第2版序文 「おかげさま」と「おたがいさま」
1999年に第1版を書き終えた時,それは1990年以来勤めた東京都リハビリテーション病院から新潟大学に異動する時でした.
1990年に開院した全国で初の都市型リハビリテーション専門病院の毎日は,驚きと発見の連続でした.3階医局のバルコニーで,夕焼けを背にした隅田川を見下ろしながら缶コーヒーを飲みほすのが一日の診療をやりきった証でした.そのセレモニーを済ませると,1階に戻って外来用の機能訓練室にあるパソコンに向かい,本書の執筆作業を始めました.
「成人障害者用の歯科の本をお願いします」との依頼を受けたのが1996年,それまで障害児対象の歯科診療の書物はありましたが,成人・高齢者における障害者対象の書物は見当たりませんでした.そこで,まずリハビリテーション病院で最も患者数の多い脳卒中から書き始めて,リウマチ,パーキンソン病,神経難病,認知症へと駒を進めていこうとの計画を立てました.
キイボードをはじけばはじくほど,次々に患者さんの顔が思い浮かび,文の量は増えるばかり,途中から方針を変えて脳卒中に絞ることにしました.出来上がったものは結果的に,都リハ病院勤務9年間の集大成になりました.果たして一つの疾患に特定したものが受け入れられるものだろうかとの不安を抱え,“脳卒中患者の口腔ケア”は世に出ていきました.
当事者の不安を余所に第1版は,マイペースで細々としながらも長く息を続けてきました.これはもちろん読者の支持があってのことに他なりません.正直申しまして自分の書いた書物を読み返すようなことはほとんどないのですが,本書は出版から16年が経過した今も,私自身,行き詰まったときに頁をめくっては心の拠り所としている大事な宝物です.
第1版出版後,2004年までの5年間を新潟大学に勤務しました.新設されたばかりの加齢歯科学講座・加齢歯科診療室に“摂食嚥下リハビリテーション外来”の立ち上げを行い,外来診療の他に医学部病院の入院診療,また院外への訪問診療を展開していきました.当時はどれも前例のないことでしたので,周囲はかなり戸惑ったと思います.医局の若者たちは,それこそ歯をくいしばって,無鉄砲な自分についてきてくれました.その若者たちは皆,現在多職種と共に地域医療の核となって活躍しており,新潟を離れて10年以上経っても毎年集まっては当時のエピソードに花を咲かせています.
2004年からは,現在の日本大学歯学部に赴任し,これも全国に例のない“摂食機能療法学講座”を立ち上げました.昼間の人口が100万人に対して夜の人口は8万人という東京の都心千代田区で,果たして摂食機能療法なるものの需要があるのか不安の船出でした.しかし,こうした不安は半年もしないうちに払拭されます.お隣の医学部付属病院からの歯科依頼が日に日に膨らみ,それに伴い外来診療,訪問診療,すなわち「入院・外来・訪問」の診療体制が組まれていきました.都心の人口密度からして,救急車で300床ある日本大学病院に搬送される患者さんは間断なく,このような方々はことごとく摂食嚥下障害でもありましたから,本分野には人手がまったく足りないという日々をおくることになります.医局の若者の奮闘ぶりには,舌を巻くばかりです.21世紀は大丈夫です.彼らは必ず楽しく美しい超高齢社会構築に,舵取りをしてくれると確信しています.
このような変遷をたどり,今回,本書改訂の運びとなりました.あらためて一頁から見返して改訂作業に入りました.しかし,これは第1版を書き始めた当初からの移り行く世情の波風に決して揺らぐことのない核たる部分を確認した作業でもありました.未だ色あせることなく,むしろ心の奥底に新鮮な輝きを放ち続けているとさえ感じるのです.
第1版を執筆し始めた頃30代半ばだった著者は,第2版を出版する今,50代半ばとなりました.行き着いた第2版の主張は,「齢に誇りをもつ」です.2025年から向こう30年間は超高齢社会のピークが持続します.老人の姿は,生き残していくわれわれに体を張って「死ぬとは生きることなり」を教訓にしていると映ります.そうした先人の教えにならい,齢を重ねる度に生きる喜びが感じられるよう,今の自分にできることを精一杯発信していこうと思います.
超高齢社会を問題にするときには,制度,保障,保険,システムなどが取り上げられます.しかし日本文化なり日本人気質が抱いてきた「おたがいさま」と「おかげさま」の原点に戻れば,完璧な制度などなくても自ずと超高齢社会の問題は萎み,穏やかで心豊かな社会が開けるものと思います.万人は必ず年をとり,されたことは,してきたことと重なり誰もが歩む人生回廊です.“おたがいさま”なことです.そんな素朴な原点に立ち戻ることが本書の目的です.
改訂作業も最初は順調だったのですが,著者の思い入れが深くなるにつれて,見直し,書き直しが重なり,結局当初の予定が大幅に伸びてしまいました.辛抱強く待ってくださった担当の松本智子様,また医歯薬出版の方々に深く感謝申し上げます.
“おかげさま”で,脳卒中患者の口腔ケア第2版を送り出すことができました.
2015年3月 植田耕一郎
第1版の序 「なぜこんなになるまで,放っておくんだ?~放去の時間」
東京下町の真ん中を流れる隅田川のほとりにリハビリテーション専門病院があります.開院以来9年間,私はこの病院の歯科に勤務していました.入院や外来で訪れる患者の7割が脳卒中です.
歯科診療室に往来する患者やその家族の方々,ときには病室や訓練室に足を運び,ときには患者宅に伺い出会ってきた人々とわれわれとの間には,悲喜こもごもの人間模様が織りなされてきました.
初めてみた脳卒中患者の口腔内は,まだ昨日のことのように目に焼き付いています.
食物がそのままの形で口腔内に貯留していたり,28本の歯の残根が増殖した歯肉に埋もれていたり,脳卒中発症以来一度も外さなかった義歯が食渣におおわれていたり….当初は,「なぜこんなになるまで放っておくんだ」「何から始めればいいんだ」と,暗中模索の毎日でした.
脳卒中患者の多くが困っているのは,脳卒中という「疾患」そのものよりも,脳卒中が残した「障害」です.発症後も患者は時を刻んでいかなくてはなりません.彼らは,自分のことなのに自分の意思が届かない,自己責任が負えない,周囲の人次第でどうにでもなってしまう,というような時間を経てきたようにみえました.
こうしたいわば「放去の時間」の中にいる患者さんに対し,「なんとかしなければ」から「なんとかいける」になったとき,脳卒中のケアにも体系立った法則があることに気付きました.
そこで,「放去の時間」を過ごした口腔をみるようになってからの9年間を「脳卒中患者の口腔ケア」という形にしてみました.
本書にはいろいろなタイプの患者さんが登場します.いままでに脳卒中患者を担当した経験のある人にとっては,何度か出会ったことのある患者さんです.これから担当していこうとする人にとっては,一度はめぐり会うだろう患者さんです.今回のこの本では,脳卒中が引き起こす障害の基礎知識から,実際の口腔ケアの行い方,さらに,いずれは在宅で過ごす患者さんのことを考え,在宅訪問して口腔ケアを行う際にまず必要とされる知識と技術を,現場での豊富な症例とエピソードをまじえ,初めての方にもわかりやすく解説してあります.臨床経験の有無にかかわらず,この一冊で脳卒中患者の口腔ケアについての考え方が整理され,対応の筋道がたつようになると思います.
昼食など満足にとれない日々の連続でしたが,一日の仕事を終えたときは,いつもからだ全体が充実感に浸っていました.それというのも今日まで私を支えてくださった歯科衛生士さんや歯科技工士さん,同僚の歯科医師の力なしには語れません.心から感謝いたします.
また,リハビリテーション医療の中で歯科がやってこれたのは医師,看護婦,各リハビリテーションスタッフ,栄養士,事務職,さらに地区の歯科医師会や医療関連施設の方々のご理解があればこそでした.
患者さんに励まされ,学んだこともしばしばでした.
私は,日々の臨床の中で,恩師やフロンティア的先人たちが築きあげてきたことを習得し,その発展型を積み重ねていくことに努めてきました.そして今度は,私が9年かけて得たものを本書で知っていただき,口腔ケアに関心のある方々にさらなる発展型を築いてもらいたいのです.
もちろん筆者も歩み続けます.
21世紀は「介護」や「ケア」に関する問題が最重要課題の一つとして扱われることでしょう.本書がそうした問題解決の一助となることを期待しています.
それでは,さっそく脳卒中患者の口腔ケアを始めましょう.
1999年8月
1999年に第1版を書き終えた時,それは1990年以来勤めた東京都リハビリテーション病院から新潟大学に異動する時でした.
1990年に開院した全国で初の都市型リハビリテーション専門病院の毎日は,驚きと発見の連続でした.3階医局のバルコニーで,夕焼けを背にした隅田川を見下ろしながら缶コーヒーを飲みほすのが一日の診療をやりきった証でした.そのセレモニーを済ませると,1階に戻って外来用の機能訓練室にあるパソコンに向かい,本書の執筆作業を始めました.
「成人障害者用の歯科の本をお願いします」との依頼を受けたのが1996年,それまで障害児対象の歯科診療の書物はありましたが,成人・高齢者における障害者対象の書物は見当たりませんでした.そこで,まずリハビリテーション病院で最も患者数の多い脳卒中から書き始めて,リウマチ,パーキンソン病,神経難病,認知症へと駒を進めていこうとの計画を立てました.
キイボードをはじけばはじくほど,次々に患者さんの顔が思い浮かび,文の量は増えるばかり,途中から方針を変えて脳卒中に絞ることにしました.出来上がったものは結果的に,都リハ病院勤務9年間の集大成になりました.果たして一つの疾患に特定したものが受け入れられるものだろうかとの不安を抱え,“脳卒中患者の口腔ケア”は世に出ていきました.
当事者の不安を余所に第1版は,マイペースで細々としながらも長く息を続けてきました.これはもちろん読者の支持があってのことに他なりません.正直申しまして自分の書いた書物を読み返すようなことはほとんどないのですが,本書は出版から16年が経過した今も,私自身,行き詰まったときに頁をめくっては心の拠り所としている大事な宝物です.
第1版出版後,2004年までの5年間を新潟大学に勤務しました.新設されたばかりの加齢歯科学講座・加齢歯科診療室に“摂食嚥下リハビリテーション外来”の立ち上げを行い,外来診療の他に医学部病院の入院診療,また院外への訪問診療を展開していきました.当時はどれも前例のないことでしたので,周囲はかなり戸惑ったと思います.医局の若者たちは,それこそ歯をくいしばって,無鉄砲な自分についてきてくれました.その若者たちは皆,現在多職種と共に地域医療の核となって活躍しており,新潟を離れて10年以上経っても毎年集まっては当時のエピソードに花を咲かせています.
2004年からは,現在の日本大学歯学部に赴任し,これも全国に例のない“摂食機能療法学講座”を立ち上げました.昼間の人口が100万人に対して夜の人口は8万人という東京の都心千代田区で,果たして摂食機能療法なるものの需要があるのか不安の船出でした.しかし,こうした不安は半年もしないうちに払拭されます.お隣の医学部付属病院からの歯科依頼が日に日に膨らみ,それに伴い外来診療,訪問診療,すなわち「入院・外来・訪問」の診療体制が組まれていきました.都心の人口密度からして,救急車で300床ある日本大学病院に搬送される患者さんは間断なく,このような方々はことごとく摂食嚥下障害でもありましたから,本分野には人手がまったく足りないという日々をおくることになります.医局の若者の奮闘ぶりには,舌を巻くばかりです.21世紀は大丈夫です.彼らは必ず楽しく美しい超高齢社会構築に,舵取りをしてくれると確信しています.
このような変遷をたどり,今回,本書改訂の運びとなりました.あらためて一頁から見返して改訂作業に入りました.しかし,これは第1版を書き始めた当初からの移り行く世情の波風に決して揺らぐことのない核たる部分を確認した作業でもありました.未だ色あせることなく,むしろ心の奥底に新鮮な輝きを放ち続けているとさえ感じるのです.
第1版を執筆し始めた頃30代半ばだった著者は,第2版を出版する今,50代半ばとなりました.行き着いた第2版の主張は,「齢に誇りをもつ」です.2025年から向こう30年間は超高齢社会のピークが持続します.老人の姿は,生き残していくわれわれに体を張って「死ぬとは生きることなり」を教訓にしていると映ります.そうした先人の教えにならい,齢を重ねる度に生きる喜びが感じられるよう,今の自分にできることを精一杯発信していこうと思います.
超高齢社会を問題にするときには,制度,保障,保険,システムなどが取り上げられます.しかし日本文化なり日本人気質が抱いてきた「おたがいさま」と「おかげさま」の原点に戻れば,完璧な制度などなくても自ずと超高齢社会の問題は萎み,穏やかで心豊かな社会が開けるものと思います.万人は必ず年をとり,されたことは,してきたことと重なり誰もが歩む人生回廊です.“おたがいさま”なことです.そんな素朴な原点に立ち戻ることが本書の目的です.
改訂作業も最初は順調だったのですが,著者の思い入れが深くなるにつれて,見直し,書き直しが重なり,結局当初の予定が大幅に伸びてしまいました.辛抱強く待ってくださった担当の松本智子様,また医歯薬出版の方々に深く感謝申し上げます.
“おかげさま”で,脳卒中患者の口腔ケア第2版を送り出すことができました.
2015年3月 植田耕一郎
第1版の序 「なぜこんなになるまで,放っておくんだ?~放去の時間」
東京下町の真ん中を流れる隅田川のほとりにリハビリテーション専門病院があります.開院以来9年間,私はこの病院の歯科に勤務していました.入院や外来で訪れる患者の7割が脳卒中です.
歯科診療室に往来する患者やその家族の方々,ときには病室や訓練室に足を運び,ときには患者宅に伺い出会ってきた人々とわれわれとの間には,悲喜こもごもの人間模様が織りなされてきました.
初めてみた脳卒中患者の口腔内は,まだ昨日のことのように目に焼き付いています.
食物がそのままの形で口腔内に貯留していたり,28本の歯の残根が増殖した歯肉に埋もれていたり,脳卒中発症以来一度も外さなかった義歯が食渣におおわれていたり….当初は,「なぜこんなになるまで放っておくんだ」「何から始めればいいんだ」と,暗中模索の毎日でした.
脳卒中患者の多くが困っているのは,脳卒中という「疾患」そのものよりも,脳卒中が残した「障害」です.発症後も患者は時を刻んでいかなくてはなりません.彼らは,自分のことなのに自分の意思が届かない,自己責任が負えない,周囲の人次第でどうにでもなってしまう,というような時間を経てきたようにみえました.
こうしたいわば「放去の時間」の中にいる患者さんに対し,「なんとかしなければ」から「なんとかいける」になったとき,脳卒中のケアにも体系立った法則があることに気付きました.
そこで,「放去の時間」を過ごした口腔をみるようになってからの9年間を「脳卒中患者の口腔ケア」という形にしてみました.
本書にはいろいろなタイプの患者さんが登場します.いままでに脳卒中患者を担当した経験のある人にとっては,何度か出会ったことのある患者さんです.これから担当していこうとする人にとっては,一度はめぐり会うだろう患者さんです.今回のこの本では,脳卒中が引き起こす障害の基礎知識から,実際の口腔ケアの行い方,さらに,いずれは在宅で過ごす患者さんのことを考え,在宅訪問して口腔ケアを行う際にまず必要とされる知識と技術を,現場での豊富な症例とエピソードをまじえ,初めての方にもわかりやすく解説してあります.臨床経験の有無にかかわらず,この一冊で脳卒中患者の口腔ケアについての考え方が整理され,対応の筋道がたつようになると思います.
昼食など満足にとれない日々の連続でしたが,一日の仕事を終えたときは,いつもからだ全体が充実感に浸っていました.それというのも今日まで私を支えてくださった歯科衛生士さんや歯科技工士さん,同僚の歯科医師の力なしには語れません.心から感謝いたします.
また,リハビリテーション医療の中で歯科がやってこれたのは医師,看護婦,各リハビリテーションスタッフ,栄養士,事務職,さらに地区の歯科医師会や医療関連施設の方々のご理解があればこそでした.
患者さんに励まされ,学んだこともしばしばでした.
私は,日々の臨床の中で,恩師やフロンティア的先人たちが築きあげてきたことを習得し,その発展型を積み重ねていくことに努めてきました.そして今度は,私が9年かけて得たものを本書で知っていただき,口腔ケアに関心のある方々にさらなる発展型を築いてもらいたいのです.
もちろん筆者も歩み続けます.
21世紀は「介護」や「ケア」に関する問題が最重要課題の一つとして扱われることでしょう.本書がそうした問題解決の一助となることを期待しています.
それでは,さっそく脳卒中患者の口腔ケアを始めましょう.
1999年8月
「おかげさま」と「おたがいさま」
「なぜこんなになるまで,放っておくんだ?」
I 編 障害をもった口腔
障害をもった口腔へのアプローチ
1 脳卒中と障害の医学
1.脳卒中と麻痺~なぜ今,脳卒中なのか
2.脳卒中発症後に右側の上下肢が麻痺してしまった!
3.障害をもった脳卒中患者は,どのように生活すればよいのでしょうか?
2 脳卒中と口腔ケア
1.口腔についてはどうでしょうか?
2.障害をもった口腔へも,4つの側面からアプローチしてみましょう
3.口腔ケアとブラッシングは同じこと!?
4.脳卒中患者の口腔ケアとは?
脳卒中の分類と発生原因
1 出血性脳血管障害
1.高血圧性脳内出血
2.クモ膜下出血
3.その他の脳出血
2 閉塞性脳血管障害
1.脳梗塞
2.一過性虚血性発作
3.可逆性虚血性神経脱落症
II 編 口腔ケアのための脳卒中の理解
運動障害
1 片麻痺
2 交代性片麻痺
3 球麻痺
4 仮性球麻痺(偽性球麻痺)
5 閉じ込め症候群
運動障害のまとめ
運動障害に対する一般的対応21
運動障害への対応法のまとめ
知覚障害
1 知覚障害を理解するために
1.上下肢,体幹からの刺激(脊髄に接続する知覚伝導路)
2.顔面領域からの刺激(脳神経核に接続する知覚伝導路)
2 脳卒中知覚障害・3つの分類プラス1
1.脳幹部に生じた病変の場合
2.視床に生じた病変の場合
知覚障害のまとめ
知覚障害に対する一般的対応
3.皮質に起きた病変の障害
4.プラス1:肩手症候群
知覚障害への対応法のまとめ
高次脳機能障害
1 失語
1.運動性失語(ブローカ失語)
2.感覚性失語(ウェルニツケ失語)
3.伝導失語
失語への対応
4.健忘失語
5.全失語
失語への対応法のまとめ
2 失認
1.視覚失認
2.触覚失認
視空間失認への対応
3.聴覚失認
4.身体失認
失認のまとめ
3 失行
1.どうして「口を閉じてください」が指示どおりできないのだろうか?観念運動性失行
2.ふたを開けたのに,歯磨剤を使わない!観念失行
失行への対応
3.毎日指導しているのに,なかなか成果が出ない
構成失行
4.着衣失行
失行のまとめ
4 われわれは,高次脳機能障害をどこまで知れば良いのか
失調
1 運動失調─うまくコップを口に運べない
1.共同運動障害
2.平衡障害
3.測定障害
失調への対応
4.振戦
5.変換運動不能
6.小脳性構音障害
失調のまとめ
意識障害
1 意識障害の分類
1.覚醒
2.傾眠
意識障害への対応
3.昏迷
4.昏睡
意識障害のまとめ
認知症
1 認知症の種類
1.血管性認知症
2.アルツハイマー型認知症
2 認知症の周辺症状
3 認知症の中核症状
口腔ケアを利用した認知症へのかかわり
認知症のまとめ
摂食嚥下障害
1 摂食嚥下の生理と病態
1.先行期
2.準備期(咀嚼期)
3.口腔期
4.咽頭期
5.食道期
摂食嚥下の生理と病態のまとめ
2 嚥下のメカニズム
1.嚥下反射が起きるメカニズム
2.随意的な嚥下運動を起こすメカニズム
まとめ
3 摂食嚥下障害が起きるメカニズム
1.球麻痺の症状
2.仮性(偽性)球麻痺の症状
3.一側性大脳病変(片麻痺)
4.交代性片麻痺
4 誤嚥性肺炎
摂食嚥下障害への対応
摂食嚥下障害のまとめ
III 編 口腔ケアの手技
機能・形態面へのアプローチ
1 口腔ケアの基礎的訓練
1.リラクセーション,マッサージ
2.口腔感覚異常の除去
3.咳嗽訓練
4.振動刺激訓練
5.顎関節可動域訓練
6.筋ストレッチ
7.咬合訓練(タッピング運動)と筋の再教育
8.筋力増強訓練
9.寒冷刺激法
10.頭部挙上訓練
11.その他の訓練と治療的アプローチ
口腔ケアにおける基礎的訓練のまとめ
2 ブラッシング
1.歯のブラッシング
2.義歯装着者のブラッシング
機能面へのアプローチのまとめ
3.舌苔の除去
能力面へのアプローチ
1 利き手交換
2 うがい
3 姿勢
4 義歯の着脱
能力面へのアプローチのまとめ
環境面へのアプローチ
1 器具の工夫と応用
1.歯ブラシ
2.歯間ブラシ
3.義歯用ブラシ
4.粘膜面用ブラシ
5.歯磨剤,含嗽剤
6.義歯の保管
7.照明,鏡,音楽
2 介助者への働きかけ
環境面へのアプローチのまとめ
心理面へのアプローチ
1 脳卒中患者の心理
1.反応的心理変化
2.器質的感情障害
2 アプローチの基本姿勢
1.本人の心理的問題とアプローチ
2.家族の心理的問題とアプローチ
心理面へのアプローチのまとめ
3.われわれの心理的問題
IV 編 在宅ケア
日常生活動作(活動)の中の在宅口腔ケア
急性期から回復期への移り変わり
1 急性期担当医からの手紙
2 回復期における評価
3 回復から維持期への薬
1.降圧薬
2.抗血液凝固薬
3.その他に投与されていることのある薬剤
4.合併症のための薬剤
まとめ
在宅口腔ケアに必要な日常生活動作(活動)の介助
運動項目
1 移乗(ベッド,椅子,車椅子)
1.起き上がり動作
2.立ち上がり動作と移乗
2 更衣
1.上半身
2.下半身
3 移動(歩符,車椅子)
1.歩行について
2.車椅子について
4 整 容
5 移乗(トイレ)
6 トイレ動作
7 排尿コントロール
8 排便コントロール
9 食事
10 移乗(浴槽)
11 清拭
認知項目
1 コミュニケーション
2 社会的交流
3 問題解決
4 記憶
5 在宅口腔ケアを開始して3カ月後の評価
在宅口腔ケアのまとめ
V 編 21世紀のケアを考える
21世紀のケアを考える
1 われわれが対象とするもの
1.高齢化(超高齢)社会とは
2.健康相の変遷
3.生活を視野にとらえるには~気がついた者がチームリーダーやコーディネーターになる~
4.サイエンスとケア~ケアを支える医療
5.完成期~進む,立ち止まる,振り返る,戻る
6.老とは
7.口腔ケアの目的
8.誰と一緒に~口腔ケアが目指すもの~
用語解説
ワンポイント
片麻痺はどうして起こるか?
交代性片麻痺はどうして起こるか?
閉じ込め症候群はどうして起こるか?
麻痺と高次脳機能障害の関係
ブラッシンクだけで解決されますか?
マッサージの手技
Spurling Test
廃用とは?
押すのは,われわれの深呼吸のリズムで行います
非麻痺側は健(康)側か?
障害児の脱感作とは意味合いが異なります
むせたときの介助方法
食前の口腔ケア
廃用症候群とは?
効果の即時性と持続性
10カウントの意義
片側噛みの理由
咀嚼誘導食
健側アプローチのもう1つの意義
訓練は何回すればよいのでしょうか?
意識する
ブラッシングは面倒くさい!?
脳卒中になると義歯ガ合わなくなる!?
舌は,全身状態を反映していることがしばしばあります
姿勢による代償
“歯ブラシ行為(整容)の自立”と“100%歯垢除去”とは違います
介護と介助
ポイントは?
爪切り?なんで私が!
バルーンカテーテルによる尿道留置法
自己導尿
膀胱洗浄
膀胱瘻
おむつの弊害
便秘のとき
「なぜこんなになるまで,放っておくんだ?」
I 編 障害をもった口腔
障害をもった口腔へのアプローチ
1 脳卒中と障害の医学
1.脳卒中と麻痺~なぜ今,脳卒中なのか
2.脳卒中発症後に右側の上下肢が麻痺してしまった!
3.障害をもった脳卒中患者は,どのように生活すればよいのでしょうか?
2 脳卒中と口腔ケア
1.口腔についてはどうでしょうか?
2.障害をもった口腔へも,4つの側面からアプローチしてみましょう
3.口腔ケアとブラッシングは同じこと!?
4.脳卒中患者の口腔ケアとは?
脳卒中の分類と発生原因
1 出血性脳血管障害
1.高血圧性脳内出血
2.クモ膜下出血
3.その他の脳出血
2 閉塞性脳血管障害
1.脳梗塞
2.一過性虚血性発作
3.可逆性虚血性神経脱落症
II 編 口腔ケアのための脳卒中の理解
運動障害
1 片麻痺
2 交代性片麻痺
3 球麻痺
4 仮性球麻痺(偽性球麻痺)
5 閉じ込め症候群
運動障害のまとめ
運動障害に対する一般的対応21
運動障害への対応法のまとめ
知覚障害
1 知覚障害を理解するために
1.上下肢,体幹からの刺激(脊髄に接続する知覚伝導路)
2.顔面領域からの刺激(脳神経核に接続する知覚伝導路)
2 脳卒中知覚障害・3つの分類プラス1
1.脳幹部に生じた病変の場合
2.視床に生じた病変の場合
知覚障害のまとめ
知覚障害に対する一般的対応
3.皮質に起きた病変の障害
4.プラス1:肩手症候群
知覚障害への対応法のまとめ
高次脳機能障害
1 失語
1.運動性失語(ブローカ失語)
2.感覚性失語(ウェルニツケ失語)
3.伝導失語
失語への対応
4.健忘失語
5.全失語
失語への対応法のまとめ
2 失認
1.視覚失認
2.触覚失認
視空間失認への対応
3.聴覚失認
4.身体失認
失認のまとめ
3 失行
1.どうして「口を閉じてください」が指示どおりできないのだろうか?観念運動性失行
2.ふたを開けたのに,歯磨剤を使わない!観念失行
失行への対応
3.毎日指導しているのに,なかなか成果が出ない
構成失行
4.着衣失行
失行のまとめ
4 われわれは,高次脳機能障害をどこまで知れば良いのか
失調
1 運動失調─うまくコップを口に運べない
1.共同運動障害
2.平衡障害
3.測定障害
失調への対応
4.振戦
5.変換運動不能
6.小脳性構音障害
失調のまとめ
意識障害
1 意識障害の分類
1.覚醒
2.傾眠
意識障害への対応
3.昏迷
4.昏睡
意識障害のまとめ
認知症
1 認知症の種類
1.血管性認知症
2.アルツハイマー型認知症
2 認知症の周辺症状
3 認知症の中核症状
口腔ケアを利用した認知症へのかかわり
認知症のまとめ
摂食嚥下障害
1 摂食嚥下の生理と病態
1.先行期
2.準備期(咀嚼期)
3.口腔期
4.咽頭期
5.食道期
摂食嚥下の生理と病態のまとめ
2 嚥下のメカニズム
1.嚥下反射が起きるメカニズム
2.随意的な嚥下運動を起こすメカニズム
まとめ
3 摂食嚥下障害が起きるメカニズム
1.球麻痺の症状
2.仮性(偽性)球麻痺の症状
3.一側性大脳病変(片麻痺)
4.交代性片麻痺
4 誤嚥性肺炎
摂食嚥下障害への対応
摂食嚥下障害のまとめ
III 編 口腔ケアの手技
機能・形態面へのアプローチ
1 口腔ケアの基礎的訓練
1.リラクセーション,マッサージ
2.口腔感覚異常の除去
3.咳嗽訓練
4.振動刺激訓練
5.顎関節可動域訓練
6.筋ストレッチ
7.咬合訓練(タッピング運動)と筋の再教育
8.筋力増強訓練
9.寒冷刺激法
10.頭部挙上訓練
11.その他の訓練と治療的アプローチ
口腔ケアにおける基礎的訓練のまとめ
2 ブラッシング
1.歯のブラッシング
2.義歯装着者のブラッシング
機能面へのアプローチのまとめ
3.舌苔の除去
能力面へのアプローチ
1 利き手交換
2 うがい
3 姿勢
4 義歯の着脱
能力面へのアプローチのまとめ
環境面へのアプローチ
1 器具の工夫と応用
1.歯ブラシ
2.歯間ブラシ
3.義歯用ブラシ
4.粘膜面用ブラシ
5.歯磨剤,含嗽剤
6.義歯の保管
7.照明,鏡,音楽
2 介助者への働きかけ
環境面へのアプローチのまとめ
心理面へのアプローチ
1 脳卒中患者の心理
1.反応的心理変化
2.器質的感情障害
2 アプローチの基本姿勢
1.本人の心理的問題とアプローチ
2.家族の心理的問題とアプローチ
心理面へのアプローチのまとめ
3.われわれの心理的問題
IV 編 在宅ケア
日常生活動作(活動)の中の在宅口腔ケア
急性期から回復期への移り変わり
1 急性期担当医からの手紙
2 回復期における評価
3 回復から維持期への薬
1.降圧薬
2.抗血液凝固薬
3.その他に投与されていることのある薬剤
4.合併症のための薬剤
まとめ
在宅口腔ケアに必要な日常生活動作(活動)の介助
運動項目
1 移乗(ベッド,椅子,車椅子)
1.起き上がり動作
2.立ち上がり動作と移乗
2 更衣
1.上半身
2.下半身
3 移動(歩符,車椅子)
1.歩行について
2.車椅子について
4 整 容
5 移乗(トイレ)
6 トイレ動作
7 排尿コントロール
8 排便コントロール
9 食事
10 移乗(浴槽)
11 清拭
認知項目
1 コミュニケーション
2 社会的交流
3 問題解決
4 記憶
5 在宅口腔ケアを開始して3カ月後の評価
在宅口腔ケアのまとめ
V 編 21世紀のケアを考える
21世紀のケアを考える
1 われわれが対象とするもの
1.高齢化(超高齢)社会とは
2.健康相の変遷
3.生活を視野にとらえるには~気がついた者がチームリーダーやコーディネーターになる~
4.サイエンスとケア~ケアを支える医療
5.完成期~進む,立ち止まる,振り返る,戻る
6.老とは
7.口腔ケアの目的
8.誰と一緒に~口腔ケアが目指すもの~
用語解説
ワンポイント
片麻痺はどうして起こるか?
交代性片麻痺はどうして起こるか?
閉じ込め症候群はどうして起こるか?
麻痺と高次脳機能障害の関係
ブラッシンクだけで解決されますか?
マッサージの手技
Spurling Test
廃用とは?
押すのは,われわれの深呼吸のリズムで行います
非麻痺側は健(康)側か?
障害児の脱感作とは意味合いが異なります
むせたときの介助方法
食前の口腔ケア
廃用症候群とは?
効果の即時性と持続性
10カウントの意義
片側噛みの理由
咀嚼誘導食
健側アプローチのもう1つの意義
訓練は何回すればよいのでしょうか?
意識する
ブラッシングは面倒くさい!?
脳卒中になると義歯ガ合わなくなる!?
舌は,全身状態を反映していることがしばしばあります
姿勢による代償
“歯ブラシ行為(整容)の自立”と“100%歯垢除去”とは違います
介護と介助
ポイントは?
爪切り?なんで私が!
バルーンカテーテルによる尿道留置法
自己導尿
膀胱洗浄
膀胱瘻
おむつの弊害
便秘のとき














