」のケース(根尖病変なし・根管形態維持・単根管)
CASE 02 難易度「中」のケース(根尖病変あり・根管形態破壊の可能性あり・単根管)
CASE 03 難易度「高」のケース(根尖病変あり・見逃し根管・外科処置)
困りごと 02 再治療を非外科で行うべきか外科で行うべきか専門医へ紹介するべきか迷う
困りごと解決のポイント1 治療法選択の要件を知る
1)非外科的再治療を選択する場合
2)外科的再治療を選択する場合
3)抜歯を選択する場合
4)経過観察を選択する場合
5)歯内療法専門医へ紹介する場合
困りごと解決のポイント2 治療法選択に影響する術者側の要素を把握する
1)術者の知識と技術
2)治療環境
3)十分な診療時間
困りごと 03 再治療を保険で行うか自費で行うか迷っている
困りごと解決のポイント1 再治療に対しての医院のスタンスを決める
1)適正な歯内療法を自由診療で行う
2)保険診療にて適正な歯内療法を行う
3)自院で歯内療法を行わず歯内療法専門医に紹介する
4)歯内療法以外の治療(抜歯・経過観察)を行う
索引















