序
わが国は,少子化,超高齢化,そして人口減少という,かつてない社会変化に直面しており,地域医療構想の実現や地域包括ケアシステムの推進が喫緊の課題となっています.なかでも多職種が連携し,地域住民一人ひとりに対して適切かつ継続的な保健・医療・福祉サービスを提供する体制の構築は急務となっています.また,近年,世界各地で発生している大規模災害や新興感染症の流行は,地域における健康危機管理の重要性を社会全体に深く認識させています.このような社会的背景のもと,保健師,助産師,看護師には,地域に暮らす人びとの生活と健康を包括的に支援するとともに,健康で安心して暮らせる地域社会の構築に寄与することが強く求められています.
2022年度に改訂された厚生労働省「看護基礎教育カリキュラム」では,看護師教育課程における「地域・在宅看護論」が新設され,計6単位が割り当てられました.また,2025年に公表された文部科学省「看護学教育モデル・コア・カリキュラム(令和6年度改訂版)」では,看護学士課程の教育の質の保証として,卒業時点に学生が身に付けるべき基本的な資質・能力の一つとして,「地域社会における健康支援」(Healthcare in Society)を体系的に育成することが明確化されました.この「地域社会における健康支援」に必要な資質・能力とは,「地域社会及びケアシステムと人々の健康・暮らしの関係性を理解し,看護を展開し,地域社会の健康を支援するもの」とされています.本書は,こうした社会的背景ならびに動向を踏まえ,「地域看護学」を保健師,助産師,看護師に共通する基盤となる学問として位置づけ,学士課程における地域看護学教育を体系的に支援することを目的として編纂しました.
本書の構成は,一般社団法人日本地域看護学会の「地域看護学の卒業時到達目標と内容・方法」および一般社団法人日本看護系大学協議会の「看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーと卒業時到達目標」を基盤としています.
第1章から第5章では,地域看護学の基盤となる理論と方法を総論として展開し,第6章以降の各論では,ライフステージや健康課題別に10の領域を設定しました.各論は,「目的」「対象・場」「方法と活動例」「研究の展開」という構成で統一しています.各章に研究の節を設けたことで,研究と実践が切り離せないものであること,そして研究の成果が現在の地域看護活動に活かされていることを,読者の方々に伝えたいと考えました.
本書が地域看護学を学ぶ学生の皆さん,そして地域で活躍する看護職の方々にとって,地域に暮らす人びとの健康と生活を支えるための確かな指針となることを願っています.
2025年10月 編者一同
わが国は,少子化,超高齢化,そして人口減少という,かつてない社会変化に直面しており,地域医療構想の実現や地域包括ケアシステムの推進が喫緊の課題となっています.なかでも多職種が連携し,地域住民一人ひとりに対して適切かつ継続的な保健・医療・福祉サービスを提供する体制の構築は急務となっています.また,近年,世界各地で発生している大規模災害や新興感染症の流行は,地域における健康危機管理の重要性を社会全体に深く認識させています.このような社会的背景のもと,保健師,助産師,看護師には,地域に暮らす人びとの生活と健康を包括的に支援するとともに,健康で安心して暮らせる地域社会の構築に寄与することが強く求められています.
2022年度に改訂された厚生労働省「看護基礎教育カリキュラム」では,看護師教育課程における「地域・在宅看護論」が新設され,計6単位が割り当てられました.また,2025年に公表された文部科学省「看護学教育モデル・コア・カリキュラム(令和6年度改訂版)」では,看護学士課程の教育の質の保証として,卒業時点に学生が身に付けるべき基本的な資質・能力の一つとして,「地域社会における健康支援」(Healthcare in Society)を体系的に育成することが明確化されました.この「地域社会における健康支援」に必要な資質・能力とは,「地域社会及びケアシステムと人々の健康・暮らしの関係性を理解し,看護を展開し,地域社会の健康を支援するもの」とされています.本書は,こうした社会的背景ならびに動向を踏まえ,「地域看護学」を保健師,助産師,看護師に共通する基盤となる学問として位置づけ,学士課程における地域看護学教育を体系的に支援することを目的として編纂しました.
本書の構成は,一般社団法人日本地域看護学会の「地域看護学の卒業時到達目標と内容・方法」および一般社団法人日本看護系大学協議会の「看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーと卒業時到達目標」を基盤としています.
第1章から第5章では,地域看護学の基盤となる理論と方法を総論として展開し,第6章以降の各論では,ライフステージや健康課題別に10の領域を設定しました.各論は,「目的」「対象・場」「方法と活動例」「研究の展開」という構成で統一しています.各章に研究の節を設けたことで,研究と実践が切り離せないものであること,そして研究の成果が現在の地域看護活動に活かされていることを,読者の方々に伝えたいと考えました.
本書が地域看護学を学ぶ学生の皆さん,そして地域で活躍する看護職の方々にとって,地域に暮らす人びとの健康と生活を支えるための確かな指針となることを願っています.
2025年10月 編者一同
第1章 地域看護学の基盤
1.地域看護学の目的と特徴(荒木田美香子)
1)地域看護/地域看護学の定義
2)地域看護における倫理
3)地域看護におけるリスクマネジメント
2.地域看護・地域看護学の歴史(田髙悦子)
1)日本
2)英国
3)米国
第2章 地域に暮らす人々の生活と健康
(岩田由香・田髙悦子)
1.人々の健康と生活
1)健康と生活
2)臨床モデルと生活モデル
3)人々の生活と健康の多様性
2.人々の健康と社会
1)人々の健康における社会とコミュニティの役割
2)コミュニティ把握の枠組み
3)コミュニティを視て歩く(地区踏査)
4)コミュニティデータの比較
3.家族と健康
1)家族の定義
2)家族形態(世帯)の変化
3)家族のライフステージと健康課題
4)家族の健康が家族に与える影響
第3章 地域看護学における理論[総論]
(田中裕子・田髙悦子)
1.健康の社会的決定要因
1)健康の社会的決定要因の変遷
2)病気を生み出す社会構造:「上流」と「下流」の関係
3)人々を取り巻く健康の社会環境
4)健康の「構造的要因」と「中間要因」
5)新型コロナウイルス感染症によるパンデミックと健康の社会的決定要因
2.予防の概念と方法
1)疾病の自然史と予防
2)さまざまな予防のレベルとアプローチ
第4章 地域看護学における理論[各論]
[個人に適用できる理論]
(1)危機理論(都筑千景)
(2)計画的行動理論・社会的学習理論・社会的認知理論・自己効力感(西嶋真理子)
(3)生活モデル(安田貴恵子)
(4)Transtheoretical Mode(l汎理論的モデル)(岡本玲子)
(5)フレイル(森田久美子)
[個人・集団に適用できる理論]
(6)エンパワメント(佐藤紀子)
(7)ナッジ(五十嵐 歩)
(8)ヘルスリテラシー(中山和弘)
[集団に適用できる理論]
(9)ソーシャルキャピタル(村山洋史)
(10)ノーマライゼーション(大森純子)
(11)ハイリスクアプローチ・ポピュレーションアプローチ(横山美江・緒方靖恵)
(12)プリシード・プロシードモデル(佐藤由美・石川麻衣)
(13)ヘルスプロモーション(鳩野洋子)
第5章 地域看護の方法および技術
1.コミュニティを対象とした方法(斉藤恵美子・呉 珠響)
1)コミュニティ支援の目的
2)コミュニティ支援の方法および技術
3)コミュニティのアセスメント
4)コミュニティ支援の実践方法
5)コミュニティ支援の評価
2.個人・家族を対象とした方法(大塚敏子)
1)個人・家族支援の目的
2)個人・家族支援のプロセスの特徴と方法・技術
3)個人・家族支援のアセスメントと支援計画
4)個人・家族支援の方法
5)個人・家族支援の評価
第6章 親子のケアシステムと地域看護活動
(有本 梓)
I 目的
1.親子を対象としたケアシステムと地域看護活動の目的
1)「親子」という用語について
2)地域看護活動の目的
2.関連する法律
3.健やか親子21
II 対象・場
1.地域看護活動の対象
1)親子の定義
2)親子のケアシステムと地域看護活動の対象像
2.親子を対象としたケアシステムと地域看護活動の場
1)行政機関
2)医療機関
3)事業所(企業等)
4)福祉施設
5)学校
6)特定非営利活動法人(NPO)
III 方法と活動例
1.親子のケアシステムとは
1)ケアシステムの特徴
2.親子ケアシステムの法的基盤と母子保健対策
3.親子における地域看護活動の基盤:母子保健対策
1)公費負担医療制度と看護職の役割
2)感染症予防と事故防止の取り組み
4.家族の形成・発達・終焉のプロセスと支援
1)形成期から発展期
2)終焉
5.地域における子どもの成長と発達への支援
1)乳幼児身体発育曲線
2)発達の評価
3)発達障害児とその養育者支援に用いる指標
6.各年代における健康診断/健康診査の位置づけ
1)妊婦健康診査
2)産婦健康診査
3)乳幼児健康診査(乳幼児健診)
7.学校保健と学校における健康課題
1)学校保健の構造と活動内容
2)健康診断の種類と検査項目
3)学校における健康課題の把握と展開
IV 研究の展開
1.子育て実態調査を通じた子育て支援施策の推進
1)子育て実態調査の実施
2)子育て支援力向上事業
3)子育て世代を見守る風土づくりの推進
4)「子育て応援サポーター」の育成・支援活動の開始
5)「子育て応援マーク」の考案・区内への普及啓発
6)子育て支援施策の評価と今後の展開
第7章 成人のケアシステムと地域看護活動
(田口理恵)
I 目的
1.成人の発達課題と健康課題
1)成人期の範囲
2)成人の発達課題
3)成人の健康課題
2.成人の地域看護活動の目的
II 対象・場
1.成人のケアシステムの基盤となる施策・法律
1)国民健康づくり対策の変遷
2)成人の健康づくり・生活習慣病対策展開の場と対象
3)健康増進事業
4)特定健診・特定保健指導
2.成人のケアシステムの課題
1)医療保険者間の特定健康診査受診率の格差
2)社会経済的状況による健康格差
3)切れ目のない支援体制の構築
III 方法と活動例
1.成人の地域看護活動の方法・活動例
1)地域看護活動の基本的な取り組み
2)自治体が行う地域看護活動の例
2.成人の健診・検診の方法
1)成人の健診・検診
2)主な健診・検診の制度
3)健診・検診の実施体制
4)受診率向上に向けた取り組み
5)検査項目,検査法の選定
3.生活習慣改善に向けた保健指導・健康教育の方法
1)保健指導の方法
2)健康教育の方法
IV 研究の展開
第8章 労働者・事業者のケアシステムと地域看護活動
(中谷淳子)
I 目的
1.働く人々の健康の重要性
2.産業保健の目的と産業保健活動
3.産業保健における看護の目的,役割,機能
1)産業保健における看護の目的
4.産業保健活動の進め方と看護の役割
1)産業保健の5管理
2)労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)
5.産業保健・看護の制度とシステム
1)労働安全衛生法と関連法令
6.産業保健を担う職種・組織
1)事業場で選任すべき人材
2)安全委員会(第17条)・衛生委員会(第18条)の設置
7.産業保健に関連する社会資源
1)企業外労働衛生機関
2)都道府県産業保健総合推進センター
3)地域産業保健センター(地域窓口)
4)リワーク支援センター(地域障害者職業センター)
5)医療保険者(健康保険組合・協会けんぽ等)
II 対象・場
1.産業保健における看護の対象
1)労働と労働者
2)労働と労働以外の生活の相互作用
2.産業保健活動が行われる場:企業における産業保健の位置づけ
3.働く人の健康に関する実態
1)職業性疾病と作業関連疾患
2)労働災害発生状況
3)疾病分類別業務上疾病者数
4)脳・心臓疾患および精神障害等に関わる労災補償の支給決定件数
5)健康診断結果
4.産業保健における近年の課題
1)メンタルヘルス対策
2)過重労働対策
3)高年齢労働者への対策
4)人材の多様性
5)中小企業における産業保健活動
6)地域保健と職域保健の連携
III 方法と活動例
1.方法
2.活動例:A社の健康づくり活動
1)組織体制づくり
2)取り組むべき健康課題の特定
3)健康づくり活動の取り組み
4)本事例において功を奏したポイント
IV 研究の展開
1.産業看護研究の動向
2.研究課題
1)産業看護職の活動実態を明らかにする研究
2)産業看護職に求められる役割や実践能力に関する研究
3)労働者の特性と健康問題との関連を明らかにする研究
4)有効な実践方法を探求するための研究
第9章 高齢者のケアシステムと地域看護活動
(小野若菜子)
I 目的
1.高齢者の定義と高齢化の現状
1)高齢者の定義
2)世界の高齢化の動向
3)日本の少子高齢・人口減少社会の動向
2.高齢者の健康課題
1)高齢者の健康状態や疾病の特性
2)高齢者のいる世帯構造の変化
3)高齢者の一人暮らし
4)高齢者の社会参加,社会とのつながり
5)高齢者の介護
3.高齢者の地域看護活動の目的
II 対象・場
1.高齢者のケアシステムの基盤となる施策・法律
1)高齢者に関する国際的な提言
2)日本の地域保健に関わる主な高齢者施策
3)地域看護活動に関わるシステム
2.地域看護活動の場
1)行政の地域看護活動
2)在宅の地域看護活動
3)施設,病院・診療所の地域看護活動
III 方法と活動例
1.高齢者の地域看護活動の方法
2.活動例
IV 研究の展開
1.高齢者の健康の維持・増進,介護予防,よりよい暮らしを目指した地域看護学研究
2.高齢者のエンドオブライフに関する研究から見えること
3.死別を支える地域コミュニティに関する研究から見えること
第10章 難病・障害児者のケアシステムと地域看護活動
(小西かおる)
I 目的
1.日本の難病対策のあゆみ
1)「難病」の定義と難病者保健・福祉の理念
2)難病者の権利と法的枠組み
2.日本の障害者施策のあゆみ
1)障害児者保健/福祉の理念
2)障害者の権利と法的枠組み
II 対象・場
1.難病対策の対象とケアシステム
1)難病対策の対象
2)難病者を支えるケアシステム
2.障害者福祉施策の対象とケアシステム
1)障害福祉施策の対象
2)障害児者を支えるケアシステム
III 方法と活動例
1.ALS患者の個別支援と地域の支援体制の構築
Aさん(53歳,女性),筋萎縮性側索硬化症(ALS)
2.重症心身障害児の母の仕事復帰に伴う保育所利用の支援
Cちゃん(1歳,女児),低酸素虚血性脳症,てんかん
IV 研究の展開
1.難病・障害児者のデータベースの活用
2.難病・障害児者の地域看護学研究
第11章 入退院支援・在宅ケアシステムと地域看護活動
(永田智子)
I 目的
1.在宅ケアシステムの重要性
1)人口・世帯構造の変化と療養者のニーズ
2)疾病構造・医療提供体制の変化と在宅化
3)地域包括ケアシステムと在宅ケアの意義
4)在宅ケアシステムの重要性
2.移行期ケアとしての入退院支援
1)移行期ケアのなかの入退院支援の意義
2)退院支援の歴史・制度
3)日本における退院支援の制度
4)退院支援のプロセス
5.入院前支援
II 対象・場
1.入退院支援の対象と場
1)入退院支援の体制
2)入退院支援の対象とスクリーニング
3)入院前支援と外来での対応
2.在宅ケアシステムの対象と場
1)在宅ケアの内容と対象
2)在宅ケアが行われる場と支援体制
3)在宅ケアシステムの構築と連携
III 方法と活動例
1.保健所を中心とした入退院支援の地域内ルールの策定・運用
1)事例の背景
2)退院調整ルールの策定と運用
3)取り組みの成果と効果
2.地域住民への在宅療養の普及活動
1)在宅療養に関するハンドブックの発行
2)地域住民からの相談に応える「暮らしの保健室」
IV 研究の展開
1.退院支援の評価に関する研究
1)退院支援効果の研究
2)退院支援の実施者の能力に関する指標
2.在宅ケアシステムにおける連携に関する研究
1)連携を評価するための各種尺度
2)専門職間連携促進プログラムの評価研究
3)今後の研究への期待
第12章 メンタルヘルスのケアシステムと地域看護活動
(蔭山正子)
I 目的
1.メンタルヘルスの定義
2.メンタルヘルスの地域看護活動の目的
1)メンタルヘルスに不調があっても,その人らしく生き生きと生きられること
2)生きづらさを感じることなく,地域社会で生きられること
3)人権や権利が守られ,自己決定ができること
4)自分がしたいことを自由に選択できること
5)健康を享受できること
6)家族がその人の人生をその人らしく生きられること
3.メンタルヘルスのケアシステム
1)メンタルヘルスに関連した法体系
2)精神障害にも対応した地域包括ケアシステム
3)予防レベルとメンタルヘルスケアシステム
II 対象・場
1.地域看護活動の対象や場の捉え方
1)支援対象の枠組みと対象数
2)各ライフステージの地域看護の対象と場
2.地域看護活動の対象・場
1)病期による地域看護活動
2)疾病分類による地域看護活動
3)状態・状況別による地域看護活動
4)家族への地域看護活動
III 方法と活動例
1.一次予防の地域看護活動の活動例
1)メンタルヘルスのサポーター・ボランティア
2)リカバリーカレッジ
2.二次予防の地域看護活動の活動例
1)学校と地域の連携
2)暮らしの保健室
3.三次予防の対象と場
1)Assertive Community Treatment(ACT;アクト)
2)周産期・育児期メンタルヘルス/
3)ピアサポート
4)精神障害者家族会
5)入院者人権擁護
IV 研究の展開
1.実態把握:周産期メンタルヘルス
2.精神疾患のある親をもつ子どもの実態把握と教員向け研修プログラムの開発
3.現場の支援方法の見直し:警察官通報後の対応
4.現場の疑問から学術研究へ:受診援助時の家族支援
5.共同創造:恋愛・結婚支援
第13章 災害時のケアシステムと地域看護活動
(牛尾裕子・藤田さやか)
I 目的
1.災害における地域看護活動の目的
2.災害とは
3.災害の種類と災害サイクル
1)災害の種類
2)災害サイクル
4.災害対応に関わる法律と関係する社会資源
1)災害対策基本法と災害救助法
2)災害時の保健医療
II 対象・場
1.災害後の健康被害と要配慮者
2.地域看護活動の場および看護職の立場
1)フェーズ0~1(災害発生直後)
2)フェーズ2~3(発災から1週間~1カ月)/
3)フェーズ4(発災から約1カ月以降)
4)フェーズ5(発災から約1年以降)
III 方法と活動例
1.避難所活動事例
1)避難所の環境整備と夜間のヘルスニーズの把握
2)認知症悪化をきたした高齢夫婦への連携支援事例
3)避難所における乳幼児への支援
2.復旧復興期の地域看護活動
1)仮設住宅入居者の健康課題とその背景
2)仮設住宅入居から閉鎖までの看護活動
3)被災者への中長期的メンタルヘルス活動
IV 研究の展開
1.防災の国際的枠組みの動向
2.災害看護分野における学術研究の動向
1)学会の発足と「まちの減災ナース」育成
2)研究課題と人材育成(DNGL)
3)国際的動向と最近の議論(2024年・神戸)
第14章 感染症のケアシステムと地域看護活動
(岩本里織)
I 目的
1.地域看護活動における感染症対策の目的
2.感染症の基礎知識
3.感染症に関する法律や対策システム
1)感染症に関する法律などのシステム
2)感染症法に基づく主な対応/
3)国際的な対応の必要性とそのシステム
II 対象・場
1.保健所における感染症の対応
1)感染症発症後の対応
2)感染症健康危機対応支援チーム(IHEAT)
3)保健所における結核対応
2.市町村(市町村保健センター)における感染症への対応
1)予防接種の実施
2)感染症の予防と啓発
3)感染症発生時の対応
3.事業場(職域)における感染症への対応
4.学校等における感染症への対応
1)児童・生徒の健康状態の把握
2)学級閉鎖・学校閉鎖の実施
3)適切な衛生対策
5.訪問看護ステーションなどでの感染症への対応
1)標準予防策の実施
2)スタッフの健康管理
3)利用者と家族への教育
4)感染症対策委員会等の設置
6.介護・福祉施設などにおける感染症への対応
1)標準予防策の実施
2)スタッフや高齢者の健康管理
3)教育・研修
4)感染症対策委員会等の設置
III 方法と活動例
1.予防接種プログラムと感染症サーベイランス実施
1)予防接種プログラム
2)感染症サーベイランス
3)感染症発生動向調査週報(IDWR)による感染症情報の提供
2.地域社会における感染制御の実践―神戸モデルでの感染症の早期発見と支援の例を通して
1)感染症神戸モデルの構築の背景
2)感染症神戸モデルの内容
3.地域DOTSにおける医療機関と保健所との連携活動
1)個別患者支援計画と区分
2)DOTSの方法・実施者
3)地域DOTSにおける医療機関外来の役割
4)DOTSカンファレンス
4.グローバルヘルスと国際的視点
1)グローバルヘルスとは
2)外国人労働者と感染症
IV 研究の展開
1.ベトナム人結核患者の服薬中断要因に関する研究
1)研究の背景
2)研究の目的
3)研究の方法
4)結果の概要
5)考察
6)地域看護研究の意義
第15章 地域づくり・まちづくりと地域看護活動
(石丸美奈)
I 目的
1.地域づくり・まちづくりと地域看護
1)定義と国際的潮流
2)日本における展開
2.地域づくり・まちづくりにおける地域看護の目的
1)行政機関の保健師の従来の役割と支援の枠組み
2)行政機関以外の看護職による活動
II 対象・場
1.子ども,妊産婦,子育て中の親(保護者)
1)現代の子育ての課題と地域づくり
2)地域看護の視点:交流の場の創出
2.医療的ケア児・家族
1)医療的ケア児をめぐる状況と法整備
2)生活の継続性を支える場と支援の仕組み
3)地域における包括的支援と協働
3.障害者・難病患者
4.認知症を有する人
1)認知症の現状と法整備
2)認知症フレンドリーコミュニティと当事者参画
5.高齢者
1)高齢化の進展と健康寿命の延伸
2)通いの場
3)地域ケア会議
III 方法と活動例
1.住民主体による地域づくりの取り組み
1)地域の背景と課題
2)活動の展開
3)本事例から学ぶ,地域づくりを推進するためのポイント
2.地域コミュニティの関係性をいかした取り組み
1)地域の課題
2)活動の展開
3)本事例から学ぶ,地域での健康づくりを推進するためのポイント
3.2つの事例のまとめ
IV 研究の展開
1.アクションリサーチの例:世代間交流プログラムの開発
1)研究の背景と地域の課題
2)プログラムの評価
3)成果と今後の活動への示唆
2.ケーススタディ
1)コンパッション都市の運動
2)ケーススタディから学んだことを次の事例にいかす
Column
COVID-19が高齢者の健康に及ぼした影響
「評価基準」と「評価指標」
ケアマネジメント
保健指導と健康相談
通院者率と受療率
がん検診の種類
受療行動促進モデル
健康経営優良法人認定制度とホワイト500・ブライト500
産業保健と職域保健の違い
エンドオブライフケアの事例:学びと対話の場を創る試み
受診援助
索引
1.地域看護学の目的と特徴(荒木田美香子)
1)地域看護/地域看護学の定義
2)地域看護における倫理
3)地域看護におけるリスクマネジメント
2.地域看護・地域看護学の歴史(田髙悦子)
1)日本
2)英国
3)米国
第2章 地域に暮らす人々の生活と健康
(岩田由香・田髙悦子)
1.人々の健康と生活
1)健康と生活
2)臨床モデルと生活モデル
3)人々の生活と健康の多様性
2.人々の健康と社会
1)人々の健康における社会とコミュニティの役割
2)コミュニティ把握の枠組み
3)コミュニティを視て歩く(地区踏査)
4)コミュニティデータの比較
3.家族と健康
1)家族の定義
2)家族形態(世帯)の変化
3)家族のライフステージと健康課題
4)家族の健康が家族に与える影響
第3章 地域看護学における理論[総論]
(田中裕子・田髙悦子)
1.健康の社会的決定要因
1)健康の社会的決定要因の変遷
2)病気を生み出す社会構造:「上流」と「下流」の関係
3)人々を取り巻く健康の社会環境
4)健康の「構造的要因」と「中間要因」
5)新型コロナウイルス感染症によるパンデミックと健康の社会的決定要因
2.予防の概念と方法
1)疾病の自然史と予防
2)さまざまな予防のレベルとアプローチ
第4章 地域看護学における理論[各論]
[個人に適用できる理論]
(1)危機理論(都筑千景)
(2)計画的行動理論・社会的学習理論・社会的認知理論・自己効力感(西嶋真理子)
(3)生活モデル(安田貴恵子)
(4)Transtheoretical Mode(l汎理論的モデル)(岡本玲子)
(5)フレイル(森田久美子)
[個人・集団に適用できる理論]
(6)エンパワメント(佐藤紀子)
(7)ナッジ(五十嵐 歩)
(8)ヘルスリテラシー(中山和弘)
[集団に適用できる理論]
(9)ソーシャルキャピタル(村山洋史)
(10)ノーマライゼーション(大森純子)
(11)ハイリスクアプローチ・ポピュレーションアプローチ(横山美江・緒方靖恵)
(12)プリシード・プロシードモデル(佐藤由美・石川麻衣)
(13)ヘルスプロモーション(鳩野洋子)
第5章 地域看護の方法および技術
1.コミュニティを対象とした方法(斉藤恵美子・呉 珠響)
1)コミュニティ支援の目的
2)コミュニティ支援の方法および技術
3)コミュニティのアセスメント
4)コミュニティ支援の実践方法
5)コミュニティ支援の評価
2.個人・家族を対象とした方法(大塚敏子)
1)個人・家族支援の目的
2)個人・家族支援のプロセスの特徴と方法・技術
3)個人・家族支援のアセスメントと支援計画
4)個人・家族支援の方法
5)個人・家族支援の評価
第6章 親子のケアシステムと地域看護活動
(有本 梓)
I 目的
1.親子を対象としたケアシステムと地域看護活動の目的
1)「親子」という用語について
2)地域看護活動の目的
2.関連する法律
3.健やか親子21
II 対象・場
1.地域看護活動の対象
1)親子の定義
2)親子のケアシステムと地域看護活動の対象像
2.親子を対象としたケアシステムと地域看護活動の場
1)行政機関
2)医療機関
3)事業所(企業等)
4)福祉施設
5)学校
6)特定非営利活動法人(NPO)
III 方法と活動例
1.親子のケアシステムとは
1)ケアシステムの特徴
2.親子ケアシステムの法的基盤と母子保健対策
3.親子における地域看護活動の基盤:母子保健対策
1)公費負担医療制度と看護職の役割
2)感染症予防と事故防止の取り組み
4.家族の形成・発達・終焉のプロセスと支援
1)形成期から発展期
2)終焉
5.地域における子どもの成長と発達への支援
1)乳幼児身体発育曲線
2)発達の評価
3)発達障害児とその養育者支援に用いる指標
6.各年代における健康診断/健康診査の位置づけ
1)妊婦健康診査
2)産婦健康診査
3)乳幼児健康診査(乳幼児健診)
7.学校保健と学校における健康課題
1)学校保健の構造と活動内容
2)健康診断の種類と検査項目
3)学校における健康課題の把握と展開
IV 研究の展開
1.子育て実態調査を通じた子育て支援施策の推進
1)子育て実態調査の実施
2)子育て支援力向上事業
3)子育て世代を見守る風土づくりの推進
4)「子育て応援サポーター」の育成・支援活動の開始
5)「子育て応援マーク」の考案・区内への普及啓発
6)子育て支援施策の評価と今後の展開
第7章 成人のケアシステムと地域看護活動
(田口理恵)
I 目的
1.成人の発達課題と健康課題
1)成人期の範囲
2)成人の発達課題
3)成人の健康課題
2.成人の地域看護活動の目的
II 対象・場
1.成人のケアシステムの基盤となる施策・法律
1)国民健康づくり対策の変遷
2)成人の健康づくり・生活習慣病対策展開の場と対象
3)健康増進事業
4)特定健診・特定保健指導
2.成人のケアシステムの課題
1)医療保険者間の特定健康診査受診率の格差
2)社会経済的状況による健康格差
3)切れ目のない支援体制の構築
III 方法と活動例
1.成人の地域看護活動の方法・活動例
1)地域看護活動の基本的な取り組み
2)自治体が行う地域看護活動の例
2.成人の健診・検診の方法
1)成人の健診・検診
2)主な健診・検診の制度
3)健診・検診の実施体制
4)受診率向上に向けた取り組み
5)検査項目,検査法の選定
3.生活習慣改善に向けた保健指導・健康教育の方法
1)保健指導の方法
2)健康教育の方法
IV 研究の展開
第8章 労働者・事業者のケアシステムと地域看護活動
(中谷淳子)
I 目的
1.働く人々の健康の重要性
2.産業保健の目的と産業保健活動
3.産業保健における看護の目的,役割,機能
1)産業保健における看護の目的
4.産業保健活動の進め方と看護の役割
1)産業保健の5管理
2)労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)
5.産業保健・看護の制度とシステム
1)労働安全衛生法と関連法令
6.産業保健を担う職種・組織
1)事業場で選任すべき人材
2)安全委員会(第17条)・衛生委員会(第18条)の設置
7.産業保健に関連する社会資源
1)企業外労働衛生機関
2)都道府県産業保健総合推進センター
3)地域産業保健センター(地域窓口)
4)リワーク支援センター(地域障害者職業センター)
5)医療保険者(健康保険組合・協会けんぽ等)
II 対象・場
1.産業保健における看護の対象
1)労働と労働者
2)労働と労働以外の生活の相互作用
2.産業保健活動が行われる場:企業における産業保健の位置づけ
3.働く人の健康に関する実態
1)職業性疾病と作業関連疾患
2)労働災害発生状況
3)疾病分類別業務上疾病者数
4)脳・心臓疾患および精神障害等に関わる労災補償の支給決定件数
5)健康診断結果
4.産業保健における近年の課題
1)メンタルヘルス対策
2)過重労働対策
3)高年齢労働者への対策
4)人材の多様性
5)中小企業における産業保健活動
6)地域保健と職域保健の連携
III 方法と活動例
1.方法
2.活動例:A社の健康づくり活動
1)組織体制づくり
2)取り組むべき健康課題の特定
3)健康づくり活動の取り組み
4)本事例において功を奏したポイント
IV 研究の展開
1.産業看護研究の動向
2.研究課題
1)産業看護職の活動実態を明らかにする研究
2)産業看護職に求められる役割や実践能力に関する研究
3)労働者の特性と健康問題との関連を明らかにする研究
4)有効な実践方法を探求するための研究
第9章 高齢者のケアシステムと地域看護活動
(小野若菜子)
I 目的
1.高齢者の定義と高齢化の現状
1)高齢者の定義
2)世界の高齢化の動向
3)日本の少子高齢・人口減少社会の動向
2.高齢者の健康課題
1)高齢者の健康状態や疾病の特性
2)高齢者のいる世帯構造の変化
3)高齢者の一人暮らし
4)高齢者の社会参加,社会とのつながり
5)高齢者の介護
3.高齢者の地域看護活動の目的
II 対象・場
1.高齢者のケアシステムの基盤となる施策・法律
1)高齢者に関する国際的な提言
2)日本の地域保健に関わる主な高齢者施策
3)地域看護活動に関わるシステム
2.地域看護活動の場
1)行政の地域看護活動
2)在宅の地域看護活動
3)施設,病院・診療所の地域看護活動
III 方法と活動例
1.高齢者の地域看護活動の方法
2.活動例
IV 研究の展開
1.高齢者の健康の維持・増進,介護予防,よりよい暮らしを目指した地域看護学研究
2.高齢者のエンドオブライフに関する研究から見えること
3.死別を支える地域コミュニティに関する研究から見えること
第10章 難病・障害児者のケアシステムと地域看護活動
(小西かおる)
I 目的
1.日本の難病対策のあゆみ
1)「難病」の定義と難病者保健・福祉の理念
2)難病者の権利と法的枠組み
2.日本の障害者施策のあゆみ
1)障害児者保健/福祉の理念
2)障害者の権利と法的枠組み
II 対象・場
1.難病対策の対象とケアシステム
1)難病対策の対象
2)難病者を支えるケアシステム
2.障害者福祉施策の対象とケアシステム
1)障害福祉施策の対象
2)障害児者を支えるケアシステム
III 方法と活動例
1.ALS患者の個別支援と地域の支援体制の構築
Aさん(53歳,女性),筋萎縮性側索硬化症(ALS)
2.重症心身障害児の母の仕事復帰に伴う保育所利用の支援
Cちゃん(1歳,女児),低酸素虚血性脳症,てんかん
IV 研究の展開
1.難病・障害児者のデータベースの活用
2.難病・障害児者の地域看護学研究
第11章 入退院支援・在宅ケアシステムと地域看護活動
(永田智子)
I 目的
1.在宅ケアシステムの重要性
1)人口・世帯構造の変化と療養者のニーズ
2)疾病構造・医療提供体制の変化と在宅化
3)地域包括ケアシステムと在宅ケアの意義
4)在宅ケアシステムの重要性
2.移行期ケアとしての入退院支援
1)移行期ケアのなかの入退院支援の意義
2)退院支援の歴史・制度
3)日本における退院支援の制度
4)退院支援のプロセス
5.入院前支援
II 対象・場
1.入退院支援の対象と場
1)入退院支援の体制
2)入退院支援の対象とスクリーニング
3)入院前支援と外来での対応
2.在宅ケアシステムの対象と場
1)在宅ケアの内容と対象
2)在宅ケアが行われる場と支援体制
3)在宅ケアシステムの構築と連携
III 方法と活動例
1.保健所を中心とした入退院支援の地域内ルールの策定・運用
1)事例の背景
2)退院調整ルールの策定と運用
3)取り組みの成果と効果
2.地域住民への在宅療養の普及活動
1)在宅療養に関するハンドブックの発行
2)地域住民からの相談に応える「暮らしの保健室」
IV 研究の展開
1.退院支援の評価に関する研究
1)退院支援効果の研究
2)退院支援の実施者の能力に関する指標
2.在宅ケアシステムにおける連携に関する研究
1)連携を評価するための各種尺度
2)専門職間連携促進プログラムの評価研究
3)今後の研究への期待
第12章 メンタルヘルスのケアシステムと地域看護活動
(蔭山正子)
I 目的
1.メンタルヘルスの定義
2.メンタルヘルスの地域看護活動の目的
1)メンタルヘルスに不調があっても,その人らしく生き生きと生きられること
2)生きづらさを感じることなく,地域社会で生きられること
3)人権や権利が守られ,自己決定ができること
4)自分がしたいことを自由に選択できること
5)健康を享受できること
6)家族がその人の人生をその人らしく生きられること
3.メンタルヘルスのケアシステム
1)メンタルヘルスに関連した法体系
2)精神障害にも対応した地域包括ケアシステム
3)予防レベルとメンタルヘルスケアシステム
II 対象・場
1.地域看護活動の対象や場の捉え方
1)支援対象の枠組みと対象数
2)各ライフステージの地域看護の対象と場
2.地域看護活動の対象・場
1)病期による地域看護活動
2)疾病分類による地域看護活動
3)状態・状況別による地域看護活動
4)家族への地域看護活動
III 方法と活動例
1.一次予防の地域看護活動の活動例
1)メンタルヘルスのサポーター・ボランティア
2)リカバリーカレッジ
2.二次予防の地域看護活動の活動例
1)学校と地域の連携
2)暮らしの保健室
3.三次予防の対象と場
1)Assertive Community Treatment(ACT;アクト)
2)周産期・育児期メンタルヘルス/
3)ピアサポート
4)精神障害者家族会
5)入院者人権擁護
IV 研究の展開
1.実態把握:周産期メンタルヘルス
2.精神疾患のある親をもつ子どもの実態把握と教員向け研修プログラムの開発
3.現場の支援方法の見直し:警察官通報後の対応
4.現場の疑問から学術研究へ:受診援助時の家族支援
5.共同創造:恋愛・結婚支援
第13章 災害時のケアシステムと地域看護活動
(牛尾裕子・藤田さやか)
I 目的
1.災害における地域看護活動の目的
2.災害とは
3.災害の種類と災害サイクル
1)災害の種類
2)災害サイクル
4.災害対応に関わる法律と関係する社会資源
1)災害対策基本法と災害救助法
2)災害時の保健医療
II 対象・場
1.災害後の健康被害と要配慮者
2.地域看護活動の場および看護職の立場
1)フェーズ0~1(災害発生直後)
2)フェーズ2~3(発災から1週間~1カ月)/
3)フェーズ4(発災から約1カ月以降)
4)フェーズ5(発災から約1年以降)
III 方法と活動例
1.避難所活動事例
1)避難所の環境整備と夜間のヘルスニーズの把握
2)認知症悪化をきたした高齢夫婦への連携支援事例
3)避難所における乳幼児への支援
2.復旧復興期の地域看護活動
1)仮設住宅入居者の健康課題とその背景
2)仮設住宅入居から閉鎖までの看護活動
3)被災者への中長期的メンタルヘルス活動
IV 研究の展開
1.防災の国際的枠組みの動向
2.災害看護分野における学術研究の動向
1)学会の発足と「まちの減災ナース」育成
2)研究課題と人材育成(DNGL)
3)国際的動向と最近の議論(2024年・神戸)
第14章 感染症のケアシステムと地域看護活動
(岩本里織)
I 目的
1.地域看護活動における感染症対策の目的
2.感染症の基礎知識
3.感染症に関する法律や対策システム
1)感染症に関する法律などのシステム
2)感染症法に基づく主な対応/
3)国際的な対応の必要性とそのシステム
II 対象・場
1.保健所における感染症の対応
1)感染症発症後の対応
2)感染症健康危機対応支援チーム(IHEAT)
3)保健所における結核対応
2.市町村(市町村保健センター)における感染症への対応
1)予防接種の実施
2)感染症の予防と啓発
3)感染症発生時の対応
3.事業場(職域)における感染症への対応
4.学校等における感染症への対応
1)児童・生徒の健康状態の把握
2)学級閉鎖・学校閉鎖の実施
3)適切な衛生対策
5.訪問看護ステーションなどでの感染症への対応
1)標準予防策の実施
2)スタッフの健康管理
3)利用者と家族への教育
4)感染症対策委員会等の設置
6.介護・福祉施設などにおける感染症への対応
1)標準予防策の実施
2)スタッフや高齢者の健康管理
3)教育・研修
4)感染症対策委員会等の設置
III 方法と活動例
1.予防接種プログラムと感染症サーベイランス実施
1)予防接種プログラム
2)感染症サーベイランス
3)感染症発生動向調査週報(IDWR)による感染症情報の提供
2.地域社会における感染制御の実践―神戸モデルでの感染症の早期発見と支援の例を通して
1)感染症神戸モデルの構築の背景
2)感染症神戸モデルの内容
3.地域DOTSにおける医療機関と保健所との連携活動
1)個別患者支援計画と区分
2)DOTSの方法・実施者
3)地域DOTSにおける医療機関外来の役割
4)DOTSカンファレンス
4.グローバルヘルスと国際的視点
1)グローバルヘルスとは
2)外国人労働者と感染症
IV 研究の展開
1.ベトナム人結核患者の服薬中断要因に関する研究
1)研究の背景
2)研究の目的
3)研究の方法
4)結果の概要
5)考察
6)地域看護研究の意義
第15章 地域づくり・まちづくりと地域看護活動
(石丸美奈)
I 目的
1.地域づくり・まちづくりと地域看護
1)定義と国際的潮流
2)日本における展開
2.地域づくり・まちづくりにおける地域看護の目的
1)行政機関の保健師の従来の役割と支援の枠組み
2)行政機関以外の看護職による活動
II 対象・場
1.子ども,妊産婦,子育て中の親(保護者)
1)現代の子育ての課題と地域づくり
2)地域看護の視点:交流の場の創出
2.医療的ケア児・家族
1)医療的ケア児をめぐる状況と法整備
2)生活の継続性を支える場と支援の仕組み
3)地域における包括的支援と協働
3.障害者・難病患者
4.認知症を有する人
1)認知症の現状と法整備
2)認知症フレンドリーコミュニティと当事者参画
5.高齢者
1)高齢化の進展と健康寿命の延伸
2)通いの場
3)地域ケア会議
III 方法と活動例
1.住民主体による地域づくりの取り組み
1)地域の背景と課題
2)活動の展開
3)本事例から学ぶ,地域づくりを推進するためのポイント
2.地域コミュニティの関係性をいかした取り組み
1)地域の課題
2)活動の展開
3)本事例から学ぶ,地域での健康づくりを推進するためのポイント
3.2つの事例のまとめ
IV 研究の展開
1.アクションリサーチの例:世代間交流プログラムの開発
1)研究の背景と地域の課題
2)プログラムの評価
3)成果と今後の活動への示唆
2.ケーススタディ
1)コンパッション都市の運動
2)ケーススタディから学んだことを次の事例にいかす
Column
COVID-19が高齢者の健康に及ぼした影響
「評価基準」と「評価指標」
ケアマネジメント
保健指導と健康相談
通院者率と受療率
がん検診の種類
受療行動促進モデル
健康経営優良法人認定制度とホワイト500・ブライト500
産業保健と職域保健の違い
エンドオブライフケアの事例:学びと対話の場を創る試み
受診援助
索引















